人形指揮官   作:セレンディ

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新人訓練

「しきかーん! いえ、プロデューサー! 会いたかったですよぉーあぶりゃっ!?」

 

 突如突っ込んできたGrHK45にフロントサイドスープレックスカマしてしまった私悪くない悪くない。

 

「……あー、ごめんなさいね、私がこの指令室の指揮官。よろしくね」

「……お嬢、せめてスープレックスの体勢から戻ってから言おうよ……」

 

 HK45を離して起き上がってみると、ドン引きする残り五人の視線があった。

 第一印象、大失敗!!

 

 

 あーだこーだ、ああでもないこうでもない、と考えるのは楽しい。

 十一人所属予定になって、あれやこれやと皮算用していたからにはそれは納得していただけると思う。ただ、この、扱いにくい爆弾を抱えてしまった感覚だけは、ちょっとどうにも慣れないものがある。とはいえ。とはいえ、だ。来てしまったのであれば、それはそれで、ということで運用を考えるのも指揮官としての務めであろう。

 やることはいっぱいある。列挙してみよう。

 

1.新人も含めた、全体の練度向上。59式は本当の5Linkを目指す。

2.全員の銃器の改造と、なるべく多い人数の躯体改造状態の維持

3.装備の開発、特に外骨格。核物質が手に入るのでパワーアーマー実現が見えてきた。

4.防衛状態の強化。マシンガンタレットではなくレーザータレットなどにしたい。鉄血武器の鹵獲改造も視野に。

5.核融合発電機を地下など見つからない場所に設置。(要:大量の核物質)

6.5がそれでも無理な場合のためのチムニー開発(陽電子線照射型崩壊炉)。陽電子線は鉄血レーザーライフルの鹵獲改造で手軽に照射可能。

 

 というぐらいだろうか、ぱっと思いつくのは。

 数字が少ないほど重要度が高く、基礎の練度というか最適化が進行していないと、強力な装備を与えても使いこなせないので猫に小判状態となってしまう。というわけで、まずは過去の作戦記録を本部ライブラリから大量にパチってきたので回し読み。

 

 正直な所、各人形の性能概要なんてまるで覚えていない。ので、本部からの性能概要をちらちら見つつ、編成を考える。二部隊を編成し、タンク役の人形を改造して回避性能やら防御性能やらを引き上げるとすると。

 第一、59式をメインタンクに、PPS-43をサブタンク、Five-seveNを中衛において、後列にL85A1とガリル。改造してあるからこそできる布陣で、素早いやつとかそういうのを仕留める方向性。

 第二、AA-12をメインタンクに、シプカをサブタンクに据えて、後はグリズリー、SPP-1、CZ75の三人でフォローしまくる。AA-12を改造して、どこまで防御性能を持たせられるかが勝負だろうか。

 また、装甲目標を貫ける力が全員ないので、私が徹甲スナイパーなりプラズマなりを担ぐのは続投決定。

 USPコンパクトは誰か破損、もしくは後方支援などでいないときの交代要員&事務手伝い。

 HK45は、正直送り返したいが、私個人の感覚で送り返すわけにも行かず、あまつさえペルシカの紹介なのでそれを送り返したら絶対に角が立つ。しょうがないので受け入れて、改造して例の研究支援にガン詰め……も、考えたが、そこまで考えたところで別にHK45に罪はないことを思い出す。ので、USPコンパクトと同じく交代要員&事務手伝いでいいか。

 

 全員で作戦報告書を読み漁り、ある程度最適化具合を進行させた辺りで今日はお開き。最適化したことによる制御可能性能の上限まで躯体の整備を考えるとちと気が遠くなるが、これは改造と違って一度やれば二度は発生しない類のものなので、気合を入れる。同時に、人数が十二人になったことで、本部にキャパオーバーだぞ整備人員追加で送れ、と申請も出しておく。

 とりあえず……シプカ辺りから始めますかねっと。

 

 

「この瞬間のために、生きてるんだわぁ~!」

 

 実に特徴的なL85A1のセリフ。射撃訓練を行っているのだが、動かない的より動く的、ということで、あの赤い星が特徴的で罵声っぽいものをバラ撒きながら走り回るあの機械を再現してみたもの(もちろん罵声とレーザー発射機能と近接攻撃機能はカット)を、ペイント弾で狙わせている。59式は多少のレンジ外でも当てていっているが、他の人形はいささか射程距離限界に近くなると命中率の低下が大きくなっていた。で、時折当てて、射撃欲とでもいうのか、そういったものを充足させているのが一人いる。なんというか、59式と一緒なのか、役に立つ、あるいは実力を示すということに対して強い欲求でもあるのだろうか。のんびりしている性格に見えるようで、戦術人形らしく血の気も多いのかもしれないし、あるいは早くも個性を獲得し始めたのかもしれない。

 ところで、あのくっそ長いロングヘア、邪魔にならないのだろうか……?

