ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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518話

 

 

ツグミと遊真とレプリカの3人旅は順調に進んでいた。

トロポイへの効率的な航行ルートをレプリカが検索してくれたおかげで時間のロスはないし、新しく入手したデータによって戦争真っ只中の国を回避して進んでいるために安全である。

問題といえば艇のエネルギーとなるトリオンの供給源がツグミしかいないということと、大量の物資を積むことができないためにいくつもの国に立ち寄って水や食料の現地調達をしなければならないくらいだ。

停泊地ではツグミがトリオンを抽出している間に遊真が街へ行って生活物資を入手してくるということを数回繰り返しながら進むのだが、こちらも遊真とレプリカが過去にふたりで旅した経験が活かされているためにトラブルはなかった。

そしていよいよ数時間後にトロポイへ到着ということになり、ツグミたちは最終打ち合わせをしていた。

 

「もうすぐトロポイに着くけど、ここから先はレプリカにお任せしなきゃならない。いちおう想定している()()()()に沿って行動するけど、何かあった場合には各自臨機応変に。その際にもレプリカの行動に対してアドリブをするってこと。いいわね?」

 

「ああ、わかってる」

 

〔承知した。たぶんツグミは彼らに試されることになるだろう。何かあったからといって殺されることはないが、場合によってはそれ以上に辛いことになるかもしれないぞ〕

 

「ええ、わかっているわ。わたしの対応次第でトロポイとの関係が完全に絶たれてしまう恐れがあるってことも。でも上手くいけばとても力強い味方になってくれる可能性があるんだからやれることはやるわよ」

 

〔いい覚悟だ。その意気ならきっと上手くいく。私のサイドエフェクトがそう言っている〕

 

レプリカがそう言うと、ツグミは笑った。

 

「レプリカもジンさんの真似をして冗談を言うようになったのね。それだけますます人間っぽくなっていったってことの証だわ。トリオン兵だって心通わせて友人になれるんだもの、同じ人間が対話によってわかり合えないなんてことはありえない。それができないってことは努力が足りないってこと。せっかくこんな遠くまで来たんだからユーマくんのことはもちろんだけど、ボーダーにとっても何か収穫を得て帰りたいわね」

 

レプリカはツグミが自然体であることに驚くと同時に安心をした。

 

(いくらツグミが何人もの近界民(ネイバー)と対話によって絆を結んできたといってもトロポイの人間は特殊だ。これまでのように互いの利益を得る方法を提示したところでその話に食いついてくるとは限らない。彼らに認めさせることさえできればいいのだが、たぶんツグミにならできるはずだ)

 

レプリカはツグミに重要なことを隠しているようだがそんなことを彼女が知るはずもなく、打ち合わせを終えたツグミと遊真はトロポイ到着まで仮眠をとることにした。

 

 

◆◆◆

 

 

ツグミが初めて見たトロポイの光景は想像とは大きく違っていた。

近界(ネイバーフッド)において最高レベルのトリオンとトリガーのテクノロジーを持つ国だということだからもっと近代的な未来都市を思わせる建物がずらりと並んでいる様子を想像していたのだが彼女の目の前にはそんなものは欠片もなく、エウクラートンに良く似た牧歌的な田園風景がどこまでも続いていた。

 

「なんか想像していたものよりずっと穏やかで平和的な感じの国ね。でも王都は全然違う近代的な街なんでしょ?」

 

ツグミがレプリカに訊くと、彼は淡々と答えた。

 

〔行ってみればわかる。ここは王都から約10キロ離れたごく普通の田園地帯だ。真っ直ぐ王都に向かえばそのうちにトロポイの迎えが来るだろう〕

 

レプリカの話によるとこの艇にはトロポイ政府の認めた人間の所有であるという証のビーコンが取り付けられており、敵ではないことを示すトリオン反応が発せられているという。

