ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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339話

 

 

転送開始のカウントダウンがゼロとなり、修たちは「旧弓手町駅」のフィールドに転送された。

これも修がクジで引いたもので、他には「旧三門市立大学」と「ボーダー本部基地」が用意されていたのだが今回は使用されずに終わったようだ。

玉狛第2と三輪隊(古寺抜き)の6人は転送された直後にはその場所に見覚えはあるもののどこかわからなかったが、マップを見た栞と月見によってそこが旧弓手町駅を中心とした商業・住宅エリアであることを教えられ、彼らにとっては因縁のある場所であるから内心複雑な気分になる。

特に三輪にとっては遊真の(ブラック)トリガーに散々な目に遭わされて屈辱的な敗北を喫したことをイヤでも思い出さないわけにはいかず、これを雪辱戦にしようと考えるのは無理もない。

しかし冷静さを失ってしまっては勝てるものも勝てないことを承知しているので、雪辱戦ではなく「B級にA級との違いを見せつけ精鋭部隊としての()というものを思い知らせてやる」という気持ちに置き換えて「先輩として後輩に厳しい現実を教える」ことにしたのだった。

 

 

修と遊真と千佳はひとかたまりになって駅前の15階建て商業ビルを目指していた。

通常の模擬戦なら転送位置がバラバラになるが、この試験では部隊(チーム)で丸ごと同じ場所に転送させるために合流するという手間が省ける。

そもそも実戦ではバラバラの位置からの戦闘開始ではなく、部隊(チーム)がまとまっている状態から始まる場合の方がはるかに多いのだから、この転送は理にかなっているというものだ。

 

「宇佐美先輩の情報だと敵は三輪隊。だけど古寺先輩が抜けた三輪先輩、米屋先輩、そして奈良坂先輩の3人だけだそうだ。これならどちらも近・中・遠距離それぞれひとりずつってことで、人数とポジションのバランスを考慮してそうなったらしい。つまりぼくたちが考えることと同じことを三輪隊も考えている可能性が高いってことだ。おまけに中・遠距離はこっちよりもはるかにレベルが上で、よほど上手く立ち回らなければ勝つのは難しい。だから無理に勝とうと思わず負けない戦いをすることにしようと思う」

 

修は移動しながら遊真と千佳に説明する。

 

「具体的にはどうするんだ?」

 

「前に空閑が三輪隊と戦った時、三輪先輩と米屋先輩が駅のホームにやって来てぼくたちの前に立ちはだかった。その時狙撃手(スナイパー)の奈良坂先輩と古寺先輩が駅前のビルの屋上にいて、空閑を狙撃したことを覚えているだろ?」

 

「ああ」

 

「たぶん今回も同じように地上に三輪先輩と米屋先輩がいて、ビルの屋上に奈良坂先輩が待機するという布陣になると思うんだ。ぼくだって最初はそう考えた。千佳を屋上に待機させてぼくと空閑が駅前広場で戦うのがセオリーだからだ。だけどそれじゃ勝ち目はない。そこでこの6人の中で一番機動力の高い空閑が先行して駅正面にある15階建てのビルの屋上を占拠する。空閑ならグラスホッパーを使って真っ直ぐに進めるし、階段を使わずに外から上ることができるから絶対に先に着くはずだ。たぶん一番に空閑、その次に三輪隊の3人、そしてその後にぼくと千佳という順番になる。ぼくたちは機動力が低いからな。だから三輪隊は千佳よりも先に来てビルの屋上を確保できると考えているはずなんだ。まさか空閑が待ちかまえているなんて想像もしていないだろう」

 

「そりゃそうだ。それで階段を使って上って来る三輪隊をおれが阻止するってことか」

 

