四肢を固定され、満足に動けない少年が1人。
激しい咆哮を上げながら体を揺らしている
少年の名は來。後にウロボロスと契約し、終焉ノ義眼を宿す者となり。運命に死を刻む者
と並び立つ者
その始まりの物語。
來「やめろ!!!!楓に触るな!!俺の妹に手を出して見ろ!!お前ら…絶対……絶対ぶっ殺す!!」
白衣の男「おい。あんまり暴れるなよ餓鬼。お前の命の有無は俺達にかかってるんだ。俺達をイラつかせない事だな。フン」
そういうと白衣の男は來を殴りつける。
一発。二発。三発と。更に四発。鼻は歪み、血が溢れる
それでも來は男を睨むのをやめない。
來「大の大人が、子供の鼻を折るのに四発も必要なのかよ。とんだひ弱だな。」
男「この餓鬼…ッ!」
さらに殴りつけようと、腕を振り上げる男の元に一人の少女が駆け寄る。少女は楓。來の妹にして、今は唯一の家族だ。
楓「私…研究に付き合います!だから兄様にこれ以上酷いことしないでください…!」
男「君は頭いいな。そうだ。それでいい」
男は楓の頭を撫でると、手を無理矢理引いて立ち去ろうとする
來「やめろ!!楓!やめろー!!」
必死に藻掻くが、手足の拘束は外れそうにない!
両親が死んでからは、來にとっては唯一の希望だった。
この先も楓の為なら何も惜しくないと、命すらかけられると覚悟は決めていた。
それがどうだ。大人1人に敵う訳もない。家族1人も守れない。自分の非力さをただ只管呪った。
そんな時、自分に話しかける声に気がつく。
白衣の男達でもない。無邪気な声。おそらく自分より歳下であろう少年の声
?「ヤァコンニチハ。聞こえてるカナ?。というか生きてるカナ?」
周りを慌てて探すがどこにも声の主の姿は確認出来ない。
?「ボクは何処にもいないヨ?強いて言うなら君の中…カナ?」
理解できないまま会話が進む。
來「お前は…誰…なの?」
?「ボク?ボクはウロボロス。今は姿は無いけど。聞いたことナイ?自分の尻尾に噛み付いて輪になってる龍とかの神話が有名ダケド。」
声の主は自分の龍だと言うが、まるで理解出来ない。
ウロボロス「ところで、君は力が欲しいのカナ?具体的に言えば、ココを奴らを皆殺しに出来るくらいの力ガ。妹サン。助けたくない?」
闇から足音が、聞こえる。姿を表したのは、7~10歳くらいの銀髪の男の子…?だ。
ウロボロス「やァ初めまして。來君。」
自身をウロボロスと名乗る少年は、龍の面影などはなく、無邪気な男の子そのものだった。
側まで来たウロボロスは、來の顔を覗き込む。その目は人のソレでは無く、不気味なナニかだった。
理解の追いつかない來をよそにウロボロスは話を進める。
ウロボロス「君がボクの器になってくれるナラ。ボクは君に力を与える。その力がアレば、ここのヤツらを皆殺しにして、妹サンを、助けれるよ。」
來「楓を…楓を本当に助けられるのか!?」
ウロボロス「あァただし、君の身体も壊れる可能性もあるヨ?いいのかな?」
ウロボロスの目が青く光る。その光は次第に大きくなり、來を巻き込んむ程の光となった。
ウロボロス「さァ選ぶんだ。ボクの力を受け入れて死ぬか、このままモルモットにされて死ぬか。どっちがいいかな?」
來「お前の力を使えば…使えばアイツらを殺せるんだな?そして楓を助けれるんだな?」
ウロボロスは口元を歪ませた、歪な笑みを浮かべた
ウロボロス「…勿論。約束をしよう。」
その瞬間。蒼い炎が燃え上がった。來の監禁部屋を埋め尽くす蒼炎は通路に沿って施設内に広がった
來「ガアアアアアアアアア!!!」
來の背中から蒼い翼が4枚。目と手からは蒼い炎が発現している。
ウロボロス(へぇ。こりゃスゴい。ここまでの適合率トハネ。)
來「楓!!!!カエデエエエエエエエエェ!!」
そのまま天井を突き破り、施設の上空まで飛び上がる。
來「カエデェェェェェ!」
蒼炎の塊が來の周囲に出現する。それは巨大な蛇の形を成すと施設に突撃する
無数の蛇が施設を襲撃する。
ウロボロス(ちょちょ!そんなにめちゃくちゃしたら妹さんも死んじゃうヨ!)
ふと、我に返る。
來「楓!」
もう一度施設内に降り立つ。そこには燃え尽きた後は無く、炎がなぞった部分が丸ごと消えていた。
ウロボロス(これがボクの力サ。今はまだ10%ってとこかな?暴食の力とでも呼んでよ)
來「なんでもいい…早く楓を!!」
?「行かせませんよ。」
來を囲むように武装した男達が現れる。その手には機関銃や剣など様々な武器が握られてる。
來を殴りつけた男は苛立ちを見せている
男「全く好き勝手してくれたな!その『眼』はどこで盗んだ!そもそも手術無しで適合する訳がない!!!何もなんだ貴様は!!!」
來「なんだヨ…うるさいナ…邪魔なんだよ…俺の…俺の…ボクの!ボクの邪魔をするなああああああああ!!!」
再び双翼が発現し、辺りを炎で埋め尽くす。
銃弾はおろか、そこに人間か存在する事は許さない。
男「な、なんなんだこれは!!知らない!!こんなの作った覚えないぞぉぉぉぉぉ!!!」
男は悲鳴をあげながら炎に飲まれる。
炎が収まる頃には、まるで最初から、いないというように、衣服や血痕はまるで残っていない。
ウロボロス(これは驚いた…もう30%以上使ってる。けど、何だこの気配。歪なフォトンがいくつも集まってル?なんの研究してるのかな)
來「がっ……はぅ!?」
來の口や目から血が溢れる…立ってられなくなり、膝をつき更に血を吐く。
ウロボロス(力の使い過ぎだヨ。今はボクのバランスで何とかなってるけど、君に任せるのなまだ危ないかな)
來「なんでも…いい!ボクは死んでも、楓を…楓を助ける!」
既に消えかけている翼を使い、辺りの壁を消しとばす。
そして、上空を飛ぶヘリコプターに気がつく。
來「楓!!がっ……」
身体の節々から血が吹き出す。地に伏せながら飛び去るヘリコプターを手を伸ばす事しか出来なかった。
來「か……え…で。」
意識を失った來の身体が蒼く燃え始める。その炎は傷を塞ぎ。血が全て來の体に戻り始める
ウロボロス「この子はちょっと面白いからネ。このまま死なせる訳には行かない。だけど、この施設。ちょっと許せないかも…ね」
そうして來はウロボロスの助けを借り、市街地まで戻る事が出来た。有志の市民により病院に搬送された來だが、艾凪家の名前はどの記録にも残っておらず、誰も來の事は知らなかった。
その後、來は施設破壊の重要参考人として、六芒やアークスに指名手配される事となる。
前回抜けてた部分を挿入し再編集しました。
3話以降は随時更新していく予定です