狙撃手の少年は   作:サンコン(マウントベアーの山の方)

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遅くなってしまいました‼
申し訳ない……
そして1話じゃ終わらなかった()

それでは中編、どうぞっ


第6話 中編 (修正済)

・5月12日 続(映像データ)

 

さて、ヘリを見送ったはいいけど……

 

こちらのメンバーは俺、ダネル、SV‐98だ。

敵は……20〜30人ってところかな。

 

また戦いながら撤退だろう。

しかし、俺達だけでなんとかしなければならないならない。

任務自体は成功したため、グリフィンとしてはこれ以上部隊を動かす必要がないからだ。

 

仮にまだ対象が現場に残っていて、対象の救出が現戦力では困難と判断されればすぐに増援がすっ飛んで来るんだが、取り残されたのが即応部隊隊員なら来る可能性は低いだろう。

 

うーん、フルメンバーて残ってたらまだ可能性あったかもしれないけどあの場面だとあれが最良の判断だったしなぁ。

 

「しかし…どうする。このメンバーでアサルトライフルを持っているのは下垣だけだ。私ら即応部隊の人形はちと特殊な訓練受けてるから撃てないこともないんだが、あいにくと今日は持ってきていなくてな……」

 

「なるほどな…」

 

ダネルさんが申し訳なさそうに言った。

よりによってアサルトライフル持ちだったWA2000さんを帰しちゃったしな……

 

うーん、これはもしかしなくても俺の責任では…?

 

「あ、別に下垣君の責任とかじゃないですからね?誰も悪くないですよ。それよりどうやって現状を乗り切るか考えましょう」

 

悶々としているとSV‐98さんに諭されて余計なことを考えるのはやめた。たしかに変な事を考えている暇はない。

 

今も大量の弾丸がこっちに向かって飛んできている。もうすぐ盾にしている壁が崩れそうだ。

 

「うーん…それにしてもなにか手立てがないものかな。このままじゃ本当にまずいぞ」

 

「あ、ジャミング……」

 

望みは薄いけどやらないよりはマシだから本部に連絡して応援を要請しようとした瞬間に敵がジャミング装置を起動してしまった。

 

お前ら俺に嫌がらせして楽しいのか、と内心で半ギレ状態になる。

 

「ちっ繋がらないぞ」

 

ふと、銃撃が止んだ。

おそらくリロードか様子を見に近づいて来ているのだろう。

どちらにせよ移動するチャンスだ。

 

「ダネルさん、フラッシュバンある?」

 

「ああ……投げたら移動だな?」

 

コクリと頷く。ダネルは腰のポーチからフラッシュバンを取り出してピンを抜き、敵に向かって投げた。

 

俺達は爆発を待たずに影から飛び出してその場を離脱する。

後ろではフラッシュバンの凄まじい音が鳴り響いていた。

 

これでどれだけの牽制になるかはわからないが、少しでも追跡が遅れてくれれば…

 

走って角を曲がった所にたまたまマンホールがあったから、素早く蓋を取って、下に降りる。

 

最後はダネルさんが降りて蓋を閉めた。

 

「ふ〜……運が良かったな。多分これで見つからないだろう。というかここを通って行けば安全に本部まで行けるんじゃないか?」

 

たしかに。

 

マップはこのヘッドセットが表示してくれるしテロリスト共にもまず見つからないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていたが次の瞬間、銃声が響きダネルさんの右腕が撃ち抜かれた。

 

「ぐぅ⁉」

 

「ダネルさん‼」

 

見ると先程のテロリスト共が。

マンホールの中まで探そうとするとはよほど執念深いのかそれとも俺達を見つけるなにかがあるのか……

 

ボスらしい人物がニタニタしながらこちらを見ていた。

 

「へっ手こずらせやがって……なんで見つかったかって顔をしているな?冥土の土産に教えてやるよ」

 

そう言って取り出したのは1つのタブレット。

そこにはマップが表示されていて、3つの光点と自分達の名前が書かれていた。

 

「……識別信号」

 

「そう、識別信号だ。俺達がグリフィンや他のPMCの人形共を正確に襲撃できたのはこいつのおかげだぁ……いやぁ、I.O.Pの連中も金を積めばこういうものも作ってくれるとはねぇ。皮肉なもんだなぁ‼もしもの為のものが自分の命を脅かしてるんだからよぉ‼」

