夕焼けと月に恋心を込めて   作:ネム狼

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連続更新です
デート回後編です



幼馴染みとお出掛けという名のデート―後編―

 どうしよう。顔がニヤけそうだ。さっき結月から可愛いって言われたからかな?今日は気合いを入れすぎたかもしれない。でも、今日のデートのためなんだからいいよね。

 

「結月、手繋いでもいい?」

「構わないよ。手繋ごうか」

「う、うん!」

 

 私は結月と手を繋ぐことにした。暖かいなあ結月の手。ニヤけるのを抑えてるのに余計ニヤけてしまう。今日の私はおかしい、こんなになるなんて思わなかった。

 

「ところでひまり」

「なに?」

「最初はどこに行くんだ?」

 

 そうだ、どこに行こうか。何も決まってなかったな。昨日は勢いで言っちゃったからノープランで来てしまった。ここは二人で決めよう、そうしよう!

 

「映画館に行こうかな」

「映画館か。ひまりまさかだが、ノープランなんじゃないのか?」

「ギクッ!」

 

 私は結月に計画を立てていないことを看破されてしまった。気づいてても口に出さなくてもいいじゃん!結月のバカ!

 

「その顔は、やっぱりか」

「結月~、言わないでよぉ」

 

 私は結月の胸を優しく何回も叩いた。なんか泣きそうになっちゃう、まだ来たばかりなのに、こんな状態じゃカッコ悪い。結月に情けないところ見せちゃったなあ。

 

「ごめんって。でもさ……」

 

 結月は叩いていた私の手を掴んだ。どうしたんだろう?私は気になり、結月の顔を見て話を聞くことにした。

 

「俺は別にノープランでも平気だよ」

「なんで?」

 

 ノープランでも平気?なんでそんなことを言えるのかな?気になってしまう、結月がどうして平気だと思ったのか。私は理由を聞くことにした。胸がドキドキする。警鐘を鳴らすかのような、いや違う。これはどんな答えが出るのかなっていう好奇心みたいなものかな。

 

「なんでって、その……」

「その?なんなの、言ってみなよ結月!」

「わかったよ!理由はだな、ノープランでもひまりと一緒にいれば楽しいって思えるから、それでいいかなって、そう思ったから言ったんだ」

 

 結月は照れながら言った。私は結月に抱き着き、胸に顔を埋めた。どうしよう、またニヤけそうだ。私の顔は真っ赤になっているかもしれない。ズルいよ!そんなこと言われたら期待しちゃうじゃん!

 

 私と一緒にいれば楽しいって、それはズルいとしか言い様がない。結月が楽しいって思っているのか期待しちゃうよ!結月に顔見られてないかな?恥ずかしいよ~!

 

「お、おい!?どうしたひまり!?」

「なんでもない!」

「……これどうしたらいいんだ?」

 

 何を思ったのか、結月は私の頭を優しく撫でた。違うよ!なんで撫でちゃうの!?明らかに違うよね!?癖なのかな?確かに私は結月に抱き着くことが多い。その後に結月が私を撫でる、っていう流れがお約束みたいになってたからこうなったのかな?

 

 まあいいや。抱き着いてよかったかもしれない。役得だし。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 あれからなんやかんやあって映画館に行き、映画を見終わった。まだ午前なのに疲れてしまった。急に抱き着いて来たからビックリした。あれはさすがに言い過ぎたか?

 

 俺は事実を言ったんだ。ひまりと一緒にいて楽しい、これは紛れもない事実であり、俺の本心でもある。俺はひまりが今どうなっているのかが気になり、ひまりのほうを向いた。

 

 泣いてるし。あの映画ホラー系かと思いきや恋愛系だったからな。「怖いけど、面白そうだから見てみようよ!」と言ったけど、確かに面白かった。ホラー展開が来た時は俺の腕にしがみたいたり、恋愛展開が来た時は泣いたりと、泣き顔を何度か見てしまった。

 

 なんというか、ひまりの泣き顔は可愛いと思ってしまった。何故だ?

