ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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19話

 

 

「どした? チカ子」

 

「鳥…!」

 

何かを察した千佳は数十メートル先のアパートの屋上を見つめていた。

そこにはたくさんの『鳥』に囲まれた男 ── ハイレインがいた。

 

「もう2体目がやられたか。急ぐ必要があるな。…卵の冠(アレクトール)

 

ハイレインが卵型のトリガー卵の冠(アレクトール)を起動すると、鳥型の弾が修たちに襲いかかってきた。

 

「攻撃が来ます!!」

 

修は叫ぶが、C級隊員の数名は鳥型の弾を避けきれず当たってしまった。

すると当たった隊員はキューブ状になってしまう。

 

「これは…! 鳥にさわるな!! キューブにされるぞ!!」

 

京介の指示でC級たちは鳥型の弾を避けるようにして逃げる。

これはラービットに捕まった隊員がキューブ化されてしまったのと同じで非常にヤバイ状態だ。

続いて魚型の弾が出水たちA級トリオに襲いかかった。

 

「生き物の形の弾か! 動きは複雑だけど…」

 

「落とせねー速さじゃねーな!」

 

緑川と米屋はそれぞれ自分の武器(トリガー)で魚型の弾を落とそうとしたが、武器(トリガー)までもがキューブ化してしまう。

武器(トリガー)が使用できなくなったところをラービットが襲い掛かり、緑川はシールドで防御しようとしたが、魚型の弾はシールドさえもキューブ化してしまい、ついに彼は緊急脱出(ベイルアウト)してしまう。

 

「こんにゃろう…新型と連携してきやがる…!」

 

米屋も戦闘体にいくつかのダメージを受け、そこからトリオンが漏れ出している。

ハイレインの登場で状況が変わってしまった。

 

「メガネくん! 女子連れて逃げろ!」

 

出水はハイレインと相対し、トリオンキューブを細かく分割した。

 

追尾弾(ハウンド)!!」

 

出水の放った追尾弾(ハウンド)は鳥型の弾を全部撃ち落とすつもりなのだ。

 

「ヒヨコ1匹通すかよ!」

 

「いい腕だ」

 

「…!!」

 

出水は鳥型の弾とハイレインに気を取られていて、足元の異変に気付かなかった。

彼の脚にはトカゲ型の物体がまとわりつき、触れた部分がキューブ化してしまったのだ。

脚を失った出水は地面に膝をついてしまう。

 

「高い火力、繊細なトリオンの制御(コントロール)、ランバネインと撃ち合っただけのことはある」

 

ハイレインが出水と戦っている隙に修たちはその側面に回った。

さっきのラービットの時のように側面からの攻撃をしようというのだ。

 

通常弾(アステロイド)!!」

 

千佳のトリオンを使った最大出力の通常弾(アステロイド)を撃つが、ハイレインは魚型の弾で弾をすべて防いでしまった。

 

「戦術は拙いが、やはり驚異的なトリオン量だな」

 

ハイレインはそう言うと鳥型の弾を飛ばしてきた。

 

「低速散弾!!」

 

修は風間との模擬戦の時のように無数の散弾で壁を作るが、その隙をついて何羽かの()が背後の千佳を襲った。

 

「千佳!!」

 

修の叫びも虚しく、千佳の手は修の手を離れてキューブ化してしまった。

 

「……」

 

修はがっくりと膝をつき、目の前にあるキューブ(千佳)を見つめた。

彼は常に「自分がやるべきことをやるだけ」と行動をしていた。

しかし千佳のトリオンを使って自分が強くなったと錯覚し、出水の指示に従わずに不用意に攻撃をしたために千佳をキューブにしてしまったのだ。

自らを責める修に出水が怒鳴る。

 

「おいこらメガネ! ボサっとすんな! 基地まで行きゃまだ全然助かる!」

 

「走れ、修! おまえがやるべきことをやれ!」

 

京介の言葉で修は自分のなすべきことを思い出した。

遊真の、レイジの、そして千佳の兄・麟児の言葉が頭の中を巡る。

 

(ぼくのやるべきこと…それは…)

