ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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52話

 

 

B級ランク戦Round3、ボーダー本部の応接室でツグミは昼の部の開始を待っていた。

3人掛けのソファには忍田と須坂が彼女を挟んで腰掛けていて、向かい側のソファには唐沢が座っている。

いつもなら観覧室で観戦するツグミだが、この日に限っては事情が違う。

午前中に唐沢と須坂が打ち合わせをしていて、そこにツグミが呼び出された。

ボーダー隊員としての彼女に意見を聞きたいということだったが、その件はおまけのようなもので、目的は須坂が彼女に会いたかったからというもの。

本当は彼女の試合を見たいのだが、夜の部の行われる時間にはどうしても外せない用事があるとのことで、それならせめて一緒に彼女の後輩たちのランク戦を観戦しようということにしたのだ。

須坂が土産に持って来た某有名洋菓子店のケーキをツグミは美味しそうに食べていて、須坂もツグミが持って来た手作りのクッキーを忍田と唐沢と一緒につまんでいる。

その須坂の姿は好々爺然として、本当の孫娘を見るかのように微笑みを浮かべていた。

 

「ツグミくん、きみの後輩たちもきみと同じように2戦2勝だそうじゃないか。今期のB級ランク戦はことのほか盛り上がっていると聞く。ますますボーダーときみには期待したくなってしまうよ」

 

ボーダーの戦力アップは近界(ネイバーフッド)遠征計画の成功にも繋がる大事。

須坂にとっては重要なことである。

だからランク戦の結果が気になるのは当然なのだが、特にお気に入りのツグミが活躍しているとなれば本業より優先したくなるのも無理はない。

 

「しかしここに来ないとランク戦が見られないというのは実に惜しい。テレビで放送してくれるといいのだがな」

 

須坂の言葉に唐沢が反応する。

 

「それはいいアイデアですね。ボーダー隊員が日頃どのような訓練をしているのかといった若者が興味を持ちそうな内容も放映すれば入隊希望者が増えるかもしれません。ですが民間人には公開できない部分が多いのも事実ですから現実問題としてテレビ放映は難しいでしょうね」

 

「それは仕方がないな。まあ、仕事を上手く片付けて、これからもここに来て見るとしようか」

 

そう言って須坂が笑う。

そんな会話をしているうちにB級ランク戦Round3・昼の部が始まった。

 

 

◆◆◆

 

 

「B級ランク戦第3戦、間もなく始まります。実況担当は風間隊の三上。解説は…ナンバー1攻撃手(アタッカー)太刀川さんと、『ぼ〇ち揚食う?』でお馴染みの迅さんです!」

 

「「どうぞよろしく」」

 

ふたりはぼ〇ち揚をポリポリしながら挨拶をする。

 

「さて、那須隊が選んだステージは『河川敷A』。これはどういう狙いがあると思いますか? はい、じゃあ太刀川さん」

 

「…マジメに?」

 

「マジメに」

 

三上に念を押され、太刀川は()()()()答えた。

 

「まあふつうに攻撃手(アタッカー)封じですよね。川をはさんで橋を落とせば射撃メインの那須隊はやられにくくなる。とはいえ鈴鳴も玉狛もそれはわかってるはずなんで、地形だけで勝負が決まるってことはないでしょう。分断されても川は腰くらいの深さだから援護があれば無理やり渡れないこともない」

 

「さあどうかな~」

 

迅が意味ありげな笑みを浮かべて言う。

 

「何、おまえなんか見えてんの?」

 

「どうかな~」

 

迅がはっきりと答えないうちに、試合の準備は整ったようだ。

 

「さあ、スタートまであと僅か。…全部隊転送!」

 

メインモニターに新たな映像が映し出され、その場に居合わせたすべての人間が息を飲んだ。

 

「各隊員、転送完了! MAP『河川敷A』! 天候『暴風雨』!」

 

 

 

 

応接室のモニターを見つめていたツグミや忍田たちも「暴風雨」の設定は想定外のことであったので驚いている。

 

「これはどういうことなのか説明してくれるかい?」

 

須坂がツグミに訊く。

 

