ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

384 / 721
365話

 

 

ツグミとリヌス、テスタとサーヴァの4人でささやかな晩餐会が行なわれた。

前回の訪問で利用したレストランでの会食で、相変わらず質素な料理ではあるがこれが近界(ネイバーフッド)の現実なのである。

国家元首や軍の最高司令官が利用する店でこのレベルなのだから、それだけ近界(ネイバーフッド)における「食」が疎かにされているという証拠だ。

近界(ネイバーフッド)での食文化が貧しいのは人々の生活にゆとりがないからで、食事を「栄養摂取と空腹を満たす」行為ではなく「食べることを楽しむ」行為へと昇華できるようになれば庶民の生活も潤いが出てくるに違いないとツグミは考えていた。

だからまずは食料の増産で、キオンではそれが難しいためにツグミはエウクラートンで行おうとしている。

エウクラートンで増産できれば国内での消費だけでなくキオンへの輸出も増やすことができてどちらの国民にとっても利益となる。

するとエウクラートンの国家としての価値が高まり、他国の侵略に備えなければならないが、エウクラートンが危なくなるとキオンが黙ってはいないだろうから自国の軍隊を派遣してエウクラートンを守ろうとする。

したがって()()()()エウクラートンが国防に使うトリオンを減らして国土の維持にその分を回しても問題はないわけだ。

もちろんそう簡単に事が上手く進むとは思っていないからこそ、ツグミは自分が自由に動けるうちに最低限やっておくべきことをやろうとして自分の最も大切にしている「家」にゆっくりと腰を落ち着けていることもできずにいた。

それもすべて未来の幸せな生活を送るための「投資」なのである。

 

 

◆◆◆

 

 

晩餐会が終わってツグミを部屋まで送り届けたリヌスはテスタの私室に呼び出された。

 

「失礼いたします」

 

そう言って入室すると、テスタが部屋着を着てカウチソファーに身を預けている光景がリヌスの目に入った。

明らかにプライベートでの用事であるとしか思えない様子であるから、リヌスは怪訝そうな顔で訊いた。

 

「総統閣下、何かご用でしょうか?」

 

「まあ、そこに腰掛けたまえ」

 

テスタは顎で自分の前に置いてあるソファに座るよう命じた。

悪い話で呼び出されたのではないとわかるが、テスタの意図がわからないためにリヌスは戸惑いながらも指示されたソファに腰掛ける。

 

「きみに訊きたいことがあるんだ。ああ、これは私が個人的に知りたいと思っていることだからもちろん拒否権はある。しかしぜひ話してもらいたいんだよ」

 

「訊きたいこととはどのようなことでしょうか?」

 

「きみが玄界(ミデン)で経験したことを教えてもらいたい。どんなものを食べて、どんなことをして過ごしているのかなどだ」

 

「それは…私という個人が何を見たり聞いたりしているかを知りたいというのですか?」

 

「そうだ。軍務としての報告はきみがゼノンから預かった報告書に記載されているが、軍人ではないひとりの人間としてきみが玄界(ミデン)でどのような経験をして何を得たのかが知りたくてね。できることなら私が自ら赴いてツグミにいろいろ案内してもらって見たり聞いたりしたいのだが、今の立場ではそれもできない。総統なんて肩書きは面倒な仕事を押し付けられるし、自由に恋愛もできやしない。つまらない役職を引き受けてしまったものだよ」

 

「ですが閣下でないとキオンをここまで ──」

 

「今は閣下と呼ぶな。私はまだ29歳、きみとたいして違わない年齢なんだぞ」

 

「しかし…」

 

「まあいい。とにかく若いきみが経験したことを何でもいいから教えてくれ。できることなら庶民の生活の上でキオンにも導入して役に立ちそうなものがあったら知りたい」

 

「わかりました」

 

