ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

377 / 721
358話

 

 

入隊希望者が増えたことで4月の新年度から毎月第2土曜日に入隊試験、第3土曜日に入隊式を行うことになっている。

試験当日に合格者の発表があり、合格者は1週間後の入隊式までにポジションと使用する武器(トリガー)を決めておかなければならないのだが、まったくの素人がどの武器(トリガー)を使うかを適切に決められるものではない。

そこで合格者は正隊員が武器(トリガー)を使って訓練をしている様子をVTRで見て好きなものを選び、入隊式後のポジション別のオリエンテーションの際に実際に使用してみてそのままでいいか変更するかを()()()決める。

攻撃手(アタッカー)射手(シューター)銃手(ガンナー)は恒例の「対近界民(ネイバー)戦闘訓練」で再現されたトリオン兵(バムスター)を制限時間の5分以内倒すタイムアタックを行い、その後は2月のヒュースの入隊時から行われている「戦力テスト」も実施される。

この時点で自分に合っているかどうかはまだわからないが、その後の正隊員と一緒のポジション別合同訓練で武器(トリガー)を最終決定すればいいことだ。

 

7月は19日に入隊式が行われた。

今回の新入隊員はアフトクラトル遠征成功の効果で受験者・合格者共にこれまでにない数であった。

遠征に参加して家族や友人を探したいという志願者が多く、ボーダーの活動がこれまで以上に市民の受け入れられている証拠で、自分の手で探したいという千佳と同じ気持ちでいる人間が多いとも言える。

もちろん親しい人間を近界民(ネイバー)に殺された恨みを晴らしたいという「近界民(ネイバー)は殲滅すべし」と考える者もいるが、以前に比べてその数は減っている。

それは第一次近界民(ネイバー)侵攻の傷跡が少しずつだが癒えてきて、いつまでも過去を憂うよりも未来をより良いものにしようとする「決意」のようだ。

アフトクラトル遠征の成功によって近界(ネイバーフッド)のどこかに連れ去られて生きているかもしれない家族や友人を連れ戻すことができるという希望が生まれ、他人任せにするのではなく「自らが行動する」という強い意思は尊重すべきである。

しかし防衛隊員として不適格であれば厳しい判断を下すことも必要だ。

忍田は新入隊員に入隊を歓迎する祝辞を述べたが、最後に努力を怠り防衛隊員としての資質がないと判断されたら遠慮なく辞めさせるという厳しいことも言い放った。

その迫力に新入隊員たちは震え上がったが、それが近界民(ネイバー)と戦うという現実なのだと察した者は逆に両手をギュッと握って改めて覚悟を決めたようであった。

 

忍田の挨拶の後はいつものように嵐山隊メンバーを中心としたオリエンテーションで、新入隊員たちはポジション別に分かれて実際に武器(トリガー)を使ってみる。

この訓練で適性があるかどうかはおおよそわかるというもので、それを見定めるために非番や本部待機の正隊員が見物にやって来ている。

市内の小・中・高校はこの日から夏休みとなり、見物客の中にはC級隊員の姿も見えるのはそのためだろう。

自分の後輩となる新人たちの値踏みをしようというところか。

なにしろ毎月新人が入隊してくるのだからC級隊員の数が増えてライバルも増えるということになり、一日でも早く正隊員になりたい訓練生にとっては敵情視察でもあるのだ。

しかし今回の新人はやる気満々ではあるが逆にその気持ちが空回りしてしまったようで、これといった成果を見せる者はいなかった。

そのせいか本人たちは納得できないとばかりに、解散すると憂さ晴らしをしようとして使用方法を教えてもらったばかりの個人(ソロ)ランク戦ブースへと向かう。

そして自分たちよりも数ヶ月だけ先輩のC級隊員を捕まえてさっそく個人(ソロ)ランク戦を始めるのだった。

その様子を見ていた忍田は彼らが頼もしく思え、後は正隊員たちに任せることにした。

 

 

◆◆◆

 

