ハイスクール・フリート 航洋護衛艦『夜鷹』   作:レオパルト

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今回は久しぶりに2000文字近く書きました。


Episode12

晴風の上甲板で通信手の報告を聞いて、急いでかつらぎに戻る。

 

「海上安全整備局からの指示は?」

 

「至急、東舞校教員艦の安否と武蔵の監視、ただし自艦の安全を第一にとのこと!」

 

「東舞校教員艦と最後に連絡が取れた位置から最も近い艦は?」

 

「我々と晴風が最も近いです!」

 

「艦長!海上安全整備局からの追加入電!東舞校教員艦艦隊、16隻が全艦戦闘不能及び航行不能の損害を受け壊滅!至急、救助に迎えとのこと!」

 

「分かった!島から離れ次第、最大船速!武蔵の監視に向かう!状況に応じて乗り込む!立検隊は各自準備!欠員は航海科から出せ!」

 

晴風が島から離れるのを確認し、かつらぎも微速前進で島の隙間を進む。

 

「晴風に無線を繋げ!」

 

「了解!・・・・・・繋がりました!」

 

「明乃!そっちも聞いている通り教員艦艦隊が壊滅している。武蔵の監視はそちらにしばらく一任するが問題ないか?」

 

『・・・・・・うん。分かった』

 

「どうした元気がないのか?さっきまであんなに明るかったのに?」

 

『いや・・・・・・そんなことはないよ!』

 

「そうか・・・・・・分かった、今から晴風に乗り移る」

 

『そんなの悪いよ!』

 

「大丈夫だ、かつらぎは副艦長に任せてある。俺を信じてくれ」

 

『・・・・・・うん分かった。信じるよ』

 

「ありがとう」

 

無線を切り、矢継ぎ早に指示を出す。

 

「ヘリで武蔵に対して直接乗り込めるように着艦してもエンジンを切るな!準備急げ!副長!」

 

「なんでしょう?」

 

「立検隊の突入タイミングはこちらから送るからそれで頼む!」

 

「分かりました!」

 

副長に要件を伝え、インカムを装着し、格納庫からヘリに乗り込み発艦、晴風の後甲板にロープを下ろし降下する。晴風に降り、艦橋に向かうとそこにはどこか気まずさ醸し出す艦橋メンバーと萎縮しきった明乃がいた。

 

「明乃、状況説明を頼む」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「明乃!」

 

「あ、ごめん。今は東舞校教員艦艦隊が発信している国際救難信号をもとに周辺海域を捜索をしているところ」

 

「分かった。理由は分からないが艦長なんだからもっと自信をもて」

 

「・・・・・・ありがとう」

 

しばらく沈黙が続く艦橋に見張り員の鋭い声が響き渡る。

 

「武蔵発見!10時の方向!」

 

「誰か双眼鏡を貸してくれ!」

 

「私の使いますか?」

 

納沙さんから双眼鏡を借り

 

「ありがとう。かつらぎ艦橋、聞こえるか?」

 

『なんでしょう、艦長?』

 

「救出はどこまで進んだ?」

 

『撃沈された艦はいないので要救助者はいませんが、航行不能の艦が六隻いるので一隻で対処できないと考え、近くのブルーマーメイドに応援を要請し、重症者をヘリでブルーマーメイド艦に移乗させています。残り一機は待機中です』

 

「突入隊の武蔵に対する立入検査を許可する。俺はスキッパーに乗って突入する」

 

『了解!ご武運を!』

 

「武蔵に突入するの?私も行かせて!」

 

「何を言っているんですか、艦長!艦を放ったらかしにする艦長がどこにいるんだ!」

 

「すまない・・・・・・・・・・・・それはできない」

 

「そ、そんな・・・・・・・・・・・・分かった、一人で行く!」

 

「ちょっと待ってください艦長!」

 

「友達が・・・・・・モカちゃんがいるの、助けなきゃ!」

 

「待ってくださ・・・・・・・・・・・・あーーもう!武蔵と距離を取りつつ同航!」

 

やけくそになったましろさんが指示を出す。すると続報が入る。

 

「武蔵!こちらに向かって発砲!」

 

「何!」

 

「聞こえるか、髙山?晴風に向かって武蔵主砲弾、九発!」

 

『任せてください!捉えています!目標、九!VLS1番から9番!シースパロー、発射用意よし!』

 

「撃て!」

 

『目標到達まで七秒!五!四!三!二!マークインターセプト!』

 

晴風の前に九つの爆発が現れる。

 

「おお・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・うぃ」

 

見方を変えれば綺麗な爆発に西崎水雷長と立石砲術長が感嘆を漏らす。

 

「ましろさん、学校からは武蔵に対してどのように対処しろと言っている?」

 

「我々に出た指示は、あくまで武蔵の監視と東舞校教員艦艦隊の安否確認です。それも自艦の安全第一との事です」

 

「つまり、両任務が終了したら何をしてもいいと」

 

「だから、誰もそんなことは言ってないです。どうして艦長に加賀くんまで自分の艦を放ったらかしにするんですか!」

 

「ましろさん、確かに俺みたいに自分の艦から飛び出す艦長は艦長失格なのかもしれない。でも、それだけ頼れる仲間がいるから艦長は自分の艦を安心して飛び出せるんだ。だから、副長はむしろ艦長にこの晴風を任されている。と、俺は考えているけどな」

 

「・・・・・・・・・・・・任されている、か・・・・・・・・・・・・」

 

「すまないが俺は武蔵にまだ例のウイルスに感染していない生徒がいないか突入して捜索してくる!」




次回から少し原作を改変していく予定です。あと、劇場版ハイスクール・フリートを昨日見てきたのですが、劇場版のストーリーを先に書いてしまいたい気分ですが次回作はどっちがいいかアンケートにするので答えて下さい。

次回からの元ネタは?

  • 劇場版を先に書く!
  • アニメをそのまま!
  • オリジナルストーリー!
  • 息抜きに未来編!

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