ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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603話

 

 

「ツグミ、詳しい話は後だ。ひとまずこいつに水を。それから何か食べるものを用意してもらえないか?」

 

麟児はそう言ってから少年を椅子に座らせた。

 

「わかりました。すぐに用意します。オサムくん、手伝ってちょうだい」

 

「はい」

 

ツグミと修はキッチンへと向かい、修はツグミの指示で冷蔵庫に保管されている麦茶のペットボトルを持って先にミーティングルームへ戻った。

 

「どうぞ」

 

修はキャップを開けたペットボトルを神妙な顔の少年の前に置く。

しかし少年は手を出そうとはしない。

言葉がわからないわけではないはずなので、警戒をして無闇に口に入れないという態度なのかもしれない。

 

「ちょっと待ってて」

 

修はそう言って紙コップを持って来ると、それに麦茶を注いで自分が飲んで()()をする。

 

「毒なんて入っていないよ。それに麦茶はノンカフェインだから子供が飲んでも大丈夫だし、小麦アレルギーの人でも麦茶にはアレルゲンが入ってないから健康被害はないんだって。霧科先輩がそう言ってたんだ」

 

少年には「ノンカフェイン」だとか「アレルギー」などの単語の意味はわからないが、相手が自分の健康へ配慮してくれていて害することはないのだと理解できたようだ。

少年は恐る恐る麦茶に口をつける。

 

「…!」

 

どうやらお気に召したのか一気に紙コップの麦茶を飲み干してしまった。

そしてペットボトルに残っていた半分も紙コップに移し替えて全部飲んでしまう。

その様子から喉が渇いていたということは一目瞭然で、どこかに捕えられていた少年兵が脱走してきたのではないかと思われる。

そうでもなければこんな深い森の中で少年が単身さまよっているはずがないのだから。

そして数分後、ツグミがお好み焼きを持ってミーティングルームへ入って来た。

 

「さあ、召し上がれ。これならあなたでも食べられるはずよ」

 

ツグミは箸ではなくナイフとフォークを添えて少年に勧めた。

 

「麦茶を飲んだということなら毒見は必要ないわよね? 近界民(ネイバー)のあなたなら初めて食べるものだと思うけど、これまでの経験からこれは誰でも気に入ってもらえるって自信があるのよ」

 

冷凍食品を電子レンジで温めただけだがソースの匂いが食欲を掻き立てていて、空腹の少年はすぐにナイフとフォークを握ってひと口サイズに切ると口に入れた。

 

「…!?」

 

麦茶の時よりも反応が大きく、少年の好みに合致したらしく黙々と食べていく。

その様子をツグミたちは微笑ましいという感じで見ている。

そんな光景に修は思った。

 

(身なりからしてワスターレかクピドゥスの少年兵だよな。だとすれば彼は捕虜になっていてそこから脱走してきたと考えられる。当然だけど武器(トリガー)を没収して武装解除はしてあるけど、いちおう敵だってことみんな理解しているはず。それなのにまるで迷子を保護したかのように優しく接している。昔のぼくだったらこれでいいのかと考えた。だけどこれまでの霧科先輩の行動を見ていてわかった。彼は敵陣営の人間かもしれないけど、今の時点で彼自身は敵でも味方でもない。それなのに頭から敵だという意識で接してしまえば味方になるはずだった相手も敵に回してしまいかねない。ゼノン隊長たちの時、霧科先輩は拉致されたというのに彼らを友人のように遇していて、今ではかけがえのない仲間になった。それはこちらが相手に対して敵意がないことを示し、状況によっては手を結ぶ用意があると知ってもらえば相手も心を開いてくれる。現にヒュースがそうだった。初めのうちは絶対にボーダーには協力しないって言い張っていたのに、アフト遠征の時にはレプリカの救出までしてくれた。短い間だったけど友人と呼べるほどの関係にまでなれたのは、あいつを捕虜扱いせずに客人待遇で接したからだ。その時の食べ物の効果は大きかった。誰だって美味しいものを食べて機嫌が悪くなることなんてないもんな)

