ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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182話

 

 

第一次近界民(ネイバー)侵攻後、トリオン兵の出現といった目立った騒ぎもなく「ボーダー元年」は無事に暮れていった。

そして新たな年を迎え、1月2日にはボーダー本部基地の狙撃手(スナイパー)用訓練室でひとり黙々と射撃訓練をする隊員がいた。

もちろんツグミである。

大晦日の午前に市内巡回任務を済ませた彼女は忍田と祖母の3人で年越しをし、元日は丸々一日休んだもののその翌日の午前には狙撃手(スナイパー)の自主練習というのだから、彼女の年末年始休暇はあっという間に終わってしまったのだ。

もっとも三門市民の多くは喪中で正月どころではない。

それを考えれば「年越しそば」「除夜の鐘」「初詣」「おせち料理」「お年玉」といったイベントをすべてクリアしているのだから、彼女は彼女らしい年末年始を過ごしたといえよう。

 

狙撃手(スナイパー)用訓練室の使用許可は忍田から得ているためいつでも自由に使用できることになっており、午後からの新年会の前に一汗かいておこうと忍田よりも先に家を出て本部基地に来ていたのだ。

前回の訓練で東から250メートルの距離までOKをもらっているので、初めから250メートルの位置に的を固定してただひたすら撃つのみ。

基本を完璧にマスターすればいくらでも応用が効くようになるということで、彼女の目標は「百発百中」である。

集中力の続く3時間が限界なので、新年会開始の時間に合わせて午前10時に開始した。

 

(新入隊員が加わったとはいっても実戦に耐えられる隊員はまだ少数。正式入隊前から訓練している太刀川さんはともかく沢村さんたちはまだ訓練生に近い状態。これで半年前の侵攻と同レベル以上の襲撃があったらかなりヤバイだろうな…。このところ目立った騒ぎが起きていないから市民も無事に年越しできたわけで、市民の信頼度が上がればその分新規隊員獲得にも繋がる。ならばわたしにやれることは…じゃなくてやらなきゃいけないのは一日も早く狙撃手(スナイパー)としての技術を身に付けること。わたしが頑張れば真史叔父さんやジンさんたちが楽になるんだ)

 

ツグミがボーダー隊員を続ける理由は単純で純粋なもの。

だからこそ損得勘定なしでひたすら邁進できるのだ。

 

 

一発一発に祈りを込めるように撃ち、10弾撃つと深呼吸をして気合を入れ直す。

そして50弾撃つのを1セットとし、終わったところで構えを変えて撃つことを繰り返して5セット終えたところで休憩をしていると、そこに忍田がやって来た。

 

「ツグミ、調子はどうだ?」

 

「あ、忍田本部長。調子は良いですよ。もし良かったら記録をご覧になりますか? まだノルマの半分だけですけど」

 

「その言い方だと自信があるようだな? 見せてみなさい」

 

ツグミはコントロールパネルを操作すると、1発目から250発目の記録を表示した。

 

「1枚につき10発ずつで、全部で25枚あります。赤色で表示されているのが立射で、黄色の表示が膝射で撃ったものです」

 

ツグミが見せた記録は射撃を始めたばかりの人間のものとは到底思えないものであったから、忍田は息を飲んで言葉を失ってしまった。

なにしろ250発撃ったはずなのに撃ち抜かれた痕の数はその半分にも満たないのだ。

つまり同じ場所に何発も当たって銃痕が重なっているということで、それも中心部に固まっているのだから驚くに決まっている。

 

「的までの距離は250メートル。これは前回東さんにクリアを認めてもらえた距離です。次回は300メートルから始められると思います」

 

「東から話は聞いていたが…実際にこうして記録を見ると改めて驚かされる」

 

忍田は前回の訓練の後も東から報告を受けていた。

自分の部下の仕上がり具合を確認するのは本部長としての役目でもあるが、実際のところは愛娘(ツグミ)の様子が気になって仕方がないので、訓練の度に報告するよう東に指示してあるのだ。

