ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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新章「近界(ネイバーフッド)」です。
前話でキオンの遠征艇に同乗させてもらったツグミは迅と共にアフトクラトルとキオンへ向かいます。
約40日という長期にわたる近界(ネイバーフッド)の旅であり、訪れる先はどちらも軍事国家ですからひとつ間違うと戦闘状態にもなりかねません。
もちろん経由する国々でもトラブルに巻き込まれる恐れはあります。
そういった緊張を伴う旅が始まりましたが、ツグミは「同じ旅をするなら楽しくいこう」と考えています。
そして未知の世界への旅は()()()()と始まりました。




近界
258話


 

 

アフトクラトルまではふたつの国を経由し、約90時間かかる予定である。

キオンまでの航路で経由するのは現在戦闘状態にない情勢の安定した国であり、最初の経由地はボーダーでも馴染みのあるメノエイデスなのでツグミはさほど緊張はしていない。

もちろんゼノンたちも任務でいろいろな国へ行っているのだから慣れているし、迅も自分の未来視(サイドエフェクト)でツグミの身の安全が確保されているから不安はない。

むしろ遠征艇にいる数十時間という退屈な時間をどのように過ごすかの方が問題となっていた。

そこでツグミはいくつかのボードゲームやカードゲームを持ち込んでいる。

近界(ネイバーフッド)の国々にもチェスやトランプに似たゲームはあり、貴族階級の人間だけでなく娯楽の少ない庶民にも広まっているらしい。

そういった近界(ネイバーフッド)の娯楽事情を聞いた上で彼女は自分たちが楽しむと同時に近界(ネイバーフッド)での庶民が遊ぶのにも適しているシンプルなルールだという理由で「リバーシ」「UNO」「モノポリー」「ジェンガ」そして「マンカラ」の5つを用意した。

この中のマンカラは一般にあまり馴染みのないゲームである。

マンカラとはアフリカ起源の伝統ゲームで、タマゴのケースのように2つの穴(ポケット)が6列並んだボードとおはじきやビー玉などの石を48個用意し、ポケットに入れた石を順に移動させるという単純なルールだが、そのルールは100種類以上にもなるそうだ。

勝利条件は「自分の陣地から先に石がなくなること」や「敵より多く石を取ること」などルールの種類によって違うものの基本は同じ。

シンプルで手軽、それでいて奥深いゲームであるから子供からお年寄りまで幅広い年齢層に支持されている。

運の要素がまったくなく先読みを要求されるものなので、ツグミのような頭を使うことの好きな人間にとっては()()()なゲームといえよう。

そして彼女がこれを選んだ最大の理由は「石と穴」に対応するものがあれば遊べるため特別な用具は必要としないからである。

起源は地面に描いた丸と自然の石で遊ばれていたとされていて、近界(ネイバーフッド)の貧しい庶民の子供でも遊ぶことができるだろうと考えてのこと。

学ぶことも遊ぶことも制限されている近界民(ネイバー)の子供たちのための知育玩具として広めたいという彼女の考えを聞いたゼノンたちは感激してしまった。

ツグミの行動のひとつひとつに深い意味があり、自分自身の利益や幸福を求めているだけなのだが、結果として周囲にも良い影響を与えることになる。

普通の人間ならその結果を自分の功績だと吹聴するだろうが、彼女はそのようなことはしない。

彼女にとって()()からの評価など微塵も気にしていないからだ。

近界(ネイバーフッド)の国々に玄界(ミデン)の文化や技術を持ち込もうというのも、貧しい庶民の生活の改善をして喜んでもらいたいというのではない。

単に近界民(ネイバー)がトリオンに頼らない暮らしができるようになれば戦争が減り、結果的に玄界(ミデン)の人間をさらって近界(ネイバーフッド)の戦争に使おうとするアフトクラトルのような国がなくなると考えていて、最終的にはボーダーが近界民(ネイバー)と戦わずに済むといういわゆる「風が吹けば桶屋が儲かる」的なもの。

