ガーリー・エアフォースX2 ~蒼き鷹と灰の竜姫~ 作:零八式
登場機体
ADF-01ANM FALKEN
寸法 全長 24.00m
全幅 15.92m
全高 5.64m
自重 22,800kg
最大速度 マッハ 2.4
五年前、東京を襲った武装組織『ヴァラヒア』の討伐や、オリビエリ社のゴールデン・アクス計画の阻止に多大な貢献をしたAntares01の操った、マーティネズ・セキュリティー社(以下MS社)秘蔵の化学レーザー砲搭載機。そのドーター化機体。
機体製造は主にドイツで行われていたが、同社は他にも様々な国籍の機種を取り揃えている事で有名である。
上海撤退戦において失われたAntares01の機体は炎のような赤色だったが、こちらには対照的に深い海の様な瑠璃色が採用されている。
機体自体はMS社が部品取り用で確保していた予備機のフレームをベースに組み立てられ、センサーの高感度化やエンジンの更なる高出力化、一部装甲の材質変更による軽量化が行われている。元々将来的には無人機として運用する事を前提で作られていた為、一発でドーター化、アニマの搭載に成功した希有な機体。
しかし、最重要部品である制御機構「COFFINシステム」に関しては在庫が無く、現状で追加分を発注するには時間も予算も足りなかったため、物語開始時点ではゲームセンターの筐体と間違えるほどの非常に簡素なコックピットとなっていたが、イオの持つ同型のシミュレーターを内蔵した事により完全な形となる。後にタンデム仕様に改修された。
主武装は20mm機銃、内臓式ウェポン・ベイに短射程AAMを最大八発まで搭載可能。他にもステルス性を犠牲にして翼部パイロンに追加装備を施す事もできる。
最大の特徴である化学レーザー砲(略称TLS)は戦闘機型ザイは一瞬で溶断、重爆撃型ザイですら最大出力を30秒ほど照射し続ければ完膚なきまでに焼き払うほどの圧倒的な火力こそ持つものの、従来の技術では最大140秒間の照射が限界で、しかも機首方向のみにしか発射出来ないと言う欠点を抱えていた。しかし、技術の進歩により照射時間が最大200秒まで延長、更に最大10°程度だが本体内部でプリズムの焦点を偏向させる事によって、レーザーを微妙に曲げる事が可能になった。
中国本土でのライノとの戦闘の際に表面の塗装が剥げ、本来の色であるクリーム色の外装が露出した。データの最適化の進んだゾーイが乗る事により、ようやくドーターとしての本懐を取り戻す。
搭載アニマ ゾーイ
今作のキーパーソンとなるMS社第一号の褐色肌不思議系銀髪少女型アニマ。
他のアニマの命名方式とは異なり、ファルケンではなくあくまで自らをゾーイと名乗る。
おいしい食べ物に目が無い点はグリペンと同様で、後に意気投合し「アニマ美食の会」を立ち上げる。
戦闘能力は高い方ではあるが、何故か既存のNFIとの相性が極端に悪く本人曰く「気持ち悪くなる」せいで戦闘時間が非常に短い為、今までは要所要所でFALKENのTLSによる重爆撃型の排除にのみ投入されていた。
しかし、趣味である散歩の途中で見つけたイオの所持していたCOFFINシステムのインターフェイス内では「気持ち悪くならない」との事で、これが物語の発端となる。
小松防衛作戦後にイオとの同乗時は「気持ち悪く」ならないどころか動作が安定性を増すという事が発覚し、以後はアニマとしての高い処理能力を生かして主に火器管制やレーダー員を務める事になる。
その正体はかつてクーデターを目論んだ一派が開発を進めていた自己学習型戦術AI、System Z.O.E.をベースに作られたアニマの更に原形であるプロトタイプアニマで、EPCM慣れしていなかった事が戦闘能力の低下の要因を作っていた。現在では追加でダウンロードされたプログラムにより首筋のコネクタで機体と直結させることにより、ようやく単体での操縦が可能になっている。
X-02S ANM Strike Wyvern
全長 21.84m
全幅 18.3m(外翼展開時)・11.54m(外翼収納時)
全高 4.36m(外翼展開時)・3.42m(外翼収納時)
自重 16,800kg
最大速度 マッハ 2.6+
