最近流行り(?)の日記形式にチャレンジしてみました。
第1話
4月6日
気持ちの整理をつけるのと、俺が生きていた証……どんな風に生きていたのか知ってもらう為にこうして日記をつけることにしてみた。
似たような事をしている人は多分たくさんありいそうだ。
なんせ、こんないつ死ぬかわからない世紀末みたいなご時世だ。
まぁ、俺が書いたところで読むやつはいないだろうが。
今日、俺の住んでいた地域がE.L.I.Dの襲撃を受けて壊滅した。
街の外周部にあたる場所だったから他より危険度が高いことはわかっていたが……
爺ちゃんは去年死んだ。父さんとも連絡がつかない。
今の俺に家族と呼べるのは数年間本当の家族のように過ごしてきた2人の自律人形だけだ。
思い出の溢れる実家はもう無くなった。
……書いてて涙が止まらなくなってきた。
今日はもう寝る事にしよう。
テントや寝袋は持ってきているから準備しなければ……
4月7日
とりあえずというか……俺の家族を紹介しよう。
俺の姉さん…戦術人形のスプリングフィールド。俺はカーラ姉さんと呼んでいる。
そして、いつの間にか俺の寝袋に侵入してるこの子は妹…戦術人形のRFBだ。ケイティと呼んでいる。
ガッチリ抱きつかれているせいで動けない…
というかケイティもいい加減自分がどれだけ魅力的な容姿をしているのか自覚して欲しい。
俺も年頃の男子なのだ。耐えるのは色々ときつかったりする。
しかもお兄ちゃんなら良いとか言いおる。俺が良くないんだよなぁ。義理とはいえ妹襲うとかお兄ちゃん社会的に死んじゃうからね。
駄々をこねられてなかなかつらかった。
最終的に奥の手のカーラ姉さん呼びつけをしたらすぐに部屋にもどってしまった。
名前を呼んだ瞬間に逃げていくとは、どれだけ姉さんが怖いんだか……
とりあえず寝袋とテントを片付けて移動の準備をしよう。
自分を雇ってくれるようなPMCあるかな……
4月8日
やはり自然で生きるのは辛いのだと実感させられた。街近くの林に身を潜めて過ごしているが、水はとてもじゃないがそのままでは飲めないから持ってきた水でなんとかするしかない。
ここらへんも濃度がそれ程高くないとはいえ、あまり長時間居座れるわけではない。
なにが最悪って時折E.L.I.Dが湧く事かな。
初期段階の脆い奴だけど。
だから夜も安心して眠れない。カーラ姉さんが見張っててくれるけど。
そういえば途中で倒れている鉄血製の人形を見つけた。
名前を聞いたらアーキテクトと言うらしい。
どうやら甘いもの不足?でたおれていたようだ。
チョコを1枚あげたらすごく喜ばれて名前まで覚えられた。
……なんかケイティに感じ似てるな。
その後は少しの間会話をして別れた。
早く安全な所に行きたいもんだ。
4月9日
行く宛もなくフラフラと歩いていると近くで戦闘が起きていたらしく、銃声が鳴り響いていた。
カーラ姉さんが双眼鏡で確認したらグリフィンの人形部隊とE.L.I.Dが戦っているらしい。
接触するちょうどいいチャンスだと言うことでグリフィン側に加勢することにした。
影に身を潜めて狙撃をしてグリフィンの部隊を援護してE.L.I.Dを全滅したのはいいんだけど、今度は俺らが警戒対象になってしまった。
まぁ、当たり前か。
とりあえず大人しく拘束されて前線基地に連れて行かれることにする。
4月10日
なんかかの有名なPMC、G&K(グリフィン&クルーガー)社の入社試験受ける事になった。
色々面談などをしたりした結果、危険性はないということで戦力として迎え入れたいらしい。
この会社はいくつも大きな地区を持っていて、自律人形を戦力の中心として活動をしている。
護衛や対テロ戦、救出など内容は幅広い。
