Primal Apocalypse-プライマル アポカリプス 作:てゐと
ブレイブ「…。ではお話ししましょう。この物語のお話しを」
衣理「この…物語…?」
ブレイブ「えぇ。今から十数年前。一人の人間がこの世界を想像しました。僕たちはその世界出身です」
衣理「にわかには信じられない…。じゃあこれ全部夢なの?」
ブレイブ「いえ、現実でもあります。ですが実在するしないの曖昧な境界線にいると言えばいいでしょうか…とにかくこの世界はとても不安定な存在なんです」
衣理「なんでそんなことに…」
ブレイブ「僕たちと衣理さんの世界は元々は別の世界だからです。他の世界も混ざっているようで本来交わらない世界が一つになってしまっているんです」
衣理「どうしてそんな話を私に教えてくれるの?」
ブレイブ「…。この世界は間違ってると僕が思ったからです。そして思い出したんです。大切なものを」
衣理「大切なもの…?」
ブレイブ「シエスタさんに会ってください。そうすればあなたも…」
光に包まれて意識が戻った衣理の前からブレイブは居なくなっていた。衣理は居ても立っても居られず走り出した
衣理「この世界って…。物語って…。そして…記憶って…」
その時、携帯が着信を知らせてきた。衣理は足を止めるとその着信に応じた
衣理「円…。もしもし?」
円『衣理?どこにいるんだ?』
衣理「…。その前に、みんないる?」
円『お?おう、七人いるけど…』
衣理「今から言う場所に皆で来て、お願い」
衣理「…。これで皆を巻き込まずに行けるはず。ごめん…!」
携帯の電源を切ってまた走り出す衣理。なぜかわからないが自然と足が動いていた
衣理「なんでだろう…。この先にいる気がする…」
???「待った!」
その時、まるで瞬間移動のように目の前に三人の少女が現れた。衣理は少し身構えた
衣理「だ、誰!?」
有理香「敵じゃないさ。私は蝶宗我部 有理香。この間協力してた者だよ。君さ、あの女神様に用事があるんだろ?」
衣理「そ、そうだと言ったら…?」
有理香「私達も実はあの女神様に用があってね、もしよかったら一緒に行こうじゃないか」
燃炎「灰野 燃炎(はいの もえ)よ。よろしくね」
照麗茶「先斗 照麗茶(ぽんと てれさ)。よろしゅう」
有理香「私達はみんな超能力者でね。私がサイコキネシス。燃炎がパイロキネシス。照麗茶がテレポーテーションだ」
衣理「ど、どうも…。どうしてそんな皆さんが女神様…シエスタさんに用が…?」
有理香「どうしてだろうね?それは君も知ってるんじゃない?」
衣理「えっ…」
有理香「さあ、行こう」
葉百合「衣理…。電話も繋がらなくなってる」
散流無「充電無くなったんとちゃうやんな?」
莉愛「どうするよ?このまま待つか?」
円「もう少し待って来なかったら皆で探そう」
未来「…。衣理…」
衣理「ここら辺に感じるものがあったんですが…」
有理香「参ったな…。こんな時あいつらがいれば…」
衣理「あいつら…?」
有理香「私達の知り合いだよ。物探しに特化した超能力者がいたんだ」
衣理「居たって…。まさか…」
有理香「大丈夫。生きてると思うよ、それよかじっとしててね」
肩をポンと叩くと三人は神経を集中。すると照麗茶が目を開いて何処かに一瞬で転移した
衣理「な、なに…!?どこですか!?」
照麗茶「驚かせてしまってごめんなさいな。あたしのテレポーテーションやで」
有理香「居るんでしょ女神様。出てきなよ」
暗いその部屋の壁がひび割れ、そのひびから光が漏れて一面を包み込んだ。そして目の前に半透明から色を付けるようにあの女神、シエスタが現れた
シエスタ「有理香さんですか…。どなたかと思いましたよ…」
有理香「おやすみ中だったようだけどごめんね。こちとら緊急事態だ」
