ワールドトリガー ~ I will fight for you ~   作:ルーチェ

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628話

 

 

総合外交政策局の執務室を修たち拉致被害者市民救出計画班に譲ったことで、ツグミは本部基地内の会議室の中で最も小さい部屋を仮執務室として使用させてもらっている。

現在の彼女の仕事は近界民(ネイバー)の脅威から三門市民を守るというボーダーの使命とは直接関係ない上に事情が事情だけに身内にすら秘密にして行動しているものだから、彼女の行動は他人の目には何をやっているのかわからない。

しかし彼女が旧ボーダー時代から築き上げた「信頼」が彼女の怪しい行動でも正当化してしまうため、今回も事情を知らない隊員や職員からは拉致被害者市民救出計画の別動隊として働いているとか、新しい同盟国を迎えるための交渉で飛び回っているなどと勘違いをしているようだ。

そういう場合は勝手に勘違いをさせておいた方がいい。

第一次近界民(ネイバー)侵攻の加害者であるエクトスが新たな脅威になりつつあるなどと知られたらボーダー内にも激震が走るだろう。

特にエクトスを仇だと恨んでいる隊員たちは多く、彼らの心の安寧のためにもこの国に関わることであれば秘密にしておくべきなのだ。

 

 

会議室のドアのプレートを「空き」から「使用中」に変更し、内側から鍵をかけるとツグミはジュニアを呼び出した。

 

〔ツグミ、ようやく手に入れたようだな〕

 

「ええ。だからあなたに協力してもらうために出てきてもらったのよ。さあ、始めましょ」

 

ツグミは机の上にキオンの「箱」に入っていた製造方法の前編、トロポイの「箱」に入っていた製造方法の中編、エウクラートンの「箱」に入っていた歴史について書かれた記録という3種の「書面」を並べて置いた。

書面といってもその材質はアルミニウムかステンレスに類似する金属の極薄の板のようなもので、そこに細かく見たこともない文字で刻まれているもの。

そのうちの「歴史書」を指さして言う。

 

「たぶんこの文字はかつて玄界(ミデン)でトリオンの文明を築き上げて繁栄した国のもので、彼らが近界(ネイバーフッド)へ渡ってしまったために文字だけでなくトリオン文明も玄界(ミデン)から完全に消えてしまったというわたしの仮説を解くカギになると思う。それであなたなら解読できるんじゃないかって思って。見てちょうだい」

 

ジュニアは謎のプレートの上に移動すると測定索の先で文字をなぞる。

 

〔現在は使われていない古代文字なので少々時間はかかるが解読は可能だ〕

 

「どれくらいかかりそう?」

 

〔まだわからない。しかしトリュスの作った()()()()に接続すれば時間はかなり短縮できる〕

 

「そっか、技術大国トロポイの最高位の技術者(エンジニア)のトリュスさん謹製の()()があればあなたの力をパワーアップしてくれるんだっけ。今すぐに用意するわね」

 

「例のもの」とか「アレ」というのはジュニアの能力を数倍に引き上げる秘密兵器で、ノートPCのような形状で開くとキーボードのテンキーある位置にジュニアを接続する場所があり、モニター画面にはジュニアが解析したデータが映し出されるようになっている。

動力はトリオンのため文字キーのある場所に手のひらを載せる仕様になっていて、ツグミはそこに手を載せて起動する。

彼女は手を載せておくだけで後は全部ジュニアがやってくれるので結果が出るのを待つだけだ。

 

ジュニアの測定索がプレートの文字の上をなぞると、ところどころが青白く光りを放つ。

それとほぼ同時にモニター上に該当する文字の現代語訳が表示され、時間が経つにつれて表示される文字がどんどん増えていった。

ジュニアによると文法は現在のものと変わらないが使われている単語がだいぶ違うらしい。

名詞や動詞などが異なるため、似たような単語を当てはめて前後の文章が矛盾せずに成立するかをひとつひとつ試しているようだ。

これを人間がやろうとすれば膨大な時間と手間がかかるだろうが、自律トリオン兵(ジュニア)が超高性能のコンピューターのようなものだから作業はお任せでいい。

しかしトリオン消費が大きいので手を載せているだけで何もしていないのに疲労感を覚えてしまう。

 

