Primal Apocalypse-プライマル アポカリプス   作:てゐと

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初めましての方は初めまして。「てゐと」と申します。最近ブロマガからハーメルンに引っ越してきました。今回から始まるのは私が昔考えた物語を全て一つにした世界のお話。皆さんの中にも所謂「黒歴史ノート」というものがあると思います。これはそんな黒歴史ノートの一つが生み出した世界。これを見て色んな事を皆さんに感じてほしいと思って書いてます。「私にもそういうのあったなぁ」「へぇ、面白い設定だな」「つまらないけど楽しそうだな」とかポジティブな感想もネガティブな感想も万人それぞれ。色んな事を感じてほしいです。それではお楽しみください


第一話 常識的な非常識?

この物語は

オリジナルストーリー

 

元々は独立した物語の集合体

 

オリジナル設定

 

オリジナルウルトラマン、およびオリジナル怪獣

 

当然のように戦闘描写

 

ギャグとシリアスの酷い混ぜ方

 

キャラによって生じる強弱

 

オリジナルロボット

 

ウルトラマンは物語の都合上初代からゼロまでしかいません

世界観は初代からゼロ(ベリアル銀河帝国まで。ウルトラマンサーガは世界観が違いすぎるので外しました)まで本来パラレルであるネオフロンティアなども時系列順に地続き。ですが“ウルトラマンダイナがいるのにティガが存在する“。“本来アニメ作品であるジョーニアスやスコットがいる“など全てが原作通りに進んだというわけではありません。例えばティガの場合。ガタノゾーアを撃破した後消滅していません。防衛チームもメンバーは違うもののほぼ全てが解散していません。なので科学特捜隊とGAYS。GUTSとスーパーGUTSが共存していたりします。早い話がウルトラファンが一度は考えた事のある全部盛りのパラレルワールドです

 

はじめましての方を思いっきりはたき落とす情報量

 

活字を見てぐっすり寝たい人推奨

 

 

この物語は限りなく現実に近いフィクションです。

 

以上の要素が大丈夫な方はこのままご覧ください。それではどうぞ( ・∀・)つ旦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは…とある少年が残した夢の跡地…。ここでは様々な物語が生まれた。ある物語は時代外れの怪盗達が現代に挑戦状を叩きつけ。またある物語は光の巨人達が地球や宇宙の平和を守るために戦う。そして…その物語達が存在する中で全ての始まりと呼ばれる物語。だがそれらも時の流れによって古き記憶として埃を被っていった。

 

 

 

…現代。突如として物語が一つになり始めた。互いの設定が融合し、一部の設定を削除するまでに物語があわさなった…これからあなたの目は、あなたの体を離れ、この不思議な物語の中へ入っていくのです…

 

 

「Primal Apocalypse-プライマル アポカリプス」

 

 

 

 

 

 

「うぅっん…」

眠い…。そう思う時は大概寝るときか起きた時だ、夢は夢のままがいい。そんなワガママが現実に誘うのかもしれない。だから後5分もしない内にうるさく鳴り響く目覚まし時計の事も忘れて布団に潜り込む。

暖かい…。もぞもぞと摩擦を起こして暖かさをさらに高める。だが…すぐに目覚まし時計が冷たく起きろと鳴る。

「うるさいなぁっ…むにゃぁ…」

ガチン!強く手を叩きつけて布団から出る。幸いエアコンが効いてるから暖かいが乾燥して喉が痛い。私はすばやくパッパと朝支度を済ませると開閉のたびにカランカランと音の鳴るドアを開ける

衣理「いってきます!」

私の名前は澪岸 衣理(みおぎし いのり)。今日から高校生になります!…とはいっても転入先の高校は昨日が入学式。かなり強引な転入だと我ながら思う。

衣理「…。よし、がんばる…!っと地図は…」

そう言いながら私は携帯電話を取り出して地図を開けようとする。だが…

衣理「あれ?調子悪いのかなー…?」

なかなか繋がらない。それどころか突如携帯電話の充電マークが点灯し始めた

 

