ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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411話

 

 

「衣食足りて礼節を知る」という言葉がある。

衣服や食糧といった生きていくために必要なものが十分にあるようになって初めて礼儀や節度といった社会の秩序を保つための作法・行動を期待することができるようになるという意味である。

「衣」はともかく「食」が貧しい近界民(ネイバー)たちに礼節を求めるならば、まず彼らの食生活を豊かにさせることが必要である。

玄界(ミデン)の人間が一方的に自分たちの価値観を押し付けたところで効果はなく、むしろ反感を買うことにもなりかねない。

しかし近界民(ネイバー)玄界(ミデン)の文化に憧れて自ら受け入れたいと思うのであれば、それは相互の理解への近道となるのだ。

近界民(ネイバー)たちであっても食事を食欲という本能を満たすためとか単なる生存のための栄養摂取行為でだけはなく「美味しいものを食べたい」という欲求はある。

それが貴族や上流階級であれば不可能ではないものの、庶民階級では日々の糧を得るのが精一杯。

だからこそ貴族や上流階級を魅了するほどのものを提示すれば近界民(ネイバー)たちの心を掴むことができるというわけだ。

もちろんそれは「食」だけではなく、単にきっかけとなるものである。

トリオンに代わるエネルギーの提示をし、トリオンに頼らない文明の構築へと導くことができさえすれば、近界民(ネイバー)玄界(ミデン)への侵攻をしなくなるはずなのだ。

とはいえ人間とは住む世界に関わらず欲が深いもので、当初は10でも満足できていたものでも時間が経つと20、30と欲しくなり、それは際限なく続いてしまうものだ。

玄界(ミデン)へ行けばもっと楽に良い暮らしができるとわかれば再び攻めて来ることもありうるし、玄界(ミデン)の人間が近界(ネイバーフッド)のトリオンとトリガーの技術を欲して逆侵攻をするかもしれない。

そうならないためにボーダーの界境防衛機関としての役目は今後もっと重要なものになる。

そもそも現在の状況ではボーダーの意思が玄界(ミデン)の意思となっているわけで、いずれは三門市だけでなく日本国政府、さらには諸外国の政府までもが己の利益を求める行動を始めるのは火を見るよりも明らかだ。

したがってボーダーは近界民(ネイバー)の手から玄界(ミデン)を守るだけでなく、玄界(ミデン)の邪な輩から近界(ネイバーフッド)の国々を守らなくてはならなくなるだろう。

そのことも考えて唐沢には活動してもらっているのだが、彼の仕事をやりやすくするために城戸やツグミが近界民(ネイバー)と積極的な交流を試みているのである。

直接戦ったアフトクラトルの敵将を味方に引き入れようと提案するツグミはともかく、近界民(ネイバー)を徹底的に敵視していた城戸が協調路線に乗り換えたのだからこの1年の間にボーダーは大きく変わったと言えよう。

1年前のツグミにこのような未来は視えてはいなかったが、彼女が自分の信じた道をまっすぐ歩いた結果である。

神ならぬ身の彼女にここまでの道のり同様にこの先どうなるかなど視えるはずもないが、少なくとも彼女を信じて同じ道を歩こうとしている者がいる以上はそれに続く者も次々と現れることだろう。

それが近界民(ネイバー)であってもおかしくはない。

利害が一致していれば一時的にでも手を組むのは至極自然なものであり、双方の良好な関係を維持し続けることによって恒久的な平和がもたらされるのであれば試してみる価値はあるというものだ。

 

 

城戸は畳の上に敷かれた布団で寝転がりながらふとひと月前のことを思い出していた。

 

(あの子は誰も思いも付かないアイデアを生み出す発想力や高い分析力を持っている。そんなものをどこで身に付けたのやら…。既成概念に囚われない自由な発想と広い視野を持つことで私たちが想像もしないことを可能性として考慮に入れる。未知のものを恐れる心はあるが、それ以上に知りたいという知的欲求が強く、慎重でありながらも大胆に挑戦し続けるところは父親の織羽そっくりだ。子供の時から同世代の子供たちとは違った考え方を持っていたのは感じていたが、まさか敵性近界民(ネイバー)さえも自分の懐に入れてしまおうなどとは、まさに織羽のやり方そのものだ。幼い頃に父親を亡くしたあの子が父親の影響を受けているとは思えん。血は争えないとはこのことを言うのだろうか…)

 

アフトクラトルからの使者がハイレインの親書を携えて三門市に現れたのはちょうどひと月前のことで、大規模侵攻における罪を認め謝罪をしたいという内容に城戸たち上層部のメンバーは驚いた。