だから逆に言えばそうではない艇が侵入すると王都の警備兵が一斉に出動して、問答無用で捕獲されてしまうらしい。

そして敵意があると判断されると記憶を消去もしくは改竄されて国外は放り出される。

そうやってトロポイの秘密は守られてきたのだそうだ。

この国は戦争を放棄して、トリガーを兵器ではなく人間の生活を支えるためのみに使用すると決めた。

 

(それは過去の悲惨な経験によるものなんだけど、人はどうして多くの犠牲が生まれる前にその歩みを一度止めて考えるってことをしないんだろう? いくらトリオン体で戦うといっても戦争をすれば兵士だけでなく大勢の民間人も巻き込まれる。その人たちは生身の身体で死んだり怪我をするのは当然だってわかるはずなのに。やっぱり自分の大切なものを失ってやっとそれがかけがえのないものだったことに気が付くのね…)

 

ツグミは幼い頃に両親を失くし、成長していく上で大切なものは自分の手で守らなければ簡単に奪われてしまうという現実を知り、それからの彼女は自分の手の届く範囲にある大切なものを絶対に守るのだという覚悟で自らを鍛えてきた。

その姿は他人から見るとあまりにストイックで時には鬼気迫るものがあったのだが、7歳で両親を失って自らも近界民(ネイバー)に狙われる状況にあれば強くなるしかないのだと考えるのは無理もない。

それに忍田や城戸も彼女を守るためには彼女がボーダーで戦う手段を身に付けるのが最適解だと信じていたから止めることもなかった。

実際、今の彼女があるのは10年以上も自分自身を鍛え続けてきたからであり、肉体を鍛えることによって精神も鍛えられて強くなっている。

トリガー使いとしての強さは魂をも強くし、その自信が様々な困難に直面しても立ち向かって乗り越えていく強さを彼女に与えたのだった。

 

 

王都に向かう途中、ツグミたちの乗った艇は故障をしているわけでもないのにエンジンがゆっくりと停止し、地上へと降りると数分後にトロポイの小型艇が近付いて来た。

 

〔ツグミ、警戒することはない。これは形式的な臨検で、こちらが敵ではないことを承知の上での行為だ。相手の指示に従っていれば()()()目的の場所に案内をしてもらえることになっている〕

 

レプリカが説明をしているうちにトロポイの小型艇が停まり、そこから武装したふたりの兵士が出て来た。

ひとりは40歳くらいのがっしりとした体格の男性で、もうひとりは20代半ばくらいの痩身の青年だ。

 

〔では、我々も艇を降りることにしよう〕

 

レプリカに促され遊真とツグミが艇を降りると、年長の兵士がレプリカに向かって訊いた。

 

「私はイェルン少佐だ。登録番号並びに呼称名を言いたまえ」

 

〔登録番号26741、呼称名レプリカ。確認をお願いする〕

 

レプリカはそう言うと口の中から() ── 千佳のトリオンを測定した時に使用したもの ── を伸ばし、その先がイェルンの持つタブレットに触れた。

すると瞬時にして確認が終了し、続いてレプリカが報告する。

 

〔同行者は登録番号7584125、クガ・ユーマ。そして無登録者、キリシナ・ツグミ。以上ふたりだ〕

 

兵士はタブレットを操作して検索をする。

 

「登録番号7584125、クガ・ユーマ、確認した。そしてその無登録者だが、彼女は()()対象者か?」

 

〔そうだ。条件を満たしているために必要に応じて同行を許可した〕

 

レプリカがそう言うと、兵士はツグミの方に顔を向けて訊く。

 

「キリシナ・ツグミ、きみはレプリカからこの国のことをある程度は聞かされていると思う。そこで質問だ。きみはこの国の規律を遵守することを誓うことができるか?」

 

「はい。いかなる事情があってもわたしは貴国の利益に反することは絶対にしません」

 

「了解した。ではきみたちの入国を許可しよう。一緒に来たまえ」

 

