ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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351話

 

 

「我が祖国ガロプラがアフトクラトルによって侵略されたのは今から7年ほど前のことです」

 

ガトリンは事情を知ってもらうためにとガロプラがアフトクラトルに攻め込まれた時の話から始めた。

 

「当時の…いや、現在でもそうだがガロプラは武器(トリガー)やトリオン兵に関する技術は特に優れたものとは言えないものの、トリガー使いについては能力や熟練度など近界(ネイバーフッド)の中でも屈指の精鋭揃いだと自負している。そこで軌道が交わるアフトの連中は我々を兵士として利用するために突如として侵攻を開始した。その時に中心となったのがハイレインのベルティストン家の兵士たちで、その結果、王族の多くが殺され、なんとか生き延びた家臣のひとりが幼い王子を連れてどこかの国に亡命したという本当かどうかわからない話もあるが、(マザー)トリガーを操作できる巫女がひとりと(マザー)トリガーを人質として押さえられてしまい、それ以降我々は宗主国という名の侵略者に支配されている。国の独立は保たれているがそれは表向きのもので、奴らはやりたい放題で実質的には植民地の扱いとなっているのです」

 

現在のガロプラはアフトクラトルから約70人のトリガー使いが送り込まれていて、(マザー)トリガーのある神殿とその周囲を警備しているということで、その兵士を倒して(マザー)トリガーと巫女を奪い返すことで一斉蜂起をしようという計画を立てているとガトリンは説明した。

その話を黙って聞いていた迅と忍田もガトリンたちの気持ちは理解できるし今がチャンスであることは十分に承知している。

しかし彼らのためにボーダー隊員を送り込むことはできない。

今のところアフトクラトルの現国王はボーダーを敵だとはみなしておらず、先の大侵攻はベルティストン家個人による私的な交戦だという認識である。

よってボーダーと事を構える気はないのだが、ガロプラの蜂起にボーダーが手を貸したとなればアフトクラトルとボーダーは全面対決の恐れが出てくる。

現在は「神選び」でゴタゴタしているが、新しい神が決まれば国内も安定して本格的な侵攻を行うかもしれない。

もし次期国王にハイレインが就くことにでもなれば最悪のシナリオが待っているだろう。

「神選び」は約60日後に行われ、ボーダーとしては市民救出作戦の進行とB級ランク戦が重なる時期であるから無用なトラブルは極力避けたい。

そうなると隊員の派遣は無理で、ガトリンたちの望む形での協力は不可能だ。

 

「ガトリン隊長、やはり我々ボーダーは隊員を派遣することはできそうにない。しかしアフトの兵士を無力化することができさえすれば良いというのであれば知恵を貸し、有効な()()をお渡ししよう」

 

「兵器とは先ほど説明のあった生物兵器や核兵器のことですか?」

 

「そのとおり。核は不可能だが生物兵器なら用意することはできる。ツグミには名案があり、貴君らと『取引』をしようと考えているようだ。彼女の考えた策を今から説明するが、それで納得できたならこちらからの条件をのんでほしい。こちらも近界(ネイバーフッド)の知識や技術は喉から手が出るほど欲しているのだ」

 

「その条件とは?」

 

「貴君らが使用している変装用トリガーとトンネルトリガーの技術だ。たぶんそれくらいが妥当な線だとツグミは考えているんですよ」

 

「わかった。ではシノダ本部長、説明をお願いする」

 

忍田はツグミに渡された書類の中から「ガロプラが救援を求めてきた時の立ち回り方」のページを見ながら、彼女の立てた作戦を説明した。

ガトリンたちはその作戦内容を聞き、玄界(ミデン)の科学力に感心し、さらにそれを利用して敵を無力化しようとするツグミのアイデアに底知れない恐ろしさを感じていた。

 

(基地を襲撃した時には彼女の気配は微塵も感じられなかった。普通に兵士たちが頭を使って見事な連携をした戦いを見せてくれたが、そこに彼女は関わっていないからだろう。だが訓練生を拉致した時の対応や今の話を聞いていると彼女特有の()()()()が溢れている。彼女は普通の人間とは違う角度からものを見ることで誰も想像できない作戦を考えることができ、何かをするにしても確実に成功させることはもちろんだが、その次にはありきたりなものでは満足できず型破りなことを()()()と考えているように感じられる。非常に興味深い人間だ)

 

ガトリンもまた常識にとらわれずに柔軟な発想のできるツグミに関心を持ったようだ。

 

「シノダ本部長、我々は貴公の提案をのみましょう。これはお互いにとって非常に有益な取引となる。正直言うと武器(トリガー)の情報を他国に漏らすことは重罪だが、俺が牢に繋がれる程度で済むのならこれくらいどうということはない。それくらい魅力的な提案だ、これは」

 

