ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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476話

 

 

近界(ネイバーフッド)を旅する時、艇の大きさや参加人数などによって持ち込める量は変わるが個人が私物を持ち込むことができる。

着替え、タバコとアルコール以外の嗜好品、時間を潰すために本や音楽プレイヤー、ゲームなどを持ち込む者もいる。

今回のヒエムス行きは片道8日を予定していて人数は7人なので、私物の量はひとり当たりスーツケース2つであった。

ツグミはいつも趣味の読書をするために本を最低でも10冊は持ち込んでいて、今回も自室で誰にも邪魔されずのんびりと読書三昧だ。

城戸も例外ではなく、彼もまたスーツケース2つ分の私物を持ち込んでいたのだが、その中に映画のBlu-ray Discが数十枚入っていた。

彼の趣味は古い映画を見ることで「大脱走」というアメリカ映画が特にお気に入り。

何度も見たはずなのだがそれも含まれている。

「大脱走」は戦争映画でありながら戦闘シーンはなく、捕虜収容所から脱出を試みる男たちを描いた異色作である。

メインテーマの「大脱走のマーチ」の旋律は誰でも一度は耳にしたことがあるほど有名な名曲で、主人公の俳優が敵から奪ったバイクで草原を疾走するシーンがこの映画の代表的で印象的なシーンとなっている。

城戸はこの映画を自前の携帯用のプレイヤーで見ようとしていたのだが、そのことを知ったツグミが作戦室にあるモニターに接続して大きな画面で見ることを勧めた。

するとゼノンとテオが興味を持ったようで城戸と並んで椅子に腰掛けて鑑賞することになった。

近界民(ネイバー)同士の戦争では捕虜となっても敵の捕虜との交換によって帰国できることが多いので脱走をしようと考えることはめったにないとゼノンは言う。

だから玄界(ミデン)の戦争では多くの命が失われ、捕虜となると命懸けで脱走しようとする者が現れるということが非常に珍しく興味を引いたというのが理由である。

そしてこの映画鑑賞をきっかけに城戸とゼノンの距離が縮まり、ヒエムスに到着する頃には持ってきたディスクの半分を見終えていた。

これが艇の中でなく三門市のどこかにいたのなら彼らは酒でも飲みながらしみじみと人生を語り合っていたかもしれないのだが、残念なことに艇内は禁酒・禁煙が()()()()()()()規定(ルール)であり、城戸であろうとも守らなければならないのだ。

テオも映画に興味はあったのだが人生経験の少ない彼には少々難しかったようで、早々にリタイヤしてツグミたちとのトランプや将棋などのテーブルゲームにシフトしてしまった。

しかしツグミとテオと菊地原がトランプをやるとなかなか面白いものとなる。

ツグミは場に出されたカードを全部記憶するし、確率論から()()を導き出すことが得意だ。

テオは相手との会話によって自分に対する感情を読み取って、菊地原は相手の心音を聞き分けることで相手の手の内を察することができる。

そんな3人がババ抜きやポーカーを始めると並々ならぬ緊張感が生まれる。

菊地原は相変わらず毒舌を吐くのだが、それが悪意によるものでなく親愛の情の裏返しだと理解しているツグミとは以前から仲が良いのだが、テオは毒舌を全然気にしないフレンドリーな性格なのでこの3人は意外と上手くやっていた。

それを風間と歌川は傍で見ていて菊地原に新しい友人ができたことを喜んでいる様子であった。

 

そしてヒエムスに到着する頃には「チーム」が出来上がっていた。

 

 

◆◆◆

 

 

ツグミたちが乗った艇は前回同様にヒエムス側の迎えが来るまで待機し、ツグミとテオ、城戸と菊地原の4人が王宮へと向かい、ゼノン、風間、歌川の3人が艇に待機することになった。

