ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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57話

 

 

穂苅はツグミの位置を確認しながら森の中を移動し、荒船も穂苅と合流すべく移動をしていた。

ツグミはグラスホッパーで池の東側の草地へとたどり着くと地面に着地。

その時点で穂苅は池の西側の森の中という彼女とは池を挟んで真逆の位置にいる。

弧月や通常弾(アステロイド)の射程に入らなければとりあえず安心ということだ。

ツグミはシールドやレイガストの(シールド)モードを展開しておらず、もちろんバッグワームも使っていない状態である。

この状況では穂苅も「これは罠で、自分を誘っている」のだと認識してはいるが、まだ1点も取れていない荒船隊の狙撃手(スナイパー)としてはつい撃ちたくなってしまう。

 

「いけるな、ここからの狙撃なら…」

 

穂苅は木々の隙間からツグミにイーグレットの銃口を向けた。

照準器(スコープ)を覗くとツグミが辺りをうかがいながら歩いている様子が見える。

その動きはまるで近くにいるはずの敵を探しているかのようである。

確実に仕留めるために、彼女の動きが止まる瞬間を狙う穂苅。

ツグミはというと、穂苅が自分を狙っているのを知っていてあえて彼の視界でウロウロしている。

ただし一瞬でも止まれば狙撃されるので、突然向きを変えたり歩くスピードに緩急をつけたりしていた。

 

「チッ…」

 

標的(ツグミ)までの距離は約140メートル。

十分に命中(ヒット)させることができる距離なのだが、外してしまえば自分の居場所がバレるから慎重にならざるをえない。

しかし残り時間も少ないから、ここで決着をつけてしまいたいと思うのは言うまでもない。

 

「消えた…!?」

 

穂苅の照準器(スコープ)の中には常にツグミがいたのだが、急にその姿が消えてしまう。

それもそのはずで、彼女はグラスホッパーを使って軽くジャンプしていた。

照準器(スコープ)の視界はとても狭いため、穂苅はツグミが足元にグラスホッパーを展開したことには気付けなかった。

穂苅は慌てて彼女の姿を探そうと肉眼で池の対岸を見ると、さっきいた場所から10メートルほど離れた地点にいる。

再び穂苅は照準器(スコープ)を覗いた。

 

「…!」

 

次の瞬間、穂苅はツグミのアイビス(カノン)の銃口が自分に向けられているのを見つけてしまう。

狙撃手(スナイパー)同士が相対するこの状況で、穂苅にとって「撃つ」しか選択肢はない。

穂苅は瞬時にバッグワームを解除してシールドを()()張り、イーグレットの引き鉄を引いた。

同時にツグミのアイビス(カノン)からも弾が放たれる。

 

「相討ちか…!?」

 

誰もがそう思った。

それぞれの弾は正確に相手の頭を狙っていて真っ直ぐに進んでいったが、その正確さ故に弾同士がぶつかり合って互いの威力を打ち消し合ったのだ。

しかしツグミの弾は勢いが衰えたもののそのまま直進し、穂苅の戦闘体をシールドごと吹き飛ばしてしまった。

 

[穂苅隊員、戦闘体活動限界でダウン。緊急脱出(ベイルアウト)

 

アナウンスが機械的に事実を告げる。

 

この状況を予測できなかった真木、奈良坂、木虎、そして観客たち。

誰も声が出ず、そのまま固まってしまった。

そして数秒の後、真木が口を開いた。

 

「…今のは何だったんでしょうか? 狙撃手(スナイパー)である奈良坂さんの見解をお聞かせください」

 

奈良坂は少し考えてから口を開いた。

 

「それは…双方の狙撃の腕が秀逸で、狙いがそれぞれ相手の頭であったことにより射線が同一線上になって弾がぶつかり合ったわけですが、イーグレットの威力はBである一方アイビスはSS。相殺しきれなかった霧科隊長の弾が穂苅隊員に命中したということでしょう。アイビスの威力は大きいものの弾速はイーグレットに劣ります。さらにイーグレットとの相殺で弾速と威力はさらに落ちますが、シールド1枚で防ぎきれるレベルにまで衰えることはなく、霧科隊長のアイビス(カノン)は穂苅隊員を吹き飛ばした、ということでしょう」