リヌスは三門市でツグミや迅だけでなくアフトクラトルの貴族の一家と一緒に暮らしていることから話し始めた。

近界(ネイバーフッド)にはない「電気」を使った文明によって繁栄していて、トリオンという人間由来のエネルギーを使わないことから必要なだけ発電して使うということが可能となり、夜間でも街の中は昼間のように明るく人々が夜遅くまで出歩いている。

大量生産大量消費が当たり前で「スーパーマーケット」という大型の店舗では野菜や肉、魚やそれらを使った加工品が山のように並べられて誰でも購入できるようになっている。

電車やバスといった公共の乗り物があり、一度に大勢の人間を遠くまで運ぶことができる。

さらに航空機という空を飛行する乗り物があり、庶民でもそれらを使って自由に旅行を楽しむことができる。

もっと手軽な娯楽としては遊園地、動物園、水族館、映画館などがあり、休日には多くの家族連れが楽しんでいる。

知的好奇心を満たすためには図書館、博物館、美術館などがあって、ツグミは幼い頃から図書館に入り浸って大量の知識を得ていた。

子供たちは義務教育というものによって6歳になると誰でも学ぶ機会を得て、最低でも9年間は勉強することができる。

さらに希望すれば上級の学校で学ぶこともでき、様々な職業に就くために勉強する専門の学校もある。

こういった玄界(ミデン)では普通のことであっても近界(ネイバーフッド)では()()()()()ものをいくつも経験していることをリヌスは熱心に説明した。

しかし良いことばかりとは言えないとも話した。

大量の電気を生み出すために大量の燃料を燃やしたことで気候変動が起きていること。

誰でも時計を身につけていて時間に追われた忙しい暮らしをしていること。

勉強ができる機会を得たことで平均的な学力はアップしたものの劣る者と優れた者の格差が大きくなり、それが大人になってからの経済的な格差を生んでいる。

すべては表裏一体、光と影のようなもので強い光が当たれば濃い影ができてしまう。

玄界(ミデン)の生活は素晴らしい部分は多いものの、そのためには多くの犠牲も生じるということまでリヌスは()()()目で見て聞いて知ったことをテスタに話をしたのだった。

 

テスタはリヌスの「報告」に非常に興味を持ったようで、時間が経つのも忘れて聞き入っていた。

そして最後にポツリと言った。

 

「総統という役職を引き受けてくれる人間がいたら、私は今すぐにでも何の肩書きも持たないタダの人間となって玄界(ミデン)へ行きたい。いっそきみと立場を入れ替えて、きみが総統になり、私がツグミの護衛になれば ──」

 

「待ってください、閣下! そんなことができるはずがないではありませんか!」

 

慌てるリヌスの様子をテスタは面白がって見ている。

 

「冗談に決まっているじゃないか。真面目なきみをからかうのは楽しいな。ゼノンではこうはいかない。…それにしてもきみが羨ましいよ」

 

「は?」

 

「きみが玄界(ミデン)のことを話していた時、ツグミに連れて行ってもらったとか、ツグミと一緒に楽しんだとか、とにかく彼女の名を口にするたびにきみは幸せそうな顔になる。自分では気付いていないのかもしれないが、きみが彼女に特別な好意を抱いているのはその表情からわかるよ」

 

「そんな…」

 

「彼女にはジンという玄界(ミデン)の青年がいるようだからきみの想いは報われない。もし辛いようであればこの任務から外れてもかまわないぞ」

 

テスタはリヌスの様子を観察していてツグミに対する好意に勘付いていたようで、プライベートな話としてその件に触れ、場合によっては任務から外してやろうと考えたのだった。

 

「いえ…それには及びません。閣下の推測どおり私は彼女に好意を寄せております。それが報われないものだと理解していて、彼女のそばで笑顔を見ているだけで満足しようとしていました。ですが彼女から重要な役目を与えられ、私はその役目を果たすためにこれからも彼女のそばにいること決心したのです。ですからこのままゼノン隊の任務を続けます」

 

「重要な役目?」

 

「はい。私にしかできないことだと彼女に言われました。それは彼女が私のことを誰よりも信頼しているという証のようなもので、私はとても嬉しく感じました」

 