シエスタ「なんでしょうか…」
有理香「クレアと心が消えた。しかも私達以外覚えてない」
シエスタ「えっ…!?」
衣理「誰ですか…?」
燃炎「私たちの知り合いよ。クレアボイアンス(見通し)を持つクレア・マッケンジーとサイコメトリー(感情察知)を持つ名取 心(なとり こころ)。つい三日前に忽然と消えてしまったの」
シエスタ「そ、そんな…。(小声)ありえません…早すぎる…」
有理香「今なんて言った?ありえないだって?現実に起きてるんだけど」
シエスタ「い、いえ!ありえないと言ったのは…。そ、それにどうして衣理さんが…!?」
完全に目を覚ましたシエスタは目に見えて動揺していた。衣理はそんなシエスタに追い討ちするわけではないが自分の用件を口にした
衣理「私は確かめに来たんです。この世界ってなんなの?この物語って?それに私はいったいなんなの!?」
シエスタはその一件一件に驚きを隠せていなかった。少し考えた後に再び口を開く
シエスタ「わかりました…。まずは有理香さんたちと衣理さん。お二人の用件について答える前にお話しします。この世界について」
シエスタ「まず最初に。これはすべて真実です。嘘などではありません。いいですね?では…。今から十数年前。一人の人間がこの世界を想像しました。その世界には複数の物語が生まれました。そして最初に生み出されたのがはぐにっきという八人の少女たちが様々な怪事件を調査。戦国大名が残した腕輪で変身して事件を解決する物語です」
衣理「それって…!」
シエスタ「あなたたちのことです、衣理さん。そして次に作り出されたのがウルトラマン達が宇宙平和を脅かすものたちと戦うウルトラマン超光伝説(ちょうこうでんせつ)です。今現在この世界にはそのシリーズ二作目、ウルトラマン超光伝説Braveryが展開されているようです」
有理香「シリーズね…」
シエスタ「続いて凄腕スナイパーが数々の悪人を暗殺するスペードスナイパー。その続きとも言えるデッドスパーク。その次に三人の怪盗姉妹が暇潰しと鬱憤ばらしに盗みを働く真っ赤っ華三姉妹」
衣理「それって…!あの怪盗のこと!?」
有理香「スペードスナイパーってこの間一緒に君たちのサポートしてたよ。まさか手引きしたのが女神様なんてね」
シエスタ「次に季節変形物語 春夏秋冬シリーズです。死鬼と呼ばれる季節を壊す鬼を倒すために地球が生み出した生体機械ガイアーディアン。そして戦いに疲れたガイアーディアンが休眠している間、天才少年グループが作った四機のマシンが死鬼と戦うディザイアローディという物語。その間に作られたのが徳川家鈴を守るために先祖代々徳川家に仕える家臣の子孫達が奮闘する我ら徳川親衛隊シリーズです」
衣理「家鈴さんもだったんだ…」
シエスタ「まだあります。密かに研究所で実験されてきた超能力者の少女たちが解放。全うな学園生活を送るために頑張る超能力者の居るところ。有理香さんたちのことです。続いて風来坊が世界中の強者と戦う旅をするにしきのとーりシリーズ。そして私…。人の夢に眠る思い。過去や願いなどを迷える人に開示して一時の幸せへ導く物語、ゆりかごのお姫様。これらの物語が全て一つとなってしまったのがこの世界です…」
有理香「一つになるとやっぱりばつが悪かったりする…?」
シエスタ「もう少し細かく言いましょう…。まずウルトラマン超光伝説は全く別の世界線です。彼らは本来、この世界を作った人間の憧れから生まれた存在。こちらの世界には干渉せず、ですがあちらの世界では私達は一般人として暮らしているという設定です。次にはぐにっき、衣理さんたちのお話しです。これと関わりがあるのはウルトラマン超光伝説以外の全部です。ですが時系列が異なります」