しかしツグミはこのことすらも想定内のことであり、その場合の策もすでに用意されていた。

これといった名案のない上層部のメンバーは渋々彼女の提案を受け入れることになったのだが、この時にはまだボーダーと三門市に多大な被害をもたらしたアフトクラトルの人間を信用することはできないという空気があり、彼女の近界民(ネイバー)融和政策は綺麗事だとか机上の空論だと陰口を叩く者もいた。

 

(私たちのように既成概念に囚われている人間だけではボーダーは侵略してくる近界民(ネイバー)を迎え撃つ防衛組織の範疇を超えることはできない。それではいつまで経っても変わることはできず、子供に守られる情けない大人として生きていくことしかできないだろう。私はそれを良しとせず、不可能だとわかっていながらも近界民(ネイバー)を完全に排除する道を歩むことにしてしまった。…しかしあの子は違う。たとえ困難な道のりであり、誰もが無理だと笑ったとしても自らの信じた道を行く。その強い意思はどこから生まれてくるのかと訊くと、あの子は笑っていたな。過去は変えられないが未来ならいくらでも自分の力で切り開くことはできる、と。誰かが用意した未来の結果をただ何もせずに享受する怠惰な人間に、自分の望むものにならないと文句を言う輩にはなりたくないから自分でやるのだと、さも当然といった顔で言っていた。そしてあの子は口先だけでなく実際に行動して結果を出している。1年前にはその存在すら知らなかった軍事大国キオンの人間を味方にし、アフトクラトルとも臆することなく武器(トリガー)を使わない『戦い』に挑んでいる。そんなあの子に私は期待をせずにはいられない。いや、私だけでなく近界民(ネイバー)たちの中にすら近界(ネイバーフッド)の停滞した状況を打破できる救世主として期待している者もいるくらいだ。そんな希望を与えた責任は重いぞ、ツグミ)

 

もちろん城戸はツグミだけに責任を押し付ける気はない。

ボーダーの最高司令官として許可したのだから、その任務の中で生じたことに関しての責任は城戸にあるのは当然だ。

他人が見ればクレージーな政策であることは間違いないが、これまでの彼女の「結果」が城戸を動かした。

彼女の理想論が単なる夢物語ではないのは、彼女が結果の先の先まで考えて行動をしているからである。

近界民(ネイバー)と仲良くしよう。戦争は悪いことだからやめよう」だけであれば彼女の考え方は人生経験の少ない子供の正論でしかない。

しかし彼女は相手の目線になって考えることができたり、自分を客観的に見ることができ、人と人との相関関係を想像できる。

自分というものをしっかり持っているから他人の事情も理解でき、人間の汚い部分も認めているから世の中正論だけでは通用しないことも弁えている。

そして自分に厳しく、同様に他人にも厳しい。

だから同時に自分を愛するように他人を愛することができ、寛容になれるというもの。

彼女にとって近界民(ネイバー)は異世界に住む得体の知れない者ではなく隣人(ネイバー)であり、言葉で理解し合える()()の存在だと認識しているから「一緒に美味しいご飯を食べて笑顔になる」ことが大切に考えているのである。

「食」を通して理解を深めるという彼女のやり方は城戸も良くわかっている。

 

(美味しいものを食べた時、人は幸せを感じる。それは科学的にも解明されていて、実際に美味しいものを食べると幸せな気分になり、幸せな気分で食事をするから美味しく食べられるという。誰と一緒に食べるかという点も重要で、今日の会食は仕事の範疇でありながらも唐沢くんの気遣いで慰安の意味も込められていた。だからなのかいつもよりも美味いと感じた。普段は飲まないようにしている酒も場の雰囲気で少々深酒してしまったようだ。だが心地いい。楽しい酒だった)

 

食事をしている時の脳内では「快楽・快感」を司るドーパミンが分泌される。

ドーパミンは生きる意欲を起こしてくれるホルモンで、目標を達成した時や他者から称賛を得た時、感謝された時などにも多く分泌されるもので、落ち込むことがあっても美味しいものを食べると元気になれるのは、脳内でたくさんのドーパミンが分泌されるからと言われている。

さらに人は幸せを感じた時、ドーパミンの他にセロトニン、エンドルフィン、オキシトシンなどの脳内伝達物質が分泌され、これらは「ハッピーホルモン」とも呼ばれており、このハッピーホルモンがたくさん分泌されている時、心は平穏になり幸福感に満たされる。

だからツグミは美味しいものを食べて幸せな気分にさせることで味方を増やしてきた。

彼女はそれを半分冗談で「相手の胃袋を掴む」と言っているが、彼女の行動はまさに近界民(ネイバー)の心を鷲掴みにしてきたのだった。

ランバネインもこれまでに経験したことのない料理を前に大喜びしていて、()()()はあったという感触である。

 