「無理に聞こうとは思わないが、どんな内容なのかは気になるな」

 

「別に話せないというものではないのですが、これは個人的なことに関わる内容ですから秘密ということにさせてください。そして私にとってはかけがえのない大切なものなのです」

 

「なるほど、わかった。では今夜はこれくらいにしておこう。明日は午前中に閣議が入っているが、長引かなければ午後にはツグミと()()()会談ができるはずだ。もっとも長引くようであれば私が強権発動して会議を終わらせるがな」

 

「閣下も彼女のことが最優先ですからね」

 

「当たり前だ。玄界(ミデン)からはるばるとやって来てくれた国賓の方が大臣たちよりも優先するに決まっている。だいたい見飽きた顔のおっさんばかりの会議なんて楽しいわけがなかろう」

 

「それは私にも理解できます。…では、これで失礼いたします」

 

リヌスは敬礼をしそうになるが慌てて手を戻し、一礼してテスタの私室を出た。

そして自分の部屋に戻るためにしんと静まり返った廊下を歩きながらテスタとの会話を思い出す。

 

「自分では気付いていないのかもしれないが、きみが彼女に特別な好意を抱いているのはその態度からわかるよ」

 

それはまるで平兼盛の「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」の歌そのものであり、リヌスは今になって顔が真っ赤になってしまった。

 

(私のこの恋心は誰にも知られまいと心に決めて耐え忍んできたというのに、とうとう堪えきれずに顔に出てしまったようだ。彼女のことが好きなのではないかとテスタ閣下が尋ねてくるほどに。…そうか、だから彼女は切ない微笑みを浮かべた顔であのようなことを言ったのか。それほど私は彼女に恋焦がれていたのだ…)

 

リヌスにとっての不幸はツグミのことが好きになってしまったというよりも、迅という絶対的なライバルがすでに存在していたということだ。

幼い頃からずっと共に生きてきたツグミと迅の「時間」はどんなことをしてもリヌスに超えることは不可能。

迅さえいなければと思うこともあったが、ツグミの幸せを考えればふたりが結ばれることを祝福するしかない。

 

(本来ならツグミを拉致してキオン本国へ連れて行き、サーヴァ総司令に彼女を引き渡したらそこでおしまいになる関係だった。それがこうしてずっとそばにいられるのだから、それは思わぬ拾いものだったとも言えるんだ。贅沢を言ってはいけない。キオンの軍人の私にしてみれば女性と口を利く機会さえほとんどなかったというのに、エウクラートンからキオンへの往復の6日間だけでも私は彼女を独占できる。向けられる笑顔も楽しそうに話す言葉も私だけのものなんだ。それだけでも私は満足だというのに、彼女は私に大切な役目を与えてくれた。これさえあれば私はもう何も求めない。これ以上大切なものはどこにもないのだから)

 

絶対的な信頼を得たことで、リヌスの迷いは吹っ切れたようである。

女王に仕える騎士のごとく付き従うことこそ他の誰にもできない自分だけに与えられた「愛の形」であると信じ、それだけを心の支えにして生きていこうと決めたのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

翌日の午後はツグミとテスタの公式な会談を行った。

現在はボーダーとキオンとエウクラートンの3者の間に相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉を守りながら積極的な貿易や技術の交換などを行う「三国同盟」を結ぶための準備のための話し合いの状態である。

つまりまだまったく手付かずでいてツグミの理想をテスタとリベラートに説明をする段階でしかないのだが、それでも両者が彼女の考えに耳を貸すことができるのだから少しずつ前進しているのは間違いない。

そして「国際連合」という組織の存在について説明をし、国家間における戦争や紛争を防ぎ、平和と安全を維持する役目を持つことを教えるとテスタが目の色を変えた。

さらに経済や文化などの分野で国際協力を推進するという役目もあり、それが玄界(ミデン)における二度の大戦の反省から生まれたものだと聞かされるとテスタは何か深く考え込んでしまったのだった。