そう言って彼は背を向けた。

レプリカとイェルンが会話をしている間、もうひとりの若い方の兵士はタブレットをずっと覗き込んでいた。

それが何を意味するものなのかツグミはわからなかったが、レプリカと遊真は知っているようである。

とにかく今は相手の指示に従うしかなく、艇に乗り込むとトロポイの艇の後を追うようにして王都へと向かった。

 

 

 

 

トロポイの王都メディウムも城郭都市である。

近界(ネイバーフッド)の国々の大都市はどこも高い城壁に囲まれて外部からの攻撃を阻むものとなっているが、このメディウムはキオンやアフトクラトルといった大国のものとは少し違っていた。

まず規模が違う。

レプリカの説明だとトロポイの全人口が約130万人で、その8割近くがここに住んでいるという。

そしてメディウム以外の都市 ── といっても一番大きな街で人口が1万人強だから町や村といったレベルの規模の小さいものがいくつかあるだけで、それは王都を中心として等間隔に置かれている。

そこに住むのは広大な農地を耕作する農民が中心で、王都から半径20キロまでの農地は王都に住む農民が耕作しているとのこと。

また家畜の育成や魚の養殖などが城郭都市内で行われているというから、トロポイの経済活動のほとんどが王都メディウムで行われていると言って良いだろう。

だから面積もこれまでツグミが訪問した国のどこよりも広く、三門市の面積の約5倍でその周囲が高さ30メートルという城壁で囲まれているというのだから驚くしかない。

実際に巨大な城が高い城壁の向こうに見えた時には圧倒され、ツグミは緊張するのと同時にワクワクして胸が高鳴ってしまうのだった。

 

 

ツグミたちは王都の正門から中へ入り、城壁に沿うようにぐるりと迂回してちょうど城の裏側にある軍総司令部の建物に案内された。

戦争を放棄したといってもそれは積極的に他国へ侵攻しないだけで、ボーダーのように専守防衛の備えがなければいざという時に最悪の事態に陥ってしまうのだから軍があるのは当然だ。

もっとも昔に比べて規模は1割近くにまで減らし、広大な軍総司令部の敷地は4分の3が家畜の飼育場になったそうである。

兵士もその多くが畜産業に転向して、かつて多くの兵士が訓練をしていた場所で牛や豚を育てている。

城郭都市の中にいるのだが、そこは郊外の農村地域のようにツグミには感じられた。

 

そして軍総司令部の駐艇場に艇を停めて、ツグミたちはそこから徒歩でボーダー本部基地の10分の1くらいの規模の建物の前に連れて来られた。

ここがトロポイの軍総司令本部らしい。

 

「キリシナ・ツグミ、きみは私と一緒に来てもらい詳しい話を聞かせてもらおう。レプリカとユーマには別室で待っていてもらうことになる。いいな?」

 

イェルンの言葉にツグミと遊真は黙って頷いた。

遊真とレプリカは若い兵士に連れられて建物の中へ入って行き、玄関前にはツグミとイェルンだけが残された。

 

「これからきみに対していろいろ質問をさせてもらう。レプリカがきみをここに連れて来たということは彼に信頼され認められたという証拠だ。我々トロポイが他国に門戸を開かずにいる理由を知っており、その上で我が国にやって来たのだからきみにはよほどの事情があるのだろう。その事情とやらを聞かせてもらいたいのだが、その前にきみが我々にとっても信頼足りうる人間であることを証明してほしい」

 

「どうすればいいんでしょうか?」

 

「なに、そう難しいことではない。きみが嘘をつかず正直に話をしてくれればそれでいいんだ。今日は少々寒いが天気はいい。歩きながら話をしよう」

 

イェルンはそう言って歩き出した。

ツグミは個室で尋問をされるものだと想像していたので少し驚いたが、晩秋の穏やかな日差しの中で散歩をしながらというのも悪くはないと思って彼の隣を歩くことにした。

 

「まずはきみ個人のことを聞かせてもらいたい。レプリカの情報だときみは玄界(ミデン)の対近界民(ネイバー)防衛組織の人間だということだが、なぜきみが組織に入ったのか、またどのような活動をしているのかなど教えてくれ」