ツグミは自分自身の「欲」のために風を吹かせようとしているだけなのだ。

ゼノンたちは仕事柄多くの人間に接してきたが、このように達観的な視野を持っている少女に出会ったのは初めてのことである。

所詮人間は他人のために生きることはできず自分のために生きているのだと16歳にして悟っているツグミの存在は彼らにとって驚きでしかない。

ツグミは玄界(ミデン)でも貧しい国の子供たちは学ぶ機会を与えられず、子供たちに教育が行き届かないと彼らが大人になったときに教育の重要性を伝えられなくなるという負のスパイラルに陥り、いつまで経っても貧しいままであるから教育制度を確立し、教育設備を整えて社会で働くことができる人材を育てる仕組みが必要だとゼノンたちに言っていた。

また抑圧された生活によるストレスを軽減するために適度な娯楽は必要だとし、誰でも手軽にできる娯楽を()()()()()()()()()広めることで貧しい庶民の上級階級への不満が減るだろうと考えている。

しかしそのためには衣食住のうちの特に「食」を満足させなければ意味をなさず、ゆえに生鮮食料品の長期保存の手段や収穫を増やす方法なども必要だと考えており、こうなるともはや政治家の仕事の範疇だ。

「家族や仲間と幸せに暮らしたい」と誰でも願うささやかな夢を彼女は実現させるために壮大な絵図面を描いており、ゼノンたちは利用されていることを知りながらも率先して彼女に協力するように()()()()()()のだから、この才能をさらに伸ばそうものなら末恐ろしいことになるだろう。

自分の目的の達成のために他者を思いどおりに動かす。

これはツグミがB級ランク戦でも垣間見せた能力で、特にRound4ではマップの選択権があったことから生駒隊・王子隊相手に完璧な作戦勝ちを収めた。

その事実をゼノンたちは迅から聞き初めは信じられずにいたのだが、暇潰しにと始めた各種ゲームで圧勝する様子を見て納得するしかなかったのだった。

 

 

「あー、何度やっても勝てない。ツグミ、どういうことなんだよ、これ?」

 

テオはツグミと1時間以上「ブラックジャック」をやっているのだが、彼はまだ一度もツグミに勝てないのだ。

初めはツグミがディーラー役でテオがプレイヤー役。

チップはおやつ用に持ち込んだ大量の「チ○ルチョコ」で、ミルクが10点、アーモンドが50点、ビスケットが100点など設定してプレイしているのだが何回やってもツグミが総取りとなり、ディーラー役とプレイヤー役を交代してもやはりツグミの勝ちであった。

 

「ブラックジャックの基本戦略は確率論なのよ。そこを理解していれば勝てるゲームだから、わたしが強いのは当然なの。あとは心理学的な面も加えたらもう完璧」

 

ツグミは自信満々に言う。

 

ブラックジャックとはプレイヤーとディーラーがカードの数字の合計で勝負するカードゲームで、プレイヤーは合計21という数字を目指して、ディーラーよりも数字が大きくなるようにカードを引いていくという単純なもの。

このゲームではジョーカーは使用せず、2~10の札はその数字どおり、絵札が10点、A(エース)は11点か1点で計算する。

それぞれに2枚ずつカードを配るのだがプレイヤーは2枚とも表向きにし、ディーラーは1枚が表でもう1枚を裏にして置き、残りは山札とする。

プレイヤーは先に勝負する数字を整えることになるのだが、ここで21をオーバーしてしまう(バーストする)とその瞬間に負けが決定してしまうので、ディーラー側の手札の数字を想像して自分の手札の数字を上手く調整しなければならない。

ディーラーは2枚の手札の合計値が16以下なら常にカードを引く(ヒット)、17以上になったら勝負(スタンド)しなければならないというルールがあるため、プレイヤーはこの規則性を逆手にとって「いかにディーラーをバーストさせるか、そしてプレイヤーがバーストせずに勝つか」を競うものなのだ。

よってプレイヤーは初期の2枚の手札とディーラーの確定している1枚の手札を手掛かりにヒットするかスタンドするかを決めなければならない。

 