 

ゴゴゴ…

 

 

衣理「うわっ!地震…?」

突然揺れる風景と地面。あぁ…なるほど、いつものか、とりあえず逃げなきゃ…

私はそう思うとまずはぐるりと周りを見渡す。すると真正面。といってもかなり遠くの地面からコンクリートを割いて巨大な生物…そう。「怪獣」が現れた…

 

 

怪獣データ

電線怪獣 ヴォルテ

本来は電気と金属が大好物のおとなしい怪獣だが人間の携帯電話や電波塔などがヴォルテの放つ威嚇電波を受信してしまうために都市部で暴れまわる!

 

 

衣理「うわっ…あっちって学校…!?」

怪獣が出現した場所は私が転入する学校が近くにある。かなり本末転倒な話だが学校には怪獣や宇宙人による攻撃をある程度無効化するバリアフィールドの設置が防衛軍から義務付けられており、私の通う学校も当然搭載されている。まぁ早い話が…「安全のために危険地帯に行く」という海外映画では死亡フラグ同然の事を私はやらなければならなくなった…最悪だ…

衣理「こんな日に限って…!あぁ!もう!」

とにかく走らなきゃとダッシュする私。その時、怪獣がこっちを睨んだ!

ヴォルテ「ゴアアアアッ!!!」

衣理「っ!やばっ!!」

怪獣がこっちに走ってくる!逃げようとするけど足がこんなときに限って震えて動かない…圧倒的な恐怖心に体が鉛を付けたように動けなくなる

衣理「誰か…助けてっ!!」

ヴォルテ「ゴアアアアッ!!!」

ドシン!ドシン!と地なりが響く。その時…私の真上を何かが走り通った!

衣理「えっ…!?」

それは怪獣と組み合うと強烈なパンチで怪獣を退ける!そして…そのヒーローは…ウルトラマンブレイブは振り向いて私に頷いた

衣理「あっ…ありがとー!」

お礼言うと走り出す私の後ろで戦いが始まる。ウルトラマンブレイブが電線怪獣ヴォルテを激しくパンチや蹴りで攻め立て、腹部への蹴りがその巨体をドスドスと後退させ、ダメージを与えていく!

ヴォルテ「ゴアアアアッ!!!」

だが負けじと肩の電柱から電撃を放つヴォルテ。ブレイブはそれを回避しようとするが避けきれず命中!膝を着くが素早く手からの手裏剣のような光弾がヴォルテを一瞬怯ませ、その隙にブレイブは走り、詰め寄って肩の電柱を掴む!

ブレイブ「デュッ…!シャッ!!」

なんとか電撃の発生源である肩の電柱を壊そうとするが逆に放電されて大きく痺れるブレイブ。ヴォルテはそれを見ると長いケーブルのような尻尾でブレイブにダメージを与え、そのままコンセントに酷似した手の甲で引っ掻き、蹴りでブレイブを劣勢へ追い込む!

ブレイブ「ダァッ…!」

ティウン!ティウン!。甲高い音でブレイブの胸にある青いランプが赤く点滅し始めた。ウルトラマンブレイブは地球上では約3分間しかその巨体を維持できない。もしその輝きを失った時。それは彼の死を意味するのだ…

ヴォルテ「グルル…!」

ブレイブ「シュアッ…!!」

あきらめる素振りなど無く。ブレイブは勇敢にヴォルテに戦意を向け続ける。だがこのままでは敗北してしまうことを彼もわかっていた

ブレイブ「(どうする…?何か弱点のようなものがあれば…)」

残り少ない時間ですばやく敵を再三観察する。だが…実のところウルトラマンブレイブは勇気はあるが実力が低く。地球での戦闘もこれが四度目だったりするルーキー…いや、素人ウルトラマンなのだ

ブレイブ「(…!頭の小さな電柱…。もしかしてあそこか…?)」

胸の前で腕をクロスさせ、力をタメて勢いよく真横に広げる!すると両手からカッター状の光の刃が飛び出し、ヴォルテの頭にはえている小さな電柱を切断した!これには面を食らったのか苦しむヴォルテ。実はヴォルテの頭に触角としてはえている小さな電柱は神経の塊…人間で言えば爪を二枚同時に剥がされるのと同等。形容しがたいぐらいに暴れるほどに肉体的&精神的ダメージがヴォルテを襲う!その隙をブレイブは見逃さなかった!