「それは結構。では急いで用意をさせてもらうが、それでも数日はかかる。なにしろ一般では手に入れることのできない特殊な『兵器』だからな」

 

「承知した。…では、我々は遠征艇に戻って ──」

 

ガトリンがそう言いながら立ち上がろうとすると、迅が言葉を遮った。

 

「ここに泊まっていってくださいよ。艇の中より広くて快適だし、何日か滞在することになるんだからこの部屋を使ってください。食事も俺たちと一緒でもかまいませんよね?」

 

ガトリンたちの意向も聞かずほとんど強引に引き留めようとする迅。

彼は別に特別な意図があっての誘いではなかったのだが、この状況では見張るためにガトリンたちをボーダーの監視下に置こうとしているように思われるのが自然だ。

そこで迅は慌てて言う。

 

「ツグミなら近界民(ネイバー)の客人をここで帰したりはしない。精一杯のもてなしをして、喜んでもらおうとする。それは別にあんたたちを監視とか懐柔しようというんじゃなくて、近界(ネイバーフッド)からはるばるやって来た()()玄界(ミデン)のことや自分がどんな気持ちで戦っているのかを知ってもらいたいということなんだ。あいつには()()()()()()()()近界民(ネイバー)とこちら側の人間の垣根を越えた交流を目指している。まあ、いろいろ障害はあるがそれらとも武器(トリガー)を使わずに戦っていて、その考えに賛同している人間がここには住んでいるんだ」

 

「それがさっき言っていた『ワケありの人間』ということか? トラブルを起こされるとちょっと困ったことになるということだが、我々はあえて問題を起こそうなどとは考えてはいない。それに貴公らが我々を警戒していないことはその気配からわかる。よって純粋に厚意だと理解している」

 

「そう言ってくれるとありがたい。それでこれからそのワケありの人間たちに会ってもらいたいと思うんだが、いいかな?」

 

「それはもちろんかまわないが、その勿体ぶった言い方が気になるな。もしかしたら本当は会わせたくはない人物なのではないのか?」

 

「いや、ぜひ会ってもらいたいと思っている人物だ。たぶん会っておいた方が後々役立ってくると思う」

 

「わかった」

 

ガトリン、コスケロ、ラタリコフの3人は迅に連れられて4階へと向かった。

 

(もし奴だとすれば俺たちと対面すればトラブルは必至。だが会っておいた方が後々役立ってくる人物のようだから、奴のことではないだろう。だとするとボーダーの人間ということになりそうだが、だとするとワケありの人間という表現はおかしい。まあ、会ってみればわかる)

 

ガトリンには「ワケありの人間」にひとりだけ心当たりがあったが、その可能性はないと判断したのだった。

しかしその直後にその判断が間違っていたことを知る。

 

 

 

 

ガトリンたち3人が引き合わされたのはディルク、マーナ、レクス、そしてヒュースの4人。

彼らにとってアフトクラトル、それもベルティストン家の家臣とその家族は「仇敵」であり、憎むべき対象である。

しかしその場に漂う空気が険悪なものになるかと思いきや、ディルクがフレンドリーな態度で接したものだからガトリンたちは呆気にとられてしまったのだ。

 

「ガロプラのみなさん、玄界(ミデン)へようこそ。私はベルティストン家配下のディルク・エリン。きみたちに会うのはこれが初めてだが、名前くらいは聞いているだろう。ああ、警戒はしないでくれ。ここではこの寮の管理者でツグミ・キリシナの決めた規則がなによりも優先されることになっていて、いかなる理由であれ闘争は禁じられている。よってきみたちが心配しているようなことは絶対に起きないと約束しよう。…では家族を紹介する。妻のマーナと息子のレクス、そしてもうひとりの息子のヒュースだ」

 

マーナとレクスが貴族らしく洗練された身のこなしで挨拶をし、続いてディルクの一歩後ろに控えていたヒュースが前に出る。

ガロプラの3人はハイレインから「アフトクラトルの捕虜を発見した場合、救助・奪還の必要はない。邪魔であれば始末してかまわない」という指示を受けており、接触したレギンデッツはヒュースに破れたという経緯があるものだから、お互いに気不味い関係となっているのは間違いない。

そしてヒュースの性格上トラブルが生じてもおかしくはないのだが、玄界(ミデン)での生活の中でだいぶツグミに懐柔されたこととディルクに家族同様の扱いを受けているものだから性格もだいぶ良い方へと変わったようだ。

 

「ジンがここへ連れて来たということはボーダーがキサマらを敵と認識していないというだけでなく仲間として受け入れるつもりがあるという意味だろう。ならば不本意であってもオレも同様に受け入れなければならない。…もっともオレはキサマらに感謝している部分もあるから、不本意どころか歓迎してもいいと思っている」

 

「歓迎…だと?」

 