「通常は屋上に娯楽施設などのないビルなら最上階から屋上に出るための階段は非常時と設備の点検の時しか使わない。だからその階段は狭くてひとりずつしか上って来られない。たぶん空閑ひとりでも十分立ち回れるはずだ。場合によっては階段を破壊してしまって屋上を孤立させてもいい。そうすれば三輪隊は誰も上って来られなくなる。ぼくの予想では三輪隊はまず奈良坂先輩ひとりが階段を上って来る。三輪先輩と米屋先輩は入口付近で待機してぼくたち…というよりも千佳が来るのを待ちかまえているだろう。すると屋上に着いた奈良坂先輩は空閑と一対一で戦うことを強いられる。奈良坂先輩が救援を頼んでも屋上へ着くまでに時間がかかるから、それまでに奈良坂先輩を倒せばいいからそう難しくはないはずだ。そして屋上に空閑がいると知ればまず間違いなく三輪先輩と米屋先輩がふたりとも上って来るだろうから、このふたりに対しては屋上に続く階段で戦ってもらいたい。屋上の広い場所で一対二になるといくら空閑でも苦労するだろうからな。もし三輪先輩と米屋先輩が屋上まで来てしまったら、空閑は戦わずに撤退してくれ。無理して戦わずにグラスホッパーを使って逃げてくれればいい」

 

「それで?」

 

「そうなるとビルの正面玄関には誰もいなくなるからそこにぼくがスパイダーでワイヤー陣を張っておく。三輪先輩と米屋先輩が降りて来た時にすぐには外に出られないように一時的に足止めしておき、そこを千佳がビルの正面で隠れて待機していてアイビスでまとめて撃つ…という作戦だ。もし三輪隊が誰もビルの屋上へ向かわなかったら、その時は屋上にいる空閑にグラスホッパーを起動してもらいぼくと千佳が屋上へ上って篭城戦をする。時間無制限だから何もせずに何時間でも睨み合いしていることも可能で、そうなれば最終的に千佳が残ることになって玉狛第2の勝ちとなる。できればそんなことはせずに三輪隊と戦いたいし、三輪隊だって黙って指を咥えて待つだけなんてことはするはずがないからどうしても戦闘になるけど、先に屋上を占拠した部隊(チーム)が有利なのは間違いない」

 

「なるほど。敵をこちらに都合がいいように動かすってわけだな」

 

「ああ。ただしこれは三輪隊がぼくの想像する行動をしてくれたなら成功する確率の高い作戦だ。でも三輪隊は以前に一度失敗している作戦でもある。まあ、その時は空閑が(ブラック)トリガーを使ったり、迅さんが狙撃手(スナイパー)ふたりを止めたからで、それがなければきっと成功していただろう。だからもう一度やる可能性は高いと考えた」

 

「たぶんオサムの言うように三輪隊は駅前広場で戦うことを考えるだろうし、その場合は周辺で一番高い場所を確保しようとする。うん、面白そうな作戦だな。これが上手くいけばオサムもチカも危ない目には遭わないで済むし、おれもふたりのことを気にしないで存分に戦える。おれは賛成だ」

 

「わたしも賛成」

 

黙って修と遊真の会話を聞いていた千佳も賛成の意思表示をした。

 

「万が一この作戦が失敗しそうになった場合、その時には空閑は自分の判断で緊急脱出(ベイルアウト)しないように逃げてくれ。とにかく3人が無事ならぼくがいくらでも作戦を考える。時間はたっぷりあるからな。だから空閑は先に行ってくれ」

 

「了解。じゃ、待ってるぜ」

 

そう言い残すと遊真はバッグワームを起動して、ひとりで目的のビルへと向かって全速力で走って行ってしまったのだった。

そしてバッグワームを使用せずに修と千佳はふたりで後を追う。

 

「修くん、何でわたしたちはバッグワームを使わないの? これじゃわたしたちが駅前広場に向かっていることは三輪隊の人にバレちゃうけど」

 

千佳が素朴な疑問を口にした。

三輪隊は全員転送直後からバッグワームを起動してレーダー上から姿を消していたが、玉狛第2は3人とも使わずにレーダー上に反応が出るようになっていたのだ。

わざわざ敵に居場所を教えるようなことをしているのだから、修が何を考えているのかわからないのは当然である。

 