 

修は千佳のキューブを抱えると立ち上がった。

 

「基地に向かいます! サポートお願いします!!」

 

「おー行け行け。…人型(こいつ)には一発お返ししなきゃ気がすまねーぜ」

 

脚は使えずとも両手は自由に使える出水はハイレインへの攻撃を再開した。

しかし緑川の緊急脱出(ベイルアウト)でフリーになった2体のラービットが修を追いかけてくる。

その2体は磁力(ヒュース)型と飛行(ランバネイン)型のモッド体である。

 

(立ち止まるな。迅さんと烏丸先輩の判断を信じろ。基地(ゴール)はもうすぐそこなんだ)

 

修は自分に言い聞かせる。

そして先輩や仲間たちの顔を思い浮かべた。

 

(ここまでいろんな人に助けてもらった。ぼくはぼくのやるべきことをやる。反省は全部終わってからだ。…絶対に千佳を助ける!!)

 

修はレイガストを(シールド)モードにしてラービットの攻撃を防ぎながら全速力で走っていくが、敵を倒さない以上いつまでも追いかけっこになってしまうだけだ。

そしてとうとう追いつかれ、絶体絶命の状況に追い込まれてしまった。

 

「シールド!!」

 

修はシールドを展開する。

するとそれには『盾』の文字が浮かび上がり、ラービットの攻撃を完全に防ぎ切ったのだ。

 

「このトリガーは…」

 

〔ユーマの指示でチカとオサムを護衛しに来た〕

 

「レプリカ!!」

 

遊真のもとを離れたレプリカ本体が到着したのだ。

 

〔待たせたな、オサム。『門』印(ゲート)

 

レプリカが(ゲート)を開くと、そこからラービットが現れた。

それは先に倒したラービットをレプリカが解析し、遊真のトリガーの性能を付与したもの。

(ブラック)トリガーを反映さえたせいか見た目は真っ黒で、肩の部分に玉狛支部のエンブレムが付いている。

 

〔迅の予知も大詰めだ。出し惜しみなしでいこう〕

 

遊真型のラービットは彼の(ブラック)トリガーが使えるということで戦闘力には不足ない。

一対二でも善戦してくれるはずだ。

その間に修とレプリカは戦場を離脱することにした。

 

「レプリカの本体がこっちに来て、空閑は大丈夫なのか!?」

 

〔問題ない。オサムとチカの救援を優先する。ユーマ自身が決めたことだ〕

 

「空閑が…!」

 

〔急ごう。ジンの予知によればオサムとチカが基地に入れるかどうかが未来の分かれ目になる。基地へ侵入した(ブラック)トリガーは現在訓練室に閉じ込めているらしい〕

 

「訓練室に…!?…そうか! 仮想戦闘モードか!」

 

〔今なら安全に基地に入れる。もし入口が開かなければ、多少時間はかかるが私が侵入して開けよう〕

 

「わかった! 行こう!!」

 

レプリカを伴って、修は基地入口を目指して走り出した。

 

 

◆◆◆

 

 

本部基地の訓練室ではエネドラと諏訪隊の戦闘が続いていた。

諏訪は散弾銃(ショットガン)型トリガーでエネドラに攻撃を加えるが、仮想戦闘モードになっているためにダメージを受けないと同時に敵にダメージを与えられない。

それでいて攻撃を続けていた。

エネドラも訓練室のトリックがわかってきたようだが、諏訪の意図が不明であるために苛立っている。

そのうちに諏訪の撃った弾のひとつがエネドラの身体の中の何かに当たった。

 

「お!? 今の手応え…ひょっとして()()()か?」

 

諏訪が射撃の手を止めた。

 

「硬質化したトリオン反応! カバーされた部位(パーツ)を見つけました! 反応をマークします!」

 

コントロールルームの堤が諏訪に伝える。

 

エネドラが身体を液体のように変化させることができたとしても、トリオン体である以上はどこかに「伝達脳」と「供給機関」があるはずで、その弱点を硬質化することで防御(ガード)しているのだと判断した。