 

「でも()()()()250メートルですよ。トリオン能力が高ければ高いほど射程が伸びるらしですから、わたしなら最低でも1000メートル先、それも動くものを撃てなければダメでしょ? ですから250メートル先の静止している的の真ん中を撃ち抜いたところで自慢にはなりません」

 

自慢にはならないと言いながらも、彼女は誇り顔で語っている。

 

「ではわたしの勇姿をお見せしましょう。少し離れてくださいな」

 

そう言ってツグミは忍田をブースから遠ざけると、膝射の構えで新しい的を撃つ。

ライフル射撃の教本の写真にも使えそうな理想的な姿勢で、弾も的の中央を見事に撃ち抜いていた。

 

「すごいな…。東が感心するのも無理はない」

 

「東さんの的確な指導と技術者(エンジニア)の方がわたしのためにイーグレットを軽量化してくれたからこそこの結果が出せたんです。ですからあとはわたし自身の努力次第です。2月末までには実戦でも使えるようになりますと東さんに豪語しちゃいましたから、こうして時間のある時にはできる範囲で自主練習です」

 

「本部長としての私はおまえに何も言うまい。しかし父親としての私はおまえがボーダー活動にのめり込めばのめり込むほど…いや、何でもない。おまえの好きにすればいい。おまえが()()()()に来てしまった以上、元の場所には戻れないのだからな」

 

普通の娘として生きてもらいたいと願いながらも、ツグミがボーダー隊員としての生き方に全力を注いでいるのであれば見守るしかできない。

人の幸せに決まった形がない以上、彼女が望む「幸せの形」が自分の考えるものと違っていても仕方がないことで、否定することは彼女の人格及び思想を否定することと同義となる。

ならば()()()()()()忍田は何も言うべきではないのだ。

一方、ツグミは忍田の気持ちを正しくは理解していないが、少なくとも自分のことを心配してくれているのだとわかっているから笑顔で答えた。

 

「わたしはボーダー隊員をやりたくないのに我慢してやっているなんて思ったことはありませんよ。普通の人が趣味でバンドを組んだりサッカーチームに所属したりというものと同じで、自分がより良く生きていくための活動の一環なんです。まあ、わたしの()()がみんなボーダー関係者であったという点では特殊な環境にあったわけですが、だからといって自分に不向きなものを続けていけるほどの根性をわたしは持っていません。わたしはこれまで剣術が最高に面白いと思っていましたが、射撃もなかなかですよ。やっぱり何事もやってみないとわからないものです。やってみて自分に不向きであればそこでやめますし、不本意で始めたことでもやり続けたいと思うものであればずっと続けます。忍田本部長にとってはボーダーの戦力が増えるんですから大歓迎ですよね? 真史叔父さんにとっては心配かもしれませんけど、少なくとも本部基地(ここ)にいる間の忍田真史はボーダー本部長としての役割に徹し、ボーダーにとっての利益を優先してください。そして家に帰ったら霧科ツグミの父親に戻ってかまいませんから」

 

そう言って最後にツグミは大きく背伸びをして忍田に耳打ちした。

 

「家に帰ったら真史叔父さんに目いっぱい甘えるので覚悟していてくださいね」

 

他人から見ればあざとい仕草でもそれを無自覚でしてしまうツグミ。

ツグミは忍田に溺愛されることを嬉しく感じながらも困惑していたのだが、こういう彼女の行動が忍田の過度な愛情を加速させるのだと気付きもしないのだ。

 

「そろそろ練習を再開しようと思うんですが、少し見学していきますか?」

 

「いや、新年会の準備をサボって来ているのでそろそろ戻らなければいけない。私がここにいるだろうと察して探しに来る勘のいい奴が…」

 

忍田がそう言ったタイミングで訓練室のドアが開いた。

 

「あー、やっぱここにいたか」

 

声の主は林藤であった。

相変わらず飄々とした態度で、ボーダーの重鎮でありながら堅苦しいところが全然見えない。

 