(あの子の計画は玄界(ミデン)とは敵対するよりも友好的な関係を築く方がメリットがあると思わせ、武力による支配を目論むハイレインの考え方を改めさせようというもの。そのために最も身近な弟であるランバネインを攻略し、国王となったハイレインを話し合いの場に引っ張り出そうと考えている。しかしハイレインがこちらの言い分に耳を傾けない可能性は高く、その時のために側近ともいうべきランバネインとヴィザを引き離すことで孤立させ、協力者のいない状況に追い込むことで諦めさせるという第2案も考えているようだ。いくらハイレインがキングであってもクイーンやビショップなどの駒を失えば勝ち目のない勝負に挑むことになる。アフトクラトルには10本以上の(ブラック)トリガーがあるらしいが、側近に見放された王に従う兵士がどれだけいるだろうか。ランバネインと()()()()()()()()()()()()()()ヴィザのふたりをこちらに引き入れるだけでアフトクラトルという軍事大国をほぼ無力化できるのだから、なんとも恐ろしい計画を立てたものだ。味方であれば心強いが敵には絶対に回したくないと()()()()思わせることもその計画の中にあるというのであれば、今はあの子の好きなようにさせておくべきだな。…もっともあの子が私たちの敵になることはありえないのだが)

 

「ツグミの世界」には中心に彼女がいて、そのすぐそばに迅や忍田がいて、その同じ輪の中に城戸や林藤や玉狛支部のメンバーがいて、その外側の輪にはボーダーで一緒に戦う仲間や近界民(ネイバー)の友人たちがいる。

自分の幸福が一番だといっても、そういった手の届く範囲の人間たちの犠牲の上に自らの幸福を望むことはない。

なにより彼女の望みは家族や仲間と一緒に幸せになることであり、城戸たちを敵に回すことはまさに「矛盾」となる。

逆に言えば自分だけでなく手の届く範囲の人間たちの敵となる者に対しては容赦なく徹底的に叩きのめすという意味でもあり、敵がアフトクラトルの王であろうとも決して退くことはないだろう。

そして彼女が賢いところは真正面からハイレインと戦っても勝てないことを理解していて、敵の行動を読んで慎重に行動し、堅実で余裕のある戦略を練ることができるという点だ。

情報収集や威力偵察などの事前の準備を怠らず、メインの計画が失敗した際の代案を常に考えて行動する点などハイレインのやり方とツグミのそれは良く似ており、似ているからこそ行動を読むことができるのである。

相手の行動を読むことができるということは戦わずして敵を無力化する手段を持っているともいえ、正面から戦わずにランバネインから攻略するという()()()から攻めていく策を講じた。

 

(私たち上層部の面々はアフトクラトル遠征を成功させたもののハイレインによる再侵攻を警戒していた。しかしあの子は近界(ネイバーフッド)へ出向いた時に自ら収集した情報を吟味し、また偽の情報を流すという情報操作によって再侵攻を阻むことに成功している。ガロプラの連中と手を組んだことも効果があったらしい。真実の中にいくつかの嘘を混ぜることによっていかにも本当のことであるかのように勘違いさせるという手は諜報員が普通に行うものだが、ゼノン隊の連中と行動を共にしていく上で身に付けたに違いない。諜報員にならずとも彼らの持つ知識や技術は人生の中でも十分役立つものがある。彼らを捕縛した時に玉狛預けにしたのは正解だったな。もっともあの子が彼らから受けた影響よりも、あの子が与えた影響の方がはるかに大きかったようだが。それにしても彼らのために自分の身を危険に晒してまでキオン本国へ行くと言い出した時には驚いたが、必ず生きて戻って来るという約束を果たしたことで私のあの子への信頼度は増した。ひとつの結果を出すことによって次の結果を出すための下準備をする。誰が教えたわけでもなく、あの子はそれを自然と身に付けていたようだ。忍田だけでなく私や林藤といった父親たちは何の役目も果たせていないようだが、あの子がいつでも帰って来ることのできる場所を確保しておいてやるくらいはできるだろう)

 

 

そんなことを考えているとドアをノックする開く音が聞こえ、城戸がドアを開けると忍田が立っていた。

 

「城戸さん、少しいいですか?」

 

「ああ、もちろんだとも。さあ、中へ入れ」

 

忍田を客室へと招き、敷いてあった布団を畳んで部屋の隅へと運ぶ城戸。

 

「寝ていたところを邪魔してしまったみたいですね?」

 

「いや、特にすることもなく寝転がって考え事をしていただけだ。…酒よりも茶の方がいいだろ。飲むか?」

 

「はい、お願いします」

 

湯沸しポットの湯を再沸騰させて茶を淹れる城戸はボーダーの最高司令官ではなく、ツグミという娘のことを心配する父親の顔に見える。

 

「ツグミと話はできたようだな? それもお互いにわかり合えたといった良い顔をしている」

 

