ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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424話

 

 

模擬戦でツグミは勝つことができなかったものの、サーヴァに一矢報いて相討ちにまで持ち込んだことはその日のうちに軍全体に知れ渡り、翌日には軍関係者の口から民間人へも伝わっていった。

おかげで実家にて休暇中のテオにも知られることとなり、彼女の宿泊施設へとやって来て「なぜそんな面白そうなことをやるのにオレに教えてくれなかったんだ!」と大騒ぎをする始末。

それでもゼノンやリヌスすら知らなかったことで突発的なものだったと説明し、辛うじて怒りの矛先を収めてくれたのだった。

たしかにテオが入隊した時にはすでにサーヴァは最高司令官であり、彼が前線に出るような戦争はなかったから彼の勇姿は見ることができずに「伝説のトリガー使い」という噂しか知らなかった。

それに模擬戦をしていた若い兵士たちの熱狂ぶりを見れば、テオもさぞ見たかっただろうと想像できる。

それだけ若い兵士に支持されているサーヴァが軍総司令官を辞するとなるとその影響は小さいものではない。

しかしテスタの政策の主体が軍事力に頼らない国の運営で、それが順調とは言えないまでも効果を生み出していて、その流れで玄界(ミデン)と良い関係を結ぶことができるようになったため、過去に築いた軍事大国の看板を掲げながらも平和路線へと舵を大きく切った。

ならば古い時代の兵士は去り、新時代は若い兵士に任せようという理由であれば、彼の引退も「勇退」という形で祝ってもらうこともできるだろう。

問題はサーヴァのような英雄の存在がおらず、適任者といえる人材がいないことなのだが、テスタには何か()があるらしい。

 

 

模擬戦の結果は頭の固い議員たちにも自らの考え方を見直す結果をもたらした。

強者が弱者を支配するという彼らの(ことわり)を是とするならば、キオンの軍のトップに一矢報いるほどの実力を見せたツグミを強者として認めなければならない。

玄界(ミデン)の外交に関する全権を持つ人物であり、テスタとサーヴァというキオンのナンバーワンとナンバーツーが認めるツグミという少女。

自分がそんな彼女に敵わないと思うのであれば相対的に見ると彼女は強者であって、彼女の言葉を認めなければ己の主張と矛盾をしてしまうことになるのだ。

議員たちも既得権益を失うことを一番危惧しているのだが、ボーダーの提示した「相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉」を認めたからといってすぐにすべてを失うというものではない。

現在のキオンの一部の人間はエウクラートンのことを従属国であり、食料が足りなければエウクラートン国民が飢えようともかまわないと考えているため、両国が同等であると認めれば不自由を強いられると()()()想像している。

しかし玄界(ミデン)のエネルギー技術や寒冷地でも育つ農作物の種苗、ハウス栽培などを導入することでキオンでも作物を収穫することができるようになるし、エウクラートンでも同様に玄界(ミデン)の技術を導入するから農産物の収穫量は格段に増えるだろう。

そうなれば両国で少ない食料を奪い合うこともなくなり、無理矢理にエウクラートンから徴収するのではなく、対等な立場での交易が可能となる。

問題は国内の身分制度の方で、現在の一等・二等・三等市民という区分けを撤廃しなければならなくなると、退役軍人はともかく先祖の残した遺産でのうのうと暮らしている貴族は今の暮らしを維持できなくなる。

もちろんテスタは急激に変革すればそのリバウンドが大きいことは充分承知しているから議員たちが心配するようなことにはならない手立てを考えているが、長い間相続によって権力を代々維持してきた連中には自らの中にしっかりとした基盤も芯もないから不安になるのだ。

ひとまず議員たちのことは自分に任せろと言ってテスタは自信満々の様子で議会に出席し、ツグミはサーヴァと一緒に軍の公文書の保管庫へと向かった。

 

 

◆◆◆

 

 