その様子を見ていたツグミは想像してみた。

 

(キオンが平和維持のリーダーになればアフトにこれ以上の力を持たせないことができると考えているんじゃないかな。キオンが弱小国を自分の勢力下におくのに武力を用いずに玄界(ミデン)の文明を気前良く広めたら、その強大な武力によって侵攻して支配をしようとするアフトが悪魔のように見えてくるもの。キオンが現在の軍事力を縮小することはありえない。その軍事力を自国だけでなく他の()()()()()()()()()()()国の解放に使うとなればボーダー側も兵器を放棄しろとは言えなくなる。これまで蓄えた武器(トリガー)やトリオン兵を手放すなんて嫌だものね。キオンが自国の利益のためだけに軍事力を行使しようとした時にはボーダーが介入することで止めることになるけど、それは最終手段でなければいけない。テスタ(この人)には近界(ネイバーフッド)を統一しようとする野心はあっても武力による支配は好まないのはわかっている。エウクラートンに軍事侵攻して属国にした前総統のことをボロクソに言っていたもの。これまでの情報を総合すると近界(ネイバーフッド)を統一したいのは無駄にトリオンを消費する戦争をやめて、もっと有意義な使い方をしたいという考えを持っているから。頭が良い人だから話し合いで解決することが苦手ではなく、むしろ得意だから敵国のトップを上手く丸め込める自信があるんじゃないかな。武器(トリガー)を使わない平和的な『戦い』をゲームとして楽しんでいる。今もきっとキオンが有利になる条件をわたしから引き出そうと考えているにちがいない)

 

ツグミが想像していたようにテスタは国際連合というシステムに非常に興味があった。

これまですべての国が独立国として存在していて、それらが関わる時は交易か戦争かのどちらかしかなかったからだ。

自国で得ることのできないものを他国から譲り受ける代わりに自国のものを提供する交易は古くから行われていたことで、お互いにとって利益となるのだから積極的に行うのは喜ばしいことである。

しかし近界(ネイバーフッド)ではトリオンを生み出す「人間」に価値があり、人をさらって自国で利用するだけでなく第三国に()()として売り渡すという人身売買を行う国もあるのだ。

そうなると自国民を守るための手段が必要で、トリオンを軍備に費やさなければならなくなる。

よってどの国にも最低限の()()()()()の軍備を認め、過剰な武器(トリガー)やトリオン兵の所持を禁じなければならないのだが、それぞれの国の事情があり素直に従うわけがない。

さらにアフトクラトルのように軍事力によって他国を支配しようとする「平和の敵」には話し合いの場に引き出すことすら難しいのだから、国際連合の考え方は理想であるが実現までは非常に困難な道のりを歩くこととなるだろう。

 

(これは選択肢のひとつとしては非常に魅力的だ。玄界(ミデン)の人間であるツグミだから思いつく提案なのだが、逆に玄界(ミデン)の考え方が近界(ネイバーフッド)の現実にそぐわないのだからすんなりと受け入れられるものではない。現状で満足している国では変化を望まないだろうし、アフトに虐げられている国なら歓迎するかもしれないが、我が国が先導すれば宗主国がアフトからキオンに変わるだけだとして積極的に行動することはないだろうな。だとすればツグミをエウクラートンの女王として祭り上げ、キオンはエウクラートンに仇なすものから彼女を守るという後見的な立場に徹するべきだ。エウクラートンに食料庫以外の役目を果たしてもらうにはちょうどいい。玄界(ミデン)からやって来た少女がエウクラートンの女王として近界(ネイバーフッド)に平和をもたらすというおとぎ話のような話は万人受けしそうだ)

 

テスタの思惑はともかくキオンとエウクラートン及びボーダーの3者での首脳会議を行いたいというツグミの意見は受け入れられた。

現在のキオンは軌道上玄界(ミデン)から最も離れた位置にあり、最新の艇を使って約半月もかかるのだが、これからはだんだん近付いていって12月初めから1月下旬に最も近付くので、キオンとキオンの周囲を回るエウクラートンから玄界(ミデン)まで数日で行けるようになる。