 

少年が食事を終えるのを待って、修は彼に尋ねた。

 

「きみの名前を教えてもらえるかい?」

 

すると少年はムッとした顔で言う。

 

「人の名を尋ねるのならまずは自分から名乗るのが礼儀ではないのか?」

 

それはもっともな言い分で、ツグミはすぐに非礼を詫びた。

 

「失礼いたしました。わたしはこの艇の責任者の霧科ツグミといいます。わたしとここにいる人たちはボーダーという玄界(ミデン)の防衛機関の人間で、この国にはアウデーンスへ向かう途中で水の補給と乗員の休憩のために寄港させてもらっています」

 

すると少年は納得したのか少しだけ胸を張って堂々と言う。

 

「僕はワスターレ国第1王子、ラウロ・ワスターレだ」

 

その場にいたツグミ、修、リヌス、麟児の4人は誰ひとりとして想像していなかったらしく驚いて言葉が出なかった。

しかし相手が王子を名乗るのであれば失礼なことはできない。

 

「これは知らぬこととはいえ大変失礼いたしました。しかし一国の第1王子というお立場の殿下がこのような深夜にお供も連れずおひとりで森の中にいらっしゃるとはいかなる理由でしょうか?」

 

ツグミが非礼を詫びて丁寧に訊くものだからラウロは機嫌を直して言った。

 

「それはおまえたちが敵か味方かを確認するために決まっているだろ。突然我が国の上空、それも戦場の真っただ中に正体不明の艇が飛び込んで来たのだからな」

 

「それは大変申し訳ございませんでした。ですが殿下おひとりでは不用心です。いくらトリガー使いとはいえ、単身で敵地に乗り込むようなことをするのは勇敢ではなく蛮勇というもの。特に王家の人間ともなればその行動には大きな責任を伴うものです。わたしたちは殿下に対して害をなそうとは思っていませんから良いですが、もしわたしたちがこの国に侵攻して来た敵だったらどうするのですか? クピドゥスとの戦争でただでさえ疲弊しているというのに、これ以上ご家族や家臣たちを心配させるようなことをしてはいけません。場合によっては殿下が勝手に城を抜け出して来て家臣たちが知らぬ間に敵の捕虜になっていたかもしれないという重大事なのですから」

 

「そんなことは百も承知だ。しかし重要なこと、特に危険を伴う案件を部下に任せるなどあってはならぬ。…と僕は考えているのだが、父王や側近たちはおまえのように危険なことをするなと言う。将来僕がこの国の王となるのだから御身を大切にしろとも言うが、それよりもこのバカげた現状を打破しなければならない。王になれと言われたところでこの国が失われてしまったら僕はどこの王になればいいというのだ?」

 

ツグミはラウロという少年の考え方や行動に共感できるものがあった。

 

(自分が生まれるずっと前から他国と戦争に明け暮れているだけでなく人口は減っていくし明るい未来は見えてこない。そんな国の王になれと言われても納得できるものじゃない。こんなに小さいのに自分の考えを持っているなんて立派だわ。でもいくら部下に危険なことをさせたくはないといっても自ら単身で敵地に乗り込むようなことは賢いとは言えないわね。しっかりとした考えを持つこの子が無茶なことをするには何か事情がありそう。…とはいってもわたしがこの国の内政に干渉することはできないし、そもそも先を急ぐ旅なんだからこの子に関わってはいられない。作業は順調に進んでいて、あと6時間弱で出発することになる。だからわたしにやれることはこの子を城まで無事に送り届けることだけね)

 

ツグミはラウロの事情を踏まえた上で自分なりの結論を出したが、彼の処遇をどうするか修に委ねた。

 

「オサムくん、あなたの意見を聞かせてちょうだい」

 