〔ツグミ、少し休憩しよう。私は何の問題もないが、ツグミは生身の身体を休ませる必要がある。ここで無理をしても良いことはない〕

 

ジュニアにそう言われてはツグミも従うしかない。

「大丈夫」だと言ったところでそうではないことはバレバレなのだから。

それに作業を始めてからすでに3時間も経っており、その間ずっと水さえ口にしていなかったのだから休憩すべきだ。

 

「わかった。…あ、とっくにお昼を過ぎているじゃないの。全然気付かなかった。じゃあ、売店に行って何か買って来るわね」

 

そう言い残してツグミは会議室を出ると外から鍵をかけ、30分ほどするとサンドウィッチとペットボトル入りのミルクティーを買って戻って来た。

 

「お待たせ~。今日は土曜日でB級ランク戦の開催日だからロビーが混雑していたわ。売店も混んでいてレジに長い行列ができていたから遅くなっちゃった。このサンドウィッチだって最後のひとつだったんだから」

 

ツグミは椅子に腰掛けると袋からハムサンドを取り出してジュニアに見せて言う。

 

〔ハムサンドか…。しかしサンドウィッチだけでは栄養バランスが偏るぞ〕

 

「こんなことをするのはお昼ご飯だけよ。朝と夜はちゃんと栄養バランスを考えた料理を手作りしているじゃないの。あなたに食べさせてあげられないのは残念だわ」

 

〔ジンやリヌスたちはツグミの料理を美味いと言っていた。私には美味いという感覚はわからないが、彼らを見ていればそれが人を幸せにする効果があるということはわかる。近界民(ネイバー)にとって一部の貴族たちは金をかけて豪華な食事をするが、大多数の庶民階級の人間にとっては食事とは生命維持の手段でしかない。だから味など二の次で、腹を満たすことができれば十分だと考えている者も多い。それに栄養価という概念すら知らない人間ばかりだ。玄界(ミデン)の人間は食事ひとつとってもいろいろ考えられていて、バランスのとれた食生活が健康への第一歩だとして気を付ける。それは十分に腹を満たすだけの食材があり、料理の味を高める調味料があり、そして食事を楽しもうとする考え方があるからだ。近界民(ネイバー)には物質的な援助よりも人がより良く生きるための啓蒙活動が必要だ〕

 

「啓蒙? 啓発ではなくって?」

 

〔ああ、啓蒙だ。両者はどちらも教え導くことを意味しているが、意味合いが微妙に違う〕

 

「それは知っているわよ。啓蒙というのは目上の人から目下の人に対して使う言葉で、啓発とは誰に対しても使える言葉という違いがあって、どちらかというと啓蒙というのはマイナスイメージがある。啓蒙だと玄界(ミデン)の人間が近界民(ネイバー)のことを見下しているってカンジになるじゃないの」

 

〔そうではないのか? 見下しているという言い方には語弊があるが、近界民(ネイバー)は元々玄界(ミデン)の人間であったというのに愚かな行為で故郷を去ることになり、その反省を活かすことができずに近界(ネイバーフッド)のあちらこちらで戦争を続けている〕

 

「こちら側の世界でも戦争は絶えないわよ。…まあ、トリオン関連の技術に限っては近界民(ネイバー)に軍配が上がるけど、それ以外のことは玄界(ミデン)の圧勝であることは確かね」

 

