第4話です、どうぞっ
・4月30日
なんとか生き残る事が出来たようだ。
あの後、回収に来たヘリと協力してテロリストを一掃して帰還したらしい。
んで、俺はというと飛び散った金属片が左眼にざっくりと刺さってひどい出血&失明。
それと数日の昏睡をしていたようだ。電子カレンダーの日付も進んでたし。
てかよくわかんない部屋にいるし。
とりあえず金属片は取り除いたけど目は駄目だったようだ。
まぁ、戦闘は身体を張るものだしね。
仕方ないといえば仕方ないよなぁ。
それに片目でも見えないことはないしね。
ずっと眼帯つけてると思えば
なんてひとりでボソボソ言ってたらケイティが入ってきてベットの横で泣き始めてびっくりした。
心配をかけちゃったみたいで申し訳ないな。
……ハグって気持ちを落ち着かせる意味合いもあるんだっけ(にわか)
とりあえず抱きしめて頭をなでてあげることにした。
小さい頃に姉さんに同じことをやってもらったのを覚えている。
懐かしいなぁ。
最初はびっくりしてたかみたいだけど落ち着いたのか最終的には大人しく撫でられていた。
こうしてみるとほんとに可愛いよなぁ。
しばらくそうしていたけどそろそろ他のメンバーが来そうだから離すか………
え、ちょっと待て離して。見られたら恥ずかしいから。
見せつける?
ごめん、お兄ちゃん何言ってるかわかんない。
ああああああ、WA2000さん来ちゃったよ。
離して〜HANASE‼☆
・5月1日
結局ケイティを離す事は叶わずWA2000さんに見られてしまった。
恥ずかしいから忘れてほしいけどあの様子だと忘れていないだろう。
ニヤニヤしながら退室して行ったし。
というか本当にここどこの病院何だろう。
本部にこんな真っ白な病室なかったと思うし。
キョロキョロと挙動不審にしていたら急にドアが開いた。
声を上げそうになったけど入ってきたのはヘリアントスさんと、ヨレヨレの白衣を着たクマが酷い女性だった。
てか大丈夫かあれ。一体どれだけ寝不足になったらあんな事になるんだ。
やっぱブラックな職場は駄目だなって。
ここはI.O.Pという自律人形を研究、生産している会社でグリフィンとは懇意にしているところなんだそうだ。
で、話を戻すけど何やら俺の潰れた目の事についてらしい。
何やら今開発中の戦闘補助システムなるものがあるらしく、それを組み込んだ義眼の被験者を探しているんだとか。
………つまりそれあれだよね。俺に実験台になれってことだろ?
もちろん報酬は弾む?
うん、弾んでくれないと困る。流石にボランティア感覚で協力できるほどトチ狂ってないし。
んで手術は………は?今から?ちょっ…
早すぎますよ‼待って待って
アーーーーーーーーーーっ‼‼‼
・5月2日
手術は無事成功したとさ。
でも数日は神経に馴染ませる為に起動しないのとまだ治りかけなのもあってふたたび包帯ぐるぐる巻きの刑にあった。
1回姉さんに鏡を持ってきて貰って自分の顔を見てみたんだ。
顔の左側にザックリと縦の傷が入っていた。しかも治りかけだからかカサブタみたいなものでエグい事になっててちょっとドン引きである。
幸いにも首から下は擦り傷や軽い打撲程度だから明日には退院できそうだ。
といっても、目が馴染むまで出撃は禁止されたからな。
銃のクリーニングでもしようか。
なんて考えてたら姉さんに大人しくしてろとベットに押さえつけられた。
暇なんだからそれくらいやったっていいダルぉ⁉
あ、だめですかそうですか。
やることが無い…………
端末に保存した書籍でも読もうとしたらケイティが携帯ゲーム機を2つ持って部屋に入ってきた。
久しぶりにケイティとゲームをしたけどなかなかに楽しかった。
というか相変わらず強スギィ‼
反応が良すぎでこっちが反応する前に攻撃してくる。
こ、このゲーマーめっ
結果としては俺の惨敗で終わった。
まぁ、楽しかったからいいけど。
ちなみにプレイしたゲー厶はメタル○アだった。
