ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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179話

 

 

夕食の後、ツグミは忍田から訓練の内容についていろいろと聞かれた。

東から()()()()()()()ツグミの様子については知らされたが、ツグミが感じた東の指導や訓練内容について聞きたいと思ったからである。

 

「初めて手にする武器(トリガー)なんですから、慣れるのに時間はかかりますよ。当然じゃありませんか。わたしが竹刀を初めて持った時のことを覚えていますか? 当時は身長が120センチくらいしかなかったわたしでしたから、サイズ30…つまり90センチくらいの長さの子供用竹刀を用意してもらったおかげで初日から()()()()なカンジにはなっていました。ですが今日はいきなりそんな配慮もなく130センチ近い長さのイーグレット(ライフル銃)を持たされたんですからね。トリオン体でなければ絶対に持ち上がらない重さでしたよ。それをレイジさんは軽々と持ち上げて構えていましたから、普段の肉体鍛錬のおかげだなって感じました。なのでわたしもこれからはトリオン器官を鍛えるだけでなく、身体を鍛えるためにジョギングとか腹筋・腕立て伏せとかもやるつもりです。…あ、そういえば東さんから直立した時の姿勢が良いって言われました。それはきっと剣道の稽古で体幹が鍛えられたおかげですね。次の訓練では的当てをさせてくれるかもしれません。それが楽しみです」

 

ツグミが楽しそうに昼間の出来事を話すのはなかなか珍しいことだ。

普通の小学生なら学校で友人と遊んだことなどを話すものだが、彼女にはそういったことはまったくない。

ボーダーの活動せいで友人と親しくする暇がなく、一時期はイジメの対象でもあったくらいだから、彼女には学校での楽しい想い出がないためである。

それでも先の近界民(ネイバー)の大侵攻でボーダーが市民に認知され、忍田が学校側に事情を説明したことでクラスメイトから疎外されることはなくなり、むしろ賞賛や羨望の眼差しを向けられるようになったが、相変わらず彼女は忍田に学校での出来事を何も言わないままである。

そんな彼女が話すのは決まってボーダーでの活動である。

ただし必ずしも楽しいことばかりとは限らず、市内巡回の任務の後は市民からの暴言や非難を浴びて帰宅した時などは言葉少なく、家事を済ませてしまうと自分の部屋にさっさと行って寝てしまう。

だから東の指導が大変だとか苦労していると言いながらも楽しそうに報告するのは、彼女にとって本気で楽しかったと思えるからなのである。

 

「東さんはわたし以上に戸惑っていると思いますよ。人を育てることの難しさは真史叔父さんも良くわかっているはずです。そしてそんなあなたが任せたのですから東さんも信頼されていることを嬉しいと思うのと同時にプレッシャーが重くのしかかっているんじゃないでしょうか? 東さんには弟や妹がいないそうですから、年少の子供の扱いに慣れていないんでしょう。でもわたしと話す時にはしゃがんで視線を合わせてくれますし、子供扱いはしますけどそれはわたしのことを軽んじているのではなくわたしの身体のことを気遣ってくれているからだと思います。あの人はあの人なりに試行錯誤しながらわたしを一人前の狙撃手(スナイパー)にしようって頑張っているんだって感じました。わたしは東さんのことが好きになりそうです。なのでわたしもあの人の期待に応えたいと思います」

 

この頃のツグミは自分以外の人間を2種類に分けていた。

ボーダー関係者であるか否か ── 彼女にとってそれが重要で、ボーダー関係者でなければ他人が自分のことをどう思っていようとも無関心であった。

嫌いではないが好きでもなく、もしトリオン兵に襲われていたら()()()()()()()()()助けるのだが、それ以外の理由で困っていても積極的に手を貸そうとはしない。