当然のことながら今回も王宮内への武器(トリガー)の持ち込みは禁止されているが、彼女たちの戦いは武器(トリガー)を使わずに行うものだから問題はない。

しかしここは敵のホームでありツグミたちにとってはアウェイの土地であるから油断はできない。

そこで城戸のネクタイピンには寺島謹製の通信機が埋め込まれていて、会話のすべては艇に残ったメンバーにも聞こえるようになっている。

いざという時にはゼノンが(ゲート)を開いて救出することも可能で、留守番組はいつでも戦闘可能な状態で待機していた。

 

 

前回の訪問ではツグミとテオの扱いは通常の外国からの賓客であったが、今回はボーダー最高司令官のお出ましということで最上級の待遇であった。

控え室と思われる場所で1時間ほど待たされた前回とは明らかに態度が違い、すぐにセルジョのいる応接室へと招かれた。

 

「遠路はるばるようこそいらっしゃいました。私がヒエムス宰相セルジョでございます」

 

セルジョは城戸に深々と頭を下げた。

 

「丁寧なご挨拶恐れ入ります。私はボーダー最高司令官・城戸正宗、玄界(ミデン)の代表として参りました」

 

城戸も同様に頭を下げ、続いてセルジョと城戸が握手をして挨拶は終わった。

 

「さっそくですが前回の訪問でお願いをした調査について ──」

 

ツグミがそう言って「開戦」の火蓋を切ろうとするが、セルジョによって阻まれた。

 

「それはまた後で。キド司令におかれては長旅でさぞお疲れのことでしょうから、そのお話は明日にしましょう。まずはゆっくりとお休みになってください。歓迎晩餐会の準備が終わりましたらお呼びしますので、それまでこちらが用意したお部屋でお寛ぎくださいませ」

 

すると城戸が口を挟んだ。

 

「私はあまりのんびりとしていられない身なのですよ。歓迎会をしてくださるのはありがたいですが、夜までまだ数時間あります。その数時間でできることはいろいろあるのでは? それとも()殿()()()()()都合が悪い…ということですか?」

 

顔に大きな傷跡があって、その険しい容姿に拍車をかけているのはその冷徹な口調である。

丁寧で穏やかに言っているのだが相手にNOと言わせない迫力があって、セルジョはツグミとは違った扱いにくさがあることに気付いた。

以前にツグミから城戸が一度言ったことは撤回しない頑固者で、彼の意思がボーダーだけでなく玄界(ミデン)の総意となると釘を刺されており、それが事実であったことを痛感していた。

そこにツグミが間に入って城戸に言う。

 

「城戸司令、以前に再訪問の約束をしていたとはいえ、こちらも突然訪問をしたのですから宰相閣下に無理を言ってはなりません。それに交渉とは武器(トリガー)を使わない戦争です。国対国の利益や名誉などをかけた真剣勝負なのですから、こちらも()()する準備に時間が多少かかります。ここは宰相閣下のおっしゃるように少しお休みになったらいかがでしょうか?」

 

「うむ…。おまえがそう言うのなら」

 

「懸命なご判断です」

 

ツグミはそう言って微笑むと、続いてセルジョにその笑顔で言う。

 

「宰相閣下、城戸がこう申しておりますので、お部屋を用意していただけますか?」

 

「あ、ああ、承知した」

 

そう言ってセルジョは使用人を呼び出して指示をする。

その間、ツグミと城戸は顔を見合わせてニヤリとしていた。

これはツグミと城戸の間で打ち合わせをしてあった「芝居」で、城戸を怒らせたら交渉はそこで決裂して即開戦になる恐れがあると匂わせるための茶番なのだ。

そして城戸が無理なことを言ってもツグミが間に入って上手い具合に話を進めてくれるという安心感をセルジョに与えた。

これによりツグミが城戸をある程度まではコントロールできるが、彼女の手に負えなくなった場合は最悪の事態となることもセルジョに思い知らせたことになり、アウェイでありながらも戦いにおいて有利な位置につくことができたはずである。

 

 

 

 