衣理「時系列って…。じゃあ今の状況っておかしいってこと?」
シエスタ「ええ、…2008年、はぐにっきが始まる。その一年後、真っ赤っ華三姉妹が活動を開始する。同時期にスペードスナイパーが始まる。そしてその半年後にガイアーディアンが起動。春夏秋冬が始まり、またその一年後にディザイアローディが始まります。衣理さんたちはぐにっきのメンバーが三年生になったタイミングで徳川親衛隊シリーズが始まります。またその半年後には有理香さんたち超能力者の居るところ。卒業後ににしきのとーりシリーズが活動し、私のゆりかごのお姫様はそれら全ての物語に横入りで存在していたというのが正しい時系列です」
有理香「じゃあ今は異常って訳だ。なんせどう見ても後半年で卒業しますって雰囲気じゃない」
衣理「というか私、今年の春から高校生なんですが…」
シエスタ「それに加えてそれぞれの物語はシリーズとして関連性を持たない限りはお互いに不干渉です。本当にごく稀に一度きり関わる程度でした。所が今はこの通りです。時系列やいわゆるクロスオーバーもあったものではありません。もはや完全に一つの世界となり、一つの物語になってしまっているのです」
有理香「もしかしてクレア達が消えたのは…」
シエスタ「…」
衣理「…」
有理香「…黙るなよ女神様」
シエスタ「…クレアさんと心さん。お二人の存在…、設定が消されたからです」
有理香はそれを聞くと下を向いて舌打ちをした…
衣理「ま、待ってください!設定が消されたって…」
シエスタ「私も含めて皆さんはこの物語の登場人物です。漫画やアニメのように定められた過去や歩んでいく未来があります。お二人はそれを消されたんです…。だから覚えているのがこの世界と物語にとって特異点である私たちしかいない…」
有理香「どうすれば二人は元に戻る?あんたなら知ってんだろ?」
シエスタ「世界が元の形に戻れば可能性はあります。簡単な話ではありませんが…」
有理香「やり方は?」
シエスタ「わかりません。元々私は皆さんの世界に横入りする形で活動しています。言わば完全にイレギュラーなんです」
衣理「その…。創造した人にお願いしてみるのはどうなんですか?」
シエスタ「それは簡単な話ではありませんね…。世界が違いすぎます。そもそも世界の壁というのはおいそれ誰でも越えられるわけでもありませんし行けない世界もあります。私の横入りでも皆さんの世界限定ですからね」
有理香「面倒くさい話だね…」
シエスタ「方法があるとすれば…。一つ」
とても暗い表情で呟くシエスタ。その目線の先には衣理がいた
シエスタ「その可能性の前に、衣理さん。あなたについてご説明します。ですが正直なことを言うと私は気が進みません。有理香さんたちと違ってこれから先に起こることも含まれているかもしれないからです」
衣理「えっと…。どう言うことになるんですか?」
有理香「明日買う宝くじが外れるって知ってて買う奴はいないってことさ。未来を見聞きしてしまうってのは本来あるべき流れの摂理に反するからね」
シエスタ「衣理さん。それでもあなたは自分が何者なのか聞きたいですか…?その勇気はありますか?」
衣理「…」
飛鳥「いた?」
サーシャ「ダメデスね…。見当てりしません…」
散流無「見当たりな」
葉百合「エールブレスもダメみたいですね…」
莉愛「どーこ行ったんだが…。あ…?」
未来「エールブレスが…。光だした…」
円「もしかして衣理の場所まで案内してくれてるのか…!?行こう!みんな!」
衣理「覚悟は…。出来てます…!」
シエスタ「…。わかりました。それでは約束通り、あなたに全てを明かしましょう」
衣理「!!」
???(いずれその時が来たならば…あなたに全てを明かしましょう)