「ああ。キサマらがオレを見捨てていったことで、オレはツグミと取引をしてエリン家の家族をこうしてハイレインから匿うことができたのだ。オレひとりでは不可能だったこともボーダーが全面的に協力してくれたおかげで最も理想的な形で主を守ることができた。おまけにハイレインに仕返しをして溜飲を下げることもできたしな」

 

そう言ってヒュースはニヤリと笑った。

それはガロプラの人間に対しての嫌味や皮肉、負け惜しみなどではなく本気でそう思っているのである。

もしガロプラの力を借りてアフトクラトルへ帰還したとしてもハイレインの手からエリン家の家族を守りきることはできないと本人が一番わかっていたことで、紆余曲折はあったもののこれが最善の答であったと本気で信じているのだ。

 

「キサマらが玄界(ミデン)にどんな理由でやって来たのかはおおよそ見当がつく。もしオレがベルティストン家直属のトリガー使いであればキサマらの計画を阻止しようとするだろう。だがオレはエリン家のためになら戦うが、ディルク様を(マザー)トリガーへの生贄にしようとするハイレインやその一味に従う気は毛頭ない。よってキサマらがアフトの混乱に乗じてガロプラで何をしようともオレには関係ないこと。むしろどんな結果になるのか楽しみだ」

 

「祖国がどうなってもかまわないというのか?」

 

「キサマらが考えているほどオレはアフトクラトルという国に対しての忠誠心はない。ただディルク様のいる場所がオレにとっての居場所であり、主に対してのみ忠誠を誓う。そういうことだからキサマらがエリン家のご家族に危害を加えるようなことがあればその時には全力で叩き潰してやるから覚えておけ」

 

ヒュースは迅たちが思っていたほどガトリンたちの仕打ちを根に持ってはおらず、ボーダーに協力することでディルクたちを安全な場所に匿うことができたのだから結果オーライということで恨みはないらしい。

迅だけでなくディルクもヒュースの口から「歓迎する」などという言葉が出るとは想像もしていなかったものだから少々面食らってしまったようで、ひとまず宗主国(アフトクラトル)従属国(ガロプラ)の間でのトラブルの心配はなさそうだ。

 

 

続いて迅はガトリンたちを2階へと連れて行った。

 

「あとふたり紹介したい人物がいる。こっちもボーダーに協力している近界民(ネイバー)なんだが、あんたたちとは敵対したことのない国だから憎い相手ってことはないだろう」

 

そう言って迅が引き合わせたのはゼノンとテオである。

 

「彼らはキオンのトリガー使いでゼノンとテオだ」

 

迅が紹介すると、ゼノンは親しげな様子でガトリンたちに挨拶をした。

 

「俺はゼノン。こいつが部下のテオだ。他にもうひとりリヌスというのがいるんだが、そいつはツグミと一緒に近界(ネイバーフッド)のとある国へ行っている。リヌスはその国の出身者なもんで、艇の操縦士兼護衛ということで同行してもらった。短い付き合いになるか長い付き合いになるかはそちらの気持ち次第。俺たちはツグミの考え方に賛同して行動をしているから、貴公らも同様の考えを持つのであれば良い友人になれるだろう」

 

ゼノンが差し出した手をガトリンは握り返した。

部隊の隊長であることや年齢など共通する部分や、お互いに醸し出す歴戦の勇士のオーラがふたりを自然と「同志」として認め合ったのだろう。

 

「俺はガトリン隊の隊長のガトリンだ。このふたりは部下のコスケロとラタリコフ。…しかし玄界(ミデン)に来てキオンの人間に会うとは想像もしていなかったよ。どういった理由でここに?」

 

「最初は(ブラック)トリガー強奪の任務で来たのだが、その任務に失敗してボーダーの捕虜となった。といってもツグミは俺たちのことを捕虜扱いはせず、客人として扱ってくれたよ」

 

「それにしても任務に失敗したというのによく無事でいられたな? キオンはそういった点では非常に厳しいと聞いているが、もしかして亡命をしたのか?」

 

「いいや、ここにいるのは軍命によるものだ。たしかに任務に失敗した時には強制収容所への送還を覚悟したさ。だがツグミは俺たちの任務失敗の減刑のためにいろいろ奔走してくれた。そしてわざわざキオンまで同行してくれて、そのおかげで罰を受けるどころか昇進してしまったんだよ。総統閣下が彼女のことを気に入ったらしく、ボーダーの依頼で俺たちゼノン隊が玄界(ミデン)へと派遣されたのだ」

 

「なんと…玄界(ミデン)の少女がキオンの最高権力者と面会をしたというのか?」

 