したがってその頃までには条約の内容を固めておき、城戸とテスタとリベラートの三者会談と条約締結を目指すという目標ができたのは収穫だ。

地球上の国同士であれば行き来するのは簡単だが、近界(ネイバーフッド)の国々は宇宙空間に浮かぶ惑星間の移動のようなものだから非常に時間がかかる。

こればかりは近界民(ネイバー)たちの最新技術によっても越えられない壁のようで、トリオン消費を抑える研究はどの国でもやっているが艇の高速化は限界であると考えられていて現在は行われていないそうだ。

それでもゼノン隊が使用していた旧式の艇から最新式の艇に替えてもらったおかげで所要時間が約半分になっているのだからこれ以上は無理を言うことはできない。

それに玄界(ミデン)における原子力による推進技術を用いれば状況は変わるかもしれない。

原子核の分裂で放出される膨大なエネルギーを用いる「原子力推進」は、既存のロケットの動力源である化学ロケットエンジンに比べて効率が2倍高く、火星までの移動時間を現在の半分の3-4ヶ月にまで短縮できると考えられている。

もっともこれらの技術が完成して実用化できたとしても近界(ネイバーフッド)の空間で使えるかどうかはわからないのだが。

 

 

◆◆◆

 

 

休憩を挟んで5時間にも及ぶ会談を終えたツグミはひどく疲れてしまい、その夜は早々に眠ってしまった。

そのおかげで翌朝は早く目が覚めてしまい、彼女はキオンに来たもうひとつの理由 ── 前回の訪問の時に蒔いたシロツメクサの成長具合を確認するためにひとりで出かけた。

首都の中なら雪が積もらずに一年中暖かいから上手く育つだろうと考えて、テスタの許可をもらってから彼女は拘置所の敷地にシロツメクサの種を蒔いていた。

近界(ネイバーフッド)の土壌で玄界(ミデン)の植物が育つかどうかの確認をし、結果が上々であれば次は主食となる作物の栽培ができるかの実験である。

種を蒔いた場所へ行くと小さな緑色の草原にウサギの尻尾のような球状の白い花が咲いていて、ツグミは思わず微笑んでしまった。

 

(これなら玄界(ミデン)で品種改良された作物も育てられるかもしれない。小麦やジャガイモなどの穀物を収穫量の多い品種に変えるだけでも十分だし、寒冷地でも育つ品種ならこのキオンでも栽培できる。エウクラートンのような農業国で導入すれば効果は絶大。それに近界(ネイバーフッド)にはいないらしいミツバチを放して養蜂を行えば蜂蜜も収穫できて、甘味に飢えている近界民(ネイバー)たちは喜ぶだろうし。広大な面積の畑に種を蒔く時にはドローンを使えば人手不足は解消される。なによりも国土の維持にトリオンを多く回せば気候が安定すると同時に自然災害が起きなくなって作物の収穫を安定させることができるんだから、やっぱり軍備に使うトリオンを減らすようにしないとみんなが幸せに暮らすのは無理よ。わたしが幸せに暮らせるようにするためには近界(ネイバーフッド)の安寧が不可欠。とにかくキオンを味方にできたことはアフトクラトルに対抗する手段を得たも同じ。この関係を大切にしなきゃ)

 

ツグミは朝露に濡れたシロツメクサの花畑にしゃがむと手を伸ばした。

 

(ラッキー! 四葉のクローバー、見~つけた)

 

しゃがんで視線を落としたとたんに四葉のクローバーを見付けたツグミ。

まるでキオンの大地に祝祝されたかのようである。

ツグミは自分の努力が報われそうな予感がして上機嫌で部屋に戻って行った。

 

 

キオンでの滞在はわずか2日間と短いものの、ツグミは中身の濃い時間を過ごしたと感じていた。

テスタからはたくさんの「お土産」を受け取り、手応えを感じながらエウクラートンへの帰途についたのだった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。