 

「なるほど、イーグレットは射程距離重視の標準型。そしてアイビスは威力重視のドッカン型。もし双方の狙いが僅かでもずれていたら弾がぶつかり合うことはなく、弾速の関係で先に霧科隊長が被弾して勝敗は変わっていたかもしれませんね」

 

「はい。霧科隊長がグラスホッパーを使って()()()()する直前までは穂苅隊員は彼女の動向を注視していました。そして狙撃の機会(チャンス)を狙っていて、彼女が自分を狙うなど微塵も疑念を抱くことはなかったと思います。そんな素振りをまったく見せませんでしたから。それが一瞬の隙に自分にアイビス(カノン)の銃口を向けていたのですからさぞ驚いたことでしょう。逃げるのは無理だし両防御(フルガード)でも助からない。こうなればイチかバチかで撃つしかない、と一瞬で判断し勝負に挑んだのだと思います。念のためにシールドを1枚張っていたようですが意味はなかったですね。…しかし穂苅隊員は森の中から出ず、木々の隙間から霧科隊長を狙っていました。バッグワームもずっと起動していましたからレーダーで穂苅隊員の位置が特定できるはずがありません。つまりこれで木虎の仮説は証明されたようなものですね」

 

奈良坂が解説を終えると、観客はざわめき始めた。

残るは荒船とツグミのふたり。

勝敗はすでに決まっているが、アクション派狙撃手(スナイパー)VS完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)という面白い組み合わせとなれば期待感は高まるというものだ。

 

「霧科隊長は緊急脱出(ベイルアウト)する気配はまったく見られません! 勝利が確定しても最後の最後まで逃げずに戦うようです」

 

真木はメインモニターの中のツグミの様子を見ながら実況を続ける。

 

「荒船隊長は霧科隊長との一騎打ちをするためにそれぞれ移動を開始しました。荒船隊は無得点ですからせめて1点だけでも取りたい。それに生存点を含めれば合計3点になります。ここは絶対に退くことはできません。おっと、バッグワームを解除して弧月を抜きました」

 

「バッグワームはもう無用ですからね。それにイーグレットでは勝ち目がありませんから弧月で勝負というわけです」

 

木虎が言う。

 

「荒船先輩が弧月での勝負を挑むとなれば、ツグミ先輩も同様に弧月で…と言いたいところですが、彼女は射手(シューター)としてもマスタークラスですから通常弾(アステロイド)での攻撃もありえます。…っと残り時間が5分を切りました。こうなると時間をかけていられませんから、双方とも一撃で勝負を決めたいところですね」

 

 

フィールド内では荒船とツグミが池の南側の草地で30メートルほど離れて対峙していた。

ツグミは両手で弧月を握り締めながら荒船の反応を見ている。

 

「フッ…」

 

荒船が鼻で笑う。

それもそのはずで、ツグミが両手で弧月を握って正眼の構えでいるのを見たからだ。

 

(さすがに俺の弧月を受け太刀するには片手持ちというわけにはいかないよな。いつもなら鋼と同じくレイガストの(シールド)モードで受け太刀するという戦法を使うが、この分だと今日は装備していないようだ。つまり防御はシールドだけだろう。だったら崩すのは簡単だ。打ち合いになればこっちのもんだぜ。しかし霧科(あいつ)通常弾(アステロイド)を持っていて、得意のゼロ距離射撃でくるかもしれない。だが弧月を握っている以上両攻撃(フルアタック)はない。単品ならシールドで防げる。つまり俺にも勝ち目は十分にあるってことだ)

 

荒船の表情でツグミには彼が何を考えているのか手に取るようにわかる。

 

(勝てるって顔ね…。でも…伊達に完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)やってるんじゃないから!)

 

残り時間、あと3分。

ツグミと荒船はほぼ同じタイミングで走り出した。

そして互いの初撃はそれぞれの弧月で受け止められてしまう。

続く2目、3撃目も同じく受け止められて激しい打ち合いが始まった。

それはマスタークラスの攻撃手(アタッカー)同士の斬り合いで、モニター越しでも伝わってくるふたりの気迫に観客たちは圧倒されてしまう。

しかしそれも長くは続かなかった。

 

(そろそろいくわよ!)

