さて、突然ですが皆さんは課金をいい文明だと思いますか?
いざ課金しようとすると通信エラーが起こって課金されていないことに。そして次の日に運営さんが頑張ってくれたおかげでガチャを回せても、結果はなんと選べる星四で課金して選んだつぐみちゃんがやってきた。それも全く同じのが最後の最後でまたやってきました。
ミッシェルシールにくべて星三以上確定ガチャを回しても持ってるキャラだった。
結果5,000円投資して確定ガチャを二回回した結果、星四が一体だけ。
あまりにも泣きたい現実に前書きで書かせてもらいました。
律儀に読んでくださったお方。慰めの言葉と慈悲の高評価をしてください。
有名な曲のBGMが流れるバイト先であるライブハウス『SPACE』では二人の従業員がいた。
「ふぅー。光琲君こっちは終わったよ」
「こちらも高い所は全てチェックしましたよ、まりなさん」
僕がそう言うと終わった~、と大きく背伸びするのはバイト仲間で一応先輩の月島まりなさんである。
あ、一応っていうのはまりなさんは大人でいらっしゃるため年齢的に先輩と言えるような差ではないので───
「光琲君?何かおかしなこと考えなかった」
「まさかそんなありえませんよ」
ふえぇ~怖いよぉ~
僕が思う先輩の真似をしましたが、内心はガタブル状態だ。
流石、僕の強化顔面。下手なことは口走らないまさにセコムってる!
休日であるが既に時計の短針と長針は12を通り越している時間たいであるため出入りが少ない。
真面目にバイトをする僕たちは暇な時間に清掃活動と勤しんでいたため、激おこぷんぷん丸を内に隠した眩い笑顔をするまりなさんを見ている人は誰もいない。
冷やかな視線を送り続けていたまりなさんも飽きたのか時計の針を見て「もうこんな時間か」と呟いていた。
一応高校生男子である僕はそこそこ食欲はある。
我が祖母が経営するこのライブハウスはホワイトなため昼食をとる時間はしっかり与えられていた。
「光琲君は今日もお弁当?」
「いえ。母が友人と旅行に出かけたので今日は外食する予定です」
そう、いつもは息子に激甘な母さんがわざわざ手の込んだ弁当を作ってくれる。
僕としては無駄な出費をせずにすむため助かっているのだが、今日はそれがない。
親父も例の如く出張のため過保護気味な母が息子一人置いて旅行など珍しいと思ってどういう経緯か尋ねたら「モカちゃんママと新婚旅行先見つけてくる~」という言葉を残して家を後にしやがった。
一体誰と誰の新婚旅行先かなんてやわなことは聞かないつもりだったが問い詰める前に素早い動きでタクシーに乗り込みどっかに行きやがった。
結論から言うと、今日のお昼は外食だ。
「おっ、じゃあ久しぶりにお昼を奢るか奢られるか賭けをしないかい?」
「ここは”先輩”として奢ってくれないんですか?」
「何か棘のある先輩呼びだね……。確かに私は先輩だけど”レディ”だよ。奢ってもらう筋は通っているよ」
はっ、レディ?
「確かにまりなさんはレディですもんね」
「え?あの……」
「最近彼氏ができないことに本気で危機感を覚えて婚活パーティーに予約しようか迷うレディですもんね」
「ちょなんでそれを……!」
「あの婆ちゃんが珍しく温かい目をするほど悩んでいるレディですもんね」
「私の気持ちがわかるかこの勝ち組野郎ー!!」
え、余計なこと口走ってる?セコムされてない?連絡してないから当たり前やん。
こっそり婆ちゃんから慰められている現場を何度も盗み見した内容でつい弄ってしまうと、何やらよくわからんことを言って僕の後ろに移動していた。
結構スペックが高いと自負している僕の運動能力でさえ、彼女の動きは目に追えなかった。
顔の横に手が伸ばされたため逃げようとするも到底レディには出せない力で活動を制圧され、そのまま首をガッチリ締められた。
かなりたわわに実った二つの果実に動揺してちょままちょままと口から出かけたがなに分首を絞められている身だ。息を吸えずに言葉に出せない。
「ちょ……ま、まりなさん、首が……」
「相変わらず無表情だなコノヤロー!私はガキだと言いたいのか!─────言われた方が嬉しいのは何でだろう」
「それは歳だから」
「言ったなコノーーーッ!!」
なんかドアが少し開いて閉じた音が聞こえたが更に首を絞めるまりなさんは気づいていないらしい。
ちらっと部屋を見回しても誰もいなかったため問題ないんだが見られて逃げられたっぽいな。
知り合いだと最悪だ。
『其れ、皆フラグと言う』
─────ここぞとばかりに割って入るなクソジジイ
酷い、と嘘泣きをするじいさんを無視して現実に意識を戻すも何故だか目の前が朦朧としている。
あ、やば、なんかデジャブ
※気絶していません
暫くして多少機嫌が戻ったまりなさんは、はぁ、っと右拳に息をかけた。衝撃のファーストブリットでもする体勢だけど、
「ジャンケンですよね?」
「私を怒らせたこと。その身をもって反省してもらうよ」
「いやだからただのじゃんけんじゃ───」
「覚悟!」
といいながらも普通の声でじゃ~んけ~ん、と言うまりなさん。
拍子抜けたが負けるわけにはいかない。
母さんからいくらか臨時収入を得たがそれだけでは拙い。
別にまりなさんから奢ってもらうのに心が痛むわけでもない。寧ろより美味しくご飯を食べられることになるだろう。
他人に奢る飯は味が薄いが奢られる飯は美味い。
ゲスの考えだがそれが僕だ。それを悪というならば僕を転生させた神を怨むがいい!