 

「まだ泣いてるのか?」

「だ、だってぇ……。感動しちゃったんだもん!」

「それはわかるけどさ。涙拭かないと可愛い顔が台無しだぞ?」

 

 俺はひまりにハンカチを差し出した。あれ?俺今なんて言った?またやらかしたか?俺はひまりの顔を見た。また顔赤くしてるし!やっちまったよ、俺のバカ!

 

「ねぇ結月、それ狙って言ってるの?」

 

 ひまりは渡したハンカチで涙を拭いて言った。狙って言ってる訳ないだろ!狙って言ってたら引かれるよ!

 

「そんなことない!狙って言ってないに決まってるだろ!」

「本当?」

「ホントだよ!」

 

 なんか信用されてないような気がする。そりゃそうだよな、こんなこと言ってる時点でおかしいんだ。どうにも上手くいかないな。どうすればカッコよくできるのかに悩んで雑誌を読んだけど、参考にしすぎたのかもしれない。

 

「……フフッ」

「どうしたひまり?」

「なんか結月らしくないなって思ってね」

「俺らしくない?」

 

 俺らしくないってなんのことだ?まさかまた変なことを言っちまったのか?それともどっかでミスをしたのか!?

 

「そうだよ。なんかキザっぽいなって思ったから、なんかあったのかなって」

「らしくないってキザっぽいところか?」

「そこだよ!もっと普通にしてさ、いつも通りでいいんだよ!その方がお互いに過ごしやすいじゃん?」

 

 そう……だよな。変にカッコつけなくてもよかったんだ。そんなことをしていたら自分が無理をして相手に気を遣わせてしまう。だったらいつも通りにすればいいんだ。なんかひまりには申し訳ないことをしたな。

 

「なんかごめん」

「どうして謝るの?謝るところってある?」

「なんていうかさ、変なところを見せたなって思って」

「いいよそんなこと!むしろ別の結月も見られたからよかったし、私は楽しかったよ!」

 

 楽しかったか。そんなことを言われると俺まで嬉しく思ってしまう。こういうこともたまにはいいなって、そう思ってしまうのはなんでだろう?

 

「そっか。あ、このことは蘭達には内緒にしてくれよ?」

「わかってるよ!」

 

 こんなこと蘭達に知られたら笑われちまう。恥ずかしいし、一生ネタにされる。それだけは避けたい。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 映画を見た後、私達はお昼を済ませ、買い物に行くことにした。結月に似合いそうな服を探すことにしたけど、何かないかな?

 

「ねえ結月、これなら似合うんじゃないかな?」

「どれにしたんだ?」

「これなんだけど、どうかな……?」

 

 私は選んだ服を結月に見せた。結月は素材がいいから女物の服も似合うかもしれない。結月を着せ替え人形にしたいっていう欲望が出てるけど、ここではやらないほうがいいかな……。

 

「え、これは俺には似合わないと思うぞ」

「着てみないとわからないじゃん!着てみようよ!」

「いや、やめとくよ。俺は着ないよ」

「どうしても、ダメなの?」

 

 私は少し涙を出し、上目遣いをして結月の顔を見た。こうなったら女の子の武器を使ったほうがいいよね!さあ結月はどんな反応をするのかな?

 

「っ!?」

「ねぇ、結月ぃ。おねが~い、着てみてよ~」

 

 私は甘ったるい声でお願いをした。顔が赤くなってる、効果は抜群みたいだ。結月ってこういうのに弱いから、断れないはずだ。

 

「わ、わかった、着るよ!着るから泣かないでくれ!」

「ホント?ありがと結月!」

 

 私は笑顔でお礼を言った。楽しみだなあ。結月はどんな感じになるかな?カッコよくなるか、可愛くなるか、私の心はどうなるかという想いでいっぱいだった。

 

 結月は私の選んだ服を持って試着室に入った。そういえば思ったけど、私達って周りからどう見られてるかな?カップルに見られてる、それとも兄妹、どっちかな?