「テオくんは次に出るカードの数字を勝手に想像してヒットしたりスタンドするからダメなのよ。このゲームでは10のカードと絵札を10点と勘定するから52枚の内16枚が10点になる。つまり13分の4が10点ということだから約3割の確率で10点のカードが出るということ。そしてディーラーはカードの合計が17点に達したら必ずそこでスタンドするのだから、そのことを頭に入れておくだけで勝率は格段にアップするわよ」

 

「でも確率論とか心理学って言われても良くわかんねーよ」

 

近界(ネイバーフッド)の国々には日本のように義務教育というものはなく、読み書きや計算などを学ぶことができるのは限られた子供たちだけであり、基本的な学力を身に付けてもそれを活かすことのできる場は多くない。

だから初等教育は軽んじられている風潮がある。

テオは12歳で幼年学校に入学して軍人となったが、それ以前に正式な教育を受けてはいなかったから、軍人として必要な最低限のものだけは身に付けることができたものの、それ以外のことは任務の中でゼノンたち年長者から教わるか経験で知っていったものばかりなのだ。

 

「確率論なんてそれほど難しいことじゃないのよ。それに知っておくといろいろ有利にことを運ぶことができる便利なものだし。…たとえばコイントスをする場合、表と裏の出る確率はそれぞれ2分の1なのはわかるでしょ?」

 

「うん」

 

「じゃあ、ふたりでジャンケンをする場合で考えてみましょう。AとBが1回だけ勝負するとAがBに勝つ確率はどのくらいだと思う? ジャンケンではグーとチョキとパーの3種があって、その組み合わせは全部で9種類になるのはわかるわね?」

 

「……うん、わかる」

 

「その9種の組み合わせの中で勝てるのはグーに対してのパー、パーに対してのチョキ、チョキに対してのグーの3種。勝つ確率は9分の3、つまり3分の1ということになる。これは計算上のことで、実際にはそうはならない。テオくんならこの勝率を上げることができるようになるのよ」

 

「どういうこと?」

 

「コイントスは単純に表と裏のどちらが出るかというものでしかないけど、ジャンケンは確率だけの問題じゃなく心理学を応用すると勝率がグンとアップする『必勝法』があって、テオくんのように相手の心の中が読めるとなればもう勝つに決まっているのよ」

 

ツグミが自慢げに言うものだから、テオは俄然興味を持ち知りたくなってしまった。

 

「それを教えろよ、ツグミ」

 

「そんなことできないわ。教えてしまったらわたしはテオくんにジャンケンで勝てなくなるもの。ねえ、思い返してみて。これまでお弁当のおかずで鶏の唐揚げの最後の1個を誰が食べるのかやトランプを始める時に親を決めるためにジャンケンをした時、わたしとジャンケンをして勝ったことある?」

 

「…ない」

 

「でしょ? わたしは必勝法を知っているからあなたに勝てるわけで、それを教えてしまったらあなたにはこの手が通用しなくなるから嫌」

 

「ちぇっ…」

 

不貞腐れるテオの顔を見たツグミはニヤリと笑って言った。

 

「でも条件によっては教えてあげてもいいわよ」

 

「ホントか?」

 

「ええ。これからキオンへ行くまでたっぷりと時間があるから、その間にいろいろなことを教えてあげる。まあ、いわゆる勉強会かな? これに最後まで付き合ってくれたらその時に教えてあげるわよ」

 

「勉強ってどんなことをするんだ?」

 

テオが嫌々そうな顔で訊く。

 

「別に面倒だとか難しいことじゃないわ。さっきみたいにトランプで遊びながら数学の勉強をするとか、楽しみながら賢くなっていくという一石二鳥のやり方だから」

 

「わかった。勉強は嫌いだけど遊びならやる。じゃあ、もう一度勝負しよう。そこでその確率論とかを教えてよ」

 

「うん、いいけど少し休憩しましょうよ。もう2時間近くトランプやってるんだから」

 

ツグミはそう言って大きく背伸びした。

 

「じゃ、オレはトイレへ行って来る」

 