修もツグミからそう言われることを覚悟していたようで、きっぱりと言い切った。

 

「ぼくは殿下を城まで送り届けるだけで、それ以上のことはするべきではないと思います。それにラウロ殿下はぼくたちの正体を掴むという目的を果たしたのですから、それで満足して城に帰ってもらうのが妥当だと考えます」

 

「そうね。わたしもあなたの意見に賛成だわ。ボーダー(わたしたち)には優先すべきことがあるんだから、いつまでもワスターレの王子様に関わっている時間はない。でもだからといってこんな森の中で子供を放置することもできないから、城まで送り届けてその際にボーダーは敵でも味方でもない旨を伝えておくべきだと思う。そうすれば復路で寄港した時にワスターレ側とのトラブルは避けられるでしょうから」

 

ツグミはリヌスからラウロが保護された時の状況を聞かされていた。

どうやら騎乗用トリオン兵に乗って接近していたようだが、そのトリオン兵の脚が罠に触れて爆発し、トリオン兵は四散してその爆発に巻き込まれたラウロの換装も解けてしまったらしいとのこと。

そうなると移動手段が問題だ。

そこでツグミは「こんな時もあろうかと」というわけではないが用意をしておいた秘密兵器を使用することにした。

修も同じことを考えていたようで、彼の方が先に口を開いた。

 

「霧科先輩、例のものを使いましょう。こういう時のために鬼怒田さんに作ってもらったんですから」

 

「そうね。だとするとここにいる人で操縦できるのが…」

 

ツグミがそう言うとリヌスが立候補した。

 

「私が殿下をお送りしましょう。いいですよね、ミクモ主任?」

 

「はい、もちろんです。リヌスさん、お願いします」

 

総合外交政策局長はツグミだがアウデーンス遠征の総指揮は修であるため、リヌスはあえて修に許可をもらったのだ。

 

「それならわたしも同行したいと思いますがいいですか?」

 

ツグミが修に訊く。

 

「はい…それはかまいませんが、大丈夫ですか?」

 

心配そうに訊く修にツグミははっきりと答えた。

 

「大丈夫よ。操縦訓練の時はギブアップしたけど、乗るだけなら目を瞑っていれば大丈夫だから」

 

「それならいいんですけど…。無理はしないでください」

 

「ありがとう。じゃあ、あなたは交代時間の時にここにいるメンバー以外の人に事情を説明しておいてちょうだい。情報共有は重要だからね」

 

「はい」

 

ツグミたちが話を進めている間、ラウロはじっとその会話を聞いているだけだった。

しかしただ聞いていただけではなくその会話の中から必要な情報を集め、ボーダー…玄界(ミデン)の人間がワスターレという国に対して敵でも味方でもない第三者の立場を貫こうとしていることを確信した。

 

(僕が王子だと知ればそれを利用しようとするものだが、こいつらにはそんな気配はない。先を急ぐ旅のようだが、僕を深夜の森の中に放置することなく無事に送り届けようという態度は立派だ。味方にすることができればクピドゥスとの戦争を優位な状態で終わらせることができるかもしれないが、そのせいで我が国の内政に干渉されても困るのだからこれでいいのかもしれない)

 

 

ラウロを城まで送り届ける手段として使用するのはボーダー初のトリオン兵、騎乗用トリオン兵「モールモッド・ライド」である。

これは既存のモールモッドの背面部に人間が3人まで乗ることができる座席を設置し、原付バイクと同じくハンドルだけで操作をするというものだ。

鬼怒田がアフトクラトルへ行った時にモールモッドを改良して耕運機のようなものを作ったのだが、他にも利用できないかと考えて出来上がったのがモールモッド・ライドで、近界(ネイバーフッド)の道の99.9パーセント以上が舗装されていないので車輪を用いた乗り物よりもモールモッドのような「脚」で移動するタイプの方が乗り心地は良い。