軍総司令部の最深部にある公文書の保管庫は軍関係者でもごく一部の限られた人間しか入ることはできない。

だから軍人でもない民間人で、それも玄界(ミデン)から来た少女であるツグミが入ることなど無理なことなのだが、最高司令官が彼女の依頼を受けて過去の資料を調べに来たとなれば話は別である。

サーヴァが突然保管庫に現れたことに管理当番の青年は驚いたのだが、彼が同伴していたのがツグミであったものだから気絶しそうになってしまう。

昨日の模擬戦を見ていた兵士のひとりだったようで、ツグミが「お仕事、お疲れさま」と声をかけると握手を求めてきた。

住む世界が違ってもアイドルに対するファンの反応は同じようだ。

 

「50年も前のこととなると紙に記録したものしかないから調べるのには時間がかかるだろう。暇を持て余すことになるだろうに、わざわざ一緒に付いて来なくても良かったのだぞ」

 

「サーヴァさんのお気遣いは嬉しいですけど、わたしは古い紙の匂いが好きなんです。わたしは幼い頃から本を読むのが好きで、小学生の頃は休日のたびに図書館に通って閉館時間まで本を読んでいました。ですがボーダーに入ると決めてからは剣の稽古だとかトリオン器官の鍛錬などで忙しくなり、少し寂しい想いをすることになりました。古書の…古い紙のカビ臭い中にも少しだけ甘い匂いがする微妙な香りが懐かしく、不思議と幸せな気分にさせてくれるのです。だから近界(ネイバーフッド)ではどんなものか知りたくなりました。世界は違っても変わらないものってありますよね。ここにも玄界(ミデン)と良く似た匂いが漂っているとわかってなんだか嬉しいです。ここなら何時間でもいられそうです」

 

「だが何もすることがなくて退屈ではないのか? ここにはきみが読んで楽しいと思える本はないぞ」

 

「大丈夫です。これまでに読んだ本の内容を思い出してそれを読むことにしますから。わたし、一度読んだ本の内容はほぼ全部覚えているんです。好きだった本は一言一句思い出せますよ」

 

「それはすごいな…。ならば好きにしているといい。儂はこっちの棚の書類を調べているぞ」

 

そう言ってサーヴァは目的の棚から書類の束を取り出して読み始めた。

 

 

 

 

ツグミたちが保管庫に入室したのが9時少し過ぎで、退出したのが正午であったから3時間近く中にいたことになる。

しかし収穫と言えるほどのものはなく、夜の雫(オミクレー)に関しての記録はわずか数行しか記載されていなかった。

今から52年前、キオンの友好国であった「ミソス」が「フルトゥス」という国からの襲撃を受けて、その際にミソスは夜の雫(オミクレー)を使ってフルトゥスを退けたのだがそれまでに受けた被害が甚大であり、(マザー)トリガーを操作する神官が殺されてしまったことで復興が叶わなかったために約200人の生存者がキオンに亡命したこと。

そしてその混乱の中で夜の雫(オミクレー)は行方不明になってしまったことだけがわかったのだった。

その後どういう経緯で夜の雫(オミクレー)がアフトクラトルに渡り王家の管理となったのかはわからず、その能力についてもミソスの生存者の証言で「大勢の敵兵士が明らかな攻撃を受けていないのに換装が解けて生身の状態になって戦闘不能に陥った」とだけ記載されていた。

トリオン体の兵士の換装が解けるというのであれば相当なダメージを受けて「活動限界」を迎えているはずなのだが、証言者は攻撃を受けていないと言っておりそれが公文書として残されているのだからそれが真実なのだろう。

この話を聞いたツグミはリヌスの持つ武器(トリガー)の「カテーナ」を連想した。

それは使用者の半径約30メートル以内にいる敵のトリガーが起動できない状態にするというもので、起動している状態であれば強制的に「トリガーオフ」にする能力を持つ。

これは戦わずして敵を無効化するという点において非常に便利な武器(トリガー)で、もし夜の雫(オミクレー)が同様の能力を持つものであれば使い方を間違わなければ非常に役立つものとなるだろう。

