狙撃手の少年は   作:サンコン(マウントベアーの山の方)

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遅くなりました〜

いや〜この前感想でなかなか厳しいコメントを頂いたものですから、改善するべきところをまとめたりいっそのことこれを止めて別の作品としてリメイクするか悶々としてたらこんなに遅く……

ただでさえ時間ないのにそんなことしてたから書く暇がなかったです()

あ、結局続けることにしました。

どうかこの先も『狙撃手の少年は』を宜しくお願いします


第16話 ②

・1月20日(映像つき)

 

「自分が何をしたかわかっているの⁉」

 

「わかっているもなにも、テロリストがいました、尋問しました、終わりました、殺す。これだけの事だろ」

 

言った途端、WA2000は俺の服を掴みあげて持ち上げた。装備を含めたら相当重量があるはずなんだが、それを軽々と持ち上げるあたり流石戦術人形と言ったところか。

 

くだらない事を考えているうちにも、WA2000の説教はつづいている。

 

「確かにテロリストは犯罪者よ、だからこそきちんと捕まえて然るべき罰を受けさせるべきでしょう‼」

 

「テロリストに死以外の罰が真っ当だと思えないけどな」

 

「それは私たちが決めることではないわ‼‼」

 

しつこいな……時間がもったいない。テロリストをそこまでして生かしておこうとする意味がわからない。

 

……いや、以前までの俺であれば同じようにしていたかもしれない。

生かしておいたせいで、また誰かしら喪っていたかも。

 

『……口論の最中にすまないが、まだ任務が残っている。今からヘッドセットにデータを送るからその地点まで向かってE.L.I.Dを排除してくれ』

 

「了解」

 

「……了解」

 

ヘリアントスの指示にWA2000は嫌々応じる。俺はあくまでもただ機械的に応じた。

 

他のメンツも気まずそうに見てくるがどうでもいい。

今は任務に集中するだけだ。

 

俺はバイクに跨り、エンジンをかけて次のポイントに向かう。

もちろん他のメンバーもつれてだ。

任務中なのだから勝手な行動は許されない。

まぁテロリストは殺すけど。

 

しばらく進むと奇妙な声を出しながら集団で移動するE.L.I.Dの姿が目に入った。

 

正直どうしていきなり大量のE.L.I.Dが湧き上がってきたのか気になるところではあるし、壊れた外壁の穴を塞がないことには際限なく入ってきてしまう。

 

さっさと塞いでほしいがE.L.I.Dがいすぎて作業もまともにできないんだろう。

 

ある程度近づいたところでバイクを止めて横倒しにしてバレットを構える。

 

1体のE.L.I.Dに狙いを定めて引き金を引いた。

 

狙ったE.L.I.Dの頭が弾け飛んだのを合図に再び戦闘が始まった。

 

こう言う殲滅戦だとやはり大火力のアーキテクトがいると助かる。

ゲーガーは射撃があまり得意じゃないみたいだからライトマシンガンで弾をバラまいてもらっている。

 

幸いなのはハイクラスE.L.I.Dがいないから攻撃が通らないなんてことがないことだ。

 

数は多めだがなんとかなる。

 

フラフラと歩いてくる的をうちつづけること40分。

 

ようやく最後のE.L.I.Dを撃ち終えた。

 

「ふぅ……残弾数報告」

 

全員のヘッドセットからそれぞれのデータが送信されてきた。

見るにもう残弾は底をつきかけていると言ったところか。

まぁ、俺のバレットも残弾はあと1マガジン分しかないが。

 

そろそろ引き時だろう。

 

通常の人形部隊もそろそろ到着するはずだ。

 

撤退する旨を伝える為にヘリアントスを呼び出した。

 

『どうした?』

 

「弾もなくなってきたのでそろそろ撤退しようと思うのですが……」

 

『ふむ……いいだろう。通常人形部隊の展開も進んで残党の殲滅が始まっている。撤退を許可する』

 

「わかりました……アーキテクト、ヘリを」

 

「はーい」

 

あとはヘリに乗っかって帰るだけなんだが……

 

「さて智樹、お話しましょうか」

 

面倒なイベントが待ち受けている。

俺の目の前では野蛮な笑みを浮かべWA2000が腕を組んで立っていた。

どうせさっきのテロリスト殺しの事を言われるんだろう。

 

「まさか、貴方がそんな軽々しく人を殺せるような奴だとは思わなかったわ」

 

「はっ……なに意味のわからないことを。任務の度に人殺しをしてるだろ。そいつらは同じテロリストだぞ?それともあれか?大人しくお縄についたやつの命だけ重くなるのか?」