「ああ。アフトの連中にさらわれた仲間を救出する作戦にも俺たちは微力ながら協力させてもらったよ。それは彼女に対しての感謝の気持ちであり、俺たち自身が自分の正義を貫く彼女の姿に魅せられてしまったからなんだ。ツグミはただの少女ではない。他の人間よりも少々頭が良くて行動力があり、未知のものに対して怯えることなく積極的に受け入れようとする。相手が敵であった近界民(ネイバー)であろうとも受け入れるだけの器の大きい人間なのだ。きみたちもそんな彼女に希望を抱いて玄界(ミデン)へと来たのだろ? 残念なことに彼女は今ここにいないが、彼女のことだからきみたちのために何らかの()()()()をしていったことだろう」

 

「さっきシノダ本部長から話を聞いて驚いたよ。少々乱暴なやり方だが、ボーダーの人員を必要とせず済むだけでなく俺たちの仕業だと悟られずにアフトの連中を無力化できる。玄界(ミデン)の人間だからこそ武器(トリガー)を使わない戦いというものに造詣が深い。…いや、俺たちがトリオンとトリガーに頼った戦いしかできないと言うべきかな。とにかく今こそ祖国をアフトのツノ野郎どもから解放する好機。さっき会ったエリン家の人間たちも意外なことに俺たちのやろうとしていることに目を瞑ってくれている」

 

エリン家の人間(上の連中)は祖国を捨てたわけではないが、当主が生贄にされそうだとなれば亡命もしたくなる。ツグミはそんなディルク・エリンを味方に引き入れて遠征を成功させた。目的のためなら手段は選ばずというのではなく、できる限り被害を最小限に抑えようとするから敵側の立場だった人間も彼女に味方したくなる。彼女ならミリアムの(ブラック)トリガーを使えばたったひとりでベルティストン家の連中を倒すことはできただろう。そうすれば大規模な遠征など行わずに済ませることはできた。しかしそれでは敵を()()()にしてしまうと、彼女は(ブラック)トリガーを使用しないという使い方を選んだんだ。たぶんきみたちにもなんとなくわかるはずだ」

 

「たしかに。…これまでアフトやキオンは敵とみなしていたが、こうして話してみると戦うどころか手を取り合って仲良くやっていけるような気がしてきた」

 

「ハハハ、それこそツグミの影響を受けつつある証拠だ。俺たちと違って長期の滞在はできないだろうが、少しでも玄界(ミデン)のことを学ぶといい。ジンに頼めば上手くやってくれるだろう。なあ、ジン?」

 

ゼノンが迅に訊くと、大きく頷いて答えた。

 

「もちろん。なんなら明日ディルクとゼノンが行くダムの見学に付き合ってもらってもいい。()()()()の準備ができるまで何もしないで待っているより有意義な時間を過ごせるはずだ」

 

「ダム?」

 

ガトリンにとっては初めて聞く言葉だった。

 

「ダムというのは川の流れをせき止め、水を貯めるための構造物だ。主な役割は治水や利水で、利水には灌漑用水、水道用水、工業用水などの他に水力発電というものがある。水が高いところから低いところへ落ちる力を利用して電気をつくるんだ。近界(ネイバーフッド)ではエネルギーのほとんどがトリオンによるものだが、玄界(ミデン)では様々な方法で電気をつくり、それで世界を動かしていると言っても過言ではない」

 

「トリオンを使わないエネルギー…か。たしかに興味深いな。玄界(ミデン)には俺たちの知らないものがたくさんある。ぜひ同行させてくれ」

 

「了解。じゃ、顔合わせはこれくらいにしておこうか。ガロプラのみなさん、さっきの部屋に戻りますよ。部屋の中のものの使い方を教えますから」

 

 

迅はガトリンたちを連れてミーティングルームへ戻ると水道やトイレ、風呂の使い方を教えた。

そして押入れから3組の客用布団を和室に並べて敷き、最後に大事なことだという顔で言う。

 

「明日の朝は7時に朝食で、この部屋のダイニングルームで食事をすることになるんだが全部俺が準備をするからあんたたちは何もしなくていい。よってこの建物から外へは出ないでくれ。もちろん用事があるのなら艇まで送るが、夜間は勘弁してほしい。理由はいろいろあるが、無用なトラブルを避けるためだと考えてくれ」

 

ガトリンたちの来訪に関してはボーダー内でも上層部と迅しか知らないことで、開いた(ゲート)についてもわざわざ迅が行って「問題なし」と報告していることで事件にはなっていない。

そんな状況でガトリンたちが勝手に街の中を歩き回っていて市内巡回の任務に就いていた隊員と鉢合わせしてしまったら大変だ。

特にガトリンたちが本部基地を襲撃した事件に関わっている隊員で面識があればそこで戦闘開始にもなりかねない。

もちろんガトリンたちも玄界(ミデン)の人間とのトラブルを避けることを第一に考えているから迅の指示に不満はない。

 

「承知した」

 

「じゃ、長旅の疲れを癒してくれ。おやすみ」

 

迅はそう言ってミーティングルームを出て行った。

 

 

 

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