 

ペルシカさんはありえないだろう。あるとすれば、金に目のくらんだ腐った社員だろう。

今頃そいつはどうなっているかわからないが。

 

撃てるから今すぐ撃ち殺したいが、ダネルさんが負傷している上に前後で挟まれてしまっている。

 

はっきり言って、詰みだ。

 

ボスがライフルを取り出して俺に突きつけた。

 

「てめぇももう終わりだ。……今までで一番長かったぜ」

 

そいつが引き金に当てている指に力を入れたタイミングで……

 

ヘッドセットがテキストメッセージを受信した。

 

★★★★★★★★★★

 

時は少し遡るーーー

 

「部隊を出すことはできないってどういう事ですか‼‼‼‼‼‼」

 

ヘリアントスの机に手を叩きつけてカーラ…スプリングフィールドが激昂していた。

 

弟を戦場に残してしまい、今すぐにでも救出に向かいたい。

だけど自分達だけでは危険だから出撃は許可できない。しかし、だからといって他の部隊を出すこともできない。

 

つまり自分達は識別信号の光点を見守ることしかできない。

 

その事実に怒り狂っているのだ。

 

WA2000は壁に寄りかかってじっとしている。

 

「すまない……だが、各地で同じようなことが起きている。任務遂行中の人形部隊が襲撃を受けているんだ。おかげで即応部隊は全部出払ってしまって、本部にはいない。戦闘可能な部隊がいないわけじゃないが本部を空にするわけにはいかない」

 

「ですがっ……‼」

 

「すまない…わかってくれ」

 

スプリングフィールドはなおも食い下がろうとするが、どうしても無理だと言われて黙り込んでしまった。

 

臨時司令室の中を沈黙が支配する。

スプリングフィールドは俯いたまま、何も言葉を発しない。

ヘリアントスは席を立つとドアの向こうに消えた。

 

「……あんたはどうするの?」

 

WA2000は沈黙に耐えられなくなったのか、スプリングフィールドに問う。

 

「……ここで、弟の動向を見守っているつもりです」

 

「…そ、私は銃の整備をしてくるわ。終わったらまた戻ってくるから」

 

そう言い、WA2000も部屋をでた。

 

1人取り残されたスプリングフィールドは祈る気持ちで画面を見続けた。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

そして時間は現在ーー

 

臨時司令室にはWA2000達チームメンバーと救出したPM-06が集結していた。

 

全員が完全装備をしていつでも出撃可能な状態にある。

 

PM-06はまだ初期状態だったのだが、下垣達を救出したい一心で戦闘データ…作戦報告書と最適化プログラム…強化カプセルを大量に使うという、電脳に相当負荷をかけるやり方で戦闘可能な状態になった。

 

全員、出撃許可が出るのを待ちながら画面の光点を見守っている。

 

そしてヘリアントスが入ってきた瞬間、全員の表情が喜色に染まった。

 

ようやく助けにいけると。

 

「出撃の許可が降りた。上層部でテロリストの掃討が決定された。君たちの作戦はまさに前哨戦となる。では、これよりブリーフィングをーー」

 

言おうとして誰かの気の抜けた声で中断された。

 

「……ケイティ?」

 

発したのはケイティだ。

しかし、目を見開いてあり得ないものを見ているような状態で固まっている。

 

流れるように全員がスクリーンに目を向けると……

 

下垣達の反応がなくなりかけていた。

この識別信号は生命活動が弱まると点滅をする。

 

危険であればあるほど早く点滅するようになっているのだ。

 

スクリーンに写っている光点は点滅どころか薄くなって消えかけていた。

 

「待って……嘘………嘘………‼」

 

ケイティが崩れ落ちそうになるのをWA2000が支える。

 

スプリングフィールドは放心していた。

 

「やだ……嫌だよ………」

 

ケイティは縋るようにつぶやく……

 

しかし、全員が見守る中下垣含む3人の反応は消失した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い………いやぁぁぁあぁぁああああああ‼‼」




なんだこれ()

テロリスト強し‼下垣達生死不明‼絶望のケイティ‼

やば(やば

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