「はい。ランク戦ではもっとも下位の部隊(チーム)にステージの選択権が与えられます。地形だけでなく天候や時間帯の設定も含まれますが、ここまでハードな天候の設定は見たことありません。『河川敷A』は中央を南北に流れている川があり、川を挟んで戸建や集合住宅があるという一般的な住宅地になっています。1本しかない橋を渡らなければ東岸と西岸に分かれた隊員が合流することはできません。本来なら腰くらいまでの深さの川ですから歩いて渡ることができますが、この水量では不可能ですね」

 

「ふむ…なるほど」

 

各隊員の転送位置が表示された。

東岸は修と千佳、鈴鳴第一の隊長・来馬辰也(くるまたつや)と別役太一(べつやくたいち)、那須隊の隊長・那須玲(なすれい)の5人。

西岸は遊真、鈴鳴第一の村上、那須隊の熊谷友子(くまがいゆうこ)と日浦茜(ひうらあかね)の4人だ。

 

「たぶんこのステージを選んだ那須隊は自分たちに都合が良いタイミングで橋を落とし、他の部隊(チーム)の隊員の合流を阻止しようという計画だと思われます。この転送の位置ですと、西岸の熊谷隊員と日浦隊員が橋を渡り東岸に着いたところで橋を破壊して空閑隊員と村上隊員を足止めする…という流れになりそうですね。もっともわたしはその思惑通りになるとは思えませんけど。どうやらステージの選択権があった強みで那須隊の動き出しがやや早いようです」

 

ツグミはさらに解説をする。

 

「川の西岸に転送されたのは攻撃手(アタッカー)3人と狙撃手(スナイパー)の日浦隊員。おぼろげにお互いを視認しているようで、4人ともまっすぐに橋を目指していますね。橋まで一番近いのは熊谷隊員。次いで日浦隊員と村上隊員が同じくらい。空閑隊員はやや遠め。この悪天候では長距離狙撃はないと考えているらしく、全員射線お構いなしの最短ルートを選択したようです。一方、東岸では玉狛第2と鈴鳴第一の隊員は合流を目指して動いているようです。たぶん西岸からチームメイトが渡って来るのを待つのでしょう。ただ…那須隊長は橋に向かわず東岸の河川敷へ向かっているように見えますね。これは雨取隊員の狙撃を警戒しているのだと思われます。橋を取っても渡る時にアイビスで砲撃されたら危険ですから、射手(シューター)の那須隊長は射撃で玉狛第2を牽制する役目なのでしょう」

 

ツグミの解説を忍田と唐沢は感心しながら聞いている。

ランク戦の解説を担当したことはないが、戦力だけでなく彼女の経験や知識はA級隊員レベルである。

これは案外面白いことになりそうだと、忍田と唐沢は彼女の解説に聞き入った。

 

「玉狛第2の空閑隊員は空中に足場を作り、それに触れることで反発力を起こし加速・移動するグラスホッパーという機動戦用オプショントリガーを持っていますので、橋を落とされた場合はそれを使って川を渡る可能性があります。東岸にいる鈴鳴第一の狙撃手(スナイパー)・別役隊員はそれに備えて移動を開始したようです」

 

フィールド内では転送位置に恵まれた熊谷が橋のたもとに到着し、日浦の到着を待っている。

しかし村上も接近しており「合流した熊谷と日浦が橋を渡って東岸に着いたタイミングで橋を落とす」作戦は熊谷が村上を数秒でも止めることができるかどうかで今後の流れが左右されそうだ。

 

熊谷が弧月を抜いた時だった。

大音響と共に橋が崩落する。

千佳のアイビスが橋を破壊したのだ。

 

「なんということだ!? まだどの部隊も合流を果たしていないではないか! あれは玉狛第2の作戦なのかね?」

 

須坂の疑問にツグミは淡々と答える。

 

「はい。玉狛第2の三雲隊長はエースの空閑隊員に西岸を任せ、自分と雨取隊員で東岸の3人を対処することにしたのだと思います。いずれ橋は落とされるのですから、那須隊に都合の良いタイミングで橋を落とされるよりはマシ…といったところでしょう」