「林藤さん、こんにちは」

 

ツグミが挨拶してペコリを頭を下げると、林藤はその頭を撫でて言う。

 

「頑張ってるみたいだな。どうだ、イーグレットの使い心地は?」

 

「わたしの身長だと少々大きめですが慣れれば何とかなります。重量も技術者(エンジニア)の皆さんのおかげで解決しましたから、あとは繰り返し練習をするのみです」

 

「うん、イーグレットはこれでほぼ完成だな。よっておまえたちがこれをどう使うかで次の段階に進むかどうか決まる」

 

「どういう意味ですか?」

 

狙撃手(スナイパー)というポジションが確立すれば、新たなトリガーの開発を進めようかと考えてんだ。本体をもっと軽量化して速射性に優れたタイプや、対大型トリオン兵用の威力重視の大型ライフルとか面白そうだろ?」

 

「はい。ですが他にも開発を進めているシステムがあって優先順を考えたら後回しになりそうですね?」

 

「まあな。ここだけの話だが、緊急脱出のシステムはほぼ完成と言っていいんだが、仮想戦闘システムがもちっと時間がかかりそうなんだ。だからその後になるだろうな」

 

「気長に待っています。…それにしても林藤さんが開発室のメンバーに加わるなんて意外でした」

 

「防衛隊員の方の補充の目処がついたからな、次はトリガーやいろんなシステムといった面で人員不足を埋めなきゃならん。鬼怒田さんは優秀な技術者(エンジニア)だがあの人ひとりでどうなるもんじゃない。人手は多い方が良いってことで現場を選んだってわけさ。管理職ってガラじゃないからな俺は。ハハハ…」

 

新体制になった時、旧ボーダーの幹部は城戸が本部司令、忍田が本部長という肩書きで全体を束ねることとなったのだが、林藤は開発室、しかも肩書きなしの技術者(エンジニア)となった。

城戸たちも現状でもっとも力を入れるべき部署が開発室であると考えていたから林藤の決断を歓迎した。

林藤自身も肩書きに見合う責任を押し付けられるよりは自分の好きな分野でやりたいことをやりたいということで開発室を希望したのだから、この人事は理想的なものといえよう。

ただツグミは想像していなかったものだから驚いただけなのだ。

もっとも「管理職はガラじゃない」と言いながらも、この2年後には玉狛支部支部長としてレイジや小南や迅といった旧メンバーのリーダーとなっているのだが、本人もそんなことになるとは想像もしていなかったことだろう。

 

「しかし管理職の忍田にはやらなきゃならんことが山とある。おまえにとってこいつが可愛い部下なのか愛娘なのかわからないが、のんびり語らっている暇はない。城戸さんがお呼びだぞ」

 

林藤が本題を持ち出すと、忍田は渋い顔をした。

 

「どうせスポンサー連中との懇親会の時のスピーチのことだろ? 唐沢さんからスピーチ原稿を預かって昨日の夜にこっそりと練習したさ」

 

「俺はそういうのが苦手だから役職はお断りしたんだ」

 

林藤がさも当然という顔で言う。

 

午後に行われる「新年会」は前半が隊員・職員のみの集まりで城戸が年頭の訓示や今後の抱負を語るなどをして、後半がスポンサーや様々な関係部署のお偉方を集めての立食式の懇親会となる。

先月の新本部基地の完成パーティーでは内部の人間だけで開催されたが、この日のスポンサーたちを招いてのパーティーが正式なお披露目となるのでツグミたちのような防衛隊員は全員出席を義務付けられている。

なにしろ最前線で戦い三門市民の生命及び財産を守る若き精鋭であり、彼らの態度によってスポンサーたちの機嫌によって援助金額に大きく影響することを誰もが理解している。

当然ツグミも承知しており、これからのことを考えると憂鬱になってしまうものだから渋い顔をして言った。

 