ブレイブ「ゼアッ!デェェアっ!!」

両足を掴むとそのまま持ち上げ、大きく回転!ジャイアントスイングで遠くへ投げつける!

ヴォルテ「ゴ…ゴアッ…!!」

満身創痍のヴォルテは少し後ろに下がるもブレイブから目を離さず威嚇を続ける…

ブレイブ「シュアッ!」

お互いに一歩も引かない。そしてブレイブは胸の前で腕をクロスさせ、左腕を回しながら前へ、右腕を斜め後ろに伸ばして光が尾を引く。そのまま右腕を大きく回転させながら前の方へ縦に、左腕を一度上に上げながら右手の後ろから十字を作って必殺技のブレニューム光線を…!

ブレイブ「グッ…アアッ…」

放てなかった…。エネルギーが底をつきかけているのか膝をついて倒れそうになるブレイブ。そう…本来、ウルトラマンが最も気にするべきタイムリミットにまだブレイブは慣れていないのだ…!そのため攻撃にも力が入りすぎ、緊張感なども相まってすぐにエネルギーも使い果たしてしまい、ウルトラマンブレイブは未だに一人で怪獣に勝利したことがない…

ブレイブ「(くっ…!後一歩なのに…!)」

???「(ブレイブ。君は良く頑張った、後は私に任せてくれ。今、再び変身できる時間になった)」

ブレイブ「(わかりました…後は…お願いします…)」

テレパシーで誰かと会話をするとブレイブはスゥーッと徐々に透明になり消えていく。それと交代するように一筋の光がヴォルテの目の前に立ちはだかった!

ヴォルテ「…!?」

それは…慈愛の勇者…ウルトラマンコスモス…!

コスモス「ハッ!」

新しい敵と見たのかヴォルテは攻撃をしようとするが体が動かずその場で倒れ込んでしまう。それを見たコスモスはヴォルテへ光線を浴びせる。敵意を消し去り、心あるもの全てとわかりあえる奇跡…フルムーンレクトを…!

ヴォルテ「ゴ…ゴアッ…?」

その光線を浴び、優しさに包まれたヴォルテは再び立ち上がる。しかしその目に敵意は無く。コスモスは続けて右掌をつきだしてコスモフォース放ち、ヴォルテの痛みと傷を治し、そのまま続けてエナジーシュートでヴォルテにエネルギーを与える…。空腹が満たされたヴォルテはコスモスの事を見ると大人しく振り替えり、地面に大穴を開けながら帰って行った…

コスモス「フウゥ…」

軽く頷くとコスモスもまた透明になって消えていく…

 

 

 

衣理「はぁっ!はぁっ!っー…これ3分間の出来事とか絶対に嘘だっ…!」

ひーひー言いながらなんとか学校へたどり着く衣理、これで休校なら嬉しかった所だが怪獣災害にもレベルがあるらしく、今回はほとんど被害が無く。死傷者もゼロとの事だ。本当に運が良い。普通なら何百人と当たり前のように死んでいく。しかもそれが一昔前だとニュースに名前が並んでいたらしい。特に戦後間もない昭和にその傾向は強かったらしく。私の亡くなったお爺ちゃんやお婆ちゃんも怪獣災害で多くの友達や知り合いを亡くしたという話を小さい頃から聞かされていた。…亡くなる直前に寿命で死ぬのが幸せだって言われたっけ…

 

 