 

「そういうことか…。なかなかに考えているものなのだな。…だがそうなると西岸はふたりいる那須隊が有利になるのではないか?」

 

「いえ、そうとは言えません。たしかに狙撃手(スナイパー)の援護がある熊谷隊員は有利に見えますが、村上隊員は攻撃手(アタッカー)ランク4位ですし、空閑隊員も彼に負けないだけの実力があります。結果はまだわかりません」

 

そう言いつつも、ツグミは遊真が勝つことを信じている。

 

 

西岸では熊谷と村上が対峙し、村上が弧月で斬りかかったことで戦端が開かれた。

ふたりとも弧月使いではあるが、さすがに村上の方が有利であり、レイガストを盾として使うだけでなくスラスターを使って熊谷を橋の下に落とそうとする。

さらに熊谷が不利の状態のところに遊真が乱入すると、そこで大きく状況が変わった。

遊真は村上に対して攻撃を仕掛け、攻撃手3人は一旦距離を置いて相手の動きを待つ。

その間に日浦が遊真と村上を狙える狙撃位置に着いた。

 

東岸では那須と修の射手(シューター)同士が戦闘を開始していた。

ボーダー有数の変化弾(バイパー)使いである那須を相手にしているものだから、修は防戦一方となっている。

 

射手(シューター)のあのコは凄いな…。玉狛の彼をどんどん追い詰めているぞ」

 

須坂が那須の攻撃に感心し、感想を口にする。

 

「はい。三雲隊長はB級になってからまだ日が浅いですから戦い慣れていません。那須隊長に動きをきっちり読まれていて反撃の機会すら与えてもらえないようです。彼が那須隊長と一対一で正面から射手(シューター)対決すれば負けは確実ですが、これは三つ巴のチーム戦ですからまだわかりません」

 

ツグミが解説していると、那須が太一にイーグレットで狙撃された。

弾は命中しなかったため、那須はさっと建物の陰に隠れる。

悪天候で命中率が落ちているのだ。

同時にこの天気では那須から太一の姿は見えない。

しかし那須はオペレーター志岐小夜子(しきさよこ)の弾道解析のサポートで正確に太一に向けて変化弾(バイパー)を撃つ。

思いがけない攻撃に太一は慌てて逃げるが、それも那須には想定内のことで逃げた先を追って攻撃が向けられた。

あわや命中というところで来馬がシールドで援護。

なんとか生き延びることができたようだ。

 

「那須隊長はオペレーターの支援を受けて別役隊員の居場所を確定したようです。通常変化弾(バイパー)は撃つ際に前もってイメージで弾道設定をしていますが、彼女はリアルタイムで弾道を引いて攻撃をすることができます。これだけの技術を持つのは彼女と太刀川隊の出水隊員だけですね」

 

「きみはできないのかね?」

 

須坂の問いにツグミは苦笑いする。

 

「残念ながらわたしには無理です。まったくできないということはありませんが、設定に時間がかかる技ですからめったに使いません。わたしは彼女のようにトリオンキューブを器用に扱うよりも、ドカドカ撃ち込む方が性に合っています」

 

それを聞いていた忍田が口を挟む。

 

「たしかにおまえは火力重視の力技の方が好きだよな。射手(シューター)は適度な距離を保ちながら敵に攻撃をすることができるという点が特徴だというのに、敵の懐に飛び込んでのゼロ距離射撃を好んで使っている。大規模侵攻でもラービット相手に徹甲弾(ギムレット)を叩き込んでいた様子を見たぞ。ヤツに取り込まれればどうなるかわかっていたはずだ。まったく無茶をする…」

 

その語勢からは彼女のやり方を非難しているように聞こえる。

そこでツグミが反撃をした。

 

「たしかにその通りですけど、こちらは勝算があってやっていることです。本部長だって若い頃はずいぶんやんちゃなことをしていたそうじゃありませんか? 林藤支部長からとても面白い()()を聞いたことがありますよ。この試合が終わったらここにいる皆さんの前でたっぷりお話して差し上げましょうか?」