操作も両手だけでできる簡単なものであるから非常に便利なのだが、ツグミのように節足動物、つまりゴキブリを含む昆虫類が苦手な者には適していない。

そしていかにもトリオン兵といったフォルムなのでこの点を改善しなければ玄界(ミデン)では普及しないだろう。

ちなみに複数本の脚で移動するという点は優れているため、自衛隊やレスキュー隊などが災害現場で人命救助や復旧作業等を行うために使う重機としての転用を見据えて開発室ではその分野の専門家と試行錯誤を重ねているということである。

 

 

倉庫に保管してあった「卵」を()()()()てモールモッド・ライドを起動するリヌス。

座席は縦に3つ並んでいて一番後ろに荷物を積める大型のカゴが設置してある。

そして「目」の部分には大型のライトを付けたことで夜間でも前方を照らすことは可能だ。

動力源はトリオンだが電気でも動かすことができるので昼間で太陽が出ていればカゴの蓋の上のソーラーパネルで発電して動かすこともできる。

速度は最高時速が20キロほどだが王都まで約6キロしか離れていないので十分間に合うはずだ。

 

「さあ、お乗りください」

 

運転席に腰掛けたリヌスが手を差し出してツグミとラウロを座席に引き上げた。

そして修と麟児に見送られ、ツグミたち一行は月の明かりの中を王都へと向かうのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

虫嫌いのツグミがモールモッドに騎乗しているというのは彼女のことを良く知る者なら驚くことは間違いない。

彼女は戦闘員としてトリオン兵と戦うのが仕事だがモールモッドは苦手で、その反動か防衛任務等でモールモッドを相手にする時には親の仇とばかりに徹底的に殲滅しようとする。

それくらい大嫌いなモールモッドに乗っているのだから信じられない光景だ。

トリオン兵でもバムスターやバンダーなどは平気だし、近界(ネイバーフッド)でも馬型や牛型などのトリオン兵が日常生活で使用されているのでトリオン兵自体は問題ないのだが、モールモッド及びラッドという節足動物型のトリオン兵はダメである。

ひと月ほど前に開発室でモールモッドを改造して「モールモッド・ライド」を完成させると操縦希望者は訓練を行った。

総合外交政策局員は遊真と千佳 ── このふたりは身長が基準に満たないため操縦は不可だった ── 以外のメンバーは訓練を受けたのだが、ツグミは乗ることまではできたものの目を開けている以上はモールモッドの姿が目に入ってしまい、それが耐えられなくて目を瞑ってしまうのだ。

それでは操縦はできず、モールモッド・ライドの操縦は諦めた。

しかし目を瞑っていれば大丈夫なので、誰かが操縦するモールモッド・ライドに乗せてもらうことでこの問題は解決したという経緯がある。

今回もリヌスが操縦している間ずっとツグミは目を瞑っていて、自分自身に「これは遊園地のアトラクションである」との暗示をかけていた。

 

 

「王都の周囲はクピドゥスの軍に囲まれているというのに、誰にも見付からないで済んだのはすごいですね」

 

リヌスが操縦をしながらラウロに言う。

 

「城から秘密の地下道を使えば敵の包囲網をかいくぐることなど造作もない。もっとも包囲網といったところで穴だらけだから僕ひとりくらいなら容易に抜けられる。地下道を使ったのは家臣どもに見付からないようにするためだ。地下道は王族の人間しか知らないからな」

 

「ですが逆に殿下が城内にいないことが発覚すれば地下道を使ったことがバレバレになるのではありませんか?」

 

リヌスの問いにラウロは返事に詰まってしまった。

 

「まあ、城内で騒ぎになっていないなら何事もなかったかのように済ますことも可能でしょう。殿下の日頃の行いが正しいのならきっと大丈夫ですよ」

 

「…ああ、それなら問題はない。僕は常に正しいのだ」

 

(そう言い切ることができるとは…さすがに王族の一員だわ。ちょっと不安だけど、道を間違わなければ良い為政者になると思う。帰り道で寄ることができたらエウクラートンのツグミ・オーラクルとして面会を申し出てみようかな?)

