異形のヒーロー   作:甘々胡麻ざらし

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化け物

「ここは…?」

 

少年が目を覚ますと先程あった筈の虹色の空が知らない天井へ、寝そべっていた砂漠はフカフカのソファに変わっていた。天井につり革が下がっていることを考えると、どうやらここは電車の中のようだ。少年が体を起こすのと同時に、車両のドアが開き"黄金のナマハゲのようなベルトを巻き、山羊のような複眼を持ち、胸には線路状のパーツを持った鬼"が現れた。

 

『お、眼ぇ覚めt「ば、化け物!?」おいおい、会っていきなり化け物呼ばわりかよ…。無いわぁ…』

 

鬼ははぁとため息を吐き、気怠そうに少年に背を向け不良のように腰を落とした。見るからに落ち込んでいるようだが、少年は今起きているこの状況が理解できず慌てていた。少年が鬼の後ろ姿をよく観察すると、少年は思わず吹き出してしまった。

 

『あ?何、笑ってんだ?』

「だ、だってwお尻に文字がw」

 

それもそのはず。何故なら鬼の尻にあるアーマーには2008とDEN-Oと書かれており、そのことに笑ってしまうのに見た目の恐ろしさと相まって一層笑いを引き立てたのである。

 

『人が気にしてること言いやがって…。はぁ…』

『アハハハハハ!子供にまで言われてやがんのwww』

 

少年が振り返ると"ロケットの姿をしたコウモリに似た怪人"2011とFOURZEという文字が刻まれた両肩を震わせながら爆笑していた。

 

「ま、また化け物…?」

『まぁ間違ってはないな。一応俺たちは人間だけど、こっちにも色々事情があるからこのままの姿で居させてくれ。別にお前を喰おうとかは思ってないから安心してくれ』

 

ロケット怪人は近くにあった冷蔵庫からジュースを一本取り出すと少年に放り投げた。少年は慌ててキャッチするとロケット怪人はナイスキャッチと手を叩き、少年は恐る恐るジュースを口に含んだ。

 

「あ、美味しい」

『だろ?さてと、君名前は?お家とか分かる?送っていくよ』

「家…」

 

少年は自分の体を抱きしめソファの上で震え始めた。その様子を見てロケット怪人は訳ありかと呟き、近くのソファに腰を下ろした。

 

『俺の名前はFOURZEだ!』

「え…?」

『何言ってんだお前?』

『いや、先ずは自己紹介かなぁって』

「あ、えっと…。織m…。時渡…ソウゴ…です…」

 

少年は嘘をついてしまった。本当の名前を言えばこの怪人達も、周りの人達と同じように蔑んだ眼を向けてくると恐れたからだ。幸いにも怪人達は少年の嘘に気づく様子はなく、ソウゴ君だねと言ってロケット怪人(FOURZE)は鬼の方に眼を向けた。

 

『あ?俺にもやれってか?』

『当たり前だろ?』

『はぁ…。DEN-Oだ』

 

(DEN-O)は相変わらず気怠そうに自己紹介をするとドカッと机の上に座った。

 

『で、この餓鬼どうする?』

『餓鬼じゃなくてソウゴ君だろ?うーん…』

 

FOURZEが考え込んでいると車内に警報が鳴り響き、次の瞬間車内が大きく揺れた。

 

『チッ!ターミナルに気づかれたか…』

『時の砂漠に長居していたしね。一旦逃げよう。ソウゴ君、しっかり掴まって!』

「え、どういう…」

 

DEN-Oが扉を出ると再び車内が大きく揺れ、今度は爆発音も聴こえる。ソウゴがソファの上に乗り窓の外を見ると赤白黒の独特な電車がこちらに向かって砲撃を撃っていたのだ。だが驚いたのはそこではない。なんと、空中に線路を出して走っていたのだ。

 

「あれって…」

『ソウゴ君!危ないかr「デンライナー…?」っ!?今…なんて…?』

 

次の瞬間大きな爆発と衝撃が起こり、ソウゴ達を爆煙が包み込んだ。


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