 

「う…結構だ」

 

忍田にとっての「黒歴史」はツグミにとっての「切り札」でもある。

忍田はバラされたくはないし、ツグミもここで切り札を出すのは惜しいので、さっさと話題を変えた。

 

「さて、解説に戻ります。…この隙に三雲隊長は那須隊長から逃げ果せたようです。やはり団体(チーム)戦はこういった点で個人(ソロ)戦より面白味がありますね。西岸の方は…どうやら膠着状態が続いているようです。東岸と西岸、どちらも数と力のバランスが取れているからなのですが、これは逆に言うと誰かひとり落ちれば形勢は大きく変わるということです。ですが…やはり那須隊が有利であるのは否めません。この悪天候では長距離狙撃が機能しにくいですから、東岸は射手(シューター)銃手(ガンナー)の実力勝負となります。現状では孤立無援であっても那須隊長が有利です。西岸では攻撃手(アタッカー)の三つ巴戦で熊谷隊員は不利ですが、狙撃手(スナイパー)の援護によってまだ勝算はあります」

 

西岸では遊真・村上・熊谷の3人で乱戦となっている。

やはりエースふたりが相手であるから、熊谷が劣勢なのは仕方がない。

日浦は狙撃のタイミングを見計らっているものの、遊真・村上の両名はそれを警戒している。

彼女は熊谷が落ちる前にどちらかひとりだけでも倒したいのだが、初弾を外せばさっきの太一のように反撃を受けることになるとわかっている。

だからこそたった一度の好機(チャンス)を待っているのだ。

 

そしてその好機(チャンス)は来た。

遊真が村上に攻撃を仕掛け、逆に村上から攻撃を受けてしまったのだ。

右腕を斬られた遊真は空中に逃げ、そこを日浦がライトニングで狙撃する。

ライトニングは威力こそ低いが弾速と速射性は狙撃手(スナイパー)用トリガーの中では一番である。

この天候であれば威力を落としても確実に当てることを優先すべきであり、正しい選択をしたといえる。

しかし遊真はグラスホッパーで射線から逃れ、日浦の攻撃をかわした。

これは彼の()()だったのだ。

遊真は日浦の居場所を確認すると、一気に日浦との距離を詰める。

こうなったら日浦は緊急脱出(ベイルアウト)すべきなのだが、彼女は遊真に向けてライトニングを撃ち続けた。

 

「日浦隊員は自発的に緊急脱出(ベイルアウト)せずに空閑隊員を倒す道を選んだようですね…」

 

ツグミは彼女の選択に疑問を持ちながらも解説をする。

 

「ランク戦では自発的に緊急脱出(ベイルアウト)することで敵に点を与えずに撤退が可能です。ただし周囲半径60メートル以内に敵がいない場合に限ります。ですからこの状況だと彼女は空閑隊員を迎え撃つつもりなのでしょう。しかし玉狛第2の攻撃手(エース)を相手にどんな戦いを見せるのか…ちょっと想像できません」

 

専門外の唐沢や須坂がわからないのは当然だが、忍田もわからないといった顔でモニターを見ている。

モニターには日浦のいる建物に向かう直線道路を遊真が走っている様子が映っていた。

道の両側は8階建ての集合住宅で、遊真がある地点(ポイント)を越えたところで日浦は遊真ではなく両側の建物の建っている地面を撃った。

すると建物は大爆発を起こし、瓦礫が遊真の頭上から降り注ぐ。

 

炸裂弾(メテオラ)…。どうやら日浦隊員は予め付近の建物に炸裂弾(メテオラ)をセットしておいたようですね。炸裂弾(メテオラ)を置き弾とし、狙撃することで起爆させる。この炸裂弾(メテオラ)は橋を壊すように用意をしておいたものではないかと思われます。…あ、彼女はライトニングからアイビスに持ち替えています。たぶん瓦礫の中から這い出してきた空閑隊員を一撃で仕留めるためでしょう。この距離ならまず外す心配はありませんから。でも…」

 

そう言いかけてツグミは笑みを浮かべた。

 

