今回は向日葵をテーマにしてみました
他にもいくつか花言葉はあるが、これだけ知っていれば大丈夫だろう。だが、向日葵の花言葉の一つである憧れはまだいい。問題はもう一つある花言葉だ。
あなただけを見つめる、俺からしたら恐ろしい言葉に聞こえてしまう。理由は想いを伝えるまで見つめるとかずっと見ているぞって聞こえてしまって怖いと思えてしまう。
「向日葵の花言葉にそんな意味があるって、なんか怖いね」
「あたしはそんなこと知らなかったよ。華道をやってる時もそこまで考えてる余裕はなかったな」
蘭とつぐみが向日葵の花言葉について話している。意味は聞いたことはなかったが、二人が話をしていたことで今知った。憧れだったら、巴の妹であるあこが該当する。
あこは巴に憧れているところが結構ある、そうなると憧れといえばあこしかいないだろう。これはあくまで個人的な意見だけどな。
「ねえ結月」
「何?」
「最近ひまりとはどんな感じなの?」
ちょっと待て、いきなりそれ聞くのか!?さすがに七夕で手を繋いで心の中で願い事言ってたなんて言えない。蘭からロマンチストとか言われたくない。
俺は髪フェチだけでなく、最近ロマンチストに目覚めてしまったような気がしている。あの七夕でのことをひまりがどう思っているかはわからない。もし引かれてたらショックで立ち直れない。
「ま、まぁいい感じだぞ……?」
「なんで疑問形になってんの?」
「結月君、怪しいよ。なんか隠してるでしょ?」
つぐみに怪しまれてる。まさかつぐってるのか!?とにかく隠さないといけない!
「何もないよ、ひまりとはいい感じだから問題はないよ」
「……本当に?」
「本当だ!蘭、つぐみ、俺が隠してるように見えるか?」
俺はこれ以上聞かれないようにするために必死に隠した。あんなこと聞かれたら俺の命がない。どう出るんだ?
「わかった、ここは結月を信じようかな」
「私も蘭ちゃんに賛成。結月君、もし隠してることがあったらちゃんと言ってね。いつでも相談に乗るから!」
「わ、わかった。ありがと蘭、つぐみ」
なんとか隠せた。今回はなんとかなったが、次隠し通せるのは無理かもな。バレるのは時間の問題かもしれない。
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「はぁ……」
「どしたのひーちゃん?溜め息吐いてると幸せが逃げちゃうよー?」
「ひまり、なんか悩みあるのか?相談に乗るぞ?」
私は溜め息を吐いてしまった。昨日結月と向日葵の花言葉で話をしていたことが原因だ。花言葉のあなただけを見つめる、この花言葉が怖いと結月は言った。
なんで怖いのかを聞いてみたが、なんとなくかなと言った。なんとなくって理由になってないような気がする。
「実はね……」
私は巴とモカに向日葵の花言葉のことを話した。
「なるほどねー」
「まぁ憧れだったらあこだよなぁ。でも、もう一つはちょっと……」
巴が引いてる、モカはどうだろう?聞いてみようかな。
「ねえモカ」
「なーにー?」
「モカは向日葵の花言葉どう思う?」
「そうだねぇ……」
モカはどう答えるんだろう。モカなら何かいいことを言ってくれるかもしれない。私はモカの言うことを期待をしながら巴と待つことにした。
「ヤバイかな」
「ヤバイ?」
「何がヤバイんだ?」
巴も気になってるみたい。でも何がヤバイのかな?モカなら予想外なことを言うに違いない。どんなことを言うんだろう……。
「何だろう……。あなただけを見つめるってさぁ、あたし的には束縛してるとか常に側にいるよとかそんな感じがしたんだよねー」
「なるほど、モカが言うと説得力あるね。なんか凄い」
「こればっかりは納得するしかないな」
モカって凄いこと言うなぁ。こんなにゆるーい感じなのに、こんなことを言えるのが凄い。巴も待てモカの意見を聞いたせいか引いてる。
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俺は久々にパッチワークの作業をすることにした。といっても作業場は自分の部屋ではなく、ひまりの部屋でやることにした。たまにはひまりの家でやるのもいいかなと思ったからだ。
「今度は何作ってるの?」
「今回はキルトの飾りかな。今までポーチとかスマホのケースとか作ってたから、今度は飾りに挑戦してみようかなって思ってな」
「へぇ、結月って何でもできるよね」
何でもだなんて、それは言い過ぎだと思う。俺にだって出来ないことはある。楽器やパッチワークは趣味だが、料理に関しては出来るようにしておきたかった。ひまりの隣に立つにはそれぐらいのことは出来るようにして方がいい。
「そんなことはないよ。ひまりだってお菓子作れるだろ?俺なはお菓子が作れるひまりが羨ましいよ」
「そうかな?結月だって主夫みたいじゃん。私は料理下手だから、料理できる結月が羨ましいよ!」
羨ましいか、ひまりにここまで言われるなんてここまで努力してよかったと思ってしまう。出来るようにした甲斐があったな。
俺はひまりと話をしながら作業を進めた。そういえば、最近買ったミシンを使ってないな。何を作ろうか迷う。何にしようか……。
「結月ミシン買ったよね、何か作るの?」
「何を作ろうかに迷っててな。ひまりならどうする?」
「私に聞かれてもなぁ。うーん……」
「今決まらないなら二人で何を作ろうか決めないか?」
自分で決められないのなら二人で話し合って決める、この方がいいかもしれない。ひまりとならいい物を作れそうだ。
しかし、キルトって難しいな。今度先輩辺りに聞いてみようか。部活の時にキルトを見せてどうしたらいいか聞くしかないな。
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結月は作業を終えて私の膝を枕にして眠っていた。相当お疲れのようだ。寝顔が可愛い、気持ち良さそうに寝てるなぁ。
「結月、今だけど言うね。寝てるから聞いていないだろうけど、私ね結月のこと好きだよ」
聞こえていないかもしれない。でも私は何度でも言う。想いが届くまで告げよう、私は結月だけを見つめる。いや、結月しか見えないのかもしれない。
今の私は向日葵の花言葉と同じようなものだ。あなただけを見つめる、まさにその言葉に尽きる。
「ひまり……」
「っ!?な、なに?」
「……」
反応がない、寝言か。さっき私が言ったこと聞こえてないよね?多分、聞こえてないはず!聞こえてたら恥ずかしくて死にそうだよ。
今の私は恋する乙女だ。結月はあの時の約束覚えてくれてるかな?もし覚えてくれてたら凄く嬉しい。結月のことを好きになってよかったって思えるし、想い続けてきた私の想いが報われる。
私は左手で結月の髪を撫でた。相変わらず触り心地のいい髪だ。撫でた途端に気持ち良さそうな表情になった。結月は私の髪が好きだって言ってくれたけど、私も結月の髪が好きだ。
「やっぱり結月って女の子の顔だなぁ。でもそこがいいんだけどね」
この態勢だと結月が弟のように見える。私が姉だなんて、滅多にないことだ。私にも姉はいる。お姉ちゃんは大学に通ってて今は一人暮らしだ。結月と付き合うことになったら色々と聞かれるかもしれない。
とにかく結月に想いを伝えないといけない。来月の夏、八月の夏祭りに想いを届けよう。だから……。
――待っててね結月。好きだって言うまでどこにも行かないでね!
向日葵の花言葉のあなただけを見つめるって愛が重いよね