ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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615話

 

 

拉致被害者市民が帰国するたびに帰国報告会を開催しており、初めのうちは三門市民の関心度は非常に高かったのだが回数を重ねるごとに観客席には空席が目立つようになっていた。

自分の家族や友人が帰って来たとなれば無関心ではいられないが、そうでなければ所詮「他人事」であるからわざわざ会場に足を運ぶようなことまではしない。

それに比例するように「こちらボーダー広報室」の視聴率も下降気味であった。

通常の放送分は嵐山隊が出演してボーダーの活動を紹介する内容なので、嵐山隊のファンという視聴者が一定数いるので視聴率もまあまあだ。

しかしそれが特番となって嵐山隊が出ないとなるとファンは見向きもしない。

本来の目的はボーダーの仕事を理解してもらって中高生を中心に入隊者を募るものなのだが、多くはアイドルが出演するバラエティ番組を楽しんでいるだけである。

おまけにボーダー側も新規隊員募集も積極的には行っておらず、むしろ武器ではなく生活に使用する道具としてのトリガーの開発に力を入れるようになったことで技術者(エンジニア)として働く人間を求めているくらいだ。

だから番組の視聴率低下で悩んでいたのは三門ケーブルテレビの関係者くらいで、誰もこの状況を打破する手段が見付からずにいた。

ところが今回の帰国報告会ではアウデーンスから国王がやって来て舞台上で挨拶をしたり、拉致被害者女性と婚約をしたことを発表したことで報告会の3日後に放映された「こちらボーダー広報室」の視聴率は一気に右肩上がりとなり、見損ねてしまった市民から再放送を希望する電話が数十件もあったというのだから再び三門市民の近界民(ネイバー)近界(ネイバーフッド)への関心が高まったといえよう。

アウデーンスという国は近界(ネイバーフッド)にあっても戦争のない平和な国で、拉致被害者市民のことを大事に扱ってくれただけでなく才能のある人間を宰相に採用したり、国王が自国の女性ではなく玄界(ミデン)の女性を王妃に選ぶという特別待遇があったことはこれまで登場した近界(ネイバーフッド)の国にはなかったことでインパクトは大きい。

一般人にとって拉致被害者とは金で買われた奴隷のようなもので、未開の土地で牛馬のように働かされていたというイメージがあるらしく、彼らが大事に扱われていたということは驚きであったようだ。

それがアウデーンスでは非常に良い待遇であったから、三門市には戻らずアウデーンスで生きようという気持ちになった拉致被害者たちの生の声を聞けば近界民(ネイバー)に対する印象も大きく変わるというもの。

彼らが住みたいと思える近界民(ネイバー)の国に興味を持つのは無理もない。

実際に帰国報告会の翌日の朝刊は全国紙・地方紙共にオルフェオの写真付きで大きく取り上げられており、再び世間の目が三門市とボーダーに向けられるようになった。

童話に出てくるプリンスさながら凛々しくて爽やかな印象のオルフェオという若き国王が王妃としてどんな女性を選んだのか気になるのはミーハーな連中だけではない。

アウデーンスにいた女性は8人でそのうち5人がアウデーンスへ戻ることになっていると発表したからその中にいると考えるのが自然で、三門市に残る3人は王妃候補者から外される。

当初は帰国するという意思を表明していた玲子はその3人のうちのひとりなので、彼女が結婚式までの半年間を三門市で暮らしていてもマスコミに追い回される心配はないだろう。

 

 

◆◆◆

 

 

一時帰国者が三門市を発つ日は7日であるため、それまでの短い間にやるべきことを済ませてしまわなければならない。

別に二度と三門市に戻らないというわけではないのだが、いろいろと始末してしまわなければならないことはある。

これまでもそうだったが近界(ネイバーフッド)で暮らすとなったからには三門市に住民票を残しておくことはできないから市役所で手続きをすることになり法的な面で彼らは三門市民ではなくなる。