ボーダー隊員である自分を理解できるのは同じボーダーの人間だけで、何も知らないで勝手なことを言う連中に対しては()()()子供であろうとしているからである。

一方、ボーダー関係者である人間、特に彼女が家族だと考えている人物に対しては異常ともいえるほど執着心がある。

嫌われたくない、嫌われたら自分の居場所がなくなり自分はひとりぼっちになってしまうという強迫観念があり、彼らの期待以上の結果を出すことで安心する。

例えば料理を美味しいと褒められれば次はそれ以上に美味しい手の込んだ料理を作ろうとするし、勉強もクラスで1番になれば次は学年1位になることを目指して一層勉強をする。

相手の期待する100%に応えるのではなく110%や120%の結果を出そうとするものだから、()にも同様にその上を行く結果を出さざるをえない。

もしここで相手の期待に応えられない結果を出してしまったらおしまいになると考えていて、常に努力を怠らずにいるから周囲の人間は無理をしているように見えてしまうわけだ。

 

ツグミの報告は既に東から聞いている報告内容とほぼ相違なく、本人がやる気に満ちているようであるから忍田は安堵していた。

 

「そうか、おまえが続けたいと言うのなら、今後の巡回任務も上手く調整して訓練できる回数を増やすことにしよう」

 

「はい。冬休みになれば学校の方も心配はいらなくなるので、後は東さんのご都合ですね。それから的当てができるようになったら訓練場を自由に使わせてもらえるように()()()()()にお願いしようと思っています。自主練習でもやればやっただけ結果を出せるようになりますから」

 

「わかった。できる限り希望に添うよう努力しよう。…ところで話は変わるが、おまえの進学先についてだ。担任の先生からはおまえの成績なら私立の進学校でも十分に通用するということだが、おまえ自身はどうしたいと考えているんだ?」

 

「わたしは公立の中学でいいです。私立はお金がかかりますし、別に進学校でなくても勉強はできるのだから不満はありません。どうせ中学は()()ですから無難に済ませるだけで十分。もしもっと勉強したいと思うようになったら、高校進学の時に六頴館でも受験します。あそこは通信課程もありますから、成績さえ良ければボーダーとの両立も楽になるでしょう」

 

ツグミの言葉に嘘はない。

彼女の言うように私立の進学校でなければ勉強ができないわけではない。

それに今の小学校の校区にある市立の中学ならクラスメイトたちもそのまま繰り上がりで同じ学校へ通うことになる。

しかし学区の違う学校へ通うことになれば、彼女の事情を何も知らないクラスメイトから以前と同様のイジメが起きる可能性はあるし、だからといって自分からボーダー隊員であることを公言するのも妙である。

自分がボーダー隊員であることを知っている人間ばかりならその方が面倒がないということなのだ。

そして何よりも通学に費やす時間を自主トレに回したいというのが彼女の本音である。

 

「おまえがそう言うなら私はこれ以上何も言うまい。しかしお金の心配なら無用だぞ。おまえの両親はおまえのために十分な財産を残してくれている。管理は私がしているから、おまえが必要であるという時にはいつでも用意できる。それに金銭的な面だけでなくおまえのためなら私はどんなことだってする。それが私の父親としての役目なんだからな」

 

両親の遺した財産というのは織羽の義父であった文蔵の遺産を引き継いだもので、半分はボーダーに遺贈されて残りの半分をツグミが相続している。

彼女名義の銀行口座には億単位の金額があって本人はまったく知らずにいるのだが、仮に知ったところでツグミは驚きはするものの使いたいとは思わないだろう。

 

「父親の役目なら十分果たしてくれていると思いますよ。こうして一緒にご飯を食べて、お話をして、それを毎日続けていられるだけでわたしは幸せで満足しているんですから」

 

ツグミはそう言って微笑んだ。

「一緒にご飯を食べて話をするだけで幸せ」などと娘に言われ嬉しくない父親などこの世のどこにもいないはずで、彼女がそういったことを()()でさらりと言うものだから忍田は涙ぐんでしまう。

 