「わたしなんかきっと客寄せパンダ的なカンジで見世物にされるんですよ。スピーチくらい大したことじゃありません。管理職というのは面倒なことをやることと、いざという時に責任を取る役目だからこそ良いお給料をもらえるんです。だからその分ちゃんと働いてください。忍田本部長の働きに老いた母親と小学生の娘という大事な家族の人生が託されているんですからね」

 

さも他人事のように言うツグミの言葉を訊いて林藤は爆笑する。

 

「ハハハ…ツグミはこんなにちっさいのに道理というものをちゃんとわきまえているぞ。親の躾がしっかりしてんだろうな? …っと、こんなところで油を売っている暇はない。さっさと城戸さんのところに戻るぞ」

 

「仕方がない…。ツグミ、また今度訓練の様子を見せてくれ」

 

「了解しました、忍田本部長」

 

ツグミはそう言って敬礼をした。

そして忍田と林藤が訓練室を出て行くと、再びブースに入ってイーグレットを構えた。

 

「あと250発、気合を入れていくぞ~!」

 

 

 

 

ノルマの全500発を撃ち終え、ツグミは自分で作って持って来た弁当を食べていると、そこに東がやって来た。

 

「よう、やっぱりここにいたか」

 

「東さん、こんにちは…じゃなくて明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします」

 

ツグミがペコリと頭を下げると、東も軽く頭を下げて答えた。

 

「こちらこそどうぞよろしく。今年は良い年にしたいな」

 

「はい。ボーダー(わたしたち)が良い年にしないといけませんね」

 

「そうだな。それで午前中から自主練習していたんだろ? 結果を見せてくれるか?」

 

「はい。…さあ、ご覧ください」

 

ツグミは東に記録を見せた。

 

「ほう…これは見事だ。250メートルの距離ならほぼ完璧だな」

 

「でしょ? だから次は300メートルから始められますよね?」

 

「いいだろう。だが俺が大学の方で少し忙しくなったものだから、次の訓練日がいつになるのかまだわからないんだ」

 

「それならそれまで自主練習しています。レイジさんも時々ここで練習しているようですので、わたしも東さんのお時間ができるまでひとりで黙々とやってますよ」

 

「すまないな。俺の方も時間をやりくりしてできるだけ早いうちに訓練ができるようにする」

 

「はい。ぜひよろしくお願いします」

 

東は当初ツグミが子供だからということで、手とり足とり教えなければいけないと考えていた。

しかしそれは良い意味で裏切られ、自分の初めての弟子は思いのほか優秀で一を聞いて十を知るという聡明な少女であると悟った。

 

(いや、一を教えれば十できるようになる、と言った方が合っているかな? とにかく与えれば与えるほど彼女は成長し続け、それを見ているのは本当に面白い。忍田さんが『弟子が成長していく姿を見ているのは楽しい』と言っていたが、あの人が剣術を教えている時もこんな感じだったんだろうな。背の高さが俺の肘の高さくらいまでしかない小さな少女が全幅の信頼と期待を込めた視線で見つめているとなれば裏切ることなんて絶対にできはしない。俺は大学とボーダーの両立を甘く見ていたが、真剣に取り組まなければどちらもダメにしてしまいそうだ)

 

ツグミとの関わりを機に、東は改めてボーダー隊員である自分を見つめ直すこととなった。

ボーダーは高校と大学で提携校を定め、隊員の学業面でのサポートをすることになるのだが、それは本気で学業を続けたくとも任務のせいで登校もままならない学生のためのものである。

間違っても太刀川のように「勉強嫌いで成績の悪い隊員の救済策」ではない。

 

「あ、話は変わりますけど、これを東さんにお渡ししようと思って持って来たんです」

 

ツグミはそう言って自分のバックパックの隣りに置いておいた紙袋を持ち上げて東に見せた。

 

「明日の3日は東さんのお誕生日だと聞いてプレゼントを作ってみたんです。どんなものがお好みかわからないので気に入っていただけるかどうかわかりませんが。一日早いですけど明日はたぶん渡せないので今日用意しました」

 