「…そんなことで玉狛第2(ウチ)のエースは落とせません」

 

ツグミの言葉通り、遊真は斬られた右腕を囮にして日浦の死角からスコーピオンで斬りかかったのだ。

そして日浦はトリオン供給機関破損で緊急脱出(ベイルアウト)してしまい、これで西岸の均衡が崩れた。

援護射撃がなくなったことで、熊谷はかなり不利になったわけだ。

 

「この後の展開ですが、空閑隊員は村上隊員と熊谷隊員の戦っている隙を狙って攻撃をし、熊谷隊員ひとりだけを倒して村上隊員を放置するという手が考えられます。もしくはふたりが戦っている間にさっさと東岸へ渡ってしまうという手もありますね。ですがたぶんそのどちらにもならないとわたしは考えています」

 

「それはどういうことだい?」

 

須坂が訊く。

忍田と唐沢も同様に疑問に思っているようで、ツグミは説明をする。

 

「空閑隊員には村上隊員をどうしても倒したいという理由があるからです。部隊(チーム)の勝利を優先すれば一刻も早く東岸に渡るべきなのですが、三雲隊長もその理由を知っていますから空閑隊員の()()()()を許すでしょう」

 

「その理由とは?」

 

「以前に彼らは個人(ソロ)ランク戦をし、空閑隊員は村上隊員に負けています。ですから空閑隊員はどうしてもこの場で借りを返したいはず。そして三雲隊長は空閑の気持ちを知っていて、さらに彼が勝つことを信じていますから、西岸の勝負を決めた後に合流するよう指示をすると思われます」

 

「しかし彼は右腕を失っている。片腕で勝てる自信があるのかね?」

 

「大丈夫ですよ。わたしも彼らのことを信じています。…っと、村上隊員と熊谷隊員が戦いながら橋の方へ移動しているようです。空閑隊員が橋を渡るのを阻止するためですね。ただ空閑隊員に追いついて三つ巴になった場合、熊谷隊員に勝ち目はありません。村上隊員も邪魔が入らない状態で熊谷隊員を落としたいでしょうから、両者が橋のたもとに着く前に勝負は決まるでしょう」

 

村上と熊谷の対決は村上の優位で進んでいた。

村上はレイガストを上手く使用して熊谷の攻撃を退け、逆に熊谷の左腕をシールドごと斬り落としたのだ。

 

「熊谷隊員は弧月の両手持ちですが、これでは片手持ちにならざるをえません。こうなると村上隊員の剣速には追いつくことはできませんから、落ちるのは時間の問題ですね」

 

ツグミは熊谷に勝ち目はないと判断した。

しかしその直後にその考えを覆すような展開となった。

熊谷は炸裂弾(メテオラ)で村上を攻撃したのだ。

これも日浦と同様に橋を落とすために用意をしていたもので、それを村上に向けて撃ったというもの。

片腕になってしまったが炸裂弾(メテオラ)でその不利な状況をいくらかでもカバーしている。

とはいえ彼女は射手(シューター)ではないから決定的なダメージを与えることはできない。

 

「熊谷隊員、すごいですね…。慣れない射手(シューター)用トリガーを使用していますが、絶対に勝つという気迫が感じられます。村上隊員の間合いを外し、その距離から炸裂弾(メテオラ)を撃ち続ければあるいは…と思ってしまいます」

 

そこからはあっという間だった。

村上はレイガストをスラスターで加速させ熊谷に向けて手を離した。

熊谷は炸裂弾(メテオラ)を撃つがレイガストで押し戻され、自分の放った炸裂弾(メテオラ)の爆発に巻き込まれてしまう。

そこで熊谷は緊急脱出(ベイルアウト)

しかし彼女は村上への置き土産としてレイガストに炸裂弾(メテオラ)を仕込んでいた。

村上が回収に来ることがわかっていたから、彼女はとっさに触れると起爆するようにして緊急脱出(ベイルアウト)したのだ。

村上はそれを知らずにレイガストの柄を拾おうとするが直前に罠に気付いてしまい、熊谷の作戦は実を結ぶことはなかった。

 

 

 

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