「このマップなら誰だって主戦場を駅前広場にしようと考える。たぶん駅を中心として線対称の位置にそれぞれ転送されたとぼくは推測した。だとすればお互いに相手の初期位置は想像できる。そして駅前広場に向かうのだからバッグワームを使ったところでおおよその場所はわかるし、なによりも自分たちも向かっている場所に敵も同じようにやって来るわけで、()()特に隠す必要はないんだ。むしろトリオンの無駄遣いになるから使わない方がいい。それに3つあった反応がふたつになれば、その消えたひとつが千佳だと三輪隊は判断する。つまり千佳の反応を空閑だと思い込ませるためなんだ。そして駅前広場の近くまで来たらぼくたちもバッグワームを起動する。そうするといかにもぼくと空閑が自分の居場所を隠して攻撃を仕掛ける準備をしているように思えるだろ? これまでの玉狛第2の戦い方を知っていれば、ぼくがワイヤー陣の罠を張って空閑がそこに囮となって誘き寄せようとしていると考えるはずだ」

 

「なるほど…」

 

「たぶんぼくたちが駅前広場に着く頃にはもう三輪隊の3人はビルに到着していて行動を開始していると思う。だから空閑と密に連絡を取り合って、その状況に応じてぼくたちは適切な行動をする。この作戦はぼくの思いどおりに進んだ場合で、どこかでこの流れから逸れるようであれば、その時に他の作戦を考えればいい」

 

「こんな短い時間でそこまで考えて作戦を立てられるなんて、修くん、すごいね」

 

感心する千佳に修は困惑しながら答えた。

 

「ぼくは霧科先輩から直接戦うよりも頭を使う方が役に立てるって教えてもらったから。…B級ランク戦では1点でも多く取るために積極的に敵を倒しにいく必要があったが、実際の戦いでは案外そういうものは少ない。アフト遠征でも敵の全滅ではなくC級の救出を優先する戦いだったから、結果的にボーダーは勝利を得た。ハイレインたちを全員倒すのは難しかっただろうし、たぶん負傷者も出たと思う。そうならなかったのは先輩が適切な作戦を考えてくれたおかげで、ひとりひとりの実力はもちろん重要だけど、そのひとりひとりが得意な分野で仲間をフォローするのはもっと重要なんじゃないかって思うようになったんだ」

 

「だから今日まで訓練の合間に戦術の勉強をしていたのね?」

 

「ああ。前に霧科先輩から戦術の重要さを教えてもらった時に東さんから教わるといいって聞いていたから、東さんに頼んでみたらできる範囲で教えてくれるって言って何冊か本を貸してくれたんだ。その本というのが先輩が小学6年の時に東さんから借りて勉強したって本でさ、高校生のぼくが読んでもなかなか難しいのに、先輩は小学生でちゃんと理解していたっていうんだからすごいよ」

 

「でも修くんだって那須隊と鈴鳴第一とのランク戦の時に堤防を破壊して住宅街の中に川の水を引き込んで地上にいる人たちの機動力を下げた作戦を思い付いたじゃない。元々そういう才能があるんだよ」

 

「そう…かな? …っと、空閑から通信だ」

 

[オサム、駅正面にある一番高い15階建てのビルでよかったんだよな? 今、着いたぜ。どうやら三輪隊はまだ誰も来ていないみたいだから、今のうちに屋上へ上っておく]

 

[了解。何かあったらすぐに連絡をくれ]

 

遊真と内部通話で短い会話を交わした修はチームメイトの凄さに改めて驚かされた。

 

「空閑のやつ、もう駅前に着いたってさ」

 

「ええっ? だってまだあれから…」

 

「でも嘘をつくはずがないだろ? さあ、ぼくたちも急ごう」

 

「うん!」

 

 

◆◆◆

 

 