ツグミたちは迎賓館の客間を与えられ、前回同様にマリが彼女たちのお世話係となった。

それはすなわち彼女の素性 ── フランコとの繋ぎ役であることがバレていないという証拠であり、さっそく彼女にフランコへの手紙を託した。

そしてツグミは自分の部屋に城戸、テオ、菊地原を招き、作戦会議を開くことにする。

なおツグミの強化視覚と菊地原の強化聴覚(サイドエフェクト)によって部屋の中に監視カメラや盗聴器がないことは確認済みである。

 

 

「あのセルジョという宰相はなかなかの()()()()だな」

 

城戸が声を潜めて言う。

盗聴の心配はないのだが、こういう敵地での会議となると自然に声が小さくなるものだ。

すると菊地原が相変わらずの言い方をする。

 

「でも小心者で小悪党。さっきも城戸司令のひと睨みで心音が爆上がりして、平静を装ってもあいつが見掛け倒しだってこと、ぼくにはバレバレですよ」

 

「さすがにちゃんと見ていますね。あの宰相閣下は内政能力がまあまあであっても人間的には下の下。巫女という名の実質女王のお気に入りの色男で、次の巫女の実父ですから権力のトップにふんぞり返っていられるんです。でも()がその程度だからといっても向こうがボロを出してくれないとちょっと手こずるかもしれません」

 

ツグミの言葉に城戸が眉を顰めるが、続く言葉に安堵の表情を浮かべた。

 

「もっとも彼の人間性や行動パターンからするとこちらの罠にちゃんと掛かってくれるでしょうから心配はご無用です。それに作戦は複数用意してありますので、お土産のひとつも持たずに帰国するようなことにはならないと()()()()保証します」

 

「罠…か」

 

城戸はそう呟くと複雑な表情をする。

つい最近まで子供だとばかり思っていたツグミが大人を手玉に取っている様子を何度も見ており、それを喜ぶべきか悲しむべきか判断に悩むのだ。

ボーダーにとって彼女の()()は戦力として大歓迎すべきなのだが、人間としていかがなものかと考えてしまうのは父親として当然であろう。

忍田同様に普通の娘に育ってほしいと願いながらも近界民(ネイバー)との戦いに巻き込んでしまったことを自分の不甲斐なさのせいだと感じている。

だからツグミの意思を尊重してやりたいようにやらせることでそれを罪滅ぼしとしているのだが、それも自己満足にすぎないと城戸は苦悩していた。

単純に他の子供よりも精神的な成長が早い()()だと考えれば気が楽になるのだが、周囲の大人たちに心配をかけたくないと頑張ってきた少女時代をそばで見てきたからこそ悩むわけで、城戸たちの魂が救われるのはボーダーが「近界(ネイバーフッド)玄界(ミデン)の友好の架け橋になる組織を作りたい」という創設時の「彼らの夢」が叶えられた時となるであろう。

 

「城戸司令は打ち合わせどおりに振る舞ってくれさえすればわたしが上手く流れを作ります。こちらには()()()()がありますからね」

 

ツグミの言う秘密兵器とは「情報」である。

唐沢から交渉術を学んだ際、最も重要なのが情報だと教えられた。

情報を相手より多く持った側が有利になるというものだが、ボーダーにはセルジョたちヒエムス政府の人間が知らない情報を持っている。

それをどのように使うかは使用者の腕次第。

彼女にはセルジョがどんな「回答」を提示するのか想像がついているようだ。

 

「霧科、その秘密兵器ってのが何なのか教えろよ」

 

まだ詳しいことを知らされていない菊地原がイライラしながらツグミに言うと、ツグミは少し考えてから「種明かし」をすることにした。

 

「実はですね…」

 

ツグミはセルジョに対する罠と秘密兵器について説明をした。

 

「つまりそれはセルジョ(あの男)に対する『踏み絵』というわけか」

 

なるほどと感心した様子の城戸が言う。

 

「しかし踏むかどうかまだわからないのではないのか?」

 