・5月3日
ようやく退院することができた。まだ包帯は取れないけど。
取れるのは明日かそれくらいだと。ちょうど明日頃には左眼も起動できるようになるらしいからちょうどいい。
今日は激しい運動も制限されてしまっているから銃の手入れと散歩だ。
銃は戦場だと自分の命を左右する大事なツールになるから手入れは時間を掛けて丁寧にする。
今は生きてるかわからない父さんから貰った形見でもあるし。
分解をして汚れをふいたりなんなり………
1時間以上掛けてじっくりとやった。
とはいえ1時間かけたところで1日のほんの少しの時間が潰れただけだ。
暇を持て余してついついベレッタM9も丁寧に手入れしてしまった。
30分くらいで終わったけど。
今度こそやる事がなくなったから着替えて寮から出て本社に入り、ラウンジをぶらぶらとする。
本社ビルに入るにはグリフィンの制服でないといけない決まりがあるからな〜…
ふとショップが目に入ったから寄ったらオレンジっぽい髪に青い瞳のなかなかキレイな人がめちゃめちゃ買わせようとしてきた。
カリーナさんと言うらしい。
猛烈な買ってくださいアピールだ。執念が凄い。結局根負けしてベレッタに使う9mmパラベラム弾をいくつか買ってしまった。
…というか弾薬を売ってるショップって。
まぁ、PMCだからだろうか。
後カリーナさんと連絡先を交換した。年も近いしなんか友達を得た気分だ。
5月4日
遂に包帯から開放される日が来た。
I.O.Pまで足を運んで、この前のヨレヨレ白衣の女性……ペルシカさんに包帯を取ってもらう。
やはり傷跡は残ってしまったけど、こればかりは仕方ないだろう。
左の瞼を開けようとすると止められた。
起動してからにしてほしいって。
ペルシカさんはコードを取り出したかと思うと、パソコンにつなげて俺の方に持ってくる。
え?俺ロボットじゃないんですけど、近づけられても繋げるところなんてないですよ。…近いです。…うぉお、クマ酷いけどそれでも美人だからドキドキ………って
えええええええええええええ⁉
ちょ……なんか左目の横にプラグ付いてるんだけど‼
皮膚ずらしたら出てきたぁ⁉
う、うわ〜繋がったよ。まるっきりロボットだな、これじゃ。
なんとも言えない気持ちでコードを眺めている間にもペルシカさんはキーボードを叩き続ける。
準備が終わったらしく、起動するよと声を掛けられた。
頷くとエンターキーが押された。と同時に目の奥に鈍い痛みを感じた。
でもそれは少しの間で直ぐに痛みは引いた。
恐る恐る目を開けてみると、きちんと見えた。
試しにいろんな方向に眼球を動かしたりして馴染んでいるか確認した。
というか、なんか目の色がライトグリーン…ケイティと同じ色なんですけど。
え?色は何色でも良かったけどケイティにねだられたから?
えぇ〜…………
……まぁいいか(適当)
反応が意外と薄いとペルシカさんに笑われたけど、視界を失ってからそんなに経ってるわけじゃないから喜びというより安心のほうが大きかった。
というか説明を受けてて思ったのが ……
なんでこんなにハイテクにしたのかな…
なに、望遠機能に暗視機能…サーモグラフィ?
いやまぁ役に立つけどさ………
呆れながら聞いていると今度はヘッドセットのようなものが渡された。
左目部分に透明なグラスが付いている以外はただのシンプルな骨組みだ。
聞くと、これも戦闘を補助してくれる装置なんだとか。開発中途中。
司令部から送られてくるデータを表示したり、通信装置の役割を果たしてくれたりとなかなか便利だ。
んで、これも試せと。
でもまだ戦闘には行けないしどこで使えと…
え?紙を預かってる?
なになに?
うーん?
“下垣智樹をヘリアントス上級代行官の補佐に命じる”
??????
ふぁっ⁉
ふぁっ
あ、ヘッドセットは映画 アイアンマン3でトニーがスーツを遠隔操作する時に付けていたものをイメージしています。