 

「はい? 指揮官、どうかなさいましたか~?」

「あ、いや、なんでもない、なんでもないわ。よ、よーし、私も参加しちゃうぞぉー!」

 

 

「ねえ、指揮官」

 

 命中訓練の後、晩飯を作ってもらって食堂で食べていると、ふと、向かいの席にAA-12が座った。何やら、深刻そうな顔をしている。

 

「ん、どうしたの? 何かあったの?」

 

 ポテトのトマト炒めをつまむ手を止めて、話があるなら聞くよ、というのを態度で示す。

 

「その……私、必要……?」

「はぁ?」

 

 言ってる意味がいまいちわからず、首をかしげる。

 

「要不要でいうなら間違いなく必要だけど。全員。十二人じゃまだまだ足りないわ」

「そうじゃなくて……」

 

 だが、AA-12は首を振った。まだなにかあるのだろうか?

 

「59式の動きを見たの。みんながあんな動きができるようになるなら、弾を受け止める盾になるショットガン人形なんていらないから」

「ああ、そこ? 大丈夫……というのもなんだけど、心配はいらないわ」

 

 ポテトを一つ刺して、かじる。言外にそれは悩むに値しない杞憂であるので心配いらない、と言いたかったのだが……なんか視線が凄まじいことになっている……フォークを置こう。

 

「避けるのには限界があるのよ。もちろん、受け止める方だって限界があるけど。59式だって、ダミー何度も壊してるし、時には手足を壊したことだってあるし、ボディだけひっつかんで逃げてきたことだってあるし」

「……そうなの?」

「飽和射撃って、そういうものよ。物理的に避ける場所がなかったら、避けられないじゃない?」

「……」

 

 納得いかなさそうな顔をAA-12はしている。

 

「そうねえ……あるいは、迫撃砲みたいなのは、避けるも何もないでしょう? 59式だって、爆風を避けることはできないし、そういう時に重要になってくるのは装甲の強度。あなたの盾みたいなのね。だから、防御、回避の方向性は、特化すべきだけどみんながどちらかに偏ってもだめ。そうじゃないと、天敵になりうるタイプの敵に勝てないし、逆に往々にしてそういう天敵はもう片方のタイプにとってはカモだし。だから……もう一度言うけど、分業が必要なの。それじゃだめ?」

「……わかった」

 

 不承不承、といった感じだなあ。

 

「あと、あれよ。59式とかが動きが良くなってるように、あなたの場合はその盾をガッチガチに強化するわよ。それこそ、RPGランチャーを受け止めてかすり傷程度とかにしてあげる。楽しみにしてらっしゃい」

 

 プランはある。

 パワーアーマーはフレームを動かすためのフュージョンコアが不足しているため運用できないが、その装甲技術を転用することは十分に可能だ。もちろん、アパラチアのMr.ガッツィーみたいな徹甲弾のような攻撃を仕掛けてくることはほぼ確実にあるだろうし、接近して回り込まれても面倒だ。というわけでさらにパワーアーマーの技術を流用し、テスラコイルを盾に配置することで近づいてくる不逞の輩を焼き焦がしてやることができるだろう。なんだっけ、鉄血にめっちゃ高速で近づいてくる高破甲のやつがいたような気がする。当然詳しいことは覚えてない。

 まあ、そんな感じのことを語って聞かせて、最後に

 

「後悔はさせないわ。ついてらっしゃい」

 

 というと、AA-12は、隈の酷い顔を、ニヤリとさせて、笑った。




深層映写始まりましたね。
ガルム? ケルベロス?には、G11と同じような吹き方をしました。
書いたら出る理論が適用されたのか、HK45がこれでもかと出てきました。

さて、進行状況ですが、3-2で詰まっています。
3部隊で左中右と別れて行動せねばならないのに、使い物になるのがおよそ2部隊しかないのでどうしたものか……。
S取得を諦めて、真ん中を制圧したらダミー部隊と入れ替えて右に一時撤退して行く、とかするしかないのでしょうか、などと考えつつレベリングに勤しんでいます。
みなさんもご武運を。
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