 

ツグミは荒船と切り結んでいるタイミングで、自分の身体の左側に(トリオンキューブ)を浮かべた。

弧月を両手持ちでも射手(シューター)であれば(トリオンキューブ)を出現させるのは可能である。

銃型トリガーを手で持たなければならない銃手(ガンナー)ではこうはいかない。

だから荒船は彼女が(トリオンキューブ)を出したことを驚かないし、初めからそれも警戒していた。

 

「来たか! …シールド!!」

 

荒船はパッと背後に下がって間合いを取ると、ツグミの弾が撃たれたタイミングでシールドを張る。

ツグミの撃った弾は真っ直ぐに荒船に向かって飛んだ。

当然その先には荒船のシールドがあって防がれた…はずなのだが、そうはならなかった。

弾はシールドの直前で直角に曲がると真上に飛んだのだ。

 

「何っ!?」

 

想定外のことに荒船は動揺し、顔を上げて弾の動きを目で追う。

弾は地上2.5メートルほどの高さまで上がると、今度は彼の背後に向かって45度に曲がり、さらにもう一度45度に曲がると彼の背中を直撃した。

ちょうど直角二等辺三角形を描く形で弾道が設定してあったのだ。

あっという間のことだったので、荒船には背後にシールドを展開する余裕はまったくなかったようだ。

 

「ぐはっ…!」

 

分割していない丸ごと1個の(トリオンキューブ)は荒船の戦闘体を貫通し、彼は倒れる瞬間にやっと理解した。

 

変化弾(バイパー)だったのかよ…」

 

そう最後に言い残して荒船は緊急脱出(ベイルアウト)したのだった。

 

 

「し、信じられません…。たったひとりで7人全員を倒すという驚くべき結果となりました。玉狛第3、生存点を含めて合計9得点! 圧倒的な強さで3部隊(チーム)を完封です!」

 

ツグミの戦い方に馴染みのない真木は興奮気味に言う。

 

「では、この試合を振り返ってみたいと思います。まずは奈良坂さん、お願いします」

 

衝撃的な決着の余韻が残る中、奈良坂が総括を始めた。

 

「そうですね…漆間隊長がこの『森林地帯A』というステージと『早朝・霧』という時間と天候を選んだのは当然のことだと思います。ひとりで多数の敵と戦うのであれば正攻法ではなく搦め手からの攻撃を選びますからね。チームプレイができない立場ですから、隠密行動や罠という手段を巧妙に用いた戦術はアリなんですが、それを霧科隊長に見透かされていた感があります」

 

「と言いますと?」

 

「荒船隊の射線を遮るマップを選択するというのは同じひとり部隊(ワン・マン・アーミー)である霧科隊長も考えていたはずです。自分ならどう戦うかと考えていけば、おおよそですが漆間隊長の作戦が見えてくるでしょう」

 

「つまり漆間隊長のシナリオは霧科隊長にバレバレであったということでしょうか?」

 

「いいえ。いくら経験豊かな彼女であっても、このステージと時間・天候の組み合わせまでは想像できなかったはずです。ただどんな条件であっても即座に戦術を組み立てられる彼女ですから、フィールドに転送された時点で漆間隊長の思考を読み、即座に自身の戦術を組み立てたのでしょう。彼女の戦術の師匠は東さんですからね。しかし彼女は神ではありませんから各隊員がどこに転送され、どのように動くかというところまでは読めません。実際、笹森隊員が荒船隊長に接近しましたが霧のために姿が見えず遭遇戦にはならずに済みました。もし視界が開けていたら、たぶん笹森隊員は背後から荒船隊長に斬りかかっていたでしょう。また他の隊員同士の組み合わせであればまた違っていたと思われます。そして重要なのが池の北東側が主戦場にならなかったことです」

 

「それはどういうことでしょうか?」

 