『儂関係なくね?』
─────ナイスタイミングだ。お願いがある
珍しく僕はじいさんに感謝した。
まりなさんがじゃ~んけ~んと言って腕を上げる光景を見ながら、素早く問うた。
─────まりなさんは何を出す?
『お主以外と考えがゲスじゃな』
─────以外も何もこれが僕だい。それより早く答えろじいさん。電車の車内ですれ違う電車に乗る運命の人と目と目が~なんてことができるほど動体視力も思考回路も早くないんでな
『ちなみにじゃが儂はすれ違う電車に乗るJKのバストサイズをしっかり測れる』
─────ゲスじゃなくてクズじゃねーか
『ついでに言うとそれをした次の瞬間には脳内に保存していたバストサイズのデータが消えおる。頭にたんこぶを伴って』
─────自重しろよエロジジイ。奥さんにマジギレされるぞじゃなくて!早く!はやくじゃんけんに勝つための神託を!
『こー言う時だけ神扱いしよって。えーそうじゃな。グー─────』
ナイスじいさん!グーを出せばいいんだな。
お礼にぼた餅でもお供えしようと思ったがじいさんって日本の神様?それとも西洋?
少し考えたが昼飯を賭けたジャンケンの方が大切なため言われるがままに僕はグーを出す。
「「ぽん!」」
久しぶりに”!”を付けるような張りのある声を出した僕はそっと手元を見た。
結果は──
僕→グー
まりなさん→グー
モカ→パー
『────にしたらあいこになるが負けもする』
勝者はモカの一人勝ちに終わってしまって……って!
じいさん遅せぇよ!
そしてなにより、
「何してるモカ」
「いや~じゃんけんに勝ったら奢ってもらえるって言うから~」
「モカちゃん!これは私と光琲君の真剣勝負なん───」
「まりなさ~ん。さっきこーくんに抱きつかれたのー?」
「私は大人だから自分でお金を払えます」
まりなさんの反抗は凍えるようなモカの気迫により無意味となった。即座に退散したまりなさんは僕を生贄にして一人お昼を食べに出て行った。
あ、「ひとり、独り、かぁ……」って嘆いてらっしゃる。
「こーくん?」
「は、はいっ」
哀愁漂うまりなさんを哀れんでいるとモカさんからガチトーンで名前を呼ばれました。
「なんでまりなさんが抱きついたの?」
「い、いや。別に抱きついたのでも抱きつかれたわけでもないんだが。むしろ首固めされたんだが」
「喜んでない?」
「滅相もありません」
「でもひーちゃんが鼻の下伸ばしてたって」
あの頭スイーツの馬鹿が情報提供者か!
あの時ドアが開いてすぐに閉まったのはあの現場を見て即座にモカに伝えたからか!
