機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ IF   作:タロ芋

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「おー、トウモロコシが沢山デース」

 

「タクサン!タクサン!」

 

 広い畑の中、車から降りたミカエラは目の前の光景を見てそんな感想を漏らしハロも同じように続ける。

 

「来たね」

 

「?」

 

「誰だ?誰だ?」

 

 すると、どこからともなく目付きが鋭い腰の曲がった老婆がやってきた。

 そして、三日月がその老婆に気がつくと嬉しそうに声を出した。

 

「サクラちゃん」

 

「これで全部かい?」

 

 サクラと呼ばれた老婆はその場の面々をみる。

 

「うん」

 

「そうかい。んじゃ、始めるよ準備しな」

 

「うん」

 

「なにをするデース?」

 

「収穫だよミカエラさん。じゃあ、着替えを用意してますんで・・・」

 

「なるデーす」

 

 ビスケットにいわれ、ミカエラは頷きクーデリアやフミタンと共に案内された。

 といっても、ミカエラは特に着替えることは無くパイロットスーツの上にジャケットを羽織った程度だが。

 

「んしょット」

 

「収穫、収穫!」

 

 茎からもいだトウモロコシをハロが器用に頭部に載せたカゴへと放り込み、次々収穫していく。

 そして、離れたところで三日月とクーデリアがラブコメ的な感じになっている頃ミカエラは。

 

「それにしてもこのトウモロコシはどれも素晴らしい品質デース・・・ これを使って料理を作りたいデスネ」

 

 戦闘時以上に真剣な顔でトウモロコシ片手にそんなことを呟いていた。

 

「でしょでしょー?私たちが手伝ってるんだもん!」

 

「だもん!」

 

 背後からそんな声が聞こえてきた。振り返り、見てみると背丈と顔がそっくりな双子の少女がいた。

 

「? どなたデスカ」

 

「クッキーでーす!」

 

「クラッカーだよー!」

 

「ふむふむ・・・ お名前的にビスケットさんのご家族デス?」

 

「「そうだよ〜」」

 

 2人はそう言うと、ミカエラの前にはアトラをからかっていた話題よりも興味津々といった様子でミカエラの隣にいるハロをみる。

 

「ねーねー、この丸っこいのってなに?」

 

「うんうん。どうやって動いてるのー?」

 

「ミカエラってどんな人?」

 

「どうしてそんな格好なのー?」

 

「あ、そういえばトウモロコシってどんな料理作れるのー?」

 

「私も食べていい?」

 

「えーっトー・・・・」

 

 あまりの質問の速さにミカエラは言葉に詰まっていると、後ろからビスケットが少年兵の割に豊かな腹を揺らして走ってきた。

 

「あー、クッキー、クラッカー。ミカエラさんを困らせちゃダメだってー!ほら、新しい籠を持ってきてくれるかい?」

 

「うん!とってくる!」

 

「うん!取っちゃう取られちゃーう!」

 

 2人がそう言って行くのをビスケットが見送ると、申し訳なさそうにミカエラへ謝罪した。

 

「すみませんミカエラさん。うちの妹達が迷惑をかけて・・・」

 

「いえいえー、子供っていうのは無邪気でいいですからネェ。ところでビスケットさん・・・ ちょっとよろしいですカ?」

 

「は、はい?」

 

 ズズイっと顔を近づけ、真剣な声色にビスケットは思わず距離を取ってしまうが体格差などものともせずその両肩を掴まれ

 

「このトウモロコシ・・・・ 鉄華団で仕入れてはくれませんカ? このトウモロコシは料理すれば化けマス。ええ、この私が保証しマスッッ!!!! ですからだんちょーさんに一言ッッッ!!!!!」

 

「ひ、ヒィィィィイ!!?」

 

 血走った目のミカエラに詰め寄られたビスケットは悲鳴をあげる。

 そして、なにかの擦れる音と倒れる音がふたつ聞こえた。

 

「!」

 

 駆け足で向かい見てみると、そこには乗り上げた車と倒れたクッキーとクラッカーが。

 

「あ、おい!お前達だいじょ─── ガッ!?」

 

 そして、車から出た背の高い仕立てのいいスーツを着た男が2人に声をかけようとした瞬間に三日月はその男との体格差をものともせず片腕で首を絞めあげそれに、持ち上げていた。

 

「ガッア・・・ な、なにを・・・!?」

 

「ッ・・・!!」

 

 それを横目にミカエラが倒れた2人に近づき、起こして体を見てると外傷はなくせいぜい倒れちときに軽く擦りむいた程度だ。

 

「三日月さーん、この2人は平気ですヨ〜・・・ あらラ、聞いてませんネ〜」

 

「み、三日月!違うの!!」

 

「三日月ってば!」

 

「ガッ・・・・ アッ・・・ たす、け・・・・」

 

 さすがにそろそろ男が窒息死するか首の骨折れるかの瀬戸際になりそうだったので、ミカエラが止めようとすると。

 

「いい加減にせんか。この慌て者」

 

 と、サクラが三日月の後頭部をそういいながら小突いた。

 

「あ、サクラちゃん・・・」

 

 ようやく男の首から手を離し、三日月がサクラの名前を口にするとクッキーとクラッカーが少しだけ早口になりながら状況を説明した。

 

「わ、私たちが飛び出しちゃって」

 

「あの車が避けてくれたの!」

 

「いやー、あと少しでその人殺しそうでしたよーマジテデ」

 

「マジで!マジで!」

 

「え?」

 

 咳き込む男を指さしながらミカエラはいい、ハロがそばでぴょんぴょん跳ねながら同じこと言う。

 自分のやったことが思い違いからだったのか、三日月はそんな声を出した。

 

「こちらも不注意だった。謝罪しよう」

 