 

「はい、わかりました」

 

ツグミは自分が7歳の時に両親を近界民(ネイバー)に殺害され、自分もトリオン兵に付きまとわれるために自分の身は自分で守りたいと考えて叔父である養父の属しているボーダーに入隊したこと。

数々の戦いを経て優秀なトリガー使いに成長したが、果てしない戦いを続けるよりも戦いを終わらせる方法を探す道を選んだこと。

元々ボーダーが「近界(ネイバーフッド)玄界(ミデン)の友好の架け橋になる組織を作る」という理念によって創設されたものであり、その創設者のひとりが実父であったために、その遺志を引き継いだことなどを話した。

それをイェルンは穏やかな表情で時々頷きながら聞いている。

そのうちにふたりは練兵場へとやって来て、そこでトリガーの訓練をしている若い兵士たちの姿を見付けた。

 

「ツグミ、我が国は戦争を放棄したことは知っているだろうが、それならなぜあのような若者たちがトリガーの訓練をしなければならないのか…。矛盾していると思えるが、きみはどう考えるかな?」

 

イェルンの質問にツグミは即答した。

 

「貴国が過去の経験から戦争を放棄しようと決めたことは素晴らしいと思います。ですが戦争を含めた外交とは相手があってのことで、自国の努力のみで解決できる問題ではありません。いくらこちらが戦いたくはないと思っても敵が攻めて来るのであれば戦って大切なものを守らなければ失ってしまいます。まさか敵を前にして無抵抗ですべてを差し出すなんてことはできませんからね。わたしの所属しているボーダーも専守防衛を原則としており、近界民(ネイバー)が三門市に攻め込んで来る時のみ防衛という形で戦闘を行います。アフトクラトルと戦った時にはさらわれた仲間を救出するために遠征を行いましたが、それは敵を害するためではなく奪われたものを取り戻すための戦いです。わたしたちも積極的に戦うことはしませんが、敵が攻めて来た時のために訓練を続けています。いざという時に力を持っていないと敵に蹂躙されて何もかも奪われてしまう。その時に後悔はしたくありません。そうなるとトリガー使いを育てるのは当然だと思います」

 

その答えに満足したのか、イェルンは微笑みながら頷いた。

 

「そうだな、後悔はしたくない。一度失ったものはそう簡単に取り戻せないし、二度と戻らないものもたくさんある。ならば失わないようにするしかないな。私が軍人になった時にはすでに先代の国王陛下が戦争放棄していたが、それでも誰かが国と国民を守る役目を負わなければならない。そのような中で私は軍人に志願した。トリオン能力が平均以上だったことと、私には命を懸けてでも守りたいものがあったからだ。もっとも20年以上前に大きな戦いがあったが、それ以降は時々潜入してくる諜報員を捕まえて()()()()をした後に国外は放り出すくらいの仕事しかしていないがな、ハハハ…」

 

するとツグミが尋ねた。

 

「もしよろしければその守りたいものが何か教えていただけますか?」

 

「ああ。それは私の幼馴染で、そのうちに婚約者となり、今では妻となった世界で一番大切な女性だ。彼女の笑顔は如何なるものにも奪われたくはない。だから私は戦うことにしたんだ」

 

「その気持ち、すごく良くわかります。わたしにも幼い頃からずっとそばにいて兄のように慕っていた男性がいます。わたしは自分が彼にとって妹でしかなく異性として見てもらえないことで諦めていたんですが、とあるきっかけで彼もわたしのことがずっと好きでいて男女の性愛を求めて拒絶されるくらいなら兄の立場を貫こうとしていたのだと知りました。そしてお互いの気持ちを確認し、わたしが20歳になったら結婚する約束をしました」

 

「それは素晴らしい」

 