「わたしにとってはどちらでもかまわないんです。彼が正直者か嘘つきかなんてことは些細なことで、要はヒエムスにいる三門市民全員を無事に家族や友人と再会させることですから。それに城戸司令が交渉をするのはフランコ王であり、宰相()()()とは口を利く必要はありません。事務的なことはわたしが全部やりますから、あなたはドーンと構えていて下さるだけで結構です。それとさすがに物騒な事態にはならないと思いますが、そうなった時にはゼノン隊長に(ゲート)を開いてもらって一度撤退し、『B案』に切り替えます。こっちはあまり気が乗りませんけどね」

 

ツグミだけでなく「B案」は城戸たちも気が重いので、「A案」で進めたいと考えている。

したがって「A案」で進めるためにツグミはいくつもの下準備を行っていて、最後の仕上げをついさっきしたばかりであった。

 

そんな話をしているとドアをノックする音がして、マリがツグミに声をかけた。

 

「ツグミ様、マリです」

 

「中へ入ってちょうだい」

 

ツグミの許可を得たマリが部屋に入って来ると、城戸たちに挨拶をした。

 

「ツグミ様のお世話係のマリでございます。…ツグミ様、先ほどお預かりしたお手紙は執事のエヴァルド様にお渡ししましたので、今頃は国王陛下のお手元に渡り読んでいらっしゃることだと思います」

 

「ありがとう、マリ。あなたとエヴァルドさんのおかげでこちらの作戦も上手くいきそうよ」

 

「いえ、お礼なんて…。ツグミ様たちがやろうとしていることはヒエムスのためにもなるんですから、お礼を言わなければならないのはこちらの方です」

 

「それならすべてが終わったら一緒にお祝いしましょう。期待して待っていてくださいね」

 

「はい!」

 

ツグミがフランコと通じていることをセルジョは知らない。

それはボーダーにとっての「切り札」で、セルジョの態度次第でその切り札を使うことになるだろう。

 

 

◆◆◆

 

 

ツグミたちの歓迎晩餐会にフランコは出席していなかった。

理由は彼の体調不良ということなのだが、前回と違って今回はフランコが自ら欠席を言い出したのである。

セルジョとしてはフランコを国王として城戸に引き合わせなければならないのだが、フランコに勝手な振る舞いをされても困るために悩んでいた。

ところがフランコ自身が欠席すると言うのだから好都合というもの。

おまけにボーダーとの交渉も全部任せたいと言えばセルジョの憂いは消える。

セルジョはフランコに委任状を書かせ、国璽まで預かることによって一時的とはいえ名実共にヒエムスの最高権力者となったのだった。

それが嬉しかったのか晩餐会の間はずっと機嫌が良く、翌日に行われる交渉で痛い目を見ることになるなどと想像もしていなかったようであった。

 

 

そして深夜、フランコがツグミの部屋を訪ねて来た。

すでに城戸とテオと菊地原も彼女の部屋で待機しており、非公式ながらボーダーとヒエムスの首脳会談が密かに開かれることになる。

城戸とフランコはお互いに自己紹介をすると握手をした。

 

「では僭越ながらわたくし霧科ツグミが明日の『計画』について()()()ご説明いたします」

 

ツグミはここで自分の立てた計画の全貌を明かした。

これまで城戸たちには重要なポイントを小出しにしていたのだが、フランコというキーパーソンが加わって彼女のシナリオによる「舞台」の主要人物が揃ったこのタイミングで詳細を説明するのは理にかなっている。

そしてツグミは30分近くかけてメインとなるストーリーと、セルジョの態度によって可能性のある予備のストーリーを説明した。

 