 そして車の影から同じように仕立てのいいスーツを着た金髪の男が出てきた。

 こちらも三日月が殺しかけた男のようにスタイルがいいのに、何故かどことなく幼い少女が好きというか誰かのファンすぎてこう・・・ 残念な感じがするのをミカエラは思った。

 

「いえいえー、むしろこちら側が謝罪する側じゃありまセン?あのひと死にかけましたシ」

 

「おーい!クッキー!クラッカー!」

 

「何があったの三日月、ミカエラさん!?それに大丈夫クッキー、クラッカーは!?」

 

 すると、ビスケットとアトラも慌てた様子でやってきたためミカエラは両手をやれやれと言った様子で広げ説明した。

 

「えー、このお二人が飛び出して間一髪車にぶつかりそうなところをこの方たちが避けたのはいいんですが、三日月くんが早とちりしてコーナっちゃいましタ」

 

「えっと・・・ じゃあ俺・・・」

 

「まったく。カッとなるとすぐこれだ。気をつけな」

 

「あ、ごめんサクラちゃん」

 

「謝る相手が違うだろ。まったく・・・」

 

「ですネェ〜」

 

「違う、違う」

 

 サクラに言われ、三日月は男ふたりに頭を下げる。

 

「あのすみませんでした」

 

「私からもこのとーリ」

 

「許せ!許せ!」

 

 だが、案の定首を絞められたオトコは許す訳もなく。

 

「なにがすみませんだ・・・ このッ!!」

 

「ガエリオ──」

 

 ガエリオと呼ばれた男の勢いよく拳を振りおろすが、三日月は簡単にそれを避ける。そして、その時に2人は三日月の首筋に生えている三本の阿頼耶識のピアスを見てしまった。

 

「・・・オイ、貴様。その背中のはなんだ?」

 

 ガエリオは戸惑いの声を滲ませ、尋ねると金髪の男が腕を組み呟く。

 

「・・・・・阿頼耶識システム」

 

「阿頼耶識?」

 

「人の体に埋め込むタイプの有機デバイスシステム・・・だったかな。・・・未だに使われているのは聞いたことはあったが」

 

「体に異物を埋め込むなんて・・・ うっぷ───」

 

 金髪の説明に、ガエリオは隠そうともせずに顔を顰めると口元を抑え車の後ろ側へ行ってしまった。

 

「(何気に失礼なヤツですネ。こんにゃろウ)」

 

 その後ろ姿をニコニコとミカエラは見つめるが、割とイラッときていたりしたが声には出すのは我慢した。

 それと、ガエリオを見送ると金髪の男はクッキー、クラッカー、アトラの元へ近づくと懐から包装された菓子を差し出して口を開いた。

 

「あの───」

 

「怖い思いをさせてすまなかったね。こんなものしかないがお詫びの印に受け取ってもらえないだろうか?」

 

 やはり子供か、クッキーとクラッカはそのお菓子を見て直ぐに顔をほころばせた。

 

「ありがとう」「ございます!」

 

「ど、どうも」

 

「念の為医者に見せるといい。ギャラルホルン火星支部まで連絡をくれたまえ」

 

 一旦区切り、金髪の男は振り返ると続けた。

 

「私の名前は。"マクギリス・ファリド"だ」

 

「・・・・ッ!」

 

 その名前を聞き、ミカエラは僅かに目を見開いた。

 まさか、こんな直ぐに出会えると運命の悪戯に思わず口角がつり上がってしまう。

 

「ところで、聞きたいことがあるのだがいいかね?」

 

「な、なんでしょう?」

 

 すると、マクギリスはビスケットに声をかける。

 

「この付近で戦闘があったようなのだが。なにか気づいたことはあるか?」

 

「そ、そういえば2、3日前にどんパチやってる音が聞こえたような・・・ネ?」

 

 素早くビスケットは三日月とミカエラに目配せをし、2人は僅かに頷いた。

 

「だけど、近くに民兵の組織があるからそこの訓練かなって?ねぇ二人とも」

 

「うん」

 

「デスデス」

 

「なるほど・・・ ご協力感謝する。・・・君」

 

「ん?」

 

 マクギリスはビスケットから視線を外すと、三日月にその視線を向ける。

 

「見事な動きだった。なにか訓練でも?」

 

「・・・まぁ、色々と」

 

「そうか・・・ いい戦士になるな」

 

「・・・・・」

 

 

 ギャラルホルンが走り去っていくのを見送りつつ、ミカエラは獰猛に笑った。

 

「フフッ・・・ まさかこんなに早く彼らの子孫に会えるなんて素晴らしい偶然デス。無神論者ですがこれは神サマの思し召しってヤツデス?」

 

「感謝!感謝!」

 

「嗚呼・・・・ 早く戦いたいデスネェ・・・・ そうでしょウ?アンドロマリウス」

 

 首筋を撫で、ミカエラは熱を孕んだ声で呟いた。

 

 〇

 

「農場にいた男の証言通り、あの近くにはCGSという民兵組織が存在していた」

 

「・・・存在していた?」

 

「経営者が変わり、社名も変更になっている新しい名前は鉄華団だ。だが、それよりも気になる情報がある」

 

「そうなのか?」

 

 火星の荒地を走る車の中、マクギリスとガエリオは話していた。

 

「その数日前にその付近にとある隕石が落下しているという記録があってな。そして、それにはとある物体があった」

 

「壊れたMSか・・・」

 

 荒い画像の添付されたファイルを横目にマクギリスは目を細め、噛み締めるように呟いた。

 

「・・・ガンダム」

歳星にて登場するアンドロマリウスの新装備案

  • 近接攻撃型
  • 遠距離砲撃型
  • 電撃強襲型
  • 強行偵察型
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