 

「無力化したやつの命を奪う必要はないって言ってるの」

 

「そうやって中途半端にテロリストを生かしておくから父さんは死んだ」

 

実際、父親が目の前で殺されてから躊躇というものがなくなった。

事情がどうあれ相手が敵であれば迷い無く引き金を引いて命を奪う。

 

そこに罪悪感など存在しない。

敵だから殺す。

 

ただ、その価値観に従って動くだけだ。

 

「だからって………」

 

「うるさい、俺はもう誰に何を言われようとやり方を変えるつもりはない」

 

場が………静まり返った。

あれだけ怒っていたWA2000さえ、なにを言われたのか理解できずに固まっている。

 

カーラとケイティは沈痛な面持ちでうつむいてしまった。

 

はっきりと拒絶したのだ。

あれだけ家族のように過ごしたチームメイトを。

 

それをようやく理解したWA2000はうつむく。

 

「そう……わかったわ」

 

涙声で1言つぶやいたのを最後に、黙りこくってしまった。

やがてヘリが到着して全員乗り込み帰路につく。

 

ヘリの中での会話は一切無かった。

 

★★★★★★★★★★

 

・1月30日(映像つき)

 

俺は今ヘリアントスの執務室に一人で呼び出されていた。

チームリーパーとしてではなく、俺個人が呼ばれたようである。

 

まさかヘリアントスまでもがWA2000のように説教をしてくるのだろうか。

だとしたら面倒なことこの上ない。

 

訓練に時間を当てていたほうがよっぽど有益だ。

 

「怒られるんじゃないか……そんな事を考えているなら安心しろ。そんなことはしない。ただ、今から言う任務が終わったら一応ペルシカのところに行ってもらうがな」

 

遠回しに頭見てもらえと言われた俺はジト目をヘリアントスに向ける。

 

「別に心配……していないわけではないがそれよりも任務に支障がないか確認するだけだ。お前も嫌だろう?」

 

まぁ、確かにそれは最もだ。

また長期間ベットのお世話になるなど勘弁してほしい。

 

「さて、早速任務の話に移ろう。君には極秘任務を請け負ってもらう」

 

「極秘ですか。相手は?」

 

「テロリストだ」

 

「なるほど」

 

よくまぁこれだけ飽きずにテロを起こそうと思うもんだ。人類滅びかけで団結するべき時にまで殺し合うとは恐れ入る。

 

人間って怖い。

 

……あ、俺も人間だったわ

 

「グリフィン管轄地区で粘り強く活動しているテログループが近々行動を起こすらしい。情報によれば、奴らは1週間後に行われるフェスティバルでライトマシンガンを使用しての虐殺を計画しているそうだ」

 

なるほど。

 

何を考えてそんな事をするのかはわからない。だが、そういう事をするやつに限って自分は正義なんだと勘違いをする。

 

「で、自分は何をすれば?」

 

「このあとすぐに出発して本部に潜伏。当日は連中に混ざって殺戮をしろ」

 

「…………………は?」

 

俺の耳がおかしくなったのだろうか?

俺には奴らと一緒になって市民を殺せといったように聞こえる。

 

「……俺もやれと?」

 

「………………そうだ、これは委員会命令でもある」

 

なんでそんな《無駄な》ことを……

素直に狙撃とかはだめなのだろうか。

 

「狙撃はなぜか事前に察知されてすべて失敗している。だからいっそのこと後ろから撃ってしまえという頭の悪い作戦だ」

 

「理解しました。それでは準備に移ります」

 

一体どれだけの弾薬を持っていけばいいのやら………

 

俺は内心ぼやきながら執務室を出た。

 

だが、俺は自覚できていなかった。

これからやろうとしているのがどういうことなのか。

感情が麻痺してたなどという言い訳は通用しないような、大犯罪に手を染めようとしている事にーーー

 

 

「…………すまない」

 

 

1人、執務室に残ったヘリアントスは悲痛な声でそう零した。





哀れ作者にいじめられる主人公。この先どうなってしまうのか⁉

ちなみにこちらの作品は『ライト版』として投稿継続、いま一生懸命プロットを練っている作品をリメイクとします。

いや〜いろんな意味で重くなりそう()

いつ投稿か?いつかだよ()←クズ作者の鏡

ほんとにしっかり慎重に練ってるのでだいぶ時間かかります。気長に待っていただけると嬉しいです。

忙しいのでこの作品も不定期になりがちですが、最低限週に1回は投稿できるようにがんばります

良ければ感想、評価お願いします‼

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