 

夜間の巡回任務を終えた修は玉狛支部で3時間ほど仮眠を取った後に本部基地へと向かった。

ポジション別合同訓練はないが、本部へ行って個人(ソロ)ランク戦の相手を探そうというのである。

もちろん岡宮に会って謝罪と一緒に訓練をする旨を伝えるためでもあり、まるで新入隊員のように緊張しながらランク戦ロビーへ行くがいつもと様子が違うことに気付いた。

 

(今日はなんか人が多いな…。土曜日は合同訓練がないからみんな個人(ソロ)戦で腕を磨こうってことなのかな?)

 

玉狛支部にいる時間が多くて本部との交流が少ないから今日が入隊日だということを修は知らない。

彼はそんな暢気なことを考えながら岡宮の姿を探した。

 

(こうC級が多いとなかなか見付からないかも? それにブースに入っていたらわからないし…。でもここで待っていればいつか会えるだろ)

 

修はソファに腰を下ろすと人の流れを見つめた。

 

(訓練生は正隊員になるために、正隊員はさらに上を目指してみんな努力をしている。それが当たり前のことなのに、ぼくは玉狛第2がB級ランク戦で勝つことしか考えていなかったから何も気付かなかった。いくらぼくが頑張って走っていても他の人はずっと先にいて走り続けているんだから追い付けるはずがない。ここにいるC級たちは1年前のぼくよりも先を走っている。このままぼくが停滞してしまったらすぐに追い付かれてしまうに違いない。ならばぼくも全力で走ろう。そして空閑が帰って来た時に恥ずかしくない姿で出迎えてやらないといけないな。部隊(チーム)を解散したのは空閑がトロポイへ行けるようにするためだけど、ぼく自身がひとりでも十分戦えるように自主トレと個人(ソロ)ランク戦に力を入れようと思ったからなんだから約束は守らないと軽蔑されてしまう。千佳はもう放っておいても大丈夫だ。夏目さんや絵馬もいるし、なにより本人がぼくよりもずっとボーダー隊員として立派にやっているんだからな)

 

千佳のことは麟児から託されたと考えて自分が守らなければいけないと自らボーダーに入隊し、遊真が近界民(ネイバー)だとわかっていてトラブルを起こさないようにと見張る目的もあり、ふたり同時に面倒をみることにした修。

その姿から遊真は修を「面倒見の鬼」と称したほどだが、その遊真は玄界(ミデン)での生活にも慣れて友人もたくさんできたし、千佳はもう修が守らなくてもいいほど強くなった。

しかし修自身が先輩たちからいろいろ手助けをしてもらわなければならず、面倒をみる方ではなくみてもらう方の立場であったのだ。

それを反省して自分自身の力で成長しようと決心するに至ったのは自分だけが取り残されてしまったと強く感じたからで、そのきっかけとなったのはA級昇格試験に落ちて玉狛第2を解散したことである。

当初はその判断が未来にどのような影響を与えるかはわからなかったがどうやら良い方向へ向かって進んでいるようで、これまでツグミが厳しく接してきたことが実を結ぶことになりそうだ。

彼女が三門市に帰って来る頃には「目を離したら何をしでかすかわからない困った弟」ではなくなっていることだろう。

もっとも数十日程度では成長しても微々たるものだが、自分で自分を変えようとすることに意味があるのだ。

 

 

「あ、三雲先輩じゃないですか! 今日は訓練日でないのに来てたんですね」

 

岡宮が修に近寄って来て声をかけた。

 

「やあ、岡宮くん。この前は悪かったね」

 

「え?」

 

「きみがぼくにレイガストの使い方の指導をしてほしいと頼んだのにそれを断ってしまったから」

 

修が申し訳なさそうに言うと、岡宮は屈託のない笑顔で答えた。

 

「あれは当然ですよ。先輩には先輩の事情があるというのにボクは図々しく師匠になってくれだなんて言ったものだから…。それで謝るためにわざわざ来てくれたんですか?」

 