〔…そうか。本来トリオンは生活に必要なエネルギーとして使用したり便利な道具を作ることにある。ところがそれを戦争の道具として発展させてしまった。より良い生活を望むために使うべきものを愚かな戦争につぎ込み過ぎたせいで生活が疲弊して人口も増えない。おまけにトリオン体で戦う場合が多いから戦争で人が死ぬことはあまりない。それに比べて玄界(ミデン)の戦争では生身の人間の戦いだから大勢死者が出る。だからこそ話し合いなどの手段で戦争を回避しようとするのだが、近界民(ネイバー)にはそれがない〕

 

「それはそうだけど、だからって近界民(ネイバー)玄界(ミデン)の人間よりも劣っているということにはならないわよ。どちらの世界の人間も元は同じで、だからこそ別々の文化を築き上げた両者が手を結んで良い部分は伸ばし、悪い部分を改善しようと努力すべきなんじゃないかな。そのためにもボーダーが玄界(ミデン)側の窓口となって近界民(ネイバー)と良い関係を築き、両者にとって得になる道を模索するという今の流れは間違ってはいないと思う。そしてこのプレートの文書を解読することはそのためにも役立つはずだわ。これはわたしにしかできないことで、他の誰にも任せられないこと。だからあなたも手伝ってちょうだいね、ジュニア」

 

〔了解した。ツグミの意思も確認できたことだし、食事を終えたらまずはエウクラートンのプレートに記録されていた文書について説明しよう〕

 

ジュニアの言葉にツグミが大きく反応した。

 

「えっ? それってもう解読できたってこと!?」

 

〔そうだ。トロポイとキオンの文書はまだだがな。しかしエウクラートンの文書、つまり5人の王たちはなぜ異世界へ渡らなければならなかったのか、そして近界(ネイバーフッド)が現在のような()()になった理由などは判明した〕

 

「すごい! こんな短時間であの長い文書を解読できたなんて、さすがはトロポイの自律トリオン兵ね。わかった、すぐに食べちゃうから待ってて」

 

〔私は逃げも隠れもしない。急いだところで結果は変わらないのだから、食事はゆっくりとしなさい〕

 

「は~い」

 

ジュニアに窘められて、ツグミはゆっくりと遅めのランチを取った。

 

 

 

 

〔この文書には5人の王とその一族が玄界(ミデン)を離れ、後に近界(ネイバーフッド)と呼ばれる異世界へ渡ることになった理由が記されていた。事の始まりは今から約1万年前に遡る〕

 

ジュニアはそう前置きをしてから長い話を始めた。

 

玄界(ミデン)とは「無の空間」に浮かぶ非常に巨大でほぼ球形の()であった。

その星には表面の約6割を覆う広大な海の上にいくつかの大陸があり、一番広い海のほぼ中央に「マニュス」と呼ばれる島国があった。

島国といってもかなり大きな国で、人口は当時で1000万人を超える世界でも類を見ないほど栄華な文明を誇ったとされている。

マニュスの民はトリオンの存在を()()()()知っており、それを抽出して利用する方法を持っていたので他国にはない独自の文明を築き上げたのだが、同族以外の人間にこの情報が洩れることを恐れて他国との交流は一切なかった。

食料の調達等すべてがマニュス国内で完結することができたので、その必要もなかったのだ。

しかしある時に巨大な地震と津波、さらに火山の噴火によって国土の半分が失われ、同時に人口は5分の1にまで減少してしまった。

それは首都とその周辺という人口が多く集まっていた地域が水没してしまったためで200万人弱の国民は途方に暮れてしまったのだが、そこで5人の兄弟が立ち上がり混乱していた国を平定する。

その兄弟というのが後の「5人の王」で、彼らは人口減によるトリオン不足を補うために別のものからエネルギーを得る研究を始めた。

そこで発見したのがユゥアレェィニィアム、つまりウランだ。

ウランに核分裂を起こさせることで膨大なエネルギーを取り出すことに成功した。

ただしユゥアレェィニィアムはマニュスでは埋蔵量がごく少量であったため、その価値を知らない他国 ── メスキナへ赴いて採掘することにしたのだが、そのためには相手を懐柔するか制圧するかのどちらかを選ばなければならず、前者を選んだのは当時まだマニュスの民は争いを好まない温厚な人種であったからであろう。

