ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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281話

 

 

約束の9時ちょうどにツグミは城戸の執務室を訪問した。

 

「時間ピッタリだな」

 

「はい。お忙しい司令の時間を1分たりとも無駄にはできません。…ところでこれからお話することについて部外者が介入するとお互いに面倒なことになると思います」

 

「ああ、それは承知している。これから1時間、緊急時以外は呼び出しも来客もないはずだ」

 

「それは安心ですね。ではさっそくこちらの報告から行います。その上でボーダーの(マザー)トリガーについてわたしが納得できる説明をお願いします」

 

「わかった」

 

城戸は来客用のソファに移動し、ツグミを向かいに座らせた。

 

「城戸司令はわたしの父の織羽がエウクラートンから来たオリバという近界民(ネイバー)であったことはご存知でしょうが、そのオリバの実の両親についてはまったく知らされていなかったかと思います」

 

「ああ。本人も自分が養子で実の両親のことは何も知らないと言っていた」

 

「そのとおりです。ですがエウクラートンを訪問した際にわたしがオリバの娘だということをリベラート殿下に伝えましたら、すぐに面会を許されました。そして殿下はわたしの顔を一目見てすべてを悟ったようでした。オリバの母親はミリアムさんで、父親は…リベラート殿下だったんです」

 

「なんだと!?」

 

さすがに城戸もこの事実には驚いたものだから、目を大きく見開いて身を乗り出した。

 

「わたしはミリアムさんと話をして彼女が若い頃に私生児を産んで養子に出したということを聞いていました。ですが相手が誰なのかは知らされておらず、それが王家の男性であったなんて想像もしていませんでした。殿下も自分に子供がいたとは知らなかったようで、ミリアムさんは妊娠を知ってすぐにリベラート殿下とは別れて密かに出産していたのですが、当時の女王つまり殿下の母親にバレてしまい息子を取り上げられてしまったそうなんです。ミリアムさん自身もどこの誰に引き渡されたのかをまったく知らなかったようで、成長したオリバがトリガー使いとして、また技術者(エンジニア)としてミリアムさんと出会い、彼女が母親とは知らないままに慕っていったようです。ミリアムさんは自分の息子ですからすぐにわかり『愛弟子』として可愛がったそうです。そして21年前のキオンの第一次侵攻によって彼女は息子と愛する男性を守るために自ら(ブラック)トリガーになったということでした」

 

「……」

 

「ミリアムさんとリベラート殿下は本気で愛し合っていたようですが、殿下にはすでに許嫁がいましたのでこのことが醜聞として国民に知られてしまったら大変なことになりますから仕方がなかったようです。そういうことで父自身が自分の出生の秘密を知らずにいたのですから、わたしが王家の血筋の人間であることなんてエウクラートンに行かなければ知るはずのないことでした。別に真実を知ったことを後悔はしていませんが、そのせいで少々厄介な問題を抱えてしまったんです」

 

「厄介な問題だと?」

 

「いえ、ボーダーに何らかの不利益が生じるわけではありません。ただエウクラートンでは女王の体調がすぐれず、(マザー)トリガーの操作ができる唯一の存在である彼女が病気であるために作物の収穫等に障害が出ているようなんです。(マザー)トリガーからトリオンを抽出して国土の維持を行うわけですが、それができないとなると国が存在できなくなってしまいます。(マザー)トリガーの操作ができるのは王家の女性のみで、現在エウクラートンの王家のオーラクル一族には次期女王となれる女性がおりません。そこにわたしがのこのこと顔を出してしまったのですから、どうなったのかは司令にも想像がつくかと思います」

 

「…ああ」

 

「わたしは神殿にある(マザー)トリガーを見せてもらいました。そしてわたしにも操作ができることは確認済です。女王陛下やリベラート殿下はわたしにエウクラートンに残ってほしいと言いましたが、わたしにはやるべきことがありますからこうして帰国したわけです。ですが近いうちにきちんとした答えを出さなければなりません」

 

「……」

 