ツグミの持つ紙袋の中を東が覗くと、そこには長さが30センチで縦横12センチずつの白い箱が入っていて、心なしか甘い菓子のような匂いがふんわりと漂っている。

 

「これは?」

 

「抹茶カステラです。阿波の和三盆糖と宇治の抹茶を加えた自信作です。甘さは抑えめにしてありますので、甘いものが苦手な方でも召し上がれますよ」

 

知り合ってまだ半月ほどにしかならない上に顔を合わせたのも数回。

だというのに自分の誕生日プレゼントに手作りの菓子を持って来てくれたという心遣いがたまらなく嬉しくて、東は目頭が熱くなった。

 

「ありがとう。まさかきみからプレゼントを貰えるとは思ってもいなかったよ。せっかくだから明日の夜に家族と一緒にいただくことにしよう」

 

東はツグミから紙袋を受け取った。

 

「喜んでもらえたようで良かったです」

 

ツグミにとって家族や仲間が喜ぶならば全力を尽くすのが彼女のポリシーである。

よってこの時すでに東は彼女にとって大事な仲間であったということなのだ。

 

「さて、そろそろ()に行かなければならない時間ですね。わたしはここを片付けて掃除をしてから行きますので、先に行っていてください」

 

そう言ってツグミは私物の片付けをすると、自分の使ったブースとその周辺の雑巾がけを始めた。

その様子を見ていた東が言う。

 

「そういうところも忍田さんに仕込まれたのかい?」

 

「もちろんです。小さい時から掃除や片付けをきちんと躾けられましたから。剣だけでなくすべての()を極めようとする者は肉体だけでなく精神をも鍛えなければいけない。掃除とは心を磨くものであるという教えでしたから、自分が使った道具や場所をきれいにするのはわたしにとって呼吸をするのと同じくらい自然なことなんです」

 

「さすがは忍田さんだ。優れた師匠を持つと弟子も優れた人格を持つ人間に育つのだな」

 

「はい。ですからこれからは東さんの教えを守ってもっと優れた人間になりたいです」

 

ツグミがそんなことを言うものだから、東は困惑してしまう。

 

「あんまりプレッシャーをかけるなよ。俺は弟子を持つのはこれが初めてなんだからな」

 

「あら、()()()()()()()師匠なんですから大丈夫ですよ。わたしの人を見る目は確かですから、これでも」

 

冗談とも本気ともつかないことを言うツグミ。

 

「ハハハ…そういうことならこれからはもっとビシビシいくことにしよう。じゃ、また後で」

 

東はそう言って訓練室を出て行った。

残されたツグミは掃除を続け、自分で満足いく結果を出すと大きく背伸びをした。

 

「さて、まず城戸さんの難しい話を聞いて、それから知らない大人がいっぱいいるパーティーか。気が重いな…」

 

ツグミは憂鬱であった。

初対面の人間と話す時の距離感や相手の年齢や立場といったものを考慮して言葉遣いや話題に気を配らなければならないものだから()()()()()のである。

しかし彼女は大人とも対等に話せるだけの度胸があって、年齢以上に利口なものだから大人たちに可愛がられる。

だからそれほど気鬱にならくても良いのだが、やはり彼女は小学6年生の少女なのである。

 

(スポンサーの人たちのご機嫌を損ねたらボーダーの運営資金が減らされちゃうだろうし、三門市の関係者とも上手く付き合っていかないと何かあった時に協力が得られない。大人って本音と建前とか、忖度とか大人の事情なんてものがあるから、子供のわたしにはわからないことばかり。完全に()()()()()をして誤魔化してしまうって方法もあるけど、わたしのガラじゃないのよね…)

 

嫌々ながらであっても彼女は自分の目的のためなら全力を尽くす人間であるから、この後のパーティーでも彼女は彼女なりに役立ってスポンサーたちに良い印象を与えることとなる。

そしてこの時に増額された資金によって「仮想戦闘システム」の実用化が早まったのだが、そのことを本人が知ることはなかった。

 

 

 

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