「池の北東側で荒船隊長と笹森隊員が交戦すれば、そこから展開が大きく変わっていたはずです。漆間隊長の炸裂弾(メテオラ)の罠は機能せず、彼と堤隊員の対決はなかったでしょう。さらに荒船隊・諏訪隊両隊員が仲間の援護のために集まって来て諏訪隊有利の乱戦となったかもしれません。しかし現実には池の南西側で戦端が開きました。そして漆間隊長と堤隊員のバトルが始まり、そこを霧科隊長に狙われたわけです。もっとも警戒が疎かになるのは戦闘中ですから。目の前の敵にばかり集中し、それ以外の敵にまで注意がおよびません。今回の転送位置は霧科隊長にとっては好都合でした」

 

「なるほど…。漆間隊長の選択は正解だったわけですが、霧科隊長のアイビス(カノン)によって漆間隊長のシナリオは木っ端微塵になってしまったということですね」

 

「はい。漆間隊長は自分にとって非常に有利なステージを選んでおきながらあっけなく脱落してしまいました。たぶん炸裂弾(メテオラ)の罠だけでなくダミービーコンを使った攪乱作戦なども用意してあったと思われますが、すべて無駄となりました。これは気の毒としか言いようがありません。たぶん彼が終盤まで生き残っていたら展開は大きく変わり、結果も違うものになったでしょう。そしてこの試合の一番の特色は、全員がバッグワームを使ってマップ上から姿が消え、肉眼での視界も不自由だったことでなかなか交戦に至らなかったことです。さらに交戦に至るまでに時間がかかったため、その後の展開が慌ただしくなり、最後まで冷静に行動できたのは霧科隊長だけでした」

 

「そうですね。やはりこれは強化視覚(サイドエフェクト)のおかげでしょうか?」

 

真木がそう言うと、木虎が軽く諌めるように答えた。

 

「もちろんそれもあると思います。ですがそれだけで勝てるほどランク戦は甘いものではありません。ツグミ先輩の強さは経験の豊富さもありますが、固定概念に縛られない自由な発想だと思うんです。それにこれまでのランク戦で使ったことのないグラスホッパーがトリガーにセットされていたのは、漆間隊長がどんなステージを選択するか推理し、射線の通らないゴミゴミとしたステージを選ぶと判断したからでしょう。アイビス(カノン)に関しても同じです。普段、狙撃用トリガーはイーグレットを使用していますから。彼女の性格からすると、射線が遮られるならいっそすべてを吹き飛ばす威力のあるアイビス(カノン)で…と考えるはず。そういう推理力も彼女の強さのひとつと言えます」

 

「推理力ですか…」

 

「はい。敵の思考を読んで、その斜め上を行く戦術を組み立てる。それが彼女の強さです。おまけに彼女は観客(ギャラリー)を驚かせることが好きですから、私たちの想像もしないことを考えて成功させてしまいます。強化視覚(サイドエフェクト)とアイビス(カノン)があれば漆間隊長と堤さんの時のように遠距離から撃てばリスクもなく楽に勝てます。それなのに諏訪隊長と笹森先輩に対しては荒船先輩と戦っているように見せかけておびき寄せ、グラスホッパーを使って頭上からの両攻撃(フルアタック)で沈めました。穂苅先輩との一騎打ちについても、わざわざ自分を狙わせるような危険なマネをする必要もありません。そしてアイビス(カノン)を構えた後、彼女の照準器(スコープ)の中に穂苅隊員のイーグレットの銃口が自分に向けられたのが見えたはずです。一歩間違えれば負けていたかもしれません。もちろん勝てる自信があったのでしょうけど、そんなリスクの高い作戦でなくても接近して弧月で襲撃すれば簡単に倒せます。最後の荒船先輩との対決も彼女なら弧月だけでも勝機はあったというのに、あえて変化弾(バイパー)でトドメを刺しました。彼女は『弾道を引くのが面倒だから滅多に使わない』などと言ってますけど、そんな変化弾(バイパー)でも彼女のポイントは5000点を超えています。その変化弾(バイパー)を装備していたのも、漆間隊長の選ぶステージを想像して加えたものだと思います」

 

木虎がここまで解説したところで、奈良坂が思いついたように言った。

 