 

 

 

 

「これといった収穫がなくてすまぬな」

 

サーヴァが申し訳なさそうな顔でツグミに言う。

 

「いいえ、わざわざ調べていただけて感謝しております。それに収穫は充分ありましたよ。『大勢の敵兵士が明らかな攻撃を受けていないのに換装が解けて生身の状態になって戦闘不能に陥った』『活動限界を迎えていないトリオン体の兵士の換装が解ける』という2点によって夜の雫(オミクレー)がリヌスさんの持つトリガーの『カテーナ』のように敵の換装を解いて無力化するのだとわかりました。それだけでもわたしにとっては大収穫です」

 

「そう言ってもらえるとこちらも気が楽になる。…しかしきみが知りたかったという夜の雫(オミクレー)の元になった人物が玄界(ミデン)の人間であるかどうかはわからん。きみは能力よりも由来の方が知りたかったのではなかったかね?」

 

「それはそうですが、仮に夜の雫(オミクレー)の元になった人物が玄界(ミデン)の人間だったとしてもその人は死んでしまっていますし、同じように50年も前にさらわれた人がいたとしても生存している可能性は低く、どこにいるのかはまったく見当も付きません。それなら近界(ネイバーフッド)の情勢の安定化を最優先し、ボーダーがどの国へでも自由かつ安全に行き来できるようになれば探す手段を得られます。遠回りになったとしてもその方が確実です」

 

「うむ…」

 

「それに夜の雫(オミクレー)がミリアムの(ブラック)トリガーのように人命を奪うものではなさそうなので安堵しています。ボーダーに戻ってから適合者を探し、効果範囲やどのようにして換装を解くのかなど詳細を調べてから有効利用させてもらうつもりです」

 

キオンでもここまでしかわからないのだから他に調べる手段はないのだが、ツグミはひとつだけ良かったと感じていることがある。

それはミリアムの(ブラック)トリガーのように死者を出すまでに至らないということがわかったからだ。

もちろんノーマルトリガーでも人を殺すことはできるが、使用者が敵であっても殺さないと意識して戦えば問題はない。

しかしミリアムの(ブラック)トリガーは使っているうちに使用者のコントロールができなくなるものであったから、ツグミは使()()()()()()()()使()()()を選んだのだった。

夜の雫(オミクレー)なら適合者が正しい使用方法を守れば活用できるはずで、平和的な解決を望むのであれば非常に役立つことだろうとツグミは手応えを感じていた。

そして同時に複雑な気分にもなっていた。

 

(これでキオンとエウクラートンの協力を得て三国同盟が締結される道筋が見えてきた。ここにアフトが加わるかは未知数だけど、ひとまず近界(ネイバーフッド)の国々と玄界(ミデン)が手を組んでひとつの目的を推し進めようとする基礎は築けたと思う。これがきっかけとなって戦争を減らしていくことができれば近界民(ネイバー)玄界(ミデン)の人間をさらうなんて愚かしいことをしなくなるのは間違いない。だって彼らが欲しいのはトリオンを生み出し、兵士として利用できる人間だもの。スカルキ総統のように戦争なんて非生産的なことをするよりも内政に力を入れて国民が豊かな暮らしができるようにした方がずっと良いと考える指導者が現れればの話だけど)

 

そのためにツグミは「人間は人間らしく生きるための権利を生まれながらに持っている」と言い、玄界(ミデン)では「人種や性別、宗教、政治上その他の意見、社会的出身などのいかなる事由による差別を受けることはない」と公言した。

しかし彼女自身がそれを詭弁だと理解していて、近界民(ネイバー)相手に大嘘をついていることも承知している。

 