「ほいよ、それじゃあ教室行こうか。緊張しなくても連中だって昨日出会った奴等ばっかさね、すぐ溶け込めるよ」

衣理「はい、ありがとうございます。えっと…」

崎谷「崎谷 杏菜(さきたに あんな)だ、担当は生物。言っとくがまだ21だ。飛び級して19ん時にはここに勤めてる」

軽く着こなしたスーツの上に大きく袖を捲った白衣を羽織っている。…結構ラフなのだろうか…。制服が比較的真面目っぽいデザインをしているからか校内では浮いているようにも思える

崎谷「しっかし災難だったな、初日で怪獣災害に巻き込まれるなんて、無事でよかったよ」

衣理「ウルトラマンのおかげです。来てくれなかったら私は今…」

崎谷「ま、なんにせよ遅刻は免除されるし今日は第二次怪獣災害を危惧して午前で学校終わるしいいんじゃない?学生なら嬉しいだろ?」

にししと笑う崎谷先生。まぁ…嬉しいには嬉しいかもしれない。大人になると学生の頃と時間の過ぎる早さが変わるとも言う。だからこその忠告なのかもしれない。「できるうちに好きなことをやれ」そう言われてるように感じた

 

そうこう会話をしてるうちに教室に着く。崎谷先生は「ちょっと待ってな」というと横引き式のドアを足で蹴り開けると「うるっせぇぞ!てめぇら怪獣よりうるせぇ!」と怒鳴りながらガヤガヤと騒ぐ教室に押し入り、主導権を握った

崎谷「えっーとな、ちょっといざこざがあって昨日来れなかった子だ、改めて挨拶するぞ。入ってきな!」

ビクッと背筋が伸びる。そして崎谷先生が蹴り開けた場所を通って教壇に立つ。緊張する私を他所に崎谷先生は素早く綺麗な字で黒板に私の名前を書き綴る。…先生、よく澪(みお)なんて漢字スラスラ書けますね…。

衣理「澪岸 衣理です!よろしくお願いします!」

パチパチと拍手が響く。そして調子の良い男子や女子から質問が飛んでくるが即座に崎谷先生がチョークをデコピンで飛ばして黙らせる

崎谷「てめぇらぁーっ!私は二日酔いなんだよっ!質問は一人一つまで!二つ目からは追加料金払いなっ!それと!もし、いじめなんてやったらただじゃおかないからな!わーったか!わからん奴は手ぇあげな!私の権限でオール2にすっからな!」

即座に静まる教室。先生は「よろしい。じゃあ手ぇ挙げるの早かった雉列から質問していいぞ」と言うと青い髪の女子が「はーい」と立ち上がる。…先生、あれだけの挙手があったのに誰が一番早かったかちゃんと見てたんだ…。すごいや

円(まどか)「どこから来たの?ここら辺はまだ慣れてないの?」

衣理「えっと…」

そわそわと先生に助けを求めてチラッと見るが先生はフッと笑いながら「答えてやりな、大丈夫だよ」と首を動かす。

衣理「出身は東京です。この…大阪に来たのはつい最近で…」

崎谷「理由は親の転勤に巻き込まれたそうだ、まぁ仲良くしてやってくれや。それと雉列」

円「はい?」

崎谷「質問は一人一つまでっつったろーが、追加料金、500円払いな」

円「鬼!悪魔!あれは言葉のあやってやつですよ!」

崎谷「雉列。因みに言葉のあやってなんて意味か言ってみな」

円「(?)とか(!)つけても同じ文章ってことですよね?」

崎谷「たわけ、廊下に片足で立ってろ。ただしくは着飾った言い回しのことだボケ」

円「そこまで言わなくてもっ!」

ガーンと涙目になりながら渋々廊下に行く雉列さん。…なんだか後味悪いや…

崎谷「他、廊下立ちたい奴はいるか?」

「質問じゃねぇのかよっ!!」

「んなやつぁいねーよ!!」

などの罵詈雑言が飛び交う…。なるほど、この崎谷先生はかなりの策士だ、"昨日が入学式だったのに"もうすでに生徒のペースを握っている。自分が生徒と親しみやすいようにやや横暴だがキャラを確立させてるのはすごいことだ、生徒との信頼関係を築く術を心得ているというか…とにかくすごい。