「そんな顔をしないでください。別に女王になるというのは(マザー)トリガーの操作をするだけで、神になるというのではありませんから。ですが一度女王になれば二度とこちら側の世界に戻ることだけでなく、王家の人間以外と顔を合わすこともできなくなるということですから、自分自身の人生をすべてエウクラートンのために捧げるということになります。いくら父の故郷といってもわたしには何の縁もない国ですから無視してしまうこともできます。今のところ女王の健康に問題はありますが、わたしが決定を下すのに急ぐ必要はありません」

 

「なぜそんな重要なことを忍田ではなく私に言った?」

 

城戸はこれまでになく難しい顔でツグミに問う。

 

「だって真史叔父さんに言えば感情的になって『絶対にダメだ!』とひと言で片付けられてしまい、再度その話を持ち出しても一切聞き入れてくれないでしょう。あの人はわたしのこととなると冷静な判断ができなくなります。でも城戸さんはそんなことありませんから」

 

「私もおまえのことを娘のように思っているつもりなのだが…」

 

「それは重々承知しています。ですがあなたは城戸正宗という個人であることとボーダーの最高司令官であることをきちんと両立できる人ですから、この話を聞いて『絶対にダメだ!』とは言わないという確証がありました。仮にあなたが忍田真史と同じように100%わたしの父親として判断するような人間であれば絶対に反対するでしょうし、逆に100%ボーダー最高司令官の立場で物事を考えるならわたしを上手く()()してエウクラートンと交渉に及ぶでしょう。別にあなたに相談をして答えをもらおうとかヒントになるものを手に入れようなどと考えているのではありません。いつまでも隠しておける問題ではありませんから、城戸()()にだけは話しておこうと思ったんです。なにしろわたしの対応ひとつでボーダーとエウクラートンの関係が良くも悪くもなるわけで、とてもデリケートな問題なのですから」

 

「……」

 

「わたしは利己主義者ですから自分のことが一番大事で常に自分の幸せを追求しています。その自分の幸せが手の届く範囲にいる人たちと穏やかな日々を過ごすことなのですが、そのために他者を犠牲にするという考えはありません。自分の小さな幸せのために他者の同じ小さな幸せを奪って良いというものではなく、そんなことをすれば寝覚めが悪いですからね。わたしの行動のすべては自分の幸せのため。ボーダーで戦っているのも三門市民のためではなく、一緒に戦っている仲間たちのために少しでも助けになればということ。結果的に三門市民のために戦っているように見えるだけです。今度のアフトクラトル遠征を成功させたいと考えて走り回るのはさらわれたC級隊員を助けたいというよりも、助けることによってボーダーの存在意義を世間に知らしめることができるからと、遠征に参加する隊員つまり仲間たちに犠牲が出ないようにと考えているからです」

 

「……」

 

「ですからわたしは家族や仲間が哀しむようなことは絶対にしたくありません。訓練を欠かさずに日々強くなろうと努力するのは絶対に死ねないからです。わたしが死ねば真史叔父さんはわたしをボーダーに入隊させなければ良かったと、哀しむと同時に自分のことを責めるでしょう。世界で一番大好きなあの人にそんな辛い思いはさせたくありません。自惚れではありませんがわたしが死ねば真史叔父さんだけでなく何人もの人が哀しむと思うんです。だからわたしは絶対に死んではならないと心に深く刻み込んでいます。トリオン体で戦うから絶対に死なないという甘い考えで戦っている隊員を見ると腹立たしい。旧ボーダー時代に緊急脱出(ベイルアウト)システムがなかったことで何人もの人間が死んだということを知らない隊員たちばかりです。人は撃たれたり斬られたりすれば死ぬんです。そして死ねば親しい人が哀しむということをみんな忘れてしまっているんです」

 

「……」

 