しかしいつでも帰国して三門市で暮らすことができるように彼らのDNAや指紋などのデータを保存しておくことになった。

そうすれば姿かたちは変わったとしても科学的に本人だと証明できるわけだ。

いくら近界(ネイバーフッド)で暮らすとしても彼らが元三門市民であることは事実であるため、帰国した場合は以前と変わらず三門市民として受け入れるという「保証」としての措置である。

またしばらくの間は里帰りもままならないのだから、親戚の墓参りや友人との同窓会などもしたいだろうし、家族と小旅行に行きたいとも思うだろう。

アウデーンスで暮らすために必要なものを購入するために買い物に行きたい人もいる。

そういったことで一時帰国者は慌ただしい日々を過ごしていた。

 

一方、オルフェオは玄界(ミデン)のことを知りたいということで城戸と唐沢のふたりが本人の希望する場所に連れて行った。

彼が一番に視察したいと言ったのは学校で、特に小学校と中学校という義務教育の現場を自分の目で見て同様のものをアウデーンスにも設置したいと考えているのだ。

アウデーンスに限らずツグミたちが訪問したどの国でも教育が重要なことは理解していて、特に医療の知識や技術を高めることが最優先だと考えている為政者は多い。

玄界(ミデン)では身分の差がなく誰でも一定の年齢に達すると教育を受けることができ、最低でも9年間学校に通って勉強することによって日常生活で役立つ知識を得られる。

人口を増やすことは重要だが、それ以上に生活の質を上げることが大切だとなればすべての子供に教育を与えることが大人の義務であるとオルフェオも考えた。

そして実際に子供たちが学ぶ現場を見て、勉強を教えるだけでなく同世代の子供たちが交流している様子を見て彼の理想とする学校のイメージが湧いたようであった。

続いてオルフェオが行きたいと言った場所はスーパーマーケットで、現在の市場が露店であって雨の日には売る方も買う方も難儀していたから全天候型のショッピングセンターがあるとトールから聞かされていたので興味があったのだ。

3日間かけて公的な視察を済ませると最終日には玲子とのデートを楽しんだ。

ふたりの左薬指には揃いのデザインのプラチナの指輪が輝いている。

アウデーンスには婚約指輪という慣習はないから玲子が言い出したのだろう。

どこにでもいる幸せそうなカップルの姿だが、ふたりは変装をしているので周囲の人間からはオルフェオと玲子だとは気付かれずにふたりだけの時間を過ごすことができたのだった。

たった半年とはいえ離れ離れになるのだから若い恋人たちには大切な時間であったわけで、同時にオルフェオは玄界(ミデン)の人間はこれが誰にでも与えられている「自由」なのだと思い知らされることになった。

電車やバスなど公共交通機関で移動したり個人で所有する自動車を運転して目的地へ行くこと、そこで限度はあるが欲しいものを買うだけの経済的な余裕があって、いろいろな種類の料理を手軽に食べられるなどの余暇を楽しむ玄界(ミデン)の人間が羨ましいと感じ、そんな自由な生き方を捨ててアウデーンスの発展に寄与するために残ってくれるという20人の玄界(ミデン)の若者たちに感謝を言いたいオルフェオであった。

 

 

そしてオルフェオと19人の元三門市民はたくさんの思い出と玄界(ミデン)の物資 ── 嗜好品の菓子や酒、数百冊の古本とボードゲームなどの娯楽用品が多い ── と共にアウデーンスへと発ったのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

修が率いる遠征部隊と拉致被害者市民、そしてオルフェオが乗った遠征艇を見送ったツグミたちは彼らが戻るまでアウデーンスに滞在することになる。

理由はいくつかあって、そのうちのひとつはトリガー使いが一気に20人以上もいなくなってしまうとなれば国防に不安が生じてしまうため、ボーダーでも最強の部隊である玉狛第1と(ブラック)トリガー・風刃を持つ迅、そしてミリアムの(ブラック)トリガーを持っていると近界(ネイバーフッド)中に宣伝しまくったツグミの5人が残り、いざという時には戦闘員としてアウデーンスのために戦うのである。