 

リヌスとラウロの会話を聞いていたツグミはそんなことを考える余裕はあったようだ。

ボーダーの使者としてだと城戸の許可を得ていないので非公式な使節となるが、彼女が個人で会うならば問題はないと考えたのだ。

とはいえアウデーンスからの復路では拉致被害者市民をキューブ状にして運んでいるだろうから、一刻も早く三門市に帰還しなければならず時間的余裕はないはずであった。

 

 

そして1時間ほどして王都の約300メートル北方にある地下道の入口に到着した。

 

「殿下、お手をどうぞ」

 

リヌスは先に降りてからラウロに手を伸ばす。

しかしラウロはすぐに降りようとはせず、背後にいるツグミに訊いた。

 

「もし僕が玄界(ミデン)へ行きたいと言ったら連れて行ってくれるか?」

 

「まあ、藪から棒に何を言い出すかと思えば…。もちろん留学をご希望するのであれば歓迎いたしますよ。ですがクピドゥスとの戦争が終わらない限り無理そうですね」

 

「だよな…」

 

残念そうに言うものだから、ツグミは希望を持たせるために言う。

 

玄界(ミデン)の有名な物語の中にこういうセリフがあります。『明けない夜はない』というもので、辛いことや苦しいことが続くとがまるで出口が見えない迷路に入ってしまったかのように不安になりますよね? でも必ず朝は来ます。だからいつかは状況が良くなると信じて待つことが大事です」

 

ツグミはウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』における第4幕第3場でマルカムが最後に言う台詞とその意味をラウロに教えると、ラウロは顔を上げて言った。

 

「『明けない夜はない』か…。たしかにどんなに長いと感じた夜であっても必ず朝は来た。雨が降っても必ず止むし、冬がいくら厳しくとも春はやって来る。そうだな、希望を捨てない限り希望も僕たちを見捨てることはない。ありがとう、ツグミ。あと1年もすれば僕も15歳で成人となる。そうすれば父上も母上も留学を許してくれるだろう。それが楽しみとなった」

 

「え?」

 

ツグミはラウロの言葉を聞いて一瞬思考回路が止まった。

 

(今『あと1年もすれば僕も15歳で成人となる』って言ったわ。ということはつまり今は14歳ってこと。でもどう見ても8-9歳くらいなんだけど、この子が…いえ彼が嘘をつくはずがないんだから本当だってこと。…王子ですら食生活が十分ではないということで、それなら庶民階級はもっと厳しい状態になるってことになる。それが全部戦争のせいだというのなら、次期国王として彼が自ら行動したいと思うのも無理はないわね)

 

現実は厳しいものだが諦めないことは「力」であり、その力は「希望」を生む。

そう信じているツグミはラウロに言った。

 

「殿下、あなたの諦めない強い気持ちは必ずこの混迷の世界を打破することでしょう。今は小さな灯でもたくさんの国で同じような灯をわたしは見ています。いつかその小さな灯をひとつにまとめて未来を明るく照らす松明にしたいとわたしは考えています。その時が来たら一緒に戦ってくれますか?」

 

「もちろんだ」

 

ラウロはそう言ってモールモッド・ライドから飛び降りた。

 

「その代わりに僕が玄界(ミデン)へ行ったら美味しいものをたくさん食べさせてくれ。そう約束してくれるのなら望みは捨てない。必ずこの手でクピドゥスとの戦争を終わらせてやる」

 

「はい、お約束します。さあ、お城の人たちに見付からないうちにお帰りください」

 

「ああ。元気でいろよ、ツグミ」

 

そう言い残してラウロは地下道の入口のドアを開けて中へ入って行ったのだった。

 

 

 

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