目を覚ますとそこは医務室だったが起き上がると驚くべき状況になっていることに気付く。
「ん・・・・・・え?・・・・・・」
自分が助けた金髪の女子が同じベッドで寝ているからだ。慌てた俺はベッドからひっそりと離れ近くにあった椅子に座る。
「鏑木さん仕事してくれよ・・・・・・」
すると晴風の保健委員の鏑木さんが部屋に入ってくる。何やら書類のようなものが抱えている納沙さんも扉の外で待機しているが気にしない。
「鏑木さん、なんであの金髪の女子と同じベットドなんだよ!恥ずかしさで死にそうになったわ!」
「それはベッドが一つしかないからだ。その様子だったら艦橋に戻っても大丈夫だろう」
そう言って医務室の扉を開けて扉の外で待機していた納沙さんが俺を艦橋へ来るよう伝える。
「加賀さん!出来れば艦橋に来て指示をお願いします!」
「ん?艦橋?なんで俺が指示をするんだ?」
「実は・・・・・・今晴風は東舞校所属の伊201に追尾されてまして・・・・・・」
「なるほど・・・・・・遂に見つかったか・・・・・・」
「という訳で指揮をお願いします!」
「分かった。直ぐに艦橋に向かう。案内してくれ!」
艦橋に着いた俺は指示を出す。
「なんで電気をつけているんだ!今すぐ消せ!」
電気を消すと艦橋に動揺が走る。
「うわ!暗っ!」
「夜目を慣らしてないからだろ!俺のインカムを貸してくれ!・・・・・・ありがとう」
「加賀くん、夜鷹はもう大丈夫なの?」
「大丈夫だ!聞こえるか谷本?」
『艦長!無事だったんですか?』
「あぁもう復活した!砲雷長に連絡!VLS一番から二番にVLAだ!」
『発射用意良し!』
「命令あるまで発射待て!絶対に撃つなよ!」
「万里小路さん、ソナーから何か聞こえる?」
『晴風のスクリュー音がもの凄い音を出していて潜水艦は探知出来ないです』
「鈴ちゃん、もうちょっと速度落として!」
「り、了解!」
そんなやり取りをしていると夜鷹の前部VLSからミサイルが発射される。
「なに?おい砲雷長!どういう事だ!誰が撃った!」
もの凄い剣幕でブチギレる。隣で指示をしていた岬さんは固まり、操舵輪を握っていた知床さんと砲術長の立石さんは泣き出してしまった。それを慰める納沙さんと西崎さん。いつもクールな素振りを見せるましろさんまで少し怯えていた。
『すいません艦長!ヒューマンエラーです!』
「分かった!アスロックと目標までの距離は?」
『あと30秒で命中!・・・・・・20秒!・・・・・・10秒前!』
「アスロックを自爆させろ!」
『了解!』
その瞬間、伊201のいる辺りの海面から大きな水柱が立つ。
『付近に浮遊物を確認!伊201の浮上してきます!』
『爆発音を確認しました。海音からのスクリュー音はありませんわ』
インカムから夜鷹砲雷長の、伝声管から万里小路さんの撃破確認の報告を受け、両艦共に歓喜の嵐に包まれる。
一方、医務室では一人の少女が目を覚ました。その少女は唇に手を当てて頬を赤らめていた。
ヒロインはやっぱりミーナちゃんにしようかなと思うこの頃・・・・・・
ヒロインは誰がベスト?最終選考
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岬 明乃
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ヴィルヘルミーナ