衣理「もしかして…。私が初めて変身した時の声って…!!」
シエスタ「私です。あの時は衣理さんに本来の役割を果たさせるために私という存在を知られるわけには行かなかったのです。知っててイレギュラーというのは難しい立ち位置なのですよ。…衣理さん。まず最初にお伝えすることはあなたは全ての記憶を削除されてこの世界に来ました。そうしなければ行けなかったのでしょう。なにせあなたは私以上に世界に干渉できるのですから」
衣理「えっ…」
シエスタ「実感が湧かないのも無理はありませんね。あなたは…この物語において究極の特異点。もっとも最初に作られたキャラクターでありこの世界の記憶を全て持っているデータベースでもあるのですから」
そう言うとシエスタは衣理の額に指を当てる。その時、衣理は瞳孔を開く…。頭の中に突如として様々な記憶、風景、言葉が雪崩れ込んできた
ブレイブ「僕はウルトラマンブレイブだ!!…」
有理香「私達はモルモットなんかじゃない!!…」
未来「どんな勉強でも私の退屈しのぎにはならなかった…」
隆治「動け!アースエンジェル!くそっ!…」
春姫「ここでやらなきゃもっと人が死ぬ!目の前で助け…」
氷空「どうしようも無い奴がいるって知っ…」
散流無「ウチは…!夢を叶えたいです…!」
椛「こうやって死ぬのを望んでいたのかもしれない…」
刹那「お待たせしました家鈴様…」
サーシャ「皆ががいたから、この国が好きになったのかも…」
暁「ロハで死ぬほど安い男に生まれたつもりはねぇよ…」
紅「あんたら親はいつもそうだ!あたし達子供を…」
篝「金持ちに生まれて家出なんてなかなかできることじゃねぇな…」
シエスタ「これが…不幸…」
飛鳥「友達なら守ってあげたい。そう思うことは…」
莉愛「うるっせぇよ!!今更親面すんなよ!!…」
不知火「姉さん達が目立ってくれるから私は静かに下積みができる…」
葉百合「私だってガンバルンジャーなんだから!…」
円「私達、これからもずっと友達で…」
衣理「っ!!」
最後に見えたのは白黒の景色。学校の階段。屋上。柵の向こうに横並ぶ靴。そこから見下ろした景色に赤い色…
衣理「どうして…。みんな…」
衣理「あああああっっ!!!!??!?どうして!!!??みんな…!!」
燃炎「ちょっ…!大丈夫!?」
有理香「女神様!何したんだ!?」
シエスタ「全てを明かしました。この世界に存在する物語、その本来の過去と未来の全てを」
照麗茶「キャパシティが完全にオーバーしてもうとる…。心壊れてまうで!!」
シエスタ「…」
有理香「もっとやり方があっただろ…!まだ高校生にもなったばかりなんだぞ!!」
シエスタ「では記憶を小出しにしてバラバラに開示すればどうなると思いますか…?もっと酷くなるんですよ…!!記憶に矛盾が生じてもっと酷くなる!!これが衣理さんの望んだ結果なら私はそうせざるを得ないのですよ…!」
有理香「思っていたより不器用な女神様だったんだな…!」
シエスタ「なんとでも言ってくださって結構です。それにこれは賭けでもあるんです。この世界を救うための」
有理香「どういうことだ…?」
シエスタ「衣理さんが全ての記憶を持つことでこの歪んだ世界に確変が起きるかもしれない。私はそう思ったのです」
照麗茶「女神様。ウチら心ちゃんとちゃうねん。自分だけ納得したようなこと言わんと教えてもらえへんやろか?もうあんさんだけの問題やあらへんのや」
未来「ここで光が止まってる…」
飛鳥「いや…。何か…そこにあるわ…」
六つのエールブレスが共鳴すると小さな光の穴が開いた。その穴を覗くと衣理が両ひざをついて両手で頭を押さえている光景が見えた
葉百合「衣理!」
七人の心は一つだった。お互いに手を繋いで小さな光の穴へ一斉にぶつかった!