カバーされた部位(パーツ)すなわち弱点にマーカーを付けることができたのだからボーダー側は優位に立てるということになる。

 

「はっはぁ、弱点見つけたぜ!!」

 

諏訪は歓喜して射撃を再開する。

しかしエネドラは偽装(ダミー)を複数作り出すことで本物を隠すという手を使ってきた。

さらに身体を気体化し、風間の時と同じように諏訪のトリオン体内部にブレードを出現させる。

おまけに気体になったことで訓練室の扉の開閉パネルに触れてしまい、扉が開くことで強制的に仮想戦闘モードが解除されてしまった。

そのせいで訓練室に入る前に斬られた右腕も失われ、諏訪は窮地に陥る。

その様子を見ていた本部作戦室の面々は苛立ち始めた。

 

「忍田本部長はまだ着かんのか!?」

 

「エレベーターに数百メートルの通路…。訓練室まではかなりの距離があります…!」

 

鬼怒田と根付の会話を耳にした城戸が鼻で笑って言った。

 

「ふん…あの男がまともに通路を行けばな」

 

「「…!?」」

 

鬼怒田と根付は怪訝そうな顔で城戸を見た。

城戸がそう言うには確かな根拠があった。

忍田が若い頃にやらかした「やんちゃな出来事(エピソード)」を良く知っているからだ。

かつてブレードの練習中に城戸の車を真っ二つにしたり、建物の2階の窓から出て3階の窓から入ってきたり、川の水の上を走れるか試して警察を呼ばれたとか、枚挙にいとまがない。

そんな彼がまともなルートを辿るはずがないのだ。

 

その頃、忍田は城戸の想像どおりに「まともではない(ルート)」を駆け抜けていた。

ロの字型になっている本部基地の内側の壁に穴を開け、壁伝いに斜めに駆け下りて大きくジャンプ。

訓練室のある辺りの壁を弧月で一刀両断し、そのまま訓練室へと飛び込んでいった。

 

「旋空弧月!!」

 

忍田は訓練室に飛び込むやいなや、エネドラに向けて旋空弧月を放つ。

通常では考えられないショートカットのおかげでなんとか諏訪が殺られる前に間に合ったのだった。

 

「よく足止めした、諏訪隊。ご苦労だった」

 

「イヤイヤまだ死んでないスよ」

 

そうは言うが、諏訪の戦闘体はもう戦闘に耐えられるものではない。

こうなれば忍田が頼りの綱だ。

 

「鬼怒田さん、悪いが壁を修復してくれ。こいつを逃がすわけにはいかないからな」

 

「…あぁ? 誰が逃げるって? この程度でオレに勝てる気でいんのか!? 雑魚トリガーが!!」

 

激昂するエネドラに忍田は静かに言う。

 

「当然だ。貴様のようなやつを倒すため、我々は牙を研いできた」

 

エネドラは自らの身体を気体化し、風間の時のように忍田の身体を内側からブレードで斬り裂こうというのだ。

しかしそんな作戦が何度も通用するはずもない。

 

「堤!」

 

忍田がコントロールルームの堤の名を呼ぶと、何も言わなくても堤は行動開始した。

 

「了解です。空調を全開にします!」

 

通風孔から大量の空気が挿入され、気体化したエネドラは風で押し戻される。

この状態で風上にいる忍田に攻撃が届くはずもなく、彼が有利に立っている。

 

「やつの弱点の位置情報をくれ」

 

「ダミーも同時に映ってしまいますが…」

 

「構わん。何れにしろ全て斬る」

 

忍田は目にも止まらぬ速さでエネドラ体内の偽装(ダミー)を含め硬質化した部位(パーツ)を叩き斬っていく。

エネドラは液体化ブレードで攻撃するも、そのブレードも叩き斬られてしまう。

 

「貴様の敗因は我々の前ではしゃぎすぎたことだ」

 

忍田はそう言い切って、最後の部位(パーツ)を斬った。

諏訪や笹森も援護するヒマもなく、諏訪は度肝を抜かれる。

 

「マジで全部斬った! 本部長、やべぇな!」

 