「7歳の時のわたしの世界はとても狭くて、旧ボーダーのメンバーがすべてでした。ボーダーに入隊して戦っているうちに仲間は増えていって、さらに近界民(ネイバー)との出会いを繰り返して、わたしの世界はとても広くなってしまいました。わたしの手の届く範囲にはキオンやエウクラートン、アフトクラトルの近界民(ネイバー)もいます。彼らが大切な人たちであると同時に彼らにとってもわたしは大切な人になっているはずで、わたしは彼らを哀しませるようなことはしたくありません。だからエウクラートンの女王になるという答えは出せません。でもエウクラートンの国民の存在を無視はできません。もしここで単純に『より多くの人間の幸福』を基準にして考えればわたしが女王になるという答えが正解になるでしょう。十数人の人間を哀しませても数百万人の人間が救われればその方がいいはずですから。でもそんな単純なものではありません。だからいろいろ考えて悩むことにしました。ベストな答えがなくてもベターな答えを見付けるために」

 

城戸はツグミの告白を黙って聞いていた。

そして自分の人生に大きく関わってくる選択を迫られていて、それを自分にだけ打ち明けてくれたことが嬉しかった。

近界民(ネイバー)に対する考え方の違いで対立していた時期が長かったために自分はツグミから憎まれていたと思い込んでいた城戸。

それがいくつかの出来事をきっかけに和解し、お互いに相手のことを信頼していたことを知った。

以来、ふたりの関係は良好なものとなり、城戸はツグミの行動についてある程度の自由を与えることとなったのだった。

しかし自由を与えて近界(ネイバーフッド)へ行かせたことで知らないでいてほしかった真実を知ってしまったわけで、城戸は黙って聞いていたと言うよりツグミにかける言葉がなかったのだ。

それでも本人がしっかりとした考えを持ってどうすべきか迷っているようだから()()()()()にはならずに済みそうだと考えている。

 

「わたしがエウクラートンで知った真実についてのお話はこれくらいです。ですので次は城戸司令からボーダーの(マザー)トリガーについて聞かせていただきます。よろしいですね?」

 

「ああ。私が知っている事実についてすべて話そう」

 

城戸は重々しい口ぶりでボーダー創設の頃の話を始めた。

 

 

 

 

「有吾と織羽によって近界(ネイバーフッド)という異世界の存在が知らされ、そこではトリオンという生体エネルギーが()()()の文明が栄えているという話を聞かされた。当時の私は若かったとはいえ22歳という大人であったから、そんなSFみたいな話はすぐには信じられなかった。しかし彼らが持っていた武器(トリガー)を見せられ、信じる他になかったのだった」

 

城戸はゆっくりとひと言ひと言を噛み締めるように昔話を始めた。

 

近界(ネイバーフッド)なんてものは日常生活に直接関係ないのだからどうでも良いと考えたが、有吾がこちら側の世界の人間であり、近界民(ネイバー)と呼ばれる異世界人と共に近界(ネイバーフッド)へ行ったと聞かされたら無関係だとは言っていられない。有吾は自分の意思で渡ったが、拉致という形で近界(ネイバーフッド)へ連れ去られた人間が他にいるとなればそれを見過ごすことなどできるはずがないのだからな。そこで有吾と織羽が『近界(ネイバーフッド)玄界(ミデン)の友好の架け橋になる組織』つまりボーダーを創設しようと動き、私と最上宗一の4人で立ち上げたのが20年前だ。当時は手探り状態であったが、それでも織羽というプロがいてくれたからなんとかできたようなものだった」

 

「その時から(マザー)トリガーはあったんですか?」

 

「いいや。しかし近界民(ネイバー)がこちら側の人間をさらおうというのだからそれに対抗する手段が必要だ。そこで織羽が携えていた(ブラック)トリガーを使うことにした」

 

「ミリアムの(ブラック)トリガー以外にも(ブラック)トリガーを持っていたんですか!?」

 