崎谷「それじゃああそこ、み…。夏目古川の隣がお前の席だ。よーし!それじゃあ雉列!戻ってこい!」

指定された席に座ると右隣にいる黒髪の子に挨拶をする。…が特に無感情なのか軽く頷かれただけだ、一方で左隣にいるのがさっき廊下に立たされた雉列さんだ

衣理「えっと…雉列さん?で合ってる…?」

円「あぁ。よろしくな、それと名字呼びは嫌いなんだ、円って呼んでくれ」

衣理「えっと…円…さん」

円「呼び捨てで良いって、かたっくるしいのも嫌いなんだよ」

衣理「円…。あっ、その、もしよかったら私のことも…」

円「なんだよ?衣理」

見透かされたのかにししと笑う。それに私も応えるようにクスっと笑う

 

ビュン!! スコーン!!

 

崎谷「そこ、朝礼はまだ終わってねぇぞ」

今度は私と円にチョークがヒット。…先生…どうやって黒板から見ても真横向いてた私達の眉間にチョーク飛ばせるんですか…?おまけにすごい痛い

崎谷「重要なお知らせの前に言っておくが、先生はPDC(ダーツの世界大会)優勝してるからな。お前らがどこ向いてても眉間に当てれる自信がある。デコに印鑑圧せる窪み作られたくなかったらメリハリをつけな、お前ら高校生はもう大人のスタートラインを嫌でも見なきゃいけねーんだしよ、今のうちにどこに出ても恥ずかしくない作法を身に付けろ、そうすりゃ生きてるうちに役に立つ。さて、重要なお知らせだが、高校生になって間もないお前らには申し訳ないんだが最近ここらで電車のドアにマフラーが挟まったり、自動車の巻き込み事故からなる二次災害。加えて今朝もだが相変わらず怪獣災害も頻発に起こっている。通学中は気を付けるように。そして誰かが事故に合いそうな要因持ちだったばあい、注意の呼び掛けも頼む。先生たちも残業代もらってる有無に関わらずボランティアでやってる。んじゃこんなもんか、それじゃあ朝礼終わり。長々とお疲れさん。」

とんとんと資料らしきものを片付けると早々と教室を出る先生。…なんだか色々すごい人だ…

 

 

衣理「えっと一時間目は…」

???「生物…」

その声は右から聞こえた。そう。夏目古川さんからだ

衣理「ありがとう。夏目古川さん」

未来(みき)「…いいえ」

無口だがいい人だ…よかった。…そういえば生物は崎谷先生の科目だ、時間は…。あれ?もう始まってる時間だ

未来「澪岸さん…。自習だよ…。」

私の考えを読んだように夏目古川さんが「自習」と書かれた黒板を指差す。…先生。いつの間に書いたんですか…

円「ねぇ、衣理、衣理」

つんつんと円が呼び掛ける。その顔は何かを企んでいるような顔だ

円「さっきさ、崎谷先生が言ってた事件、放課後に調査してみない?」

衣理「えっ…!?そ…そんなのダメだよ…だいたい事故になんて簡単に出会えるはず…」

円「違うよ、「事故」じゃなくて「事件」だよ」

衣理「どういうこと?」

円「衣理は「死鬼」って知ってる?」

聞いたことがない。私が首を横に振ると円は携帯電話の画面を見せてきた

円「この大阪には過去に鬼が住んでいたんだ。だけど遥か昔…平安時代から江戸にかけて様々な武将や武士がこの地に巣食う鬼を退治して地獄へ追放した。そんな伝説があるんだ」