「ですがあと2年のうちにやってしまいたいことがたくさんあって、今は一緒にいる時間がほとんどありません。それがふたりの幸せな未来に繋がっていると思うから頑張れるんですけど。わたしは玄界(ミデン)の…三門市を守る組織に所属していますからすべての市民を守る義務があります。でもわたしは万能ではなく自分の手の届く範囲の少数の人間を守るのが精一杯の小さな人間です」

 

「……」

 

「わたしは自分の幸せのために他人を犠牲にすることも、他人の不幸を見ながら自分の幸せを満喫するようなこともできませんから、自分のできることを全力でやるしかありません。今は何をすれば良いのかわからない手探りの状態ですが、自分を信じてそれが自分のやるべきことだと思えばそれに邁進するだけ。…わたしは大切なもの、大切な人がいるということはひとりでは出せない力を出せるようになる源だとわたしは考えています。だからイェルン少佐の奥さんを大切にするという個人的な気持ちがトロポイ国民すべてを守る原動力になっているのだとわたしは考えます」

 

イェルンはツグミの言葉を聞いてはるか昔に同じようなことを言っていた青年のことを思い出した。

その青年はエウクラートンから朋友とともに脱し、玄界(ミデン)へ向かう途中で戦場となっていたトロポイに偶然立ち寄った。

その状況を黙って見ているわけにはいかないと、トロポイ側に援軍として参加してトロポイを勝利に導いた。

勝利に導いたという言い方は大げさだが、その青年たちが加わったことで追い風が吹き形勢が逆転したのは間違いない。

しかし青年は左腕を失うという重傷を負い、トロポイ側は彼にトリオン製の義手を与えた。

その青年はベッドに寝転びながら戦友となったイェルンに向かって恥ずかしげもなく言ったのだった。

 

「オレの左腕はこんなになっちまったが右腕は残っている。これからオレはユーゴの故郷の玄界(ミデン)へ行くが、そこで新しい人生を始めようと思っているんだ。そこでオレは大切なものを見付けて右腕でそいつを抱きしめ、そいつを守るために左腕で戦うことにするよ。トリオン体に換装できず生身の身体のままであっても、このトリオン製の左腕なら何とかなる。ま、左腕1本じゃひとりの女を守るくらいしかできないだろうけどそれでも十分だ。人間なんてものは元々自分の手の届く範囲のものしか掴めないんだからな」

 

相当な実力を持ちながらも驕ることなく謙虚であり、自分にできることをわきまえている。

自分の手の届く範囲という身近な幸せを願い、そのために全力を尽くそうというする意気込みが良く似ているとイェルンは感じたのだった。

 

(これは間違いなさそうだ。レプリカの報告によるとこの娘の父親は近界民(ネイバー)で、エウクラートンからの亡命者。たしかに顔も似ていて考え方もそっくりだ。そうなると()()()は他界していて、もう二度と会うことはできない。いつか再び訪れると言った約束はもう果たせないから娘を寄越したのか、オリバ?)

 

エウクラートンのオリバ ── 彼はトロポイにとって救国の英雄で、イェルンの命の恩人であった。

オリバが左腕を失くしたのは換装の解けたイェルンを助けようとして、自らも生身の身体であったというのに敵に突っ込んで行ったことが原因であったから、イェルンはそのことでずっとオリバに対して恩義を感じていた。

そこにオリバの娘がやって来たのだからこれは偶然ではなく必然のことではないかと思うのは無理もない。

胸の奥から熱いものがこみ上げてきて、それが両目から涙となって溢れ出してきたのだった。

 

「イェルン少佐、どうかしましたか?」

 

事情を何も知らないツグミはイェルンの変化に驚き、自分の対応に問題があったのかと不安になってしまう。

しかしイェルンの言葉に胸をなで下ろした。

 

「とても嬉しいことがあったからだよ。私はきみのことを歓迎する。私にできることならどんなことだって協力を惜しまない。さあ、きみが我が国に来た理由を教えてくれるかい?」

 

イェルンは涙を零しながらくしゃくしゃな笑顔でそう言った。

 

 

 

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