このまま忍田の勝利かと思えた。

ところが状況は逆転してしまった。

偽装(ダミー)を含めたすべての硬質化した部位(パーツ)を叩き斬ったと思われたのだが、土壇場でエネドラは弱点のカバーを外していた。

よってエネドラは無傷の状態だ。

再び液状化し、ブレードで忍田に襲いかかるが、忍田はそれを難なく避けた。

それは菊地原のサイドエフェクトによる支援があってのものだった。

 

「さすがよく避けたなぁ。…けど気をつけろよ。今はこっちが風上だぜ」

 

「!!」

 

エネドラは攻撃をしながら風上に移動していたのだ。

忍田の戦闘体の内部にブレードを出現させ、忍田は体内から切り裂かれてしまう。

 

「あ? 即死しねえな。小癪にも身体ん中に(シールド)張ったか? けど手応えはあったぜ。伝達系はズタズタのはずだ。もうまともに動けねーだろ? あ?」

 

忍田の身体からはトリオンが漏れており、このまま戦闘を続けるのは非常に不利である。

 

「敗因がどうのとか言ってたなあ、ボス猿さんよ。教えてくれよ、オレの敗因ってやつを」

 

「…いいだろう。すぐにわかる。私の仕事はもう終わった」

 

忍田の言葉が合図となって、諏訪と笹森がエネドラに攻撃を開始する。

もちろんエネドラも防御と偽装(ダミー)生成を同時に行い対抗する。

 

「おサノ!」

 

堤がオペレーターの小佐野瑠衣(おさのるい)の名を呼ぶ。

 

「了解! スタアメーカー適用(オン)!」

 

小佐野はスタアメーカーを起動した。

スタアメーカーは射手(シューター)銃手(ガンナー)用オプショントリガーで、弾丸が命中した場所にマーカーを付けることができるもの。

隠密(ステルス)戦闘などで有効なものだ。

これで偽装(ダミー)をいくら作っても無駄となる。

 

「日佐人!!」

 

諏訪の合図でカメレオンで身を隠していた笹森がエネドラの背後から斬りかかる。

しかし液体化ブレードで串刺しにされてしまった。

 

「消えるトリガーはもう見た。気付かねーとでも思ったか? クソガキ」

 

笹森はエネドラに対してにやりと笑い、そこで戦闘体の活動限界がきて緊急脱出(ベイルアウト)

その際に煙幕が周囲を覆い、諏訪がエネドラに銃口を向ける。

 

「トロいぜ!!」

 

「そっちがね」

 

諏訪に気を取られたエネドラは背後に現れた菊地原と歌川に気付かず、ふたりはマーカーの付いた部位(パーツ)を切り捨てた。

笹森は菊地原と歌川が攻撃するための囮だったというわけだ。

 

「伝達脳と供給機関を破壊。任務完了!」

 

淡々と告げる歌川に対し、エネドラは断末魔のような叫び声を上げる。

 

「猿ども…が…!!!」

 

エネドラの戦闘体は爆発し、辺りには静寂が戻る。

 

「ダミーが一度ゼロになった時点で隠密(ステルス)組が決める()は整っていた。()()の勝ちだ」

 

忍田は対エネドラ戦の終わりを告げた。

一方、生身の身体となったエネドラはまだ自分が負けたことを信じられないでいる。

 

「どうします? こいつ。さっき通信室でこいつに何人か殺されてますよね?」

 

菊地原が忍田に訊く。

 

「捕縛しろ。捕虜として扱う。相手は生身だ、無茶はするな。だが気は抜くなよ」

 

「ちぇっ」

「了解」

 

菊地原は不満そうだが、歌川と共にエネドラを捕縛するため一歩踏み出した。

しかし次の瞬間、エネドラのすぐそばにワープゲートが開き、そこからミラが現れた。

彼女のトリガー窓の影(スピラスキア)(ゲート)に似た『大窓』と『小窓』というふたつのワープゲートを使い、離れた2点を連結して人や物を移動させる能力を持つ。

『大窓』では人型近界民(ネイバー)やトリオン兵を移動させ、『小窓』では黒い棘のようなものを出現させて対象を刺し貫くという直接攻撃もできる(ブラック)トリガーである。