「おまえは欲がないんだな…。私と一緒にいるだけで幸せなのか?」

 

「当たり前です。世界で一番素敵な真史叔父さんをこうしてひとり占めできるなんて最高に幸せです」

 

そう言ってツグミは忍田の座っているソファの隣に移動すると、ギュッと忍田の身体に抱きついた。

 

「なんだかこうしているとすごく落ち着くんです。…わたしには両親と過ごした頃の記憶がほとんどありません。でも父親というのはこんなカンジなんでしょうね。男の人だというのに警戒心を抱くことなくこんなことができるのは真史叔父さんだけ。温かくて大きな手で頭を撫でられていると、このままずっと子供のままでいるのもいいな、って思えてきます」

 

「そうか…」

 

「でもわたしは世界で一番幸せですが、逆に世界一不幸でもあるんですよ」

 

「どういう意味だ?」

 

「だってわたし()()は真史叔父さんのお嫁さんにはなれないんだもの。だからわたしは世界で一番素敵な男性と結婚できないという不幸な女の子なんです。仕方がないので世界で2番目に素敵な男性を探すつもりです。真史叔父さんと同じくらい強くてカッコ良くて優しくて、それでいつも一緒にいてくれる人でなきゃダメなのでなかなか見つからないでしょうけど」

 

「……」

 

忍田は感極まって無言でツグミを優しく抱きしめた。

自分がボーダーの人間であったことで幼いツグミの人生を捻じ曲げてしまったと思い込んでいた彼にとって「わたしは世界で一番幸せ」というツグミの言葉は救いであったのだ。

独身で子育ての経験などない若い彼にとってツグミを育てることは不安と試行錯誤の毎日で、5年を経た今になってやっと真理にたどり着いた気になった。

 

(そうだ…この子にとっての幸せは私自身の存在なのだ。目の前で両親の無残な死に様を見てしまったこの子にとって肉親の存在があるだけで十分。私が父親として何かを与えなければいけないというものではないのだな。私はこの子に戦いなど無縁の優しい世界にいてほしいと願いながら、近界民(ネイバー)との戦いの最前線に立たせている自分を責めていたが、この子は一度たりとも恨み言や愚痴を言ったことはない。もちろん私に心配をかけたくないからと何も言わずに自分の中に溜め込んでしまっている部分もあるだろうが、少なくともこの邪気のない笑顔に嘘はないはずだ。いつかこの子が私以外の男に安らぎを求めるようになる日が来るだろう。だからその日までは私が精一杯の愛情を込めて抱きしめてやるだけでいいということか…)

 

忍田はこれまでの「ツグミに対する申し訳ないという罪の意識」や「子育ての経験がないことに対する不安」などがすべて払拭され、これまで溜まりに溜まっていた「澱み」がすべて洗い流されたかのようにスッキリとした気分になった。

 

(それにしても私が世界で一番素敵な男性、か…。なんとも嬉しいことを言ってくれるものだ。昔は『わたしは大きくなったらまさふみおじさんのおよめさんになる』なんて可愛いことを言っていた。最近ではそんなことを言わなくなってしまい寂しく感じていたというのにな。もう少しだけ子供のままでいて、私の娘としてそばにいてくれないだろうか?)

 

 

「すー…すー…」

 

「…!?」

 

忍田がそんなことを考えていると、彼の胸に頭を載せていたツグミから寝息が聞こえてきた。

いつの間にか自分を掴んでいた腕からも力が抜けていて、完全に寝入っている様子である。

 

(そうか…訓練はトリオン体で行うから肉体には負担はないが精神的にはかなり疲れてしまったんだろうな。こうして私に身を寄せていてリラックスしたことで急に眠気が襲ってきたに違いない。やっぱりこの子はまだ子供だ)

 

ツグミを起こさないようにと静かに立ち上がると、忍田はツグミを抱えて彼女の部屋へと向かった。

そしてベッドの上にそっと下ろすと布団を掛けてやる。

その間もずっと彼女はぐっすりと眠ったままだ。

 