衣理「それは聞いたことがあるような…たしか江戸時代が始まる直前に最後の鬼を退治したとか…」

円「うんうん。だけどそれには続きがあって、季節崩れしときが我ら「死鬼」となりて蘇りしときなりって死に際に言ったともされてるんだ、そして近年、季節がまるでずれたように崩れかけてる…。暖かい冬に豪雨の夏、もしこれが本当ならここ最近の事故はその復活した死鬼が引き起こした事件になるかもしれないんだよ」

衣理「かなりオカルトチックだね…」

ちょっと引き気味になるが妙な納得を覚える自分がいたのも事実だった。そして興味を持った自分も…

円「…実はさ、昨日。ここの入学式が遅れたんだ」

いきなり雰囲気が変わる円、その目はかなり真剣な目をしている

円「あたしの親戚がさ…別のクラスにいるんだけど…その子がさ…さっき言ってたマフラーを巻き込んで電車が誤発車した事件の被害者…。友達の落とし物を取ろうとして。…その時に私は目の前で見たんだ、他の人がなんて言おうと…」

衣理「…なにを…みたの…?」

円「…人じゃない…明らかに人間の手じゃない…そう…言うなれば…鬼のような手…。それがその子のマフラーを電車のドアに挟まるように引っ張ったのを…!」

衣理「っー…!?」

円が携帯電話の写真で見せたのは…ほんの少しだけど…写っていた…明らかに人間の手ではない手が女の子のマフラーを掴んでいた写真だった…!

円「かなりギリギリだったけど…写せた。これは自然現象でも事故でもない。その真実を知りたい。お願い、昨日、色んな人をあたってみたけどみんな信じてくれない。…当然かもしれないけど…」

私は…その円の悲しそうな目を見ると…自然と体が動いていた

衣理「…やろう」

円「え…」

衣理「その事故…いや、事件。暴いてみよう。私も情報集めてみる」

円「衣理…それ…マジで言ってくれてる…?」

衣理「もちろん!私は友達のためならいくらでも頑張れる。そう…誓ったから…」

 

 

未来「…」

 

 

それから私は休み時間や帰り道で情報収集に勤しんだ。どんな些細なことでもいい。ただ…力になりたかった、友達の力に…

円「うーん…やっぱりそう簡単には見つかんないかぁ…」

衣理「まだまだ、もしかしたらどこかで…」

キュルルルッ!!ガシャン!!

円「なっ…今のは…!?」

音のする方を見ると…薄暗い夕方の今でもわかるくらいの黒煙が吹き上がっていた

衣理「行こう!」

円「あっちょっと!」

 

 

 

衣理「っ!大丈夫ですかっ!?」

そこでは…黒のリムジンが電柱にぶつかって煙を吹いていた、今にも爆発しそうな雰囲気が一瞬足を巣組ませる

衣理「…がんばれ…!がんばれ…!がんばれっ!!」

自分を奮い立たせるとドアをガチャガチャと手当たり次第に開けようとするがどれも開かない。次の手段と散らばった電柱の欠片を手にヒビの入ったフロントガラスを割ろうと何度も何度も欠片と拳を打ち付ける!

衣理「ぐっ…!」

欠片が掌に食い込んで血が滲み出す。その痛みを圧し殺してさらに力強くフロントガラスを叩きつける!いつ爆発するかわからない焦りと恐怖心が衣理に汗をかかせる

パリィン!

衣理「割れたっ!」

かなり頑丈なフロントガラスを砕き割り、制服が破けることも厭わずにドアのロックを解除すると運転士さんを急いで外に連れ出す

円「おい!衣理っ!なんてムチャを…!」

衣理「ごめん円っ!この人お願い!」

円「あっ!おい!」

ボロボロの制服のままリムジンへ走る衣理、そして後部席のドアを開ける!案の定そこにはまだ人が一人残っていた

衣理「死なせないっ!誰も…!」

気を失っていたのは同い年くらいの少女。衣理は同じように肩を貸して急いで車から離れる!

衣理「間に合えっ!!」

渾身の力を込めて少女を庇うと車が爆発!その爆風で衣理は吹き飛ばされる!だが少女を守るために衣理は決して力を緩めなかった…!