「いや、そうじゃない。あれからぼくも反省して考えてみたんだ。それでひとつ提案なんだけど、ぼくがきみに技術を教えるなんてことはできそうにないけど、レイガストを使う仲間同士で一緒に訓練をしてできることを考えたり新しい技を編み出したりしたい…っていうのはどうかな?」

 

「もちろんそれでいいです! 一度はレイガストを諦めて弧月かスコーピオンに変えようかと思ったんですけど、それだとなんか逃げるみたいで嫌だったんです。これで先が見えてきたってカンジです。どうぞよろしくお願いします、三雲先輩!」

 

岡宮は深く頭を下げた。

 

「こちらこそよろしく、岡宮くん」

 

「じゃあ、さっそくやりましょう。今日は入隊式があって、やる気満々の新人が大勢いてブースが満室に近いんです。早い者勝ちですよ」

 

岡宮に促されて修は席を立つ。

 

(そうか、今日は入隊式だったのか…。ぼくのすぐ後ろにはこんなに多くのC級がいる。うかうかしていられないぞ)

 

 

ふたりはブースの空きを見付けると中へ入り、必要な操作をして仮想空間に転送された。

そしてお互いにフィールド中央に近い交差点へと向かって合流する。

 

「まずはレイガストを使って模擬戦をする。そしてお互いに感想を言って、どこをどうしたいのかをピックアップしてみよう」

 

「はい!」

 

 

 

 

修はレイガストだけを使って岡宮と対戦を始めた。

岡宮は入隊してまだ数ヶ月のC級隊員で、修は1年以上経つB級隊員。

普通に考えれば修の方が圧倒的に有利だと思われるが、実際にはレイガストオンリーでの模擬戦や実戦の経験はほぼゼロである。

第三中学のモールモッド事件では勝算のない勝負に挑んで死にかけたくらいで、その後に何度も訓練を繰り返して大規模侵攻では単独でモールモッドを倒すことができるようになった。

しかしそれはスラスターを使ってのことで、オプショントリガーの使えない岡宮相手であるから修もレイガスト本体だけで戦わなければならない。

そうなるといくら実戦経験があるといってもそう簡単に勝てるとは限らず、実際レイガストの(ブレード)による鍔迫り合いでは岡宮の方が優勢で、修は押されつつあった。

射手(シューター)メインで戦ってきた修と毎日コツコツとレイガストの訓練をしてきた岡宮であるから、岡宮が修に勝つという番狂わせを起こすことも不可能ではない。

 

(くっ…押されてる。久しぶりに使ったせいか前よりも重い気がする。…違う、岡宮くんの迫力に気圧されているだけかっ!)

 

ヒーローだと尊敬している修が自分の模擬戦の相手をしてくれているものだから岡宮はいつも以上に張り切っており、修に認めてもらおうと必死になっているのだ。

技術的には未熟であっても「絶対に勝ちたい」という気迫の後押しもあって、初戦は岡宮の勝利であった。

お互いにこのままでは勝負がつかないと判断したことでそれぞれ後方に大きく下がり、一瞬の静止の後に岡宮は一気に間合いを詰めて斬りかかり、わずかにタイミングを逃した修は(シールド)モードに変更して岡宮の(ブレード)を受け止めた。

しかしそこで岡宮は諦めず何度も「突き」を繰り返し、修を徐々に追い込んでいく。

()()同レベルの隊員同士の戦いであるから逆に一瞬の隙や油断が勝敗を決することになるため、修は連続して突きをする岡宮の持つレイガストにだけ意識が集中してしまい、道路と歩道の段差で身体のバランスを崩して倒れてしまったところを岡宮に腹を斬り裂かれてしまったのだった。

修は相手が格下だと舐めてかかったのではなくB級ランク戦に挑む時のように気合をいれてはいたものの、レイガスト単体での戦いは岡宮の方が少々上であっただけである。

 