テオはリビングルームを出て行った。

 

こうしてツグミは自分のフィールドにテオを乗せてしまい、自分の描いたシナリオどおりに事を動かしている。

ブラックジャックというゲームは確率論が重要となっていて「基本戦略(ベーシックストラテジー)」と言われるものがある。

スタート時のカードの組み合わせによって3枚目にとるべき行動を決めると勝利を高められるとされている。

もちろんそれがすべてではないが、これを知っているかそうでないかによってずいぶんと結果は違ってくるものだ。

ただしツグミがテオに9割以上の勝率で勝てるのは他に「タネ」がある。

それは彼女のサイドエフェクトによるもので、()に出たカードを覚えてしまうことで残りの山札に何があるかわかるというもの。

村上鋼の強化睡眠記憶と違って「睡眠」というステップがなく、一度ゲームを終えれば忘れてしまう方が都合の良いものであるから、彼女の能力は非常に便利である。

もっともブラックジャックには「カウンティング」という必勝法があり、カジノなどでは禁じ手とされているのだがツグミはその存在は知らない。

ただ残った山札に10・絵札・Aが多い場合はプレイヤーに有利で、逆に2~9が多い場合はディーラーに有利だというのはルール上わかる話で、さらにテオの直感に頼るプレイの仕方と負けが込んでくると焦って損を取り返そうとする性格を上手く利用していただけなのだ。

 

 

ゼノンとリヌスと迅はツグミたちのいる作戦机の反対側でポーカーをやっていたのだが、彼らは改めてツグミの「才能」を思い知らされた。

テオは自分の興味のあることや利益になることを習得するためには積極的に勉強するだが、それ以外のことになると消極的になってすぐに飽きてしまう癖がある。

それは誰でも同じなのだが、そういう人間に遊びながら勉強をさせるというツグミのやり方に感心してしまったのだ。

テオに自らやりたいという気にさせ、()()()()()()()という意識をなくさせるところがポイントである。

元々テオは賢くて器用な人間であるからやる気さえあればすぐにマスターできるのだが、そのやる気を出させることがゼノンたちにはできずにいたから、ツグミのやり方には舌を巻くしかない。

そしてゼノンとリヌスが感心している様子を迅はニヤニヤしながら見ている。

 

ツグミ(あいつ)はテオに学力を付けさせたいってわけじゃない。単に軍人以外に生きていく道があって、その可能性を広げたいだけなんだ。近界(ネイバーフッド)では貧しい階層の人間は軍人になることでしか生きられないヤツが多い。テオも同じだ。だが下っ端の軍人なんてやっていればいつかどこかで野たれ死ぬ。だから友人となったテオを死なせたくなくて別の道を歩ませようって考えているんだろうな)

 

他人には興味のないツグミであっても家族と仲間、そして友人にのこととなると我が身を顧みず行動する。

ゼノンたちとの出会いは最悪のものであったが、今では親しい友人となったのだから彼女が親身になるのも無理はない。

テオが任務でキオンを離れていることが多いと聞き、家族と一緒にいられる職に就けるならその方が良いと考えた。

それにキオンが他国を侵略せずに済む平和な国になった時、次代の子供たちの育成に携われるような人材に育てば万々歳といったところだろう。

迅はそう想像している。

するとゼノンとリヌスが腰を上げ、お互いに言った。

 

「俺たちもツグミの講義を聞こうか」

 

「そうしましょう。テオがゲームに強くなってしまったら隊長と私はいいカモにされてしまいますからね」

 

そう言って迅の顔を見るリヌス。

 

「ジン、あなたはどうしますか?」

 

「ん? 俺はちょっと疲れたから自分のベッドで昼寝でもしてくるよ。メシの時間になったら起こしてくれ」

 

「わかりました。じゃ、ごゆっくり」

 

迅がリビングルームを出て行くと、ゼノンとリヌスはツグミのいる一角へと歩いて行った。

 

「あ、ゼノン隊長、リヌスさん、ポーカーの結果はいかがでしたか? …ってそのお顔を見れば見当はつきますけど」

 