今度ぜってーシイタケをミキサーでペースト状にしてコンビニスイーツの上にぶっかけてやる。
仕返しを考えている間にモカの表情がどんどん鬼に近づいているように感じた。
「誤解です。ひまりの勘違いだ。甘いものを食べ過ぎて頭がぱーになってるから視覚もおかしくなったんだ」
「ひ、酷い!私は見たまんまのことをモカちゃんに言っただけなのに!」
出てきたな元凶
「ちなみになんて言った?」
「え?えーっと………なんて言ったっけ?」
ポンコツかよ貴様。
……すまん、ただの馬鹿だったな。
「はぁ。『も、モカちゃん!こ、こうひくんがまりなさんに!抱きつ、抱きつ……て!そして!その、なんか……そう!鼻の下伸ばしてる!』って言ったろ」
「ひまり、ギルティ。そしてありがとう巴さん」
「なんでーーーッ!?」
どうやらパニックを起こした幼馴染の一人である上原ひまりが言葉につっかえながら最後は適当に比喩して報告したため誤解がおこったようだ。
意味がわからないひまりのおバカな頭を掴んでぶんぶん揺らす。
少ししたの方に頭以上に揺れている二つの物体を見ないようにして揺らす。じゃないと殺される。
そんな僕らを苦笑いしながら見ているのは同じく幼馴染の宇田川巴。
昔から年上のように感じたのでさん付けで呼んでいる姉御的な人物だ。
一見したら微笑ましい光景かもしれないが一番長い幼馴染歴のあるモカが白けた目で見てくるため修羅場にしか見えなかった。
「痛いっ」
「こーくん。ほんとーにまりなさんに抱きついてなーい?」
「ほ、ほんと。本当です。首を絞められていただけです」
「鼻の下伸ばしてたりは?」
「もちろんしてません。意識が飛びかかってました」
「ふーん」
横腹を抓って下から見上げるようにジト目をするモカに事実を述べる。
未だに疑うモカに僕は苦笑いしかできない。修羅場は修羅場だが浮気現場を妻に目撃された夫みたいな状況だからだ。
母さんが今朝言った内容より時間が経過しているのが尚悪い。
「………何やってんの」
「えっと……どんな状況、かな?」
そしてやって来たのはツンデレ幼馴染の美竹蘭と癒しの幼馴染である羽沢つぐみだ。
冷めた様子で折檻を実行しているモカとそれを受けている僕。ふらふらしながら巴さんから介護されているひまり。
平和とはいえないカオスな状況に蘭とつぐみは反応は違うが困惑していた。
「蘭、モカをどうにかしてくれ」
「無理。どうせ光琲が悪いんでしょ」
デレがない蘭はただただツンツンしているだけだった。
辛辣だなぁ……
集まった五人はafterglowというバンドを組んでいる。全員かなり個性的だが、その中にはちゃんと癒しがあるのだ。
「ほらモカちゃん。光琲くんを許したら?」
「………はーい」
「助かった。ありがとうつぐみ」
「うんうん。どういたしまして」
天使や~。
僕と蘭とのやり取りの間に巴さんから事情を聞いた天使ことつぐみが間に入ってくれたおかげでモカが渋々だが抓るのをやめた。
見てると、こう、モカが子供で
「どうしたの?」
「つぐみはいい母親になるな」
「ふぇっ!?いきなりどうしたの!?」
顔を赤くして動揺する天使。マジで天使です。
しかし、選択をミスってしまった。
あれだ。ゲームでスキップ機能のないシナリオを画面連打で早く終わらせようと思ったら選択肢がでたのに間違えて選択した時のような感覚だ。
『神様的にもミスったと思います』
─────ですよねー
現に、モカの顔が、直視できません。
「へぇー。こーくんはつぐが好みなんだー」
「あの、モカ?怒ってる?」
「なんでー?」
いつも通りの口調なのだがそこに含まれる威圧に何も言えない。
見れば残りメンバー四人も一歩下がっていた。
誰も助けを求められない現状に冷や汗を……ん?いや、ひとりいた。
────じいさん!次こそはヘルプだ!
『かしこまりっ!ということで、儂はお主にある提案をしよう』
────それは現状打破できるのか?
『イエス・マム。それに、お主がよく失敗しておる選択はしなくてよい。身を任せるんじゃ』
────ど、どういうことだ
『憑依じゃ。憑依させるのじゃ。世界に刻まれたモテ男の意志を!』
────いやべつにモテ男にならなくてもいいんだが
『欲がないのぉ。しかし、これは追加効果じゃ。お主の目的はあくまでモカちゃんのご機嫌をとること。お主には到底出来ないがモテ男ならそのようなこと造作もないじゃろ?』
─────癪に障るが何となくわかった。勝率は?
『99.9パーセントじゃ』
─────除菌と同じか。乗った
『15秒後、お主に世界が記録していった歴史が憑依する』
結論を言うとご都合主義みたいだ。助け舟に身を任せよう。
じりじりと近寄ってきて脇腹を再度抓ろうとするモカ。
その手が僕の横腹を掴んだちょうどその時だった。
『いっくぞー。ミキシ○ックスじゃ!』
─────ミキシ○ックス!モテ男!