それぞれのブースに戻って来た修と岡宮は再び戦闘フィールドへ転送された。

5本勝負で設定してあるため、あと4戦残っている。

修としては先輩であるがゆえに勝たなければならないというプレッシャーがあり、岡宮は修に将来見込みのある後輩だと思ってもらいたいと張り切っていて、お互いに相手の戦い方を見て参考にしようとか注意すべきところを指摘しようとかいう様子は見られない。

それだけふたりとも必死だということだ。

結果、修VS岡宮の5本勝負は2-3で岡宮の勝ちとなったのだった。

修にとっては不本意なものだが、これが射手(シューター)メインで戦ってきたことによる結果である。

突然銃手(ガンナー)になりたいと京介に頼み、銃手(ガンナー)よりも射手(シューター)の方が良いと指摘されたことで射手(シューター)となった。

玉狛第2という部隊(チーム)の中でエースの遊真をサポートするには有効な手段だといえるのだが、自分でも得点をしたいと身の程知らずなことを言い出した修はサポートに徹することを教えられ、その後はスパイダーを使ったワイヤー陣に力を入れていた。

したがってレイガストを攻撃用の武器として使うことがなくなり、部隊(チーム)を解散したことで単身では敵を倒せない中途半端なB級無所属(フリー)がひとり生まれてしまったわけだ。

実戦において必ずしも複数の隊員で戦うとは限らず、単身で戦わなければならないことがあるのは大規模侵攻で経験済みの修。

しかしその後のB級ランク戦で勝つことしか考えていなかったせいで「たったひとりでも敵を倒さなければいけない時もある」ことを忘れ、敵を倒すために腕を磨く努力を怠ったことがこれで証明されてしまった。

使用するトリガーが同じで経験値は修の方が圧倒的に多いはずなのに入隊して数ヶ月のC級隊員に勝ち越せないなど本人の怠慢でしかない。

とはいえ今の彼はレイガストを盾として使う防御寄りの射手(シューター)であるからレイガストでの勝負に負けたところで大したことではないと言い切ることもできるが、修の性格上そんなことはできない。

 

 

「岡宮くん、やっぱりぼくにはきみの師匠は無理だ。だけど一緒に腕を磨くにはいいライバルができたって思ったよ」

 

ロビーに戻って来た修は岡宮に言う。

 

「三雲先輩は射手(シューター)になってからレイガストを盾として使うことに慣れてしまっていて、(ブレード)トリガーとしての使用はずっとなかったですからね。いずれぼくもB級に上がったらレイガストを使いながら別の武器(トリガー)を使うようになると思います。レイガストだけじゃやっていけないのは実感していますから」

 

「でも今はレイガストだけで4000ポイントを稼がなければならないから必死なんだね?」

 

「そうです。レイガストだけでも勝てる技術を身に付けたいと思って先輩に声をかけたんです。先輩もC級の時はレイガスト1本だったわけで、それでもB級になれるって証明したんですから」

 

「……」

 

修は何も言えなくなってしまった。

レイガストで4000ポイント稼いだのではなく、他人の()()で昇格()()()()()()()のだから。

正直に言ってしまいたい気持ちもあるが、ここで真実を告げてしまえばせっかくできた練習相手も失い、岡宮が他の隊員に話してしまえば一気にボーダー中に広まってしまい裏工作で昇格したことがバレてしまうだろう。

いくら過程はどうであれB級になった結果を出せばいいと思っても、実際に結果が出せてない以上は周囲の人間を騙していることに変わりはないのだ。

 

「先輩はどうやって強くなったんですか? もしかして玉狛支部では何か特別な訓練でもやってるんじゃないですか? 玉狛第2の空閑先輩は入隊して間もないのにA級の緑川さん相手に勝ち越したり、村上さんや影浦さんともいい勝負をしています。ヒュースという外国人も入隊日にB級に上がるとか…玉狛支部には強くなれる秘密があるんじゃないかってC級の間では噂されてますよ」

 

「まあ…玉狛支部は本部と違って特別な訓練設備があることにはあるから…」

 

