では本編どうぞ
窓から夕日が見える。ひまりはテニス部で部活中、そして俺も部活をやっている。因みに俺は手芸部に所属している。
俺は料理だけでなく、手芸もやっている。手芸についてはお母さんから教わってできるようにした。手芸をやっていくうちにパッチワークにも興味を持って中2の時からやり始めた。ひまりからポーチを作ってほしいと言われ、部活中の時間でも作っている。ただし、時間が空いている時のみだ。
「もう5時になるのか」
「姫宮君、先に帰っていいよ」
「いいんですか先輩?」
「私達ももう帰るところだから。彼女さん迎えに行くんでしょ?」
「彼女ではありません、ただの幼馴染みですよ」
ヤバいな、俺がひまりのこと好きなのバレてるか!?一緒にいたいけど、噂になるかもしれない。下手したらひまりに避けられてるって思われそうだ。
「本当にそう?」
「本当ですよ。俺に彼女ができるのは難しいですって」
「でも姫宮君と彼女さんは付き合ってるように見えるけど……」
「そうですかねえ?勘違いだと思いますよ」
「勘違い?まあ、そういうことにしとくよ」
先輩はウィンクしてそう言った。ひまりのことが好きだってバレたら大変なことになっていた。俺の心臓はバレるんじゃないのかっていう焦燥感に駆られてドキドキしていた。さて、帰る準備して正門で待とうかな。
▼▼▼▼
部活が終わって10分経つ。帰る準備をしていた時に先輩達から「彼氏さんとごゆっくり」とからかわれた。私と結月は"まだ"付き合っていないけど、カップルに見えるかな?
そうだったら嬉しいことだ。
正門に向かっていたら遠くに人影が見えた。結月だ、待っていてくれたんだね。早く向かわなきゃ!私は結月の元に走り出した。ラケットが重い、結月の元に向かうためだからしょうがないことだ。
「ひまり、お疲れ様」
「結月もお疲れ様。帰ろ!」
「だな。今日は練習ないからゆっくりできるな」
そう、今日は練習がないのだ。蘭は華道があり、モカはバイトにつぐと巴は商店街の行事の関係で先に帰った。今は結月と二人きりだけど、肩の力が抜けてくる。これはあれかな?愛の力ってやつかな?
「ひまり、ラケット持つよ」
「いいの?重いけど……」
「大丈夫。ひまりは部活でお疲れなんだ。俺が持ってあげるよ」
結月は私が肩に下げているラケットケースを持って肩に下げた。優しいなあ結月。私は結月のこういう優しいところが好きだ。二人きりだから手繋ごうかな?
そうだ、帰りにコンビニスイーツ買おうかな?うん、そうしよう。
「結月、コンビニでスイーツ買いに行かない?」
「ちょうどよかった、俺も買おうと思ってたんだ。今日はパッチワークやるから糖分補充しとかないといけないからさ」
「今日もやるんだ。ポーチの方ってどんな感じに進んでるの?」
「まだ作ったばかりだからまだまだかな。多分だが1週間はあればできるかも」
まだ作ったばかりだったか、忘れてた。結月ってホントに女子力高いなあ。料理もできて手芸もできる、さらにギターとベースも引ける。もはや優良物件としか言い様がない。
「とりあえず行こう。早くしないと目当てのスイーツがなくなる」
「そうだね。行こうか!」
私は笑顔で言った。私も頑張ろう、結月にできることを探していろんなことを学ばないと!
▼▼▼▼
俺とひまりは春限定の桜スイーツを買うことにした。それもシュークリームだ。だが、このシュークリームは普通とは違う。なにが違うかというと……。
――クリームの色が違う。しかも苺を使ったクリームになっている。
これだけ違うとなると味は期待できそうだ。さて、会計を済ませるか。
「会計お願いします」
「は~い、会計しますよ~」
ん?なんか聞き覚えのある声だな。この声もしかして……。
「モカじゃん!何してるのここで!」
「決まってるじゃ~ん。バイトだよ、ひーちゃん」
「気づかなかった。まさかモカがいたなんて思わなかった」
「あれ、リサさんは?」
そうだ、リサ先輩がいない。今日は休みなのか、それともここにいないだけなのか?