ツグミはそう言って笑みを浮かべる。

彼女は自分の勝負に集中していたからゼノンたちの勝負は見ていないのだが、どうであったのかは一目瞭然であった。

 

「私の勝ちですよ、ツグミ。あなたにも隊長の顔を見てその変化でわかるんですよね?」

 

「ええ。リヌスさんのおっしゃるとおりゼノン隊長はすぐ顔に表れますからわかってしまいます」

 

「隊長は自分で気付いていないようですけど良い手札が来た時と悪い手札が来た時の違いは眉の動きでわかるんですよ。赤の他人ではわからないでしょうけど、もう何年も一緒に仕事をしている私ですからね」

 

「それにリヌスさんは良いことがあるとほんの少しだけですが目を細めて口元が緩みますから。自分ではそんなつもりはないんでしょうけど、良く見ていればわかるんですよ」

 

「……」

 

リヌスは顔を赤くした。

それはツグミが自分のことを見ていて、微妙な表情の変化に気付いてくれるという嬉しさと恥ずかしさによるもの。

ツグミのいた位置からゼノンの顔は見えないがリヌスは顔の良く見える位置にいた。

おまけにエウクラートンの人間の血を引いているせいで視力が良いものだから、視界の中に入るとつい見てしまうという癖もついてしまっている。

それはリヌスも同じでツグミがテオを相手にしている様子をついチラ見していたのだが、そのことすら知られているとなれば恥ずかしくて穴があったら入りたいというところだ。

 

「と、ところで今はどの辺りにいるんでしょうかね? ちょっと操縦室へ行って航路図を見て来ます」

 

リヌスはそう言ってあたふたとリビングルームを出て行ったのだった。

その様子を見たゼノンが苦笑する。

 

「俺とあいつは仕事柄どんな状況にあっても平静を保ち、顔に表れないようにと訓練してきたはずなんだがな。俺のことはあいつにバレても仕方がないが、あいつの表情の変化に気付くなんてきみはすごいな」

 

「テオくんのように相手の心の中を知る手段を持っていませんから、それに代わるものとして表情や言葉使いの変化から察するしかありません。もちろんそれも不完全ですけど手掛かりの一部にはなります。どんなに親しい人であっても本心を知ることはできません。また勝手にあの人ならわたしの気持ちを理解してくれるはずだと思い込んで行動し、それによって相手を傷付けたり裏切るようなことをしてしまった経験がありますから、そんなことを二度と繰り返さないようにと相手のことを注意深く観察するようになってしまったのだと思います」

 

過去に城戸の信頼を失ってしまった時のことを思い出し、ツグミは目を伏せてしまう。

 

「でも城戸司令がこうしてわたしを近界(ネイバーフッド)へ送り出してくれたのですから、わたしはその信頼に応えるしかありません。目に見える形で結果を出し、胸を張って帰国できるよう頑張りたいと思います。そのためにはゼノン隊長をはじめリヌスさんとテオくんにもお手伝いをしていただくことになりますが、どうぞよろしくお願いいたします」

 

ツグミはそう言ってゼノンに頭を下げた。

 

「ツグミ、きみは自分の思うように行動すればいい。俺たちはそれに合わせて全力で支援よう」

 

「ありがとうございます」

 

ツグミとゼノンがそんな会話をしているところにテオが戻って来た。

 

「ツグミ、次の勝負の準備はできてるか? …って隊長と何、話してたんだ?」

 

「ゼノン隊長とリヌスさんも参加したいんですって。だから一緒にやりましょう」

 

「そうなんだ。で、リヌスは?」

 

「今操縦室に行って様子を見てくれているわ。あ、帰って来た」

 

リヌスがリビングルームに戻って来た。

 

「隊長、運航は順調で約16時間後に最初の寄港地メノエイデスに到着できそうです」

 

「そうか。では現地に到着するまでの時間をのんびり過ごそう」

 

 

ツグミたちの近界(ネイバーフッド)の旅はまだ始まったばかりである。

 

 

 

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