円「衣理ぃぃぃっ!!」
シエスタ「そうですね…。では改めて言います。この世界は…近いうちに破滅します」
ガラスが割れたような破裂音と共に光をちりばめて円、未来、サーシャ、散流無、飛鳥、莉愛、そして葉百合が空間の中に転がり込んできた!四人は何事かと驚く
シエスタ「なっ…!皆さん…!?」
莉愛「いって…。なんだここ?」
円「衣理…!おい!大丈夫なの…か…?」
シエスタ「…」
自分達から目を背けようとするシエスタを見ると円は一瞬のうちに変身して殴りかかった!だが見えない壁のようなものに阻まれてシエスタには届かない
円「なにをしたんだ!!あんたは味方じゃなかったのか!?散流無の件は本当に感謝している!仕切れないほどに!だけども!」
シエスタ「待ってください!まずは話を聞いてください!」
散流無「円、まずは話聞こうや」
円「散流無…!」
散流無「落ち着きぃな、ちゃんと説明してくれるんやろ?」
シエスタ「えぇ。貴女達にとっても大切なお話ですから」
ブレイブ「衣理さん…。…っ…!?」
雲一つ無い青い空が突如真っ白になった。新品のキャンパスのような白さの中にブレイブは何かを見ていた
ブレイブ「まさか…!衣理さん達を消すつもりなのか…!?」
ブレイブが見ていた所から光が眩しく地上を照らす。白い塗料を一滴落としたように何かが地上へと音もなく落ちてきた、それは…
ブレイブ「くっ!ブレーイブ!!」
シエスタ「ということなんです…。とても呑み込める内容ではないことは承知なのですが…」
有理香「そんでもって私達はこのお話を聞きに来てたのさ。そこに居合わせたのが衣理ちゃんってわけだ」
飛鳥「そんなことが…」
莉愛「現実味がないよな…。だったらなんで私の人生をこんなんにしたのか聞きたいぐらいだ」
シエスタ「衣理さん…」
酷く衰弱してはいたがどうにか話せるぐらいにまで落ち着いた衣理。記憶の整理をしていた彼女は何かを思い出したようにシエスタに問いかけた
衣理「そ、その…。ウルトラマンブレイブってわかりますよね…?」
シエスタ「えぇ、それが…?」
衣理「そのブレイブから二つの用件を言われたんです…。一つはウルトラマンが地球から去ること、もう一つが自分の事を覚えていないのかって…」
シエスタ「…!?あ、あの、どうして地球から去るって言ったんですか…?」
衣理「確か…エンペラドラゴンが地球に来るはずだったってことだけ…」
シエスタ「…」
これまでにないくらい青ざめるシエスタ。誰が見ても動揺していることが目に見えた
シエスタ「…。合点が行きましたよ…、有理香さん。クレアさんも心さんが消えた一件と関係があります…」
有理香「本当かい!?」
シエスタ「私はとんでもない勘違いをしていました…。設定が消えたり破滅するのは世界が一つになったことによる時系列の崩壊だと思い込んでいていたんです…。でも違ったんです」
照麗茶「んー?でもさっき女神様自分で世界が一つになって破滅するからクレアと心ちゃんが設定消されたって言うたやんな?」
シエスタ「はい。それはこれからお話しすることと繋がります。この世界はおそらく時系列の矛盾を無くすためにパズルのようにピース合わせをしようとしていたんです。例えばウルトラマンが怪獣を倒すというのがウルトラマン超光伝説の元の物語だったとしましょう。しかしこの世界ではそれが何かしらの理由でできず、代わりに季節変形物語春夏秋冬シリーズのロボットたちがそれを倒すと言った形です」
未来「その理論で言うと…赤い怪盗騒ぎに私達が首を突っ込んだことも該当する…?」