「誰かアタシのこと呼んだ?」
「うわあ、ビックリした!後ろから声掛けないでくださいよ!心臓に悪い」
「ホントですよ!」
「ごめんごめん、面白そうだったからついね」
リサ先輩は両手を合わせ、片目を瞑って笑顔で謝った。面白そうって……。この人怖いな。
「じゃあ会計しますよ~っと」
モカは会計を始めた。しかし言ってるのは値段ではなく、カロリーの数字を言っていた。
「モカ~やめてよ!」
「ごめんごめ~ん、お約束だからやった方がいいかな~とね」
「うう、結月~」
「ひまり、こればっかりはどうすることもできない。まあ、ドンマイ」
俺はひまりの頭に手を置いて諦め気味に慰めた。さらに追い討ちをかけるかのようにリサ先輩は「さすがバカップルだね!」と言ってきた。ホントにひでえなこの二人。
早く帰ろう。これ以上ここにいると何を言われるかわからない。
――やっぱり俺とひまりは噂になっているのか?
なんとか自宅に到着。まだお母さん達は帰って来てないか。ひまりの方も帰って来てないみたいだからまた二人きりだ。
夕飯も済ませたし、パッチワークを始めるか。今日はどのくらい進むか。
「ねえ結月」
「何?」
「パッチワークさ、近くで見ていいかな?」
「構わないよ。けど退屈になると思うが……」
できればひまりには退屈な想いをしてほしくない。なにかしてやれそうなことはないだろうか?俺は試行錯誤したが、全く思い付かなかった。困ったな、どうしたらいいか。
「大丈夫だよ結月。私は側にいればそれでいいから」
「でも……」
「いいんだって!結月、私は本気だよ」
ここまで言われたら何も言えない。ひまりの想いは本気だ。多分何を要っても聞かないだろうな。うん、俺の負けだなこれは。
▼▼▼▼
結月がパッチワークの続きを始めて数分経った。まだ表面の片方しかできてないけど、それでも凄い。結月には敵わないかもしれない。
「よし、今日はここまでにするか。あと、ひまり近いんだが……」
「あっ、ごめん!嫌だった?」
「いや、別に嫌ってわけじゃないけど」
「嫌じゃないけど?」
結月が黙り込んだ。私もやりすぎたかな?結月にくっつきたいって言ったら怒られそうかな?怖くて言えない。どう言ったらいいかな?
「その、名残惜しいというか……。あっ!」
「どしたの結月?」
「ごめん、今の忘れて!」
「今名残惜しいって言ったこと?」
「ちょ、言わないでくれって!ああもう、言わなきゃよかった!」
名残惜しいって、そんなに私とくっつきたかったのかな?なんか可愛いなあ。からかいたくなってきた。私の心は結月を攻めたいという想いに満ちていた。こんな結月は蘭達には見せたくない。
「そんなに名残惜しいなら朝までくっついていようか?」
「い、いいよ。そこまでしてもらわなくても」
「ふうん。じゃあこれならどう?」
私は結月の腕に絡みつき、肩に頬擦りをした。私って結月のこと好きすぎるなあ。正直言うと、私は結月に甘えたいという気持ちでいっぱいだった。こうでもしないと結月は駄目だって言ってくるから、少しは強引に行かなきゃ甘えられない。
「待ってひまり、何をする!?」
「私は結月に甘えたいだけだよ?」
私は結月の耳元で囁いた。
「っ!?」
「ねえ、いいでしょ?」
「わかったよ。好きにしてくれ」
「やった!ありがと、結月!」
私は結月の腕に強く絡み付いた。結月に告白しなきゃだけど、今はこの時間を大切にしたい。二人きりだからこそできるこの時間を堪能しなきゃ!
後半のキャラ崩壊はお許しを。
言っておきますが、付き合っていません。
二人がいつ付き合うかは作者にもわかりません。
感想と評価お待ちしてます。