しかしそれはまさしく万が一の場合であるから暇を持て余してしまう。

そこでアウデーンスのトリガー使いたちを相手に模擬戦を行うことにした。

といってもボーダー本部基地のように仮想戦闘訓練ができる施設はないためひとりずつ交代でやるしかない。

それでもアウデーンスのトリガー使いたちにとっては未知の武器(トリガー)を持つ相手と模擬戦をすることは貴重な体験で、レイジの全武装(フルアームズ)は彼らに大人気であった。

戦ってみてわかったことは近界民(ネイバー)のトリガー使いのトリオン量はボーダーの正隊員と比べると多いのだが、仮想訓練ができない訓練であるために戦闘レベルはB級中位が妥当だと言える。

さらに連携して戦うことはあっても基本的には個人での戦闘が多く、ボーダーのように部隊(チーム)を作ることはない。

簡易トリオン銃やトリオン製の剣を使う一般兵が多いため、主戦力はモールモッドのような戦闘用トリオン兵である。

ただしアウデーンスでは戦闘用だけではなく偵察用や捕獲用など戦争に使用するすべてのトリオン兵を廃棄し、そのトリオンで農作業用や乗用のトリオン兵を製造した。

戦闘に使わないのに「兵」と呼ぶのは違和感があるが、単なる道具としてのトリガーでもないためにそう呼んでいるだけである。

したがってもし他国が侵攻して来たとなれば少ないトリガー使いと一般兵で戦わなければならない。

もしアフトクラトルのような国が攻めて来たら一発で占領されてしまうだろう。

しかし侵攻目的がトリオンである以上は国民が殺されることはない。

トリオンを搾取される農場と化するだろうし、第三国との戦争において最前線で戦わされる兵士に動員されるだろう。

それでも国民の意思が「軍備を減らして、その分のトリオンを農業や日常生活に回してほしい」であるからオルフェオは軍事に使用するトリオンを最低限に留め、多くを農地に()()ことで作物の生産量が格段に上がって国民が飢えることはなくなった。

過去に(マザー)トリガーの不全による大飢饉があったから、誰もが十分に食べることができることが絶対の「幸福」と考えている。

だから万が一のことよりも優先するのは当然なのだ。

とはいえ国防を蔑ろにはできないので、オルフェオはエクトスからトリガー使いを29人も()()()のだった。

そして優秀なトリガー使い14人がアウデーンスに残ってくれると言うのだから、オルフェオは民意に沿う人道的な政治を行っていたという証であろう。

 

ツグミはアウデーンスに滞在していて得も言えぬ心地良さを感じていた。

出会う人々の顔には笑顔があって、玄界(ミデン)から来たと知ると好奇心旺盛な彼らは積極的に話しかけてくる。

ツグミも近界民(ネイバー)に限らず他者と交流することが好きなので、王都の市場や食堂などで彼らとおしゃべりをして一日を過ごしてしまうこともあった。

そんな彼女の様子をトゥーリオは好意的に見ていて、ボーダーと足並みを揃えて近界(ネイバーフッド)から戦争を減らしていくことが最も現実的であると判断した。

それに玄界(ミデン)のトリオンを使用しない文明を導入することは近界(ネイバーフッド)から争いの原因というべき「トリオン不足」を払拭できるわけで、積極的に仲良くしていく方が得であると考えるのは当然だ。