シエスタ「はい。該当します。これも推測ではあるのですが最近まではそうして釣り合いが取れていたのでしょう。ですが…。もしその定められた役目が果たせなかった場合…。もしくは過度に世界同士が交わった場合、どうなると思いますか?」
円「それって…。もしかして…」
シエスタ「察しの通りです。この間のヤプールの件、あれがこの世界に一気に亀裂を入れてしまったと私は確信しました」
葉百合「散流無が本来別の物語のキャラクターであるヤプールによって超獣に埋め込まれ…ウルトラマンたちを蹴散らした…。そうなると考えられる亀裂は本来の物語に存在しないイレギュラー、あの超獣、デッドレアの誕生とそれを止めるはずだったウルトラマンたちを倒してしまったから?」
シエスタ「まさにその通りです。そして謝罪になるのですが私が皆さんを召集したのもその一因ではないかと思っています…」
飛鳥「強引に全員が役割を破棄して集まれば確かに一因かもしれないわ、でもそうしないと散流無は助けられなかったしウルトラマンたちも動けなかった、私はそっちの方が悪循環だと思うわ」
シエスタ「そう言ってもらえると自責の念が少し柔まります…。私としても賭けに近かったので…。結果として良かったとは思ってはいますが…」
燃炎「だったらいつまでも悔やんだ顔しない!どうせ人生なんて永遠の二択なんだから」
シエスタ「はい…。ここでちょっとお恥ずかしいんですが…。実は私、先ほどまで眠っていまして…。あれから他におかしなこと起こってませんか?」
有理香「おかしなこと…。私達は特に…」
サーシャ「あれから怪獣が出てきてマセンネ?」
葉百合「死鬼も出現報告がありません」
シエスタ「やはり…。確定ですね」
衣理「シエスタさん…」
シエスタ「私はこの世界が10の物語からなるものだと思ってました。理由はそれぞれ皆さんの存在を感知できたからです。ですがどうやらもう一つ、物語が隠れていたようなのです。その物語の名は…。…!?」
突如振り向いて手をかざすと町中の風景が写し出される。そこに映っていたのは…
ブレイブ「ダアッ!!」
ビルに強く背中を叩きつけられるウルトラマンブレイブは瓦礫が舞い散る白煙の向こうに佇むその存在を睨み付けている。白銀の体、威圧的なシルエットにまるで生物のような純白の翼。機械でできた天使という他無い姿がそこにはあった
有理香「な…。なんだ…あれ…?」
シエスタ「あれこそあまりの危険さに私がずっと封印されていたと思っていた存在にして11個目の物語。天心女神 零夢(てんじんめがみ れいむ)より、破械天使(はかいてんし)ゼレーヴです…」
ブレイブ「シャアッ!!」
再び構え直すブレイブ。互いの身長はそこまで変わらず、ゼレーヴが少し高いぐらいだった。そのゼレーヴはまるでゼットンのように不動でブレイブを迎え撃つ
ブレイブ「(くっ…!こうなったら…!)」
エネルギーをカラータイマーに集めると一気に全身に放出。ゼレーヴに組み合う!
ブレイブ「(ブレイブ…!ダイナマイトォォォッ!!!)」
ブレイブを中心に大爆発が起き、その衝撃はシエスタの空間までも揺れ動かす!光の粒子が集まってブレイブの形を再生させるがカラータイマーは点滅していた
ブレイブ「(衣理さん…!逃げてください…!!)」
爆煙の中には…。無傷のゼレーヴがブレイブを見下していた…
シエスタ「破械天使ゼレーヴ…。触れたものを全て消滅させる全ての物語のハイエンドにいる存在です…」
カラータイマーが激しく点滅してなお立ち上がろうとするブレイブ。ゼレーヴは手を使うことなくブレイブを立ち上がらせると…。そっとその手でブレイブに触れた…、すると予兆も無くまるで最初から存在していなかったかのようにブレイブの姿が綺麗さっぱり消え去った…
次回、定められた物語