夕焼けと月に恋心を込めて   作:ネム狼

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またしても泊まりに来ます
本編どうぞ


連休の始まり、幼馴染みはまたしても泊まりに来る

 今日から五連休に入った。先週、お母さん達が帰って来てひまりは家に帰ったが、その瞬間に俺は寂しいと感じた。

 

「ユズー、ご飯だよー」

「今行くよ」

 

 もう夕飯か。あっという間だな。久々にギターを弾いたが、どうやら腕が落ちてるな。今月はギターとベースの練習を平行してやろう。ベースについてはひまりと一緒にやるから大丈夫として、ギターはこのままだと蘭に怒られるな。特に、紗夜先輩にバレると「何なんですかその腕は!練習を怠っていたんですか!?」なんて言われるな。

 

 まあ、ブランクは練習で取り戻して行こう。さて、夕飯にするか。待たせてると怒られてしまう。俺は髪を一つ縛りにしてリビングに向かった。

 

 今日はオムライスか。ここに丸山先輩がいたら喜びそうだ。あの人は確かオムライスが好きだったか。最近知った情報だが……。

 

「いただきます」

 

 今日はまた一段と美味い。卵にマヨネーズを入れたのか?だとしたらいつもよりふわふわだ。

 

「そういえばユズ」

「なにお母さん」

「あなた、ひまりちゃんとはどこまでいったの?」

 

 っ!?ヤバい、喉が詰まった!俺は慌てて水を飲み、口に入れていた物を飲み込んだ。あ、危ない。死にそうになった。

 

「い、いきなりなに!?」

「ひまりちゃん、泊まったんでしょ?進展あったのかなあと」

「無いよ。進展というか、デートしただけだよ」

「デートって、やるなあユズ!」

 

 お父さんは喜びながら言った。因みに、お母さん達は俺がひまりのことを好きなのは知っている。元から知っているようで、なにかある度に進展はあったのかとか、どこまでヤったのかとかを聞いてくる。

 

 ヤったとか聞く時点でアウトだし、俺とひまりはまだそんな関係ではない。いずれなる予定だ。

 

「やるなって言っても、お互いに似合ってる服ないか探してただけだよ」

「凄いじゃないユズ!」

「それで服は買ったのか?」

 

 買ったのかと聞かれ、俺は買った、と答えた。答えた瞬間に両親二人とも狂喜乱舞してしまった。応援してくれてるのはありがたいけど、エスカレートしてくると恐怖を感じる。

 

 でも、俺はこう思っている。こんなにいい両親はいないし、俺はこの家で生まれてよかったなって思っている。本当に感謝の気持ちしかない。

 

「そうだ、お父さん達は連休どうするの?」

「お父さん達か?連休は家にいるよ」

「さすがに連休も仕事続きだと辞めるか、ボイコットするわよ」

 

 待て、今なんて言った?辞めるとかボイコットするとか言ってるけど、なにサラっと言ってんだよ。そんなこと言えるのがある意味すげえよ。

 

「あと、さ。ひまりのことなんだけど、連休はこっちに来たりするみたいなんだ」

「お、来るのか!」

「今夜は寝かせないぞ、っていう夜が来るのね!」

「来ねえよ!さすがに寝かせるよ!そこまでやんないって言ってるだろ!」

 

 俺はやらないと言った瞬間、お母さん達はなーんだ、つまんないの、と口を揃えて言った。ホントあんたらなんなんだよ!?俺とひまりのことをどう思ってんだよ!?

 

「まあ、要するにだな。ご飯食べに来たり、遊びに来たりとかそのくらいだよ」

「あ、そんなことか」

「へぇ、ホントにつまんないわね。このバカ息子」

 

 もういいや。もう疲れたよ。もうどうにでもなれ。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 私は今結月の家のドアの前に来ていた。遊びに来るって言ったけど、また泊まりたいっていう気持ちに負けて着替えを用意してしまった。私って誘惑に弱いなあ。

 

 私はドアの前のチャイムを押した。ピンポーン、と音がし、ドアが開いた。私の愛しの結月が迎えに来た。

 

「はーい。おおひまりか、おはよう」

「おっはよー結月!あれ、おばさん達はどうしたの?」

「ああ、リビングにいるよ。二人ともひまりが来るのを楽しみにしてるみたいでな」

 

 全く、うちの親は、と結月は溜め息を吐いた。でも、嬉しそうな表情をしていた。結月の顔って改めて見ると綺麗だなあ。本当に男の子なのか疑問に感じてしまう。

 

「ん?どうした、ジロジロ見て?」

「な、なんでもないよ!?」

「そうか。まあ入ってくれ。あと聞くけど、その荷物はなんだ?」

 

 結月は私の抱えてる荷物がなんなのかを聞いた。よくぞ聞いてくれたね!泊まるためのセットなんだよ!

 

「ああ、これ?実はね、また泊まろうかなって思ってね……」

「また泊まるのか?まあいいけどさ。ひまりなら大歓迎だよ」

 

 結月は微笑みながら言った。朝から結月の笑顔が見れるなんて、私ついてるなあ。うん、ラッキー!