トリオンを使ってトリオン不足を補うなど愚の骨頂で、トリオンが足りなければ別のもので補填すればいい。

すでにキオンとアフトクラトルでは太陽光発電と風力発電によってトリオンで賄われていた暖房や照明などを電気へ転用している。

まだ大規模な発電施設はないので電気を使用できるのは王都とその周辺に限定されているが、トリオンを使用するよりも効率が良いことは証明された。

また「現実に存在する物質をトリオンによって再現できる」という近界民(ネイバー)のトリオン技術は可能性を無限大にしている。

かつて玄界(ミデン)から持って来た鉱石や宝石などをトリオンによって再現し、5人の王はサファイアやルビーといった石をそれぞれの王家のシンボルとしていた。

だから鉄やステンレスなどの材料とその原理がわかるものさえあれば近界(ネイバーフッド)での複製は可能だ。

当初は玄界(ミデン)から完成品を運び込まなければいけないと考えていたのだが、設計図とトリオンさえあれば近界民(ネイバー)技術者(エンジニア)が作成できるというのは非常に便利だ。

しかしトリオン量に限界があるため、ある程度の数を超えるとなれば玄界(ミデン)製の製品を輸入するしかないとのこと。

それに自然エネルギーによる発電によって電気を得ても使用できる電気機器がなければ発電しても意味はない。

現在トリオンで動かしている機械を電気で使用できるように改良するだけでなく、玄界(ミデン)で使用しているものを導入したいと考えている。

特に極寒の国のキオンで生まれ育ったテスタの一番のお気に入りは「コタツ」で、現在キオンの彼の私邸には畳敷の部屋があってその中心にコタツが置かれている。

コタツに入って鍋料理を食べるのが彼の一番の「癒し」らしく、コタツが快適であるゆえにその魔力から逃れられなくなるのは日本人であろうが近界民(ネイバー)であろうと関係はないらしい。

そうやってトリオンを使わない文明に馴染んでいくことでトリオンを使わずとも生きていけると体感できるようになれば、トリオンを使って戦うよりもボーダーと手を結んで玄界(ミデン)の文明の利器を得た方が効率良く国力を高めることができると理解する。

トゥーリオもオルフェオがボーダーと同盟を結ぶべきだと言い出した時に賛成していて、ツグミをアウデーンスに滞在させたのは詳しい話を聞くだけでなく自国に得となる条件で加入することができるよう交渉するために彼女を引き留めたのだった。

ツグミの方もオルフェオやトゥーリオが同盟加入を前提として交渉しようというのなら大歓迎で、本人も()()()()()()トゥーリオとの対話に臨んでいた。

その中でツグミは19歳の誕生日をアウデーンスで迎えることになり、レイジたちの手によってささやかなバースデーパーティーが開かれた。

これで彼女に残された時間は1年を切ったことになる。

 

 

◆◆◆

 

 

12月17日、修たちがアウデーンスへと戻って来た。

約ひと月ぶりの再会で、ツグミは修がまたひと回り成長したことに気が付いて嬉しくなった。

三門市での出来事は報告書にまとめられていて、その報告書も彼女が100点を与えるほどの完成度だ。

拉致被害者市民救出計画も5回目であり、ラグナ遠征の時からツグミは修にも報告書を書く練習をさせていた。

初めのうちはツグミの書いたものを真似て書いていたのだが、とうとう書式は変えず自分の言葉で正確かつ詳細に、そして読む相手に理解してもらいやすい文章を書くことができるようになっていた。

 

「…うん、良くわかったわ。三門市で何がどのようにあったのか時系列に沿ってわかりやすく書いてあるから、実際に見ていなくても想像ができる。やっぱりオサムくんにはこういう仕事の方が向いていたみたい。将来は総合外交政策局長としてバリバリ働いてくれるんだと思うとわたしも憂いなくエウクラートンへ行くことができるわ」

 

修の報告書を読み終えたツグミはそう言って微笑んだ。

それに反して修はあまり嬉しそうな顔ではない。

 

「本当にあと1年もしないうちに先輩はボーダーを辞めてしまうんですね?」

 

「今さら何を言うのよ。それはもうずっと前に決まっていて、あなただってそれを承知で頑張ってくれていたんじゃないの?」

 

「それはそうなんですけど…ぼくが玉狛支部に異動になってからずっと先輩がいることが当たり前になってしまっていて、子供の時からずっとボーダーにいた先輩が途中でいなくなるなんて想像もできないことなんで」