「ああ。どのようにして手に入れたのかは織羽も有吾も教えてはくれなかったが、あれは間違いなく(ブラック)トリガーだった。そしてその中に込められているトリオンを抽出することによってボーダーで使用するトリガーは作られることになる。本来なら(マザー)トリガーを使うはずなのだが、こちら側の世界では国土を維持するのにトリオンは不要で、トリガーの制作や遠征の際の艇のエネルギーに使用するだけなので(ブラック)トリガーを代用することで問題はなかったのだ」

 

ツグミがミリアムから聞いた話と同じだった。

(ブラック)トリガーと(マザー)トリガーは両方ともトリオン能力者の強い意思によって作られるもので、トリガー使いが自分のトリガーを核として作るのが(ブラック)トリガーであり、核を別に用意することでトリガー使いでなくても(マザー)トリガーを作ることができるというのだから両者は()()同じものなのである。

 

「しかし忍田や林藤といった連中が入隊し、しばらくして続々と若者たちが入隊すると規模を拡大しなければならなくなった。そこで当時同盟関係のあった国から(マザー)トリガーの情報を得て我々の手で作ろうとしたのだが成功せず、当初の(ブラック)トリガーの寿命が尽きるまで使った。そうなるとあとは隊員たちから少しずつ集めるしかなく、それが()()遠征まで続いたのだった」

 

「あの…というと例の?」

 

「ああ、そうだ。あの遠征は19人中10人が犠牲となる悲劇となった。救援を求めた国自体も国民の9割以上を失って再起はないだろうということになり、我々ボーダーは彼らから(マザー)トリガーを…正確に言えば(マザー)トリガーの核を譲り受けたのだ」

 

(マザー)トリガーの核? それってどんなものなんですか?」

 

「それは一見普通のトリオンキューブだが高エネルギーの凝縮体で、それを定められた手続きを行うと(マザー)トリガーとなってトリオンの供給装置となる。この時の(マザー)トリガーが現在この本部基地の地下に設置してあり、自動的にトリオンを必要なだけ抽出するようになっている」

 

「定められた手続き」というのがトリオン能力者を何らかの方法で核と融合させることだということはツグミにもなんとなくわかった。

問題は誰が「人柱」となって命を捧げたかである。

タイミングが一致することから遠征で犠牲になった10人のうちの誰かではないだろうか。

(ブラック)トリガーになった者が何人かいるということだが、確定しているのは最上が風刃になったということだけ。

そうなると最上以外の残りの9人の中で本人が自ら希望して「核」と融合して(マザー)トリガーになったのだろうとツグミは想像してしまった。

瀕死の状態で帰還したものの助からないと知ったら、その残り少ない命を有効活用するには(ブラック)トリガーか(マザー)トリガーになるしかないと考えるのは自然な流れだから。

しかしそれが誰なのかと訊いたところで答えてはくれないとうこともわかっていて、静かに目を伏せた。

 

「ツグミ、詳しいことを話せなくてすまない」

 

「いいえ、謝らないでください。でもこの本部基地の下に(マザー)トリガーがあるのははっきりしましたし、ボーダーでは国土の維持にトリオンが不要であるから何らかのシステムで自動的にトリオンを必要なだけ抽出することができるということもわかりました。近界(ネイバーフッド)の国々では国土の維持とその他、武器(トリガー)の作成や日常生活のエネルギーとして使う分とそれぞれ別に抽出しなければならず、その配分を女王とか神官と呼ばれる人が操作しなければならないんだと思います。(マザー)トリガーについていろいろ知ることができて感謝しています。これで希望が見えてきました」

 

「希望?」

 

「はい。…近界(ネイバーフッド)を旅していくつかの国とそこに住む人たちの暮らしを見てきましたが、どの国でもトリオンという近界(ネイバーフッド)の根幹を支える大原則があって、その中で精一杯生きていました。トリオンが生体から生み出されるエネルギーであるから限界はありますし、多数の国民のために少数の国民の犠牲を強いることになるということも身をもって知ることとなりました。それを非人道的だからダメだと言うことはできません。こちら側の世界でも多数のために少数を犠牲にするということは行われてきましたから。でもそれを肯定して慢性化してしまうことは自信をもって『ダメだ』と言えます。犠牲をゼロにすることができなくても限りなく少なくすることは知恵を絞ればできないはずがないんですから。いずれボーダーの(マザー)トリガーも寿命を迎える時が来るはずです。それがどれくらい未来になるかはわかりませんが、その時までに(マザー)トリガーが不要になっていれば新たな人柱は不要となります」