(人間が平等だなんて嘘っぱち。人の数だけ命があって、その命はどれひとつとして同じものはない。平等とは皆が等しいという意味であって、すべての人間が等しいはずがない。走るのが早い人がいれば遅い人もいるし、何キロも泳げる人がいればまったく泳げない人もいる。五体満足で生まれる子がいれば、生まれながらにして遺伝子レベルでの病気を持って生まれてくる子もいて、それでは明らかに人生のスタート地点で大きな差がついている。そこで人間は平等という言葉を使わずに自分とは異なっていても同じ人間であり命の価値に差はないのだからどんな理由があっても差別してはいけないというルールにした。…でもそれってまやかしに過ぎない。だってルールなんてものはすべての人間が守るなら不要なもので、守らない人がいるからルールで縛らなければならないんだもの。特に腕力とか権力とか()という文字を持つ者を強者と呼んで、そういう連中は持たない者を弱者と呼んで虐げる。ううん、それよりも厄介なのは多数派(マジョリティ)少数派(マイノリティ)の関係。ある集団において意思決定を図る際に選挙等の手段を用いて多数派の意見を採用することは当然のように考えられている。その方が多くの人間の意思を反映していることになるから。だけど数が多いからといって正しいとは限らず、少数の反対派を悪とみなす輩もいるからタチが悪い。そしてわたしがこの欺瞞に満ちた世界を肯定するかのように振舞うのも自分が幸せに暮らしたいという欲のため。何が正しくて何が間違っているかなんて誰にも言えないのに、わたしは自分にとって都合の良い事実をさも真実のように利用している。わたしは卑怯だ…)

 

多数が支持していることを根拠に、自らの説を正しいとする論証一般を「衆人に訴える論証」と呼ぶ。

基本的には多数が支持していることは実際に正しい場合が多いのだが、多数が支持していることの「すべて」が「必ずしも」正しいとは言い切れない。

したがって多数が支持しているというだけでは自らの説を「必ず正しい」と保証することはできず詭弁ともなりうる。

ツグミ自身が「みんながそうだから」という理由だけで判断せず、自らの知識や経験から「自分にとっての正解」を導き出すことを心掛けているから、この「衆人に訴える論証」を利用することに良心の呵責があるのだ。

 

(でも今さらこの流れを止めるわけにはいかない。卑怯だろうが何だろうが、最終的に大勢の人間が満足する結果さえ出せばそれでいいのよ。この計画を始める時に覚悟は決めたじゃないの。そもそも『正解』がないんだから自分で考えてやるしかなくて、その上で誰かを傷付けるようなことをしなければ多少ずるいことをしてもいいんだってマイルールを決めたんだし。後戻りができない以上は前に進むしかない。なにしろ近界(ネイバーフッド)を革命しようっていうんだから、もっと気持ちを強く持たなきゃ!)

 

ツグミも人間であるから人並みに迷ったり悩んだりする。

しかし彼女が他の人間と違うのは足を止めないこと。

過去に多くの後悔を経験している彼女はその後悔ですら今の自分を形成していると考え、行動しなかったことを後悔するより、行動できたことを肯定するように心掛けている。

ただし何でもいいから行動するというのではなく、失敗 ── 新たな後悔を生まないように慎重に行動をするから立ち止まることはあるが、すぐに前へと歩き出すのだ。

今も文字どおり歩みを一瞬止めたがすぐに歩き出した。

彼女が最も嫌うのは「停滞」。

「流れる水は腐らず」ということわざがあり、意味は「常に流れている水であれば腐ることはない。つまり停滞せずに行動し続けるものには沈滞や腐敗は起きない」というものだ。

だからツグミは自分が流れる清水でありたいと考え、立ち止まらないようにしている。

そんなことを他人に話すことはないのだが、彼女の行動をそばで見ている者にはそれがわかるようだ。

 