実戦部隊は人形が多いが人間ももちろんいる。
例えばヘリのパイロットだったり補給担当だったり。
これ以上書くとグリフィンの紹介紙みたいになりそうだからやめておく。
それはそうとカーラ姉さんもケイティも元から戦術人形だった上に父さんの教育も相まってかなり優秀な戦闘員なので即採用されたらしいのだが、部隊編成の指示の時にケイティが俺と一緒じゃないと嫌だと駄々をこね始めて、本来止めるべき立場のはずのカーラ姉さんまで俺が心配だから一緒じゃないと…と言い始めたそうだ。
おかげで俺の試験官でも合った上級代行官の……えーと……あ、思い出した。
ヘリアントスさん?にも迷惑をかけてしまった。本人は気にするなと言っていたけど…もし試験を突破できて入社することができたらお詫びになにか奢ろう。
4月12日
や っ た ぜ
なんとかグリフィンに受かる事ができた。
ヘリアントスさんも激励の言葉をかけてくれた。頑張らねば。
自分は本部の緊急即応部隊に所属になるらしい。
メンバーはWA2000とNTW‐20とSV‐98だそうだ。
これからの職場に高揚感を抑えきれない。まぁ、狙撃になったら落ち着くけど。
グリフィンから支給された戦闘服と制服を見てみることにした。
上下共に真っ黒。これ逆に目立ちそうだな……
あ、マントを更に着込むのか。
ちゃんと全部にグリフィンのロゴが入ってる。
部屋で試着をして、歩き回ったりしているとドアから誰か入ってきた。
見た者を魅了しそうな真紅の瞳、美しい金髪。
思わず見とれちゃった。
お互いにじっと見つめ合うような形になっちゃって、しばらくしてからお互い真っ赤になって目をそらした。
…………ラブコメかな?
どうやらその子は俺の愛銃を持ってきてくれたらしい。
M110 SASSとバレットM107
どちらも父親から譲り受けたものだ。
てか良く見たらどっちにもグリフィンのロゴが……
なんか調整までされてるし…………
合わなかったら大変だから後で試射しておこう。
なんて思いながら銃を見てたら視線を感じたから見たらさっきの子が興味深そうに見ていた。
名前を聞いてみたら……なんと驚き、チームメイトになる子だった。
軽く言葉を交わすと意気投合して色々と話し込んでしまった。
カーラ姉さんが呼びに来てくれなかったら多分夕食の時間になっても気づかなかったと思う。
だけど……いくら近い距離で話してたからって直ぐにカップルに仕立て上げてニコニコと微笑ましそうな視線を送るのはどうかとおもう。
SV‐98も真っ赤になってるよ。
4月13日
今日は部隊の顔合わせだ。
どんな人たちか楽しみだな〜
なんて思っていた時期が俺にもありました。
まぁ、NTW‐20…ダネルさんとSV‐90は良かった。WA2000さん……いきなり毒を吐かれて俺のメンタルはボロボロだ。おっふ…
そしてなぜか勝負を仕掛けられた。
なんでや…………
子供に狙撃術を仕込む親って…………()
作者は飲むたびに襲われる指揮官や元軍人のおじさん指揮官がお好き。
この作品が続くならコラボとかやってみたいものである。
・下垣智樹(18歳)
高校を卒業したばかりの青年
特にこれと言った特技はなく、強いて言うのであれば影が薄かったため隠れるのは得意である。
フツメン。軍人だった祖父と父親に鍛えられたため、格闘はそこらの一般人にはまず負けないレベル。
よく射撃場に連れて行かれて狙撃のレクチャーを受けていた
E.L.I.Dの襲撃を受けて家を失う。
現在は姉と妹のような存在のスプリングフィールドとRFBと、グリフィンの兵士として生きている。
とりあえずこの子はフリー素材なので自由に使ってください。
4月20日変更、スナイパー部隊→緊急即応部隊