当時でも「金」は価値があり、トリオンで金を再現することで増産し、メスキナにその金を渡してユゥアレェィニィアムの採掘権を買っていた。

マニュスの民以外の人間にはユゥアレェィニィアムの価値がわからなかったため、メスキナの民にとってはなぜそんなものを欲しがるのか疑問に思っていたはずだ。

それから数年後、マニュスの民の口からユゥアレェィニィアムが非常に価値のあるものだという情報が洩れたことでメスキナの民は欲に駆られてマニュスの民からユゥアレェィニィアムの使用方法を教えるよう迫った。

ここで教えてしまえばメスキナがユゥアレェィニィアムを独占してしまい、マニュスはユゥアレェィニィアムを手に入れられなくなるということで、とうとう5人の王はユゥアレェィニィアムを使った兵器の開発をし、それをメスキナに向けて使用してしまう。

その「結果」は5人の王にとっても想定外のものであったようで、メスキナの国土と民だけでなくユゥアレェィニィアムの鉱山もすべて引き飛ばしてしまったのだった。

そしてその天罰が下ったのか再びマニュスには巨大地震が襲いかかり、豊かな国土はすべて水没し、民はわずか数百人にまで減少してしまったので5人の王と共に西方にある小さな島国へと逃れた。

その島国には文明と呼べるようなものはまったくない素朴な民が平和に暮らしており、東方から見知らぬ乗り物に乗ってやって来た異邦人を快く受け入れてくれた。

国に名前すらない未開の土地であったので、5人の王の長兄であったキオンが「トリア」と名付けた。

 

〔このトリアという国にたどり着いたのは5人の王とわずか387人の民であったらしい。この国は温暖で暮らしやすいことからマニュスの民はここで十数年の間住んでいた。その間に現地の人間との混血が生まれ、かつてのマニュスのような文明はないものの穏やかで平和な日々を過ごしていったようだ。しかしそれは現代人が石器時代に放り込まれたようなもので、あらゆる面で不便であったためにかつてのトリオンを湯水のように使っていた頃を懐かしく思うようになっていったのは当然かもしれない〕

 

ジュニアの言葉にツグミは頷いた。

実際に拉致被害者市民から近界(ネイバーフッド)での暮らしについて質問をすると必ず玄界(ミデン)での便利な暮らしが懐かしかったと答えた。

庶民の家庭であっても夜になれば明るい照明の下で温かい料理を食べることができるし、風呂も毎日入ろうと思えば入ることが可能で、スイッチひとつでお湯が溜まるシステムもある。

トイレにはトイレットペーパーだけでなくウォシュレットがあって清潔だし、夜中にお腹が空いても24時間営業しているコンビニへ行けばいい。

そういう便利な生活に慣れてしまったとなると、不便な暮らしはストレスの原因となってしまう。

しかし再びトリオンに依存する生活を始めるとなると同じ過ちを繰り返してしまう可能性もあるとの声も上がった。

そこで5人の王はどうするべきか話し合うことにした。

 

〔彼らの住んでいた土地の北の方にトリアの民が神聖視している場所があったらしい。そこは定期的に『穴』が開き、そこを抜けると楽園へ至るいう言い伝えがあって、何人かの人間が試しに入ってみたという。ただし誰ひとりとして帰っては来なかったそうだ。その『穴』とは異世界へ続く(ゲート)だった。なぜそこに(ゲート)が開くのかは不明だが、その先にある世界に惹かれた者たちは今の平穏な暮らしを捨ててでも新天地へと向かおうとしたようだ〕

 