三輪隊の3人はバッグワームを起動して駅前広場に向かっていた。

駅周辺で一番高い建物の屋上に狙撃手(スナイパー)が待機して、駅前広場を主戦場にするという「王道」の作戦を月見から提案されていて、それに従うために3人揃って行動をしている。

 

「奴らも狙撃手(スナイパー)の雨取を屋上に配して駅前広場を主戦場にするようだな。レーダーに映っているふたつの反応は三雲と空閑で、途中で消えたのが雨取に違いない。反応は真っ直ぐに駅前広場に向かっている。つまり俺たちと同じ行動をしているってことだ。空閑の機動力は6人の中で一番だが、三雲をひとりにはできずに一緒にいて、せっかくの機動力を上手く使い切れていないみたいだな。雨取の位置はわからないが三雲よりも機動力が低いのは確かだ。したがって俺たちが先に目的のビルへと着くことができる。そして奈良坂は屋上で待機し、俺と陽介は地上で奴らがやって来るのを隠れて待つ」

 

三輪が自信たっぷりの口調で言う。

 

「だけどメガネボーイもバカじゃないぜ。オレたちが待ちかまえているってわかっていて飛び込んでくるとは思えないんだが」

 

「もちろん正面から向かってくることはない。しかし駅前広場の周囲の建物の間に路地がいくつもあって、三雲がバカのひとつ覚えのワイヤー陣を張りたくなる場所もある。そこに俺たちをおびき出そうとするだろうな。ただし俺たちが先に目的のビルを押さえてしまえば雨取の援護は限定される。破壊力はあるが狙撃の技術はイマイチだ。三雲の罠を無視すれば雨取の狙撃も効果はない。そもそもこの模擬戦は俺たちにとって何のメリットもデメリットもない。別に勝ち負けは関係ないが、玉狛の奴らにとってはA級に昇格できるかどうかの重要な一戦だ。何とかして勝とうと足掻くに決まっている。そこで俺たちは準備をして待っているだけでいい。勝ちたければ奴らは向かってくるしかないんだからな。もちろん俺たちは負けてやるつもりはない」

 

「そりゃそうだ。つまりこっちは悠然とかまえて向こうが仕掛けてくるのを待てばいいってことか」

 

「そうだ」

 

「待て。そう上手くいくものなのか?」

 

奈良坂が割って入ってきた。

 

「たしかに辻褄は合っているし、今の玉狛にできることはそれくらいしかないだろう。しかし奴らが想定外の行動をした時の対応策を考えておかなければ安心はできない。もし目的のビルの屋上を押さえられないとわかったら、雨取のアイビスで俺たちごとビルを撃つかもしれない。どうやら人を撃てないという弱点は克服したようだからな。斜め向かいの低いビルからだと屋上にいる俺にヒットさせるのは不可能だが、建物ごと撃つのであれば問題はない」

 

「その時には雨取の居場所は明らかになるから、そこを俺と陽介で強襲するという手もある。しかしその場合はそこに三雲と空閑が罠を張って待っている可能性が高い。ならばわざわざ奴らの思いどおりに動いてやる必要はないんだから無視してやればいいさ。姿を隠してこそこそしていてもいずれ我慢ができなくなって出て来るしかない。奴らは俺たちを倒さなければいけない理由があって、そのためには多少の危険があってもやるしかないんだからな」

 

「これは駅前広場で戦うことを前提としたものであり、玉狛が他の場所で罠を張って待っているとしたらどうする?」

 

「その時は根比べでもしてやろう。時間制限がないのだから、こっちは痛くも痒くもない」

 

自信満々の三輪に米屋が言う。

 

「だけどいくら時間があるっていっても晩メシの時間を過ぎたらイヤだぜ」

 

「心配するな、陽介。第一試合が案外早く終わったから晩メシまで4時間から5時間は余裕である。()()三雲のトリオンがそれまで続くと思うか?」

 

三輪はそう言ってニヤリと笑った。

 