説明がひと通り終わって話を聞いていた男性陣の感想は「そこまでするか?」というものであった。

何事にも予想を外れた展開というものが発生するものだが、それを「想定外」と言って諦めたり割り切ったりするのが普通だ。

しかしツグミは考えうるあらゆる可能性を想定して、それぞれに対処法や解決法を考えて心の準備をしておく。

想像もしていなかったことが起きてしまうのだから慌てるのであり、予め起きるかもしれないと覚悟しておけば何の問題もないのだ。

ただし並の人間には彼女ほどの想像力や推理力がないために、想定外は文字通り「想定の外」にあるからイメージできない。

ところがツグミだと後悔することが極端に嫌いな性格のため、日常の小さなことでも「もしかしたら…」と考えて対応策を用意しておく。

心の準備はもちろん実際に必要だと思われるものを用意しておけば精神的に余裕ができ、その用意したものを使わなかったとしてもそれを無駄だと思わないことでイライラせずにいられる。

だからボーダーと三門市の運命が懸かっている重大事ともなれば失敗は絶対に許されない。

天気予報を見ずに出かけて傘を持たずに雨に降られた…というレベルの後悔では済まないのだから準備は万全にしておきたいと思う彼女の気持ちは理解できても、さすがに城戸たちも「そこまでするか?」と呆れてしまった。

 

「ツグミ、ご苦労だった。しかしそこまでしなくても良かったんじゃないのか?」

 

城戸が顔の傷を指で摩りながらツグミに言うと、彼女は涼しい顔で答えた。

 

「たしかにそうかもしれませんが、別にいろいろと考えることは苦痛ではありませんし、準備をするにもお金がかかっているわけでもないので実質的な『損』というものは何もないんですから。それよりも準備ができていなくて何かあった時のことを考えて胃が痛くなるよりはるかにマシです。10通りのことを考えていても必ずしもその中に()()があるとは言い切れないんですから、20でも30でも考えておくことはわたしにとって精神的安定を得るために必要なんです」

 

「フッ…おまえは昔からそうだったな。ま、おまえにすべてを任せたのはこの私だ。おまえが何をしようと好きにするがいい。ただし責任を取るのはおまえに全権委任したこの私だ。この私に後悔をさせるようなことはするなよ」

 

「はい」

 

ツグミは一度言ったことは必ず成し遂げてきた「有言実行」の人間であり、ドキドキハラハラさせることはあっても最後には安堵の笑顔をもたらしてくれることを城戸は経験上知っている。

過去にメノエイデス遠征においてツグミは捕虜になったウェルスを城戸の命令に違反をして逃がしたことがあったが、彼女の判断は間違ってはいなかったと城戸も認めているくらいだ。

もちろん彼女に未来を視る能力があってウェルスの逃走に手を貸したのではなく、ただ人として正しいことをしただけのこと。

罰を受けることになったとしても後悔はしたくないと言って城戸の命令に反することをしたのだが、それはボーダーにとって近界民(ネイバー)の味方を得るという結果になった。

他人の人生には興味がないと断言する彼女だが、一度でも友人と認めた相手に対しては親身になって接するようになる。

だから敵だったキオンのゼノンたちやアフトクラトルのハイレイン、ランバネインすら彼女にとって相手の事情を慮ってお互いに満足できる結果を出したいと思うようになるのだ。

 

フランコはツグミという人間のことを改めて認めることになった。

玄界(ミデン)やボーダーのことはまだ詳しく知らないのだが、彼女と彼女を取り巻く人間を見ていて「なぜ17歳の少女に大事な交渉事を任せるのか?」という疑問は解決した。

 

(ツグミという少女は相手の納得する結果を出すことを繰り返して信頼を得てきたのだ。あらゆる状況を想定して準備をしているのは、彼女がセルジョの性格や行動原理について全部を把握できていないからで、どんなことをしてでも成功させなければならないと考えれば当然のことだといえる。…しかし恐ろしいのは短い時間と少ない会話の中でセルジョの人間性をかなり正確に掴んでいるということ。あの男は自尊心が高くて見栄っ張り、小心者で想定外のことが起きると慌てて冷静な判断ができなくなる人間だ。それを踏まえた上で罠にかけ、自滅させようという作戦を考えるなど…。ただ、それも私のことを信頼してくれている証拠。ならば信頼には信頼で応えなければならぬな)

 

 

それぞれの役割を確認し、深夜の密談は滞りなく終了した。

 

 

 

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