「楽園へ至るというのは(ゲート)の向こう側に行った人が帰って来なかったから、帰りたくなくなるほど素晴らしい場所なのだと考えたのかしら? でもそれが(ゲート)であったなら近界(ネイバーフッド)へ渡ったのではなく死んでしまったからでしょうね。生身の状態で遠征艇も使わずに向こう側へは行けないもの」

 

〔ああ。それでもマニュスの民は(ゲート)の向こう側へと旅立った。それは彼らが使用していた艇が現代の我々が使っているものと同じものであって、近界(ネイバーフッド)の空間に耐えることができたからだ。たぶん核の破壊力にも耐えうるものだったので近界(ネイバーフッド)の空間をも航行できると判断したのだろう。そして新天地が祖国となる場所ではなかったのなら玄界(ミデン)に帰ってくればいいという考えで旅立ったにちがいない〕

 

「そして彼らは近界(ネイバーフッド)に新しい故郷を創り上げたのね。以前にキオンのライサ女王陛下から聞いた話だと、5人の王とその妃、そして500人の民は足を下すことのできる大地を欲して一番にキオンの大地を創造した。(マザー)トリガーとなったのはキオン王の妃だった女性で、彼女の犠牲があって長旅で疲れた民は地に足を下すことができた。しかし王は5人いてそれぞれが治める国を創るべきだとして残り4人の妃が同様に(マザー)トリガーとなり、民はそれぞれ100人ずつ分かれてキオンの他にエウクラートン、トロポイ、リコフォス、エクトスの5つの国ができたんだって。国の名前はそれぞれ初代の王の名前をそのまま使ったみたいね」

 

〔ああ。その500人の民とはマニュスの民だけではなく、トリアの民や彼らと婚姻して生まれた子供たちも含まれている。そして次男のエウクラートンは玄界(ミデン)に残りたかったらしい。というのも彼の妃となったのはトリアの女性で、彼女は環境の変化に耐えられるかどうかわからないほど繊細でデリケートな女性だと思われていたからな。しかし実際には本人が夫と一緒ならどこへでも行くと言ったほど逞しい人物だったようで、夫と民のためなら犠牲も厭わないと自ら(マザー)トリガーに志願したと書かれている。そして5つの国に分かれる際に例の『箱』と『鍵』が生まれた〕

 

5人の王は自分たちが作った核兵器を玄界(ミデン)に残しておくことはできないと考えて近界(ネイバーフッド)へ持ち込んで「処分」をしようと考えた。

かつて進んだ文明で繁栄したマニュスは国土が海の中に沈み跡形もないし、民はわずかな数を残して滅びてしまった。

そのわずかな民もほぼ全員が近界(ネイバーフッド)へ渡ったことで、玄界(ミデン)にマニュスという国があったことすら記録にないのだから核兵器というものも存在しないものとなった。

もっとも長い時を経て同じものが作製されて何万という無辜の民が犠牲になるのだが、当時の5人の王にはそんなこと想像もできなかたのだろう。

そんな危険なものなのだからこの世界から消滅させてしまえば簡単なことだというのにあえて5つの国で「管理」することにした。

それが5つの「箱」と「鍵」で、愚かな過去をなかったことにせず王の子孫がその事実を忘れずに伝えることを「義務」としたのだった。

ユゥアレェィニィアムがなければ作れないのだし、そもそも製造方法がわからないのであれば原材料があっても意味はない。

製造方法も3つに分けることで単独では作製できない。

もし再び核兵器を必要とする事態が訪れたとしたら、5つの国がすべて同意しなければならないわけで、この方法が最善であるということになった。

「箱」と「鍵」の組み合わせもバラバラなので、自国の「箱」も開けることができないという念の入りようだ。

さらに自国の「箱」の中身は知っていても他の4ヶ国のどの国に何があるのかはわからない。

そして誰かが()()する意思を持たなければこの「禁忌」に手を出そうとする者はいないはず…だった。

 

 

 

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