 

「……」

 

「多数のために少数を切り捨てる考え方は正論のようですがわたしは正しいと思いません。だってそれは考えることや努力をすることを怠った愚か者たちの言い訳で、真理ではないとわたしは考えているからです。(マザー)トリガーに関しても寿命が来たら新たな人柱が必要だということは近界(ネイバーフッド)において真理かも知れませんが、誰かが犠牲になることが当然であるという考え方は間違っていると思います。近界民(ネイバー)は人柱になる人のことを『神』と言っていますけど、人柱にされた人に対する罪の意識から呼び方を変えているだけの欺瞞なんです。これは仕方がないことだと自らに言い聞かせ、犠牲になった人を神として崇めるというポーズを取ることで自分は悪くないと言いたいだけ。それを延々と繰り返しているだけでは永遠に変わることはできません。変えようとする意思がそこに生じないからです」

 

「……」

 

「わたしが『希望が見えてきた』と言ったのは変革のきっかけを見付けることができたからです。こうなると父が20年前にやろうとしていたことを娘のわたしが引き継いでやり遂げるのは義務ではなくわたしに与えられた権利だって気がしてきました。やらなければいけない『義務』ではなく、わたしが好きなようにやってもいい『権利』。考え方を変えるだけでだいぶ気持ちが楽になりました。それも城戸司令がボーダーの秘密を教えてくださったからです。どうもありがとうございました」

 

ツグミはそう言って城戸に頭を下げたのだが、大事なことを思い出した。

 

「城戸司令、大事なことを思い出しました。ボーダー関係者で内科、それもできれば血液内科のお医者様に相談したいことがあるんですけど、ご紹介いただけませんか? 医務室の医師(ドクター)は遠征でお忙しいでしょうから、他に相談できる方がいればいいと思ったんです」

 

「どうして血液内科の医師なんだ?」

 

「実はエウクラートンの女王の体調不良なんですけど、素人のわたしが見ただけですが極度の貧血ではないかと思えたんです。それも鉄欠乏性貧血で、いくつかの症状が当てはまるものですから専門家に診てもらってできるだけ早く適切な治療を受けることで改善することができるんじゃないかと。疲れやすく、夜よく眠れないとか、すぐに息が切れて眩暈や立ちくらみをよく起こすそうです。さらに爪が弱いみたいで、なによりも顔色がすごく悪いんです。それに食事も栄養のバランスが悪く、野菜は十分に摂れているようですが、肉や魚といったものは不足がち。鉄分を多く含む赤身魚やレバー、海藻類などは一切摂取していないそうなんです。エウクラートンの医師では知識や技術のレベルが低く、原因も治療方法も見付けられないということでしたから、こちら側の医師を派遣して診察してもらえたら…と思ったんです」

 

エウクラートンの女王が健康を取り戻すことができればツグミの問題もある程度は先延ばしできるわけで、城戸もこの状況を利用することを考えた。

 

「わかった。適当な医師を探しておく。心当たりがあるからさほど時間はかからないだろう」

 

「ありがとうございます。…っと、そろそろ1時間になりますね。では、これで失礼させていただきます」

 

改めて城戸に礼をするとツグミは執務室を出た。

 

(城戸司令と話をしたことでいくつかの情報が手に入った。ミリアムさんから聞いていた話と整合性はあるし、あの人が嘘をつくはずもないから事実であることは間違いない。もっとも隠していることもまだたくさんありそうだけど今は追求すべきじゃないし、それよりも重要なことがある。先にそっちを片付けなきゃ)

 

走り出したい気分を抑えてツグミはゆっくりと廊下を歩き出した。

 

 

 

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