すると岡宮は身を乗り出した。

 

「じゃあ、所属を玉狛支部に変更してもらえばその特別な訓練設備を使い放題で ──」

 

「別に所属を変更しなくてもぼくと一緒に訓練するということにして林藤支部長に頼んでみるよ。所属を変更してしまうとB級になってから部隊(チーム)を作る時に面倒なことになるから」

 

「あっ、そうか…。じゃあ、頼んでみてください。ボクの家は第三中学の近くなんで本部よりも玉狛支部の方が近くて便利なんです」

 

「それなら支部長のOKが出たらぼくが本部での合同訓練と防衛任務のない日を選んで教える。その時には玉狛支部へ来てもらえばいいな」

 

「よろしくお願いします!」

 

礼儀正しくお辞儀をする岡宮。

その姿を見ていて修はなんとも複雑な気分だ。

 

(岡宮くんはぼくが玉狛支部で秘密特訓をしてB級に昇格したのだと本気で信じている。たしかに特訓はしたけどそれはB級になってからで、レイガストだけではモールモッドを倒すことはできなかったし。それに林藤支部長がダメと言ったらできないけど、その時には宇佐美先輩に頼んでやしゃまるシリーズのプログラムを借りて本部で…って部隊(チーム)を解散したからもう隊室にある訓練室は使えないんだった。…まあ、なんとかなるだろ)

 

 

この日はここで終了し、修は玉狛支部へ帰るとすぐに訓練室でやしゃまるシリーズを使って()()()()を始めた。

次に岡宮と対戦する時に悔しい思いをしたくないことと、レイガストを装備する以上は射手(シューター)であっても攻撃用として使えるよう鍛えておかなければいけないと反省したからである。

そして夕食後に林藤に事情を話すと快諾してくれて、さっそく修は岡宮に連絡をして次の()()訓練の予定を入れたのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

林藤から電話で修がやる気を出して後輩と一緒に訓練をするといった報告をもらった迅は安堵していた。

 

(メガネくんもやっと自分で考えて自分だけの力で行動する意味がわかってきたようだな。…といってもまだひとりではできないことも多いだろうが、基本に返ってもう一度初めから鍛え直すという一見遠回りに見えるけど確実な方法を見付けたんだ、もう俺たちがハラハラしながら見守る必要はないだろ)

 

ボーダー隊員を続けるだけでなく近界(ネイバーフッド)遠征に参加したいというのなら基礎となるトリオン能力を鍛え、武器(トリガー)の性能を最大限に引き出せるだけの技術を身に付けることは必須である。

それを怠り目先の目標 ── B級ランク戦で上位2位までに入ること ── にばかり熱心だった修はやっとボーダー隊員として戦うために必要なものに気付いた。

ひとりでも戦い抜くことができるだけの力量と、共に戦う心強い戦友。

このふたつは相反するように思えるがそうではない。

『ひとりはみんなのために、みんなはひとつの目標のために(One for all,All for one)』

三門市民を守るというひとつの目的を達成するために集まった人間がボーダーという組織を構成しているのだから、その構成員たる個人が最低限自分の役目をきちんと果たさなければいけない。

修は今の自分がその役目を果たせないと理解したからこそC級隊員と一緒にレイガストを使う訓練をすることにしたのだ。

岡宮に負けたことでレイガストの訓練を疎かにしていたことに気付かされたのは修にとって良い傾向だ。

悔しいという気持ちが彼に努力をさせる原動力になり、同レベルの人間がふたりいれば共に競うことになる。

これまで修は自分よりもはるかに優れた上級者に囲まれて教えを乞うだけだったから、岡宮というほぼ同レベルの後輩がいれば負けまいとして頑張るはずだ。

 

(さて、こっちの仕事も大詰めだ。ま、後は忍田さんに任せておけば万事OK。明日からまた静かな日がしばらく続く…かな?)

 

迅は携帯電話を握りしめるとミーティングルームへと戻って行った。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。