「おやすみ、ツグミ」

 

忍田はおやすみの言葉をかけるとドアを閉めたのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

ツグミと忍田が父娘の会話をしていた頃、東家でも家族の会話がされていた。

 

「そういえば今日はおまえが射撃の技術を後輩たちに教えると言っていた日だったよな? どうだった?」

 

「父さん、後輩じゃなくて先輩ですよ。17歳の高校生の少年と12歳の小学生の女の子、ふたりとも3年も前からボーダー隊員をやってるんです。年齢は下でもボーダー隊員としては先輩なんです」

 

「12歳の小学生の女の子だと!? そんな小さい子が異世界の侵略者と戦っているってことか?」

 

父親が大げさだと思えるほど驚く。

 

「そうです。半年前の近界民(ネイバー)との戦いにも参戦している猛者ですよ、その子も。現在の防衛隊員は俺と同い年の女性がひとりいますが、それ以外は全員未成年です。その理由は近界民(ネイバー)と戦うための力が伸びるのが20歳くらいまでだからなんです。そういうことで子供たちが戦うのは仕方がないことなんですよ」

 

「だったら大人のあなたが戦わなくてもいいんじゃないの?」

 

母親が不安そうな顔で言う。

 

「俺はこれ以上の成長は見込めないだろうけど、今でも十分に戦えるだけの力を持っているから入隊したんだ。誰かが戦わなきゃこの町は守れない。だったら戦える俺が戦うのは当然だろ? それにもし戦う力がなくても技術者(エンジニア)とか若い防衛隊員をサポートするオペレーターになるとか間接的にでも協力できるなら俺はボーダーで()()よ。今は防衛隊員をやりながら狙撃手(スナイパー)を育てるという任務を与えられている。難しい仕事だけど上司に俺ならできるって信頼されているから任されたんだと思う。その期待に応えないなんて男じゃない。母さんだって昔から一度決めたことは最後までやりなさいって言ってたじゃないか。俺は俺の役目を果たすまではボーダーを辞める気はないからね」

 

「でも危険なことはしないでね」

 

「う~ん…近界民(ネイバー)と戦うんだから危険は一切ないとは言い切れないけど、母さんたちが想像しているよりはずっと安全だよ。だから子供でも防衛隊員をやっていられるんだ。でないと彼らの保護者が絶対に許さないだろ? 少なくとも半年前の戦いで隊員の中に死者はひとりも出ていない。近いうちにもっと安全に戦えるシステムが開発されるらしいから心配しなくても大丈夫だよ」

 

東は狙撃手(スナイパー)用トリガーの開発に関しての協力を求められるという形でボーダーの技術者(エンジニア)チームに加わり、そのまま防衛隊員として残ることになった。

それは本人の意思によるものであり、忍田たちに強制されたものではない。

防衛隊員になって近界民(ネイバー)と戦おうという者には様々な事情がある。

家族や友人を近界民(ネイバー)に殺された恨みによるもの。

侵略者たちから自分の大切なものを守りたいがため。

単純に強いものと戦いたいから等々…

東の場合は先の近界民(ネイバー)による侵攻で失ったものはないし、積極的に近界民(ネイバー)と戦いたいわけでもない。

家のあった場所が大きな被害を受けた東三門ではなかったおかげで家族や財産は無事であったし、友人の何人かは負傷したり家を失くしたりしてはいるものの拉致されたり殺されたりすることはなかったのだ。

彼の両親も同じで、よって息子が積極的に戦争に参加することに納得できない部分がある。

もし彼が未成年者であったなら両親は入隊を絶対に認めなかったことだろう。

しかし幸いなことに成人であったから本人の意思でボーダーに入隊し、その後に優秀な隊員たちを育成することになったのだ。

 

