ホントにごめんなさい
今回は家デートになります
ひまりが泊まりに来て2日目。どっか出掛けるか?と聞こうとしたが、いきなりひまりは連休は家デートにしようと言ってきた。いや、何故家デートになるんだ?
しかし、家デートとなると、何をしたらいいんだ?初めてのことだからよくわからないな。俺は何かできることはないかと考え始めた。
……駄目だ、全く思い付かない。やっぱり、ひまりと話し合うしかないか。最近困ったらひまりと相談することが多いな。気のせいではないような気がする。しかし、家デートをしようと言ったひまりはというと……。
――雑誌を読んでいた。
こいつ、自分で言っといて読んでやがる。呑気な奴だな、可愛いから許すけど。はあ、と俺は溜め息を吐いた。
「どしたの?溜め息なんか吐いて」
「なんでもない。それでどうするんだ?」
「なにが?」
ひまりは首を傾げて言った。ちょっと待て、自分の言ったことを忘れたのか?呑気にも程があるぞ。
「なにが?じゃねえよ。家デートのことだよ」
「あぁ、そうだった。ごめんごめん、忘れてたよ」
「マジかよ」
「マジだよ!」
なんでそこで返すんだよ。ていうかなんだよこのやり取り。
「まあいいや。どうしようか、今回のい、家デートは……」
「あれぇ?結月、なに恥ずかしがってんの?」
「こ、これは……その……。家デートって言うのが恥ずかしいだけだ!気にしなくていい!」
「えぇ……」
ひまりは引き気味な顔をした。なんで引かれなきゃいけないんだよ。悲しくなってきたじゃねえか。こんなことをしていたら日が暮れちまう。早く話合わないと!
「話を戻そう。今日はどうするんだ?」
「どうするっていうかね、私はなんでもいいんだ」
「なんでもいい?どういうことなんだ?」
「私はね、結月と一緒にいればいいんだ。一緒に映画を見たり、一緒にベースを弾いたりとかでもいいんだ」
それでいいのか?と俺は思った。ひまりに何かしてやれないか、俺にできることはないかと考えていた。一緒にいればいいとひまりは言った。俺は先月出掛けていた時に一緒にいると楽しいと言った。
俺は深く考えすぎていたんだな。こんな単純なことに気づけていないなんて、まだまだだな。少し頭を冷やした方がよさそうだな。
「そっか、ひまりらしいな」
「そうかな?えへへ……」
ひまりは照れながら手を頭の後ろに置いて笑った。隠していても隠しきれていないくらいに照れていた。この笑顔を見ているとさっきのモヤモヤが無くなってくる。どうしてお前の笑顔は眩しいのだろう。と俺は疑問に感じた。
▼▼▼▼
あの後私と結月は部屋にあったBlu-rayで映画を観ることにした。時間は二時間と普通の物だった。私の提案で恋愛物を観ることにしたけど、よく考えると結月と二人きりで観るんだと気づいた。
二人きりで映画を観るなんていつ以来だろう。正直覚えていない。今はいいや、結月と映画を観ることに集中しよう。
しかし、集中しようにもなかなか集中できなかった。今の状況は私と結月が隣り合っているのだ。要するに、肩と肩とがくっついている、そんな感じだ。
「ねえ、結月。これからどうなるかな?」
「俺に聞かれてもわからないよ。観てからのお楽しみだろ?」
「そ、そうだね」
結月は気づいてないのかな?私は緊張して展開が気になるどころではなかった。ドキドキするし、結月の髪からはいい匂いするし……。ていうか結月ってシャンプー変えたのかな?
そして映画はクライマックスを迎えた。私は泣きそうになり、結月の腕に抱き着いてしまった。ごめんね結月!胸が当たってるけど、我慢してね!
まさかここまで感動するなんて思わなかった。というよりも、私が流している涙はその場しのぎの涙なのかもしれない。結月にドキドキしていることがバレないようにするためのその場しのぎなんだ。
「凄い、良かったね」
「そうだな。俺も泣きそうになったよ」
「あれ、結月もなんだ。実は私もなんだ」
「ひまりもだったのか。二人して泣きそうになるなんて、不思議だな」
不思議だな、と結月は微笑んで言った。結月が映画で泣くなんて珍しい。泣くなんて滅多にないのに、どうしたんだろう。私から見た結月の顔はとても貴重で、刻み込まれるかのように私の目に焼き付いた。
▼▼▼▼
夕飯を済ませ、俺とひまりは部屋でゆっくりと過ごすことにした。またしても両親からあーんをしろと言われた。しかもお互いにやり合えというハードルの高いことをすることになった。恥ずかしくてできないので、そこはひまりと二人で断ることにした。
そしてひまりはというと、俺の肩に頭を乗せて寝ていた。疲れて寝ちまったか。寝たのはいいけど、髪からいい匂いがして作業がしにくいんだけどなあ。パッチワークをやっているけど、針が指に刺さらないようにしないと……。
それにしても、さっき映画を観ていた時胸が当たっていたが、あれは無意識だったのか?無意識ならそれでいいが、狙ってやってたらさすがに引く。無意識であってほしいがな。
「ん……」
「寝てるよな?この体勢でパッチワークはやりにくいな。今日は切りがいいからここまでにするか」
俺は針をケースにしまった。さて、寝てるところ悪いけど起こすとしよう。このままだと風邪を引いてしまうからな。ベッドで寝てもらわないと。
「ほらひまり起きろ。ここで寝てると風邪引くぞ」
「ん、んぅ……あれ?結月、私寝てた?」
「ずっと寝てたよ。ほら、起きろ」
ひまりの奴、寝惚けてるな。寝惚けてる顔も可愛いけど、マジでベッドで寝てもらわないと俺が困る。せっかく泊まりに来てくれてるのに、台無しにする訳にはいかない。
「ねぇ、結月。一緒に寝よ?」
「俺も寝るところだから先に入っててくれ」
「わかった~」
それから俺とひまりは寝ることにした。今思ったが、これって家デートではないような気がする。気のせいだろうか。
さて、明日はどうするか。せめて出掛けるようにはしないと。せっかくの連休なんだからひまりとどこか出掛けたいところだ。できれば蘭達も誘いたいところだな。
とりあえず終わりです
中途半端な終わりになって申し訳ない
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