「ツグミ、きみの未知のものに対しても怯えることなくぶつかっていく姿が若者らしいと見えるのだが、よほどの自信がなければ一歩を踏み出すことはできない。きみの行動の原動力が『自分と自分の手の届く範囲にいる家族や友人が穏やかで幸せな日々を送ることができるようになるため』だと言うが、それは誰にでもあるささやかな願いだ。そんなこと…と言えば語弊があるが、ここまで苦労せずとも叶えられるささやかなものではないのかね? どうしてきみは全力で進もうとするのだ? 人生は長いというのに今からそんなに頑張っていては途中で倒れてしまうぞ」

 

襲撃してくる近界民(ネイバー)たちと果てしなく戦い続けるのではなく、対話による和平への道が見えてきたのだから今ここで止まるわけには行かない。

ツグミにとってサーヴァの心遣いは嬉しいし、自分に代わって誰かがこの役目を完遂してくれるのなら、いつでも任せたいと思っている。

 

「お気遣いありがとうございます。でも今はまだわたしにしかできない…と言うよりも誰もやろうとしないのですからわたしがやるしかありません。約20年前、わたしの父とその友人が近界(ネイバーフッド)から玄界(ミデン)へ渡り、ふたつの世界の住人たちの友好的な交流を目指してボーダーという組織を立ち上げました。ですがその頃は玄界(ミデン)側に近界民(ネイバー)と対等に渡り合うだけの()はなく、一方的に攻め込んでくる近界民(ネイバー)()()()()くらいの対処療法しかできません。そのうちに父は他界し、残された仲間たちが志を継ぐことになりますが、同盟国の戦争に参加して隊員の半数を亡くしたことで父たちの夢は絶たれてしまいました。ボーダー初期メンバーの城戸司令や忍田本部長たちは当初の目的を忘れてはいませんが、それよりも三門市民の命と財産を守る方を優先と考え、『夢』よりも現実に目を向けるようになってしまいました。別に彼らを責めるつもりはありません。わたしは彼らのそばでずっと見ていましたから、彼らは自分たちの考える最善の道を進んできただけと理解しています。そして彼らは老いてしまいました。20年前の若くて無茶なことが平気でできた頃と今は状況も立場も全然違います。彼らはいつまでも昔みたいに夢を追っていることができなくて、目の前の現実に対処するしかないと考える大人になってしまっただけなんです」

 

「……」

 

「だからわたしは彼らに代わって父たちの『夢』を現実のものにしたいと考えて行動しているだけです。でもそれは簡単なことではなく、今までに誰も成し遂げたことのない壮大な計画ですから誰もが二の足を踏むのは仕方がありません。それに急激な変革はリバウンドも大きなものになるでしょうから、少しずつ変えていくしかありませんので、まずはわたしが何もない荒野を歩いて道をつくります。そうすればその踏み跡を頼りにして別の誰かが歩いてくれるでしょう。そうして人が少しずつ増えていけば自ずと道は拡がっていき、大勢の人が歩くようになるはずです。今から始めても人々が納得する形になるのは10年20年後、いえもっと先のことになるかもしれません。ならば一日でも早く達成するにはわたしがもたもたしているわけにはいかないんです」

 

「……」

 

「いつかわたしもトリオン器官が衰えてトリガー使いとしてはお役御免になる時が来るでしょう。でもその時にまだボーダーが近界民(ネイバー)と戦う()()の組織であったら、わたしはきっと後悔する。なぜあの時にやるべきことをやっておかなかったのか、と。わたしの後輩たちが必死になって戦っているというのにトリガーを起動できないわたしは戦えない。ならばどうして戦える間に戦わずに済む道筋をつくっておかなかったのかと後悔することになるでしょう。でも大丈夫です。トリオン切れで大勢の人に心配をかけてしまったという事実がありますから、もう二度とあんなバカなことはしません。わたしにとって最も恐ろしいことは志半ばで潰えることと、わたしのせいで親しい者を哀しませることです。あなたにはわたしが若さゆえに無茶なことをしているように見えるかもしれませんが、ちゃんと体調とは相談しながら無理をせずにやっていますからご安心を」

 

そう言ってツグミは微笑んだ。

 

 

 

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