「そうか…諏訪隊のふたりに対して両攻撃(フルアタック)を仕掛けたのは、彼女がメインとサブの両方に通常弾(アステロイド)を装備していると思わせるためだったのかもしれませんね。両攻撃(フルアタック)といえば通常弾(アステロイド)通常弾(アステロイド)が普通ですから、片方が変化弾(バイパー)の弾道を直線で引いた『通常弾(アステロイド)もどき』だとは誰も思いません。木虎が言ったように彼女は普段は変化弾(バイパー)を使いませんから、荒船隊長も彼女がサブトリガーから(トリオンキューブ)を出したとなれば通常弾(アステロイド)だと思い込んでしまう。それがポイントです。彼女は荒船隊長がシールドで()()()()()()を防ぐと確信していて、彼の背後から強襲する変化弾(バイパー)の弾道を引いたわけです」

 

奈良坂の解説に真木と木虎、そして観客たちが頷いている。

 

「霧科隊長は今期初めてB級ランク戦に参戦しました。Round1は芸術的な旋空弧月。Round2は2人同時攻撃という窮地に見舞われながらも見事な技で切り抜け、レイガストの思いも寄らない使い方を見せてくれました。爽快感溢れる戦いを披露してくれましたが、今回は一味違っていました。()()騙し討ち(ブラフ)を使い、ケレン味の利いた演劇を見ているようでしたね。次はどんな戦いが見られるのか楽しみです」

 

奈良坂は解説者という客観的な立場にいるはずの人間だったが、いつの間にか観客のひとりとなっていたのだった。

それは木虎も同じで、中立であるべきなのに心の中ではツグミを応援していたくらいだ。

ツグミの戦いには人を惹きつける魅力があり、誰もが彼女の繰り広げる勝負(エンターテイメント)に夢中になってしまう。

そしてそれこそが彼女の真の目的達成に繋がっているのだ。

 

「奈良坂さん、木虎さん、解説ありがとうございました。これで第3戦がすべて終了したことになります。そして次の対戦カードが決まりました。5位と上位グループ入りした玉狛第3の次の相手は…3位生駒隊と4位王子隊です! それではB級ランク戦第3戦・夜の部を終了いたします。次は1週間後の15日土曜日。お楽しみに!」

 

 

◆◆◆

 

 

ツグミが大立ち回りをしていた同時刻、本部会議室では幹部会議が行われていた。

議題は近々予測される近界民(ネイバー)侵攻の対策で、上層部の面々だけでなく迅やA級上位部隊(チーム)の隊長らも参加していた。

重要な会議ではあるが開始前に迅が「今夜のランク戦は面白いものになるからみんなで見ようよ」という意見を出し、それに忍田と太刀川、さらに冬島、風間、唐沢らが賛成したものだから、過半数の賛成でランク戦を観戦しながらの会議となっていた。

会議を優先したい城戸や鬼怒田たちだが、彼らの想像もしていなかった展開に興味を持たないはずはなく、会議そっちのけで試合に見入ってしまう。

特に漆間と堤のふたりがツグミのアイビス(カノン)で吹き飛ばされてからは全員の視線がモニターから離れず、試合終了まで会議は完全にストップしてしまっていたくらいだ。

そして最後の荒船との一騎打ちの際には、あの城戸ですら目を見開いて決着を見守っていた。

しかも試合が終わっても本来の会議はしばらく再開せず、その余韻に浸っていた。

おかげで会議の終了時間が予定よりも30分以上遅くなったものの誰ひとりとして不満を口にすることなく、むしろ久しぶりに興奮するランク戦を見たことで彼らの表情は心なしかいつもより生き生きとしていて若返ったようにも見える。

ツグミがランク戦に復帰したことが防衛隊員だけでなく上層部のメンバーにまで良い影響を与えているようでもあった。

 

 

 






Round3・夜の部 玉狛第3 VS 諏訪隊、荒船隊、漆間隊 のトリガーセット

メイン:アイビス改、通常弾(アステロイド)、弧月、旋空
サブ :変化弾(バイパー)、シールド、グラスホッパー、バッグワーム

アイビス改はツグミがA級時代に改造したもので、威力は千佳のアイビス並みだと思ってください。
汎用のアイビスでも良かったのですが、ツグミが元A級であることと、火力押しの戦い方をするキャラであることを「周囲の隊員たち」に印象付けるために使用させました。


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