「そんな不安そうな顔をしないでくれ。俺は母さんを困らせる気はまったくないんだから。…俺は別に正義に味方になりたいだなんて子供じみたことを言っているんじゃない。三門市民の暮らしを守るとか世界の平和なんていう大義名分などどうでも良い。俺が戦うのは今の日常を守るため。それには近界民(ネイバー)による加害を未然に防ぐしかないからで、それを他人任せにしたくないだけなんだ。あなたが育てた息子の言うことなんだから信じてくれよ」

 

「でも…」

 

「俺は半年前の近界民(ネイバー)との戦いで父さんや母さんが死なずに済んで心から良かったと思ってる。だけど次に近界民(ネイバー)が攻めて来た時に前回よりも規模が大きいものだったらふたりにも害が及ぶかもしれない。ならばその前にできることをやっておくべきだ。俺が戦うだけならひとり分の戦力が増えるだけだけど、俺が教育した隊員たちが戦えるようになっていればその戦力は10倍にも20倍にもなる。そういう意味では俺はボーダーに必要とされているんだよ。今すぐに納得してくれとは言わないけど、ちゃんと考えてほしい。俺のやっていることには十分意義があることなんだということを。じゃ、明日は1限目から授業があるから先に休ませてもらうよ。ボーダー隊員だからといって大学生の本分を疎かにはできないからね。おやすみ、父さん、母さん」

 

東はそう言うとリビングルームを出て行った。

 

(たぶん母さんたちは昔の戦争のイメージで不安がっているんだろうな。両親とはいえ部外者にボーダーの機密事項を話すわけにはいかない。トリオンだとかトリガーの秘密を話せるはずがないし、民間人が近界民(ネイバー)は俺たちと同じ人間だなんて知ったら大パニックを引き起こすだろう。俺だってボーダーに入隊して初めてあの怪物がトリオン兵という近界民(ネイバー)の造った兵器だって知って驚いたくらいだからな。…いずれ俺たちの出す結果について市民が評価を下すだろう。その時に自分たちの行為に恥じるものはないと堂々と胸を張って言えるよう努力するしかない)

 

東に限らずボーダーに入隊すると決めた者は周囲から様々な反対をされている。

その多くは「侵略者と戦うなどという危険なことをおまえがやる必要はない」というものだが、誰しも好んで入隊しようとは思わない。

しかし誰かがやらなければならない、その誰かが自分であるのだという志のある者がボーダーという組織に集うのだ。

もちろん近界民(ネイバー)を肉親の仇であるとして恨みを果たすために入隊した隊員もいるが、それでも自分の意思で入隊したのであり誰かに強いられているのではない。

 

(子供だろうと大人だろうと戦う力があってその力を行使する意思があるのなら、その人間に対して周りの人間がとやかく言う資格などない。子供といっても霧科くんのように普通の大人でさえ持ち合わせていない根性を持っている奴だっているんだからな。…それはそうと、12歳の子供が近界民(ネイバー)と戦っていることについて保護者はどう思っているんだろうか? 大学生の俺にさえ両親はうるさく言うのだから、小学生の女の子の保護者が何も言わないはずがない。おまけに入隊したのは9歳の時だと忍田さんは言っていた。彼女を見ていればきちんとした教育やしつけがされているとわかるのだから保護者がネグレクトしているというわけではない。もしかしたら俺に向かって『やれるか、ではなく、やらなくてはならないんです』と言い放った勢いで納得させたのかもしれない。だとしたら忍田さんに弟子入りする時にも同じように言ったんだろうな。きっと忍田さんも苦労したに違いないぞ)

 

東はツグミが大人たちに向かって自分の意思をはっきりと言う姿を想像して失笑してしまう。

 

(…さて、次に会うのはたしか24日の午後の巡回任務か。俺はもうクリスマスだからといってパーティーとかするような歳じゃないが、彼女は家族と一緒に過ごさなくてもいいんだろうか…?)

 

そんな余計な心配をしながらも24日が楽しみな東であった。

 

 

 

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