最強になりたい(小並感   作:ちくわぐみ

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第四話

 しばらく探索していると、再び何かが近づいて気配がした。俺は咄嗟に隠れられそうな場所を探すが、俺が今歩いているあたりは大きめの岩が一切見当たらないかくれんぼには適さなさそうなエリアだった。

 

 間に合うかどうかはわからんが、走って逃げるか? ……それももう無理だろう。感覚を強化して敵の気配を察知したが、相手も俺に気づいたようで、すごいスピードで近づいてくるのがわかる。

 

 おそらく、後数秒もすればここに敵がやってきて、俺はそいつの腹のなかに収まることになるだろう。何かないのか、と必死に見回していると、近くの岩陰に紛れるようにして小さな霧のような白い煙が立っているのに気がついた。

 

 今はどんな些細なことでも何もせずに死ぬよりはマシだ、と思い、その岩陰に走った。しかし、後ろから犬の吠えるような声が聞こえ、焦っていたのか白い煙に思いっきり顔面から突っ込んでしまった。

 

 そして、その煙の中に人一人入れそうな穴があることに気づいた。俺は無我夢中でその穴に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……おかしい。穴に入ってからずっと匍匐前進の要領で進み続けているのだが、一向に終わりが見えない。体感時間的には30分程だが、あまりに深すぎる。そもそも、顔面から入ったにも関わらず、匍匐前進で進めるのはおかしい。

 

 この穴に入った時に自分の手や足がついてところに重力が働くのか足場にできる、と咄嗟に気づき必死で穴に入ったが、そもそも背中がつくほど狭い穴なのにどうやって手足と背中の区別をしているのか。

 

 それに、どんどん体にピリピリとした痛みが走ってきた。ある時を境に全身を包むようにして痛みが走り続けている。耐えられないほどではないが、違和感は強い。

 

 最悪、引き返しても良いが、あのいつ死ぬかわからない緊張感とはなるべく早くおさらばしたい。それに、あそこにいたとしても、食糧も水もない。

 

 魔物の肉は食べることができないし、水は汚染されており、アーティファクトで浄化しなければ確実に腹を壊す。というわけであそこにいても、死を待つのみだ。というか直感でハジメは大丈夫だとわかったが、今更ながら不安になってきた。

 

 まあ自分に他人を救う余裕なんて一切ないんだけどね、と一人でノリツッコミをして悲しくなっていると、いきなり重量を下に感じ、顔面から突っ込んだ。

 

「〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

 声にならない痛みが顔に走る。……これ、歯とか折れてないよな? 大丈夫だよな? まあ痛いのは顔だけじゃなくて全身ヒリヒリも続いてるんだけどね。

 

 どうやら出口だったらしい木の裂け目のようなところから落ちたようだ。その裂け目にはなんかデザ○ム様のワー○ホールみたいな穴が開いているのが見える。なにこれ? 

 

 周りを見渡してみると、そこはまさに森、というような場所だった。正直またステージが変わるのかよ、と思いもしたが仕方がないことに思える。最初は異世界で次のダンジョン(初級)そして奈落で森。忙しなさすぎだろ。

 

 まあそんな場所でも奈落よりはマシだろ、と思っていると猛スピードで近づいてくる何かに気づいた。ぱっと見からして、イノシシか? まあ余裕だな。

 

 そしてそいつはどんどん近づいてくる……ん? でかくね? おかしいな。小さく見積もっても二メートルはあるんだが。あれ? やばくね? イノシシ程度余裕、と思ってた時期が私にもありましたをリアルに体験してるんじゃね? 

 

 俺は必死で森を見てジグザグに走り始めた。




前回からジャスト十日……ふっ。勝ったな。というのは冗談で、思ったよりも時間がかかりました。ぶっちゃけ、投稿しようか迷ってる小説の方が話数が多いっていう。やめたら?この仕事(小説)という声が聞こえてきそうですが、一応やめません。もしかしたら。
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