衣理「うぐっ…!」

頭部を強く打ち、頭から血を流す衣理に円が駆け寄る。「バカ野郎!!」と怒鳴りながら涙が流れる

円「あんた!死んだらどうすんだよ!命は…あたしらも…ウルトラマンだって一つしか持ってねぇんだぞ!?もっと大切にしろよっ!!」

衣理「円…。この子…。大丈夫…?」

円「衣理…。あんたはバカ野郎だよ…なんでこんなんなっても他人の事を優先できるんだ…?」

衣理「だって…人が死んだら…その人を知ってる誰かが笑顔を…失っちゃうから…」

そう笑顔で言うと衣理は立ち上がる。円はただバカ野郎となんども衣理の胸を叩く…

???「あーぁ!面白くない!」

突然の声に衣理と円はビクッと驚く。その声は…燃え盛る車から聞こえたからだ…

???「面白くねぇぜ、せっかく俺が人間どもを成敗してたってのによ、邪魔しやがって、ガキが」

衣理「え…あ…嘘…。鬼…?」

炎の中から出てきたその姿は…まさしく鬼と呼ぶにふさわしい。頭に生えた角と和服。豪腕に腰に酒瓶。

???「てめぇだろ、俺の事をソコソコ嗅ぎ回ってた人間ってのは。ガキは帰って茶漬けでも食ってろや」

衣理「えぇ…。確かにあなたを探してた…あなたでしょ…!たくさんの命を奪ったり弄んだのは!」

螺巻鬼(ねじまき)「あなたあなたうるせぇなぁ、俺にゃあ螺巻鬼っつー名前があるんだよ。まぁいい、愚痴は地獄で聞こうかい。三途の川で待ち合わせようぜ」

円「衣理!逃げて!!」

バチバチと真っ黒い球が衣理の顔の真横を裂いていく。その後ろで爆発。つまり直撃していたなら円や助けた人たちまで巻き込んでしまう。なぜか運良く…いや、偶然に助けられた。遠くない近くで地響き。その揺れに彼女たちは助けられたのだ

衣理「ウ…ウルトラマン…ティガ…」

螺巻鬼「チッ、光の戦士かよ。邪魔しやがって…。今度は外さねぇ、ションベン漏らす前にお袋の顔でも思い出すんだな。後悔するなら時を恨めや、俺達が復活した今をな…!」

すぐ近くで戦うウルトラマンティガを他所に螺巻鬼は再びバチバチと音をたてて真っ黒い球を放とうとしていた…!衣理はぎゅうっと握り拳を作って勇気を振り絞るとせめて自分以外を巻き込むまいと距離を作るために走り出した!

衣理「諦めないっ…!最後までっ!!」

螺巻鬼「言ってろ」

球が放たれた瞬間。燃え盛る車の中から。赤い光が走る衣理を包み込んだ…!

バシュッ!!

螺巻鬼「人間ごときが、鬼に逆らいやがって…。…なにっ!?」

その攻撃は…効いていなかった…。それどころか狙い済ませた相手の姿が赤い光に包まれていた

螺巻鬼「な…なにかのまぐれか土地神が生きてやがったのか!?いや…そんなはずは…」

 

 

衣理「この光は…」

赤い光の中、衣理は不可思議な体験をしていた

???(もし…もし…聞こえますか…?)

衣理「えっ…なに…?」

???(安心して…私はあなたの味方です。今、あなたは選ばれました。右腕にある腕輪で今こそ鬼と戦う力を授かるのです…)

衣理「あなたは…」

???(今は…明かせません。いずれその時が来たならば…あなたに全てを明かしましょう…。さぁ…!早く…!あなたの大切なものを守るために…!)

衣理「すぅーっ…。これ以上…誰かを…友達を…傷つけさせるものかーーっ!!!」

大きく叫ぶと右腕のブレスレットが輝く!そしてブレスレットは正面に右腕をかかげ、左腕と合わせて十字を作る!