マーティネズセキュリティー社社長が持つ奥の手のドーター機体。機体色はガンメタリック。元になった機体の基礎設計自体は40年前の物でありながら、その時点で既に現用機をも凌駕しかねない圧倒的な空戦闘能力を持つ、旧オーレリア連合国群のオーパーツ。ただし複雑な可変翼機構を採用している為にその部分を燃料タンクとして使えない欠陥があり、高出力エンジンの搭載も相まって航続距離は他の機体と比べると非常に短い(搭乗アニマ曰く、『年寄りは息切れしやすい』との事)。元々はヨーロッパの博物館で動体保存されていた機体だが、偶然にもアニマと適合し、それをMS社社長が空母一隻は軽く買える値段で買い取ったと言う経緯を持つ。近代化改修により只でさえ高い推力の増加による文字通り『殺人的な加速』の会得や最新の電子機器の搭載、更に重武装化にも対応が可能となったため、装備次第では電子戦、格闘戦、対艦爆撃など全てをこなせ、短期決戦においては他の機体の追随を許さない強さを発揮出来るようになった。尚、当機はオーレリア戦争において実際に『グリフィス1』が搭乗していた機体とされており、尾翼にはその人物が使っていた物と同じ、南十字星を咥えたハゲワシのエンブレムが飾られている。
主兵装は25mm機銃 AIM-9X サイドワインダー また、戦闘機用の電磁加速投射砲の搭載も検討されている。
搭乗アニマ リューコ
今作におけるオリジナルアニマ二号にしてマーティネズ・セキュリティー社最高企業秘密兼切り札。名前は日本語訳にして「竜の子供」から取られた。一人称は『儂』。
髪色はロングのアッシュブロンドで、瞳も同様の灰色。背格好は小学校高学年のそれだが、口調は尊大であり『社長』以外の人間は全て自分の家臣か何かと勘違いしている節があるが、受けた恩は必ず返す主義。
自らを「老兵」と定義しており、子ども扱いされると怒る。
通常作戦には一切参加せず、あくまで自分自身の為か社長の指示にのみ従って戦う。
服装は主に高級シルクをふんだんに使用したホワイトロリータ姿だが、この服の設計は彼女自身がした物で、同じ世代の機体である所為かメル友である那覇のバイパーゼロに服装のデータを送っていたりする。
ドーターの『記憶』を多く継承しており、僅か二ヶ月で国土を奪還した自分達の活躍を自慢げに話す事も多いが、現代戦の風貌を見てからは「所詮自分は老兵」と時折自らを卑下する事も。
しかし、短期決戦においてはその経験の豊富さと機体性能をフルに生かした器用且つ大胆な戦いで、ザイはおろか他のドーター・アニマの追随を一切許さない。但し息切れしやすい。
F/A-18 ANM/Sin シンホーネット
全長 18.95m
全幅 13.62m
全高 4.88m
自重 NO DATE
最高速度 計測不能
一度ザイに飲み込まれかけたライノがイオの説得を受け、作られたプログラムでもボーイング社の戦闘機でもザイの残骸でも無く、他の何でも無い自分自身として生きると決めた際に顕現した新たな存在。カラーリングはドーターだった頃と同じサファイアブルーが基調だが、ザイに浸食された名残からかコックピット部を除く全体が部分的に紫色のガラス質の追加装甲で覆われ、全体的には青紫色と言った印象である。このガラスは一種のリアクティブアーマーのような役割を持っており、機体の防御性能を高めている。また、このガラス質の追加装甲や主翼のパイロンに残ったガラス質のミサイルは
ただし、これらの機能は搭乗者であるライノのコンディションが安定していないとスペックが著しく低下すると言う欠点がある。
現状では二人乗りに半ば強引に改造した本機にMS社のパートタイマー、イオを乗せる事で解決している。
主武装はガラス質の大型弾頭ミサイル四発と20mmバルカン砲。主翼パイロンのハードポイントの規格は変わっていないためにその他兵装は今まで通り使用が可能な上、
新たなペットネームであるシンホーネットのシンの由来は、『新』の音読みと、『罪』の英語読みのダブルミーニングである。
搭乗アニマ ライノ
イオの説得に応じ、他の何者でも無くただのライノとして生きる事を決めた元アニマの少女。とある男は生まれ変わった彼女の事を
性格は相変わらず好奇心旺盛で気配りの出来る少女と言った具合だが、言動に容赦が無くなったり、笑う以外の感情を得たからか表情がより豊かになった。しかし、まだ感情表現には不慣れな面もある。
GAF-01X DANM Varcolac
全長 NO DATE
全幅 NO DATE