 

「じゃあ、お邪魔しまーす!」

「あらあら、来てくれてのねひまりちゃん!」

「お久しぶりです!連休はよろしくお願いします!」

「お母さん、ひまり泊まるから」

「泊まることは上原さんから聞いてるわ。よろしくねひまりちゃん」

 

 おばさんは私の頭を撫でて言った。おばさんに撫でられるのっていつぶりだろう。顔が赤くなってるような気がする。おばさんはまるでユズの妹みたいね、と言った。結月は聞いた瞬間に顔を赤くして真っ先に否定した。私が結月の妹って、それはそれでアリかもしれない。

 

 しばらくしてお昼を済ませ、私は一旦家に戻ってベースを取りに戻った。今日は結月と一緒に弾こうかな。なんかギターの腕が落ちたとか言ってたけど、大丈夫かな?

 

「お待たせ!」

「お、来たか。ギターの方ブランクあるかもだけど平気か?」

「私はいいけど、結月は大丈夫なの?」

「やれるだけやるよ。ひまりが一緒に弾きたいって言ったんだから、頑張らないと」

 

 結月無理してるなあ。私は心配で仕方なかった。

 

「なにを弾くんだ?」

「True colorを弾こうかなってね」

「あの曲は大丈夫なんじゃないのか?練習見ても完璧だと思うが......」

「わからないところがあってね」

 

 確かにTrue colorは本番とかは問題ない。けれど、練習では弾けないところがある。それを連休の日に練習しようと私は考えた。

 

「わかった。ベースメインで教えるけど、ギターのパートは俺が弾くよ。一応弾けるようにはしてるけど、ミスとかは許してくれよ?」

「そこは問題ないよ。許すからさ!」

 

 そっからは2、3時間休憩しながら練習をした。案の定、結月はギターの腕は落ちていたようだ。本人曰く、弾くのは2ヵ月ぶりと言っていた。

 

 

▼▼▼▼

 

 

 夕飯も風呂も済ませて夜。時間は、8時か。あっという間な一日だったな。ひまりのベースの腕はどんどん上達してきている。俺も置いてかれないようにしないといけないな。

 

 パッチワークの方はこの前のポーチは完成してひまりにあげたんだっけ?次は何を作るか。この連休は手芸部の活動は無いからな。

 

 コンコン、ノックの音が聞こえた。ひまりか?ということは風呂を済ませたってことか。

 

「入ってどうぞ」

「ふう、いい湯加減だったよー」

「おかえり。お母さん達は寝てるのか?」

「もう寝てるよ。今日は騒いでたからね、だいぶ疲れてたのかも」

 

 そっか、と俺は納得した。そうだよな、あれだけ騒いでたんだ。そりゃ疲れてるに決まってる。いきなりひまりにあーんしろなんて言ってきたからビックリした。まあ、やったけど、ホントに恥ずかしかった。

 

「ひまり、髪乾かしてあげるよ」

「え、いいの?もしかして結月、私の髪を触りたいの?」

「なんでわかるんだよ」

「わかるに決まってるじゃん!わかりやすいんだよ!」

 

 わかりやすいって……。俺はこの見た目だが、実は髪フェチなところがある。ひまりのふわっとした髪を触った瞬間に髪フェチに目覚めてしまった。その髪が触り心地いいのが悪いんだ。

 

「結月なら乾かしてもいいよ」

「いいのか?こんな髪フェチの変態だぞ?」

「髪フェチの変態なのは元からでしょ。それで乾かすの、乾かさないの?」

「乾かすよ。今やるから!」

 

 焦らすなよ全く。俺はドライヤーの電源を入れ、ひまりの髪を優しく乾かした。うん、触り心地いいな。

 

「ひまりってさ、髪下ろした時って別人だよな」

「急にどうしたの?」

「いや、なんかさひまりって普段お下げにしてるだろ?衣装によって髪型も変わるけどさ、髪下ろした時のひまりも可愛いなって思ってな」

 

 俺はなにを口に出してんだ!なんで自然と可愛いって言えるんだ!ひまりを前にすると緊張するどころか自然体になってしまう。

 

「可愛いって……。結月ってよくそんな恥ずかしいこと平気で言えるよね?」

「なんかごめん」

「なんで謝るの?私は恥ずかしがらずに言えるなあって思っただけだよ?」

 

 ひまりはこう言ってるが、本当は恥ずかしい。ひまりの耳を見たら赤くなっている。恥ずかしいのはお互い様じゃねえか。

 

「それは、だな。ひまりが可愛いのがいけない」

「え、私が悪いの!?」

「そりゃそうだろ。そんなに見た目が可愛いんだ。悪いに決まってる」

「ゆ、結月だって可愛いに決まってるじゃん!」

 

 え、俺もか!?なんでそこで俺に振るんだよ!ほんとひでえやつだな!

 

「もういいよ!可愛いのはお互い様、これでいいだろ!ほら、乾かし終わったからあと梳いてやるよ!」

 

 俺はやけくそ気味に言った。ひまりからは逃げたね、と言われた。なんか複雑だ、ひまりが可愛いのがいけないのに、なんで俺まで可愛いと言われるんだ?確かに女っぽいけど、そこまで言うことないだろ。

 

 髪を梳いたあと、俺とひまりは眠りについた。もちろん一緒に寝てだ。ひまりに抱き枕にされて気持ちよかったというか、苦しかった。ホントに眠れない夜だった。 




中途半端な終わりでしたが、連休お泊まり回でした
もちろん続きます。あと2話くらいやる予定です
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