「そうか、メガネボーイのトリオンじゃいつまでもバッグワームを使って隠れているわけにはいかねぇってことか。トリオン少ないと長期戦は不利だもんな…ってオレが言うのもなんだけどさ」

 

「とにかく先に拠点を押さえてこちらのルールに従わせるってことだ。行くぞ!」

 

三輪隊もまた駅前広場の商業ビルへと向かって全速力で駆けて行くのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

「旧弓手町駅前」のマップは中央に駅があり、東西に高架の線路が延びている。

駅の南側に広場があり、東・南・西をぐるっとビルが囲んでいて、南側に15階建ての商業ビルがあり、このマップの中では一番高い建物であるから、そこをどちらが早く押さえるかが勝敗の分かれ目となると両部隊(チーム)は考えている。

そのビルの他にも少し低いビルやマンションがあるものの、敵に15階建てのビルの屋上を押さえられたら、そこから狙撃されてしまう。

よって15階建ての商業ビルを選ぶのは自然な流れであった。

そして駅を中心とした南北の線を引くと玉狛第2と三輪隊はそれぞれ線対称の位置に転送されていて、玉狛第2は西側からで三輪隊は東側から同じ場所を目指して走っていた。

 

 

そんな両部隊(チーム)の動きをじっと見守る者がいた。

この模擬戦に関わりのないA級部隊(チーム)の隊長7人と忍田である。

彼らは第一試合とこの第二試合を中立の立場で冷静に観察し、勝敗の結果とは別にこの8人の試験官の判断で合否が決まることになっているのだ。

審査の基準は「A級隊員として相応しい働きができるかどうか」で、勝敗が重要なのは当然だが単にこの模擬戦に勝つことができればいいというのではなく、今後A級部隊(チーム)として継続してその「役目」を果たせるかどうかを見極めてもらうのである。

午前中に行われた第一試合は二宮隊がいくつもの条件をすべてクリアしたことで無事A級昇格を果たしたのだった。

第二試合も同じく厳しい試験官のチェックが入るわけだが、とにかく模擬戦に勝たなければ話にならない。

 

 

「やはりどちらの部隊(チーム)も駅前広場へ向かっているな。ま、当然って言えば当然だが」

 

モニターを見ながら風間はぽつりと呟いた。

 

「だけど妙だな。お互いに敵も同じように駅前広場に向かっているとわかっているからこそ、バッグワームを使って現在地点をわからないようにしているはずなんだ。それなのに玉狛の三雲と雨取のふたりはなぜかバッグワームを使わずに堂々と居場所を敵に教えている。これが三雲と空閑ならまだわかるんだが、なぜ空閑がバッグワームを使用して先行し、その後を三雲と雨取がバッグワームなしで追いかけているのか…」

 

風間がおかしいと感じたように他の試験官も同じように感じていた。

まず遊真がひとりで先に駅前広場に着いたとしても、修と千佳が追いつく前に三輪隊の3人が来てしまう。

もっとも狙撃手(スナイパー)は途中で別行動となる可能性が高いから、戦端が開くとすれば遊真VS三輪・米屋の一対二になるだろう。

玉狛第2のメインの戦術は修のワイヤー陣に敵を呼び込み、そこを遊真が迎え撃ち、千佳が狙撃で援護をするというもの。

ワイヤー陣ができていない不利な状態で戦端を開くことになってしまう。

修が途中のどこかにワイヤー陣を張ってそこにおびき出すという作戦も考えられるが三輪と米屋が罠とわかって飛び込んで行くとは思えず、逆にあえてどちらかひとりが飛び込んで行って千佳に狙撃をさせて彼女の居場所を明らかにするという手もあるのだが、それよりも三輪隊は自分たちの作戦を優先するはずだ。

 

誰もが疑問を抱きながらモニターを見つめていたが、遊真が15階建ての商業ビルの前に到着してグラスホッパーを起動したことで、ようやく試験官たちは玉狛第2の作戦について見当が付いたのだった。

 

 

 

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