 

「ひまり、着替えたぞ」

「着替えた?じゃあ開いてくれる?」

「わかった」

 

 結月は私の選んだ服に着替え、試着室のカーテンを開いた。着替え終わった結月を見た瞬間、私は見惚れてしまった。

 

「ど、どうだ?似合ってる……か?」

「似合ってる……。似合ってるよ、結月!」

「そうか、よかった」

 

 結月似合ってるって言われて安心したみたい。似合ってるし。カッコいいとしか言い様がない。ここまで似合うなんて、私のファッションセンスって凄いなって思ってしまう。

 

「ひまり、どうしてこの服を選んだんだ?」

「どうしてって、結月に似合うかなって思ったからだよ」

「この服がか?これ黒のスーツと黒のYシャツだよな?よくこれを選んだな」

 

 そう。私が選んだ服とは上下黒のスーツに黒のYシャツだ。因みに結月は髪が肩まであるので、ポニーテールにしてもらってる。何度も言うけど似合ってるね!

 

「まあ、単なるお遊びで選んだだけだよ」

「お遊びって……。言っとくけど、写真に撮るならいいけど、買わないからな?」

「買わないの!?カッコいいのに?」

「いやこれ値段見ろよ」

 

 私は結月に言われてスーツのタグを見た。嘘!?これ10万もする!?なんで私これ選んだんだろう。値段に気づかずにファッションセンスで選んじゃった。道理で買わないわけだ。

 

「そ、そうだよね、買わないよね」

「買わないけど、楽しめたからいいよ。もう少し選んでみようか。俺もひまりに似合う服選ぶからさ」

「いいの?」

「もちろんいいよ。今度は一緒に選ぼう、それでいいだろ?」

 

 結月は私の頭に手を置いて撫でながら言った。私のためにそこまでしてくれるなんて、嬉しい!

 

「わかったよ!今度は私に似合う服選んでよね!」

「OK!ひまりに似合う服を選ぶから待っててな!」

 

 私と結月はお互いに似合いそうな服を一緒に選んで、一番似合った服を二人で買った。アクセサリーも二人で決めてペアルックで買った。今日は最高のデートになったなと私は心の中でそう思った。

 

 それから家に帰り、私と結月はソファーに座って今日のデートのことで話し合った。

 

「今日はありがとなひまり」

「なんのこと?私なにかしたっけ?」

 

 ありがとうって、私なにかしたかな?お礼を言われるようなことをした記憶はないんだけどなぁ。

 

「したよ。今日デートに連れてってくれただろ?俺嬉しかったんだよ」

「嬉しかったの?」

「そう、嬉しかった。ひまりと一緒に出掛けたことは何回かあったけど、今日のデートは凄く楽しかったんだ」

「楽しかったって……。そんなこと言われたら私も嬉しいよ!」

 

 私は結月に顔を近づけて言った。そりゃそうだ、こんなことを言われば嬉しいに決まってるし、今日は誘ってよかったって思う。

 

「ちょ、ひまり!?近い、顔近いって!」

「あ、ごめん!嫌だった?」

「そ、そんなことはない。なんていうか、その……」

「その?」

「恥ずかしいから、少し離れてほしかったかな?」

 

 私は結月から離れ、嫌だったかを聞いた。嫌ではないみたいだけど、顔を赤くしている。ちょっとやり過ぎたかな?

 

「ごめんね結月。やり過ぎたかも」

「やり過ぎたって、大丈夫だから。別にくっついてもいいけど、やり過ぎない程度にしてくれたら嬉しいかな」

「やり過ぎない程度に?うん、わかった!」

「おい!言ったばっかなのに腕に抱き着くなよ!」 

「このくらい、いいじゃ~ん!」

「はあ……。全く、しょうがない奴だな」

 

 結月は私の頭を撫でながら言った。今のこの時間は私にとって、とても幸せだ。私は結月に甘える度に何度もこんなことを思う。

 

 

――この幸せな時間が続いてくれればいいのに。

 

 

 

 




ひまりの選んだスーツはfate/zeroのロイヤルブランドみたいなものです
中途半端な終わり方になりましたが、これにてデート回終了です
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