 

「誰だっていつかはボーダーを辞める時が来るわけで、それが他の人よりも少し早かったってだけ。それにわたしよりもレイジさんとキョウスケの方が先に辞めることになるわよ。少なくとも来年の3月末までにはボーダーを去るって言っていたもの。そうなると玉狛第1は解散だからコナミ先輩も身の振り方を考えていると思う。彼女ならしばらくは個人(ソロ)のA級でもやっていけるし、後輩の指導に力を入れたい上層部の発案の後進の教育担当部署で攻撃手(アタッカー)の訓練教官をやるって手もある。仮想訓練室ならトリオン器官の衰えによる戦闘可能時間が減少したことも気にならずに済むから、彼女でも攻撃手(アタッカー)を続けることは可能だもの。このまま実戦には出ることができないほどトリオン量が減ってしまうかもしれないけど、永遠に戦闘員を続けるってことは不可能なんだから仕方がないわね」

 

30歳を過ぎても「ノーマルトリガー最強の男」と呼ばれる忍田やアフトクラトルのヴィザ、キオンのサーヴァのような高齢のトリガー使いが特別な存在であり、20歳くらいを頂点として成長が止まって後は緩やかに衰えていくのがトリオン器官なのだから、現役の防衛隊員の誰にだって引退の時は必ず来る。

それが人によって早いか遅いかの違いがあるだけなのだ。

 

「これからのボーダーは戦闘員を育てることも必要だけど、それ以上にトリガーの技術を上手く生活の中に取り入れていくことが重要になる。だから隊員よりも技術者(エンジニア)の募集に力を入れるのは当然だわ。希望者がいてもその人がトリガーを平和利用してくれる人物でなきゃダメだし、トリガーの管理も厳重にして悪用されない監視体制も整えなきゃいけない。これからはトリガー使いとしての能力よりもそっちの能力に長けた人を集めて組織を運営していくようになる。オサムくんはその中心人物としてボーダーを引っ張って行く立場になるんだから、去って行く人間のことを惜しんだり哀しんだりしている暇はないわよ」

 

「…それはわかってはいるんですけど、やっぱり寂しいものは寂しいです」

 

「う~ん…わたしだってボーダーは続けたいし三門市でみんなと暮らしたいけど、ここでエウクラートンを見放したらそれこそ後悔する。それに次の女王が決まればわたしはお役御免となって三門市に戻って来ることができる。たぶん10年くらいは余裕でかかると思うけど、わたしはエウクラートンに骨を埋める気はない。わたしの故郷は三門市だもの」

 

「……」

 

「それにわたしの構想が実現すれば女王になるわたしはダメでもオサムくんたちは近界(ネイバーフッド)玄界(ミデン)を自由に行き来できるようになる。同盟国間であれば今の地球の海外旅行みたいな感覚で行くことができるとなれば寂しいってことはないはずよ。オサムくんが仕事でエウクラートンに来たらわたしが国を挙げて歓迎するから楽しみにしていてね」

 

「…はい」

 

「別れの日が来てそれが永遠の別れになるかもしれないけど、ならない未来を創ることはできる。わたしは必ず三門市に帰るという未来を自分の手で掴んで見せるわよ!」

 

ツグミが拳を握りしめて力強く言うと、修も少し元気をもらえたようで顔に笑みが浮かんだ。

 

「先輩は何年経ってもぼくの知っている先輩のままですね。だったら10年経とうが20年経とうが必ず帰って来てくれると信じられます」

 

「そう言ってくれると嬉しいけど、20年も経たないうちに帰って来たいわ。20年も経ったら40歳になって完全にオバチャン世代だもの。若いうちにしたいことがいっぱいあるんだから、もっと早く帰って来るわよ」

 

「やっぱり先輩は先輩ですね。ハハハ…」

 

修はそう言って笑うのだった。

 

 

 

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