 

「人型近界民(ネイバー)!」

 

菊地原と歌川はスコーピオンを握り締めて警戒する。

それを無視するかのように、ミラはエネドラに声をかけた。

 

「回収に来たわ、エネドラ。派手にやられたようね」

 

見下す態度のミラに、エネドラは苛立ちながら言う。

 

「チッ…! おせえんだよ!」

 

手を伸ばしたミラの手を掴もうとしてエネドラは左手を伸ばした。

 

「あら、ごめんなさいね」

 

そう言ってミラはエネドラの手を握るが、『小窓』が開いて黒い棘のようなものがエネドラの腕を差し貫いた。

 

「なっ…!!?」

 

エネドラは自分の身に何が起きたのが理解できないような表情になったが、彼だけでなくその場にいた忍田や諏訪たちも驚いている。

 

「回収を命令されたのは(ブラック)トリガーだけなの」

 

ミラの冷酷な言葉でエネドラは自分の立場と状況を認識した。

 

「…てめえ…どういう…ミラ!!!」

 

生身の腕を斬り落とされた痛みの中でエネドラはミラに質す。

 

「はっきり言ってあなたはもう私たちの手に余るの。…気づいてる? あなたのその目の色、トリガー(ホーン)が脳まで根を張ってる証拠よ。あなたの命はもうそう長くない。脳への影響が人格にまで現れてる。暴言、独断、命令違反、それになにより…泥の王(ボルボロス)を使って通常のトリガーに敗北するなんて致命的ね。泥の王(ボルボロス)はもっと相応しい使い手が引き継ぐわ。あなたの角から得たデータで適合者はすぐ見つかる」

 

「ふざけんな…!! 泥の王(ボルボロス)はオレの…」

 

エネドラが息も絶え絶えにそこまで言った瞬間、彼の背後にいくつもの『小窓』が開き、複数の黒い棘が彼の身体を串刺しにした。

 

「とても悲しいわ。昔は聡明で優秀な子だったのに。さようなら、エネドラ」

 

ミラはそんな言葉を残して『大窓』の中に消えていった。

そしてエネドラはその場で絶命した。

 

「なんてこった。…仲間を殺りやがった」

 

アフトクラトルの仲間割れを目にして、諏訪は呆れたというより怒りの気持ちで吐き出すように言った。

 

「救護班を呼べ。人型近界民(ネイバー)を収容する」

 

忍田が諏訪に指示を出す。

 

「いっ!? こいつを…!? もう死んでますよ、本部長!」

 

「かまわん。こいつの()は未知のトリガー技術だ。分析できれば()への備えになる」

 

そして風間隊の歌川と菊地原へも指示を出した。

 

「風間隊、そいつの所持品を調べろ。今の女が(ブラック)トリガーだったとしても無制限の空間移動はできないはずだ。ワープ座標を決めるための発信機(ビーコン)が必ずある」

 

「了解です」

 

「うえー…やだなあ。血、キライなのに」

 

菊地原は嫌々ながらもエネドラの遺体に近付いていった。

 

 

◆◆◆

 

 

[おっ、また未来が動いたな。今度は誰だ? 宇佐美。…ほうほう、忍田さんが。…ふむ。…おお? …近界民(ネイバー)同士で?]

 

迅は栞から情報を聞く。

そして本部基地での顛末を知った。

 

「おまえのお仲間が殺し合ってるらしいぞ? 意外とゴタゴタしてるんだな」

 

「…だまれ!!」

 

ヒュースは迅の言葉を心理攻撃だとし、さらに激しい攻撃を繰り出してきた。

 

「貴様を始末して、すべてはこの目で確かめる!」

 

「そりゃ困るな。決着(けり)がつくまで俺と遊んでてくれないと」

 

迅は額に載せていたサングラスを装着した。

とうとう彼は本気モードで戦うつもりなのだ。

いよいよ「運命の分岐点」が近付いてきたということである。

 

 

 

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