衣理「努力変身!!」

そしてそのまま腕を胸の前に下ろすと全身が光り、降り下げた両手、両腕、肩、胸元と順を追って足までサイバーチックなアーマーが衣理を包み込む。そして顔の前で掌を左から右に移動させると頭を防護するヘルメットが出現!目元は半透明だ。そして最後に彼女の髪型、ツインテールのようにエネルギーがヘルメットから放出!おさげを作り出し、放出したエネルギーが全身に赤い色を付けていく…!そして光が晴れ、その姿が現実のものとなる

衣理「どんな時でも諦めない!不屈の努力は赤い色!ガンバレッド!!」

螺巻鬼「な…なんだっ!?変身しやがった…!?」

衣理「わわっ!?なにこれ!?」

その姿に衣理自身も驚いている。深紅の装甲を纏いし勇者、そう…ガンバルンジャーの姿に…!

螺巻鬼「こけおどしかこの野郎!!くらいやがれっ!」

衣理「だああっ!!」

ガキィン!!

螺巻鬼「うおおおっ!!?!?」

なんと殴りかかった螺巻鬼が大きく吹き飛ばされた!一方で防御のために腕を出しただけの衣理は全くの無傷だ

衣理「こ…これなら戦えるっ!」

螺巻鬼「なめるなぁあっ!!」

怒り心頭の螺巻鬼は燃え盛る車を能力でねじ曲げ、燃える螺旋に変えて衣理に投げつける!

衣理「そんなものでっ!!」

片手で弾き飛ばすと今度は螺巻鬼を殴り飛ばす!!歯が数本抜け、顔面が歪むぐらいの衝撃に吹き飛ばされた螺巻鬼はただ唖然とするしかなかった

螺巻鬼「こんな…こんなガキごときに…!!この俺がやられるだと…」

わなわなと手が震える。恐怖心ではない。プライドを踏みにじられた感覚は…螺巻鬼にとって許しがたいものだった!

螺巻鬼「ふざけるなよ…こんなことあってたまるかよ!」

酒瓶を開け、中身をゴクゴクと一気飲みする螺巻鬼…。その姿は徐々に大きさを増していく…

螺巻鬼「調子乗ってんじゃねぇぞ…この…ガキャァっっ!!!」

その大きさは…なんと4~50m相当…。さすがにウルトラマンティガも相手取っていた炎魔戦士キリエロイドだけでなく、螺巻鬼の方にも警戒を向ける

螺巻鬼「潰してやらあっ!死ねぇっ!」

巨大化した螺巻鬼の足による踏みつけが私たち目掛けて実行される。だが寸前でそれを察知したウルトラマンティガによる飛び蹴りが炸裂!螺巻鬼は体制を崩して倒れてしまった

衣理「今のうちに避難しよう!」

円「ちょっと待って衣理、私状況飲み込めてないんだけどってなにそのパワー!?」

軽々と円たち三人を担ぎ上げると私は学校の方まで力をためて一気にジャンプした!

衣理「えちょっと高いいいっ!!?」

だが…実を言うと私は高所恐怖症だ、せいぜい屋根程度だろうと飛んだら余裕で数千メートル離れた学校近くまではるか上空を通って着いてしまった

円「つ…次は快適な空の旅をお願い…」

衣理「ど…努力するね…おえっぷ…」

二人して酔って完全にダウン。私は変身を解除してから円と共に運転士さんと女の子を背負って学校へ避難したのだった。だけど…今の私は知らない。これが…全ての始まりであることなど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

闇の一夜を越えた衣理達は助けた少女と友達になる。だがその少女へ現代の怪盗が挑戦状を叩きつけてきた!友達を助けるために衣理達は怪盗と対峙する…!そしてまたしても夜の街に光と影が交差する…

次回。Primal Apocalypse 第二話 深紅の夜桜







お疲れ様でした。これは始まりです。ですが…「本当の始まり」ではありません。では楽しく続きを書いていきます。少しでも興味を持ってもらえたなら幸いです。
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