「わかりますか? 今のあの子には父親としてよりも本部長という立場の私の方を必要としていることがわかりました。エウクラートンの女王後継問題に関して今まで内緒にしていたのも、そしてあなたにだけは打ち明けていたこともあの子なりの気遣いであり、それが正しいと判断した結果だということも納得できました。あの子は女王となることを義務ではなく権利だと考えているようで、エウクラートン国民のことも考えながらも自分の人生を最優先に考えていてくれてホッとしています」

 

「そうだな。あの子は他人のために何かをするのではなく、自分のためにやっていることが結果的に周囲の人間のためになっていることが多い。ボーダーに入隊したのは自分で自分の身を守るためであったはずだが、今では大勢の人間を守るための力を得た。そのためには他人には想像もできない苦労があったが、あの子はそれを(おくび)にも出さない。そして大勢の人間を守りたいのではなく、迅という愛するひとりの男の心を守りたいと言うのだから健気じゃないか。まあ、父親代わりの身としては寂しいところもあるだろうが、いずれは迎える巣立ちの日が少しだけ早く来たのだと思えば…というわけにもいかないか」

 

「…はい」

 

「あの子は織羽だけでなく美琴さんにも良く似ているからな。彼女の分も幸せになってもらいたいというきみの気持ちもわからないでもない。しかしあの子は忍田ツグミという人間だ。思いどおりにならなくて当然だぞ。それくらいはきみもわかっているだろうし、あの子もまた良く理解している。あの子は昔から周囲の期待に応えられずに失望されることを極端に恐れていて、期待の100パーセント以上の結果を出そうとして勉強にもボーダーの訓練にも精を出した。誰もそこまでしなくても良いと思うのだが、人とは誰でも自分とは違う人間の心の中がわからないから無理や誤解を生じてしまう。自分は自分、他人は他人。だから他人の心の中がわからない。わからないからこそ理解しようとして積極的に接する。相手も自分と同じ人間なのだからわからないのは当然のことで、誤解や争いを回避するには相手のことを理解し、妥協点を見付けて折り合いをつける。それは近界民(ネイバー)に対しても同じこと。いつの間にかあの子はそういう考えを持つ()()になっていたんだ。誰が教えたというわけでもないのにな」

 

そう言って城戸は茶を注いだ茶碗を忍田の前に置いた。

 

「ありがとうございます、城戸さん。あなたは昔から私や林藤の導き手で、今でもあなたの後ろ姿を見ながら前に進んでいる気がします。こんな大人になってもまだ迷いや不安を断ち切れないでいるくらいですから、ツグミや迅たち若者ともなれば尚更でしょう。ただ私は間違っていたようです。私は立派な背中を見せられる大人でいなければならないと考えていましたが、立派かどうかは後ろを歩くあの子たちが決めること。そして自分自身に恥じない生き方さえしていればそれで十分なのだとわかりました」

 

忍田は茶をひと口飲んで続ける。

 

「あの子は私たちがたどり着けないような高みからふたつの世界を俯瞰していて、双方にとって最善の道を模索しています。手伝いたいと思ってもあの子が協力を求めてくるまでは静観しているのがいいという答えを出しました。この先どのような壁が行く手を阻むことになるかわかりません。ですがあの子は絶対に諦めないでしょう。エウクラートンにおける女王後継問題もあの子なりの答えは出ているようですし、私たちは市民救出計画を進めなければならないという責務があります。違う道を歩いているようにも見えますが、役割分担をして各人が役割を全うしさえすればそれぞれの道は必ず合流してひとつのゴールにたどり着くでしょう。ただそのゴールの先にも道は続いていて、そこから先は次の走者にタスキを渡すことになります。ひとまず私たちは私たちのゴールへと全力で向かいましょう。あの子は言っていました。『ボーダーがその役目を果たし終えた時、長く厳しかった()は終わるんです』と」

 

「長く厳しかった旅、か…。あの子がそんなことを言うようになったのか」

 

「はい。あの子と一緒に()を始めて10年になります。長かったようにも短かったようにも感じますが、とにかく中身の濃い10年でした。いろいろあってまだ織羽義兄さんと美琴姉さんの墓参りには行くことができていませんが、年内には必ずあの子とふたりでお参りしたいと思っています」

 

「あの子が真実を知って初めての墓参りになるのだろ? ゆっくりと話をしてくるといい」

 

「ありがとうございます。…ところで私はこれからひとっ風呂浴びてこようと思いますが、城戸さんもいかがですか?」

 

「いや、私は深酒したから明日の朝にするよ」

 

「そうですか。では、おやすみなさい」

 

忍田が出て行くのを見送った城戸は布団を敷き直して寝転がった。

 

(問題はまだ山積みだというのにとても気持ちが晴れ晴れとしている。久しぶりに安眠できそうだ)

 

照明を落として目を瞑るやいなや、城戸は深い眠りの中に落ちていって朝まで目覚めることはなかったのだった。

 

 

 

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