~ここからは暫し三人称です~
「モカ」
「……えっ?」
思わず、モカの口から驚愕の声が漏れた。
無理もない。目の前の幼馴染はかなりの奥手で自分からスキンシップをしない。
だから、彼自らモカの手を、それも細心の注意を払って折れそうなしなやかに伸びる手を握ったことに驚きを隠せないでいた。
「ごめんなモカ。不安、だったよな」
「え、ど、どーしたのーこーくん。らしくないよー?」
籠りながらいつもの様に振る舞うモカとは違って、光琲の言動はいつも通りとは言えず積極的だった。
頬を紅に染めて、吐き出す息が熱い。おまけに心拍数がどんどん上昇しているとモカはわかっていた。
握った手は解かれていない。
以前二人でショッピングに行った際、光琲の腕を掴んで進むだけがモカにとっては精一杯だった。
昔は手を繋いだが今は恥じらいがある。だから、初々しいかもしれないが関係が進歩しない限り彼の手を繋がないと決めていた。
だが、今は光琲から手を握ってきた。
握る強さを変化させて、まるでモカの手は光琲のものだと染み込ませるかのように。
頭がフリーズしそうなほどの熱をモカは持ったが、それは現在進行形で上昇していた。
「こーくん?ち、ちょっと近いかなー?」
「本当だったらもっと近づきたい。モカは嫌なのか?」
「え?え、えーっとーそのー」
ゆっくりと後ろに移ろうモカに合わせて光琲は前に歩む。
此処は部屋の中なので端に追いやられるのも時間の問題だった。
背中が壁にぶつかったことで視線を光琲の目から離した。それを光琲は良しとしない。
「こっちを見てくれモカ」
「こ、こーくん……」
「もう一度聞く。僕はモカに触れたい」
触れたい。誰が?こーくんが。誰に?私に?
延々と自問自答が続く。
ずっと自分だけ見ろと言わんばかりにモカの顎に手を添えて優しく上に向ける光琲。その目は光沢のない真っ黒な双眸だ。
だが、そんな瞳がモカは好きだった。
さすがに今みたく近距離で見られたことなど滅多にないが、幼い頃からずっとその目によって見守られてきた。
普段は物静かで何事も動じないが内心では焦っていたりしているのが堪らなく楽しい。
怒られることもあったが本当に反省したら優しく頭を撫でて許してくれた。色々と出来ることが多いからたくさんのことを教えてくれた。好物のパンをなんやかんや言いながらも買ってくれたりしてくれた。
そんな風に寄り添ってくれた都築光琲は青葉モカにとっては日常の中になくてはならない存在だ。
そんな彼が、初めて自分を求めている。
「いいか?モカ」
「…………ぅん」
流されたつもりはない。
真剣な返事をするつもりだったが、モカは緊張のせいか声が掠れてしまう。
だが、光琲はそれをしっかりと聞いた。
ありがとう。
そう言って、ほんの少しだけ光琲の硬い表情が緩んだことをモカは見逃さなかった。そして、熱はさらに上がっていく。
光琲とモカは身体はほぼ密着していた。壁により後ろへの道をなくされたモカに羞恥からの逃亡という道はない。
あと数センチ。
パンにかぶりつくようにすれば光琲の口とモカ自身の口が接触する。
前に光琲の頬にキスをしたが、それ以上の恥ずかしさが浮き出てくる。
煩い心臓の音をBGMに、混み上がる嬉しさを抑え込めずに一瞬だけ顔を綻びさせたモカはそっと目を閉じてその時を待った。
そして、その時は────
「────ふんッ!!」
──ゴッ
鈍い音のみが耳から伝わるだけでやって来なかった。
~第三者視点から戻る~
どうも、お久しぶり。
壁に思いっきり
って、呑気に中途半端なところからの自己紹介をする暇はない。
─────おいジジイ!また騙しやがったな!
『え~何がじゃ?』
─────ぜんっぜん!
『当たり前じゃろ。世界が記録した歴史?意味わからん。常識的に考えて誰かを憑依させるとか無理じゃね?』
─────僕を転生させたくせによく言う。
『まあ?今日でその減らず口も?終わりじゃな?』
─────……何が言いたいんだ
『おめでとう、都築光琲君。キミは自己暗示した結果、創ったんだ。”黒歴史”を』
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!
なんで話に乗ってんだよ僕ぅっ!!
ハッ!それよりこの現状をどうしましょ。
完全に抱きついていると言っても過言ではない状態で、先程までの奇行を行った僕はどのような言葉をかけるべきだろう。
………いや、考える間もなかった。
だって───
「……………なんちゃってー」
気絶するのがオチなんだから。
ほぼ棒読みで若干声を震わせながら言ったこの言葉を最後に、鳩尾に入り込んだストレートな一撃により僕はしばしの間眠りについた。
ついでに、その時のモカの表情は耳まで真っ赤に染まっていて、羞恥心が大半を占める以外に嬉しさと残念さが入り混じったようなものだった。
『………弄った儂が言うのもなんじゃが、その、ドンマイ』
─────できれば『ほほえまー』って言われた方が傷は浅かっ、た……orz
今回評価してくださった
ワカガシラさん、葉介さん、カキコミさん、椅子タンブールさん、ゆう@0119さん、幻想比叡さん、黒川エレンさん、雛見沢御三家さん、ぼるてるさん、ケチャップの伝道師さん、トリメイトさん
ありがとうございました。