全高 NO DATE
自重 NO DATE
最大速度 推定マッハ 2.5前後
とある研究機関が極秘裏に秘密工場で増加生産されていた四機のGAF-01 ヴィルコラクを回収し、『デミ・アニマ計画』に対応出来るよう改造が施された機体。カラーリングは隊長機のみ赤みの強い紫で、他の三機はやや明るいモスグリーン。
この四機はドーターでありながら厳密にはドーターではない、言わば『デミ・ドーター』とも呼べる存在のフラッグシップ機である。
詳細なスペックは不明だが、ある男曰く『そんなには変わっていない』とのこと。
しかし、裏を返せばそれは元来のスペックの高さそのままであるという事であり、特に隊長機は両足部分にも仕込まれたNFIにより機体との高い親和性を発揮し、ごく一部の人間の間では有名なマニューバ『スレイマニ・ダンス』を難なく敢行することが出来るが、他の三機も多少苦労するくらいで決して不可能ではない。
研究所離反後にはアクティブ防御の全機体標準装備化や個々の特性に応じた更なるアップデートが施され、以後幾度となくバービー隊やアンタレス隊に牙を剥く事となる。
登場人物
イオ・ケープフォード
今作の主人公、年齢17歳。
アメリカ人ベースの日本人クォーターだが、父は事故死、母は蒸発したために現在は母の妹夫婦に引き取られているが、その二人も大抵帰ってこないために実質一人暮らしライフを満喫中。野菜の栽培が趣味で裏庭の小さな畑で様々な野菜を育てている。学校は「ギリギリ卒業できる程度にズルけてる」とのこと。
父親が生前くれた最後の誕生日プレゼントである、全周囲モニター採用のシミュレーターを用いた英才教育が為されており、ある特定の機体に対しては凄まじい適応力を持つ。
友人である鳴谷慧とは撃墜数を競ったりもするが、イオが負けた事は殆ど無い。
短気で喧嘩っ早いが、面倒見は割りと良い方。
とある出会いから父親の死の真相を知り、シミュレーターを格安で譲る代わりに、ザイとの戦闘をこの目で直接見る事を条件にマーティネズ・セキュリティー社M42飛行中隊所属アンタレス隊の
コールサインはAntres Ghost
正式な数に数えられてはいない為数字は与えられていないが、本人は気に入っている模様。
オリジナル技術関連
デミ・アニマ
ザイのコアを培養し、一から精製したアニマとは異なり、人間に『クライム・クォーツ』と呼ばれる特殊な構造体やNFIと接続する為の神経融合デバイス、演算能力強化のためのニューロチップ等を内蔵させ、薬物による身体強化などを施し、アニマと似て異なる存在に改造された人間のこと。しかし、どういう訳か成人と比べ、10代中盤~後半辺りが抜群の動作性を誇っていた。その為、実験には主に戦災孤児や人身売買で売られた子供たちが利用される事となった。
とある研究所が推し進めていた『デミ・アニマ計画』とは、機種制限の枠を超えてドーターの、もしくはドーターと同等の戦闘能力を持つ機体を量産すると言う構想である。
被験者の特徴として、首筋や足など人によって場所が異なるがコネクタが露出している。また、定期的にメンテナンス処置を行わないとコネクタを中心に全身が苦痛に苛まれることとなる。
デミ・ドーター
ドーターに並ぶ新たなジャンルの戦闘機群。機体の剛性の引き上げや推力の強化などが行われており、その点ではドーターと大差無い。
主な違いとしてデミ・アニマの搭乗を前提で設計されており、コックピットは基本的に有線接続型のNFIを中心としたインターフェイスに置き換えられている。現状確認されているのはGAF-01X DANMとSu-XXのみ。
その他の共通点として、機体とのダイレクトリンク時に装甲の発光現象が起きない事と、コックピット周りと翼端にクライム・クォーツが使用されている事が挙げられる。
クライム・クォーツ
主にデミ・ドーターやデミ・アニマに使用される紫色に光る結晶体。素材自体の強度はそれ程でも無いが、特筆すべき点はパターンが絶えず変化する微弱なEPCMを常に放ち続けている点であり、これによりクライム・クォーツの影響下ではザイによるEPCMの影響を受けない、あるいは軽減される。
当初はミサイル等に埋め込んで使用する案もあったが、素材自体が入手しづらい為その案は却下された。その代わりに生まれたのがデミ・アニマやデミ・ドーターである。