横須賀女子海洋学校入学式
今日この日を待ち侘びていた者も多いだろう。しかし俺はこの日が憂鬱で仕方ない。考えてみよう、女子だけの入学式に男子一人、肩身の狭い思いしかしない。ただ会場が武蔵の甲板なのは海軍マニアにはたまらない。会場に到着すると大半の生徒が座っていた。俺の席は校長の配慮からか第一主砲塔の近くで砲身の陰に隠れる席だ。正直言って入学式は暇なのでウトウトしていると校長が驚愕の発言をした。
『では、本校初の男子生徒で入学試験首席の加賀 光介君に新入生代表の答辞を述べて頂きましょう 』
「ん?俺が入学試験首席?」
周りが誰のことだとザワザワしているのにこの発言は失言だった。周りの視線が俺に一極集中する。校長に助け舟を頼むが微笑み返されるだけだ。
「はあ勘弁してくれよ」
諦めて席を立ち歩いて校長のいる壇上へ上がりマイクを口に近づけ声を発する。
「皆さんはじめまして、加賀 光介です。僕はこの横須賀女子海洋学校の共学化の試験生として今年より皆さんと同じ一年生として入学しました。皆さんとは共に海に生きる仲間としていい学友になれたらなと思っています。三年後またこうして集えることを楽しみにしています。新入生代表の答辞を終わります」
何とかそれらしい事を言ってこの場を凌いだが視線がキツい、これは精神が削られるから勘弁して欲しい。席に着くと視線から逃げるように眠りにつこうとする。そしてしばらくまたウトウトしていると入学式は終わりを迎えた。
メガフロート第一中央埠頭
夜鷹に着くと艦橋の艦長席に座り周りを見渡す。隣には陽炎型駆逐艦が何隻も止まっている。ちなみに艦番号はFFM-702のままだが学校の書類にはY702になっている。隣の陽炎型は晴風と天津風。晴風の艦橋後ろにある見張り台からましろさんがこちらに向かって必死に頭を下げていたので手を振り返すとこちらは気にしていないという意思が通じたらしくほっとした表情で艦橋に戻っていった。
「航海長!機関全速前進!隣の晴風に続くぞ!」
「了解!機関全速前進!晴風の後方につきます」
西之島新島沖
ここは近年新しく海底火山の噴火で出来た島だ。ここに軍艦マニアならたまらない光景が広がっていた。インディペンデンス級に高雄型や長良型に駆逐艦は陽炎型に秋月型が揃う大艦隊が停泊している。そんな中夜鷹は最後の二隻の到着を待っていた。その二隻は宗谷家の三女が乗る晴風と、学年次席の知名 もえかが乗る戦艦武蔵だ。しばらく艦内で仮眠を取っていると事件は突如起こった。砲撃音が鳴り響き数十秒後に着弾音も聞こえる。急いで艦橋に上がり状況を確認する。
「並木!どうなっている?」
「あ、艦長!さるしまが遅れて到着した晴風に対して発砲しました!」
「なに?教育艦が航洋艦に砲撃しただと?」
「はい!晴風は謝罪もしているのですが砲撃が止まりません」
「・・・・・・機関全速力!晴風を退避させる!」
「了解!機関全速前進!CICは戦闘配置!」
「主砲、目標さるしま!全砲門、ファイア!」
『こちらCIC、VLAスタンバイ完了!』
「主砲は撃ち続けろ!弾幕を張れ!」
他の艦が唖然としている中、夜鷹は砲撃を続ける。しかし弾着は決まって艦体後部の無人機甲板だ。一方の晴風は回避をしながら演習用魚雷を発射し命中させた。晴風はそのまま当海域を離れていった。夜鷹も続いて離脱するが、予想外の出来事が起こった。三重もある隔壁があるにも関わらず、さるしまが浸水により沈没してしまったのだ。
父島沖合
『学生艦二隻が反乱、さるしまを砲撃。さるしまは沈没したが乗員は全員救助』
「はぁーどうしよう?」
「先に撃ってきたのはさるしまの方でしょ!」
「そういえば、さるしまに砲撃していた艦がいましたよね。確かY902のえーと・・・・・・」
「夜鷹だ。ほら唯一の男子生徒が乗ってる航洋護衛艦だ」
「じゃあシロちゃん、確か知り合いだったよね。えーと・・・・・・加賀君と」
「か、艦長がなんでそれを?・・・・・・まあいいレーダー、何か見えるか?」
『見えます!後方6時の方向に高速で接近する中型航洋艦サイズの艦影一つ!・・・・・・識別信号に応答あり!読み上げます!《我レ、夜鷹。貴艦ノ安否ノ確認ト合流ヲ望ム》です』
「シロちゃん、夜鷹と無線って繋がる?」
「確か夜鷹は全てに置いて教育艦並の装備だから、無線はあると思うが・・・・・・」
「じゃあやってみよう。じゃあまず・・・・・・」
『艦長!夜鷹から小銃を持った人達がゴムボートで接近してきます!』
やっぱりオート・メラーラの76mm砲の四基装備はロマンですね。
岬艦長からの主人公の呼び名は?
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光介くん
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コウくん