今回は多分砂糖吐くかもしれないです
ブラック念のためおすすめです
教室は今は静かになっていた。授業中だからまあ当然か。今受けてる授業が世界史で、日本史とは違ってこっちは外国での歴史が中心だから単語も豊富、覚えることも増えて来る。
俺のクラスは1-A、蘭と同じクラスだ。俺とひまりがクラスが違うというのが本当にショックだ。クラスを自分で決められたらひまり達と同じクラスにしたかった。まあ、そんなに都合よく決められないよな。それなら仕方ないか。
蘭も前は授業サボってたけど、最近は授業に出るようになった。でも成績は微妙だ。ひまり共々心配としか言い様がないが、試験が迫ってきたら勉強会やらないとヤバそうかもしれない。
それにしてもひまりは大丈夫だろうか……。
学校行ってる時にひまりの顔を見たら彼女は眠そうな表情をしていた。眠そうにしているところを隠すのに必死になっていたが、蘭達には隠すことはできたようだ。だが、俺にはわかるんだ。
自分で言うのもなんだが、俺はひまり一筋だ。あいつの考えてることはわかるし、好きなものだってわかる。なんかこれじゃストーカーみたいだな。幼馴染みがストーカーっていうのは洒落にならない。
チャイムの音が鳴った。もう昼になるのか、早いな。
「今日やったところの復習忘れないように。では号令お願いします」
起立、礼、ありがとうございました。午前の授業が終了した。
さて、ひまり達を迎えに行こう。早くお昼にしないと……。
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風が気持ちいい。外は心が晴れているかのように快晴で、屋上でお昼にするには打ってつけだ。季節が春だからか、外は暖かい。
「ひまり大丈夫か?眠そうだけど……」
「大丈夫だよ!このくらいどうってことないって」
いや、もう隠し切れてないぞ。暖かいせいかひまりは完全に眠そうな顔をしていた。今はつぐみが来るのを待っている。蘭やモカ、巴もすでにいるが、なんか視線を感じるな。気のせいではなさそうだ。
「あんた達って夫婦なの?見せつけてるの?」
「お、落ち着けよ蘭!」
「おーおー、二人共アツアツですなあ」
蘭が半ギレ気味になってる。しょうがないだろ、ひまりにいつ告白するかを全く考えてないし、ひまりが俺のことをどう想っているのかもわからない。こんな状態じゃ想いを知るどころか関係が破綻しておしまいってなる。
そうなったら俺の努力は全部水の泡になる。もし俺とひまりが恋人になれなかったら俺は死んでやろうって思っている。俺はそれほどまでに本気なんだ。
――ひまりの幸せのためならどんなこともすると決めているから。
「みんなお待たせ、遅くなってごめんね!」
「大丈夫だよつぐみ。あたし達も今来たところだから」
つぐみがようやく来た。どうやら生徒会の用事で遅くなったとのことだ。俺はひまりの分の弁当も作ったから上手くできているかは毎回不安に感じている。何故ひまりの分も作っているのかというと、ひまりは料理ができないからだ。
ひまりは料理はできないが、お菓子作りは上手い、俺よりも上手だ。それだけ負けているのは俺からしたら悔しいし、たまにどっちが上手くできるかを競って蘭達に審査をしてもらう時もある。結果はほとんど引き分けだ。
「ひまり、食べ終わって二人きりになったら膝枕してやるよ」
「いいの?」
「いいよ。眠そうにしてるひまりは放っておけないから」
さすがにひまりをこれ以上放っておけない。眠そうにしているところは見てて辛いし、放課後は練習もあるから支障が出るとマズいからな。練習終わったらスイーツを買ってあげないと。
「結月、ひまり話聞こえてるよ」
「えっ、嘘!?」
「聞こえてたのか!?」
俺とひまりは蘭に話が聞こえていたことを言われ、顔を赤くしてしまった。うわあ恥ずかしい、聞こえない程度に話してたんだけど、聞こえたなんて……。
「お前らもう付き合っちまえよ」
「そうだそうだー」
「こればっかりは私も同感だよ」
あのつぐみでさえも同感していた。モカは便乗気味に言ってるし、巴も呆れていた。だからいつ告白しようかに迷ってるんだよ!
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お昼を済ませた後、蘭達は「あとは二人で過ちを起こさない程度にごゆっくり」と言って教室へ戻っていった。過ちって何!?私にそこまでの勇気はないよ!
「ひまりどうだ寝心地は?」
「いい……感じだよ?」
「何故疑問形なんだ」
疑問形って言われても自然とそうなっちゃったからしょうがないよ。今結月に膝枕してもらってるけど、今にも寝そうだ。結月ともっと話をしたいけど、眠いや。
「ひまり、時間になったら起こすから寝てていいぞ」
「大丈夫?結月も少し眠そうだけど」
「バレたか。ひまりにはわかっちゃうんだな」
「私だって結月のことはお見通しだよ」
自分で言ってて恥ずかしい。結月に眠そうにしていることはバレても、私だって結月が今眠そうにしているのはわかってしまう。多分だけど、授業の時に眠くなったのかもしれない。
「お見通しか。俺は大丈夫だよ、帰って落ち着いたら寝るから」
「本当に大丈夫?無理してない?」
「ひまりは俺のお母さんか。無理はしてないよ、睡眠を取らないと練習にも支障が出るだろ。あとでスイーツ買ってあげるから」
私が結月のお母さんってなんか想像できないなあ。それにスイーツ買ってあげるって……。それを言われたらなにも言い返せないよ。結月ってズルいなあ。そういうところだよ、全く。
「じゃあおやすみ結月。ちゃんと起こしてよ?」
「ちゃんと起こすよ。おやすみひまり」
今は寝よう。結月が私のためにいろんなことに努力してることは私が一番知ってるから。私は結月のそういうところが好きだ。誰かのために一途になって、その人のことを大切にしたいっていう気持ちは私の心に充分すぎるくらいに伝わっている。
私はいつもこう思っている。
――私もなにか結月にしてあげられることないかなと。
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「可愛い寝顔だな。気持ちよさそうに寝やがって」
ひまりの寝顔は見るたびに癒される。疲れが吹き飛んで頑張ろうっていう気持ちになるくらいに癒される。これじゃあ俺も寝そうだな。あとでコーヒー飲もうかな。
「蘭や巴にもう付き合えよって言われたな。けど俺はいつ告白したらいいかな?」
わからない。ひまりが俺のことをどう思っているのか、10年前の約束を覚えているのか、こんなことを思う度に不安に感じてしまう。心が蝕まれそうなくらいに不安だ。
もしひまりに告白してダメだったら俺は死ぬつもりだ。もうそれほどまでにひまりのことを好きになっていた。周りから見れば愛が重いだの、病んでるだの言われるかもな。俺はそれでもいい。ひまりに尽くすって決めたから。幸せにするために努力をするって決めたんだから。
「なあ、ひまり」
――俺のこれまでの努力は伝わっているかな?
――ひまりに俺の想いは届いているかな?
――10年前の約束を覚えてくれてるかな?
考えたくないけど不安だ。もう時間がないのかもしれない。せめて今年中には想いを伝えよう。不安に感じるより、今は前を向こう。
いかがでしたでしょうか。
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