転生したら足が遅くなってた   作:srn

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 なんと本作もこれで30話と。長いような短いような....一話毎の文章数が少ないから短いですね()




第30話

 災厄の島・ダンジョンの屋上、一人佇む男がいる。

 

「ああ....来たの、ってあれ?アロマ嬢まで来るとは予想外だったな....」

 

 初っぱなから既に台詞が違うな....カルマッソ。

 

「やあ、ジョーカー君、奇遇だね。....って、もういいか」

 

 回りの温度が急に冷える錯覚を覚える。

 

「それで?何か質問は?出来る限り答えるよ、君はこれから死ぬんだから」

 

 やはりこいつは僕を殺す気だ、まあ当たり前だろうが。なんなら一回死んだことあるから脅しにも多少は強く出れる。シャレにならんが。

 

「....お前の目的は?」

 

「そんなこと答える必要あるかい?....知ってるクセに。魔界から大量のマ素を引きずりおろして、この世界をモンスター達の楽園にすることだよ」

 

 何かがおかしい。見透かされてるような。

 

「そろそろ気付いたかな....はあ。ジョーカー君の中の()()、どんだけ鈍感なんだよ。そろそろネタバレしてもいいかい?なかなかキャラを造るのは窮屈でさ」

 

「ハロー、主人公君。僕もキミと同じ、()()()()

 

 

 

 ....は、なんで

 

「ちょっとアンタ!何ワケわかんないこと言ってるの!?その....転生?とか、どういう意味よ!」

 

「あれ?アロマ嬢まで付いてきたからもしかしたらと思ったけど、違うのか。ってことは仲間は僕たちだけになるのかな?....ところで主人公君」

 

「僕と一緒に、世界を変えないか....いや、違うな。ドラクエ風に言うと」

 

もし僕の味方になれば、(もしわしのみかたになれば、)世界の半分をキミにあげよう。(せかいのはんぶんをおまえにやろう。)どう?僕の味方になるか?」

 

 ....いや。

 

「いいえ、だ」

 

「....そう。じゃあとりあえず殺すけどその前に僕の自分語りに付き合ってよ」

 

「何処からかな....そうだな。とりあえずキミも使ってるそのカプセル。それは僕がこの世界に来てから一番最初に作った物だ。凄いんだよ協会は。僕が一声かければ材料なんか全て賄ってくれるんだから。まあ後は資料を読み漁ってどうにか作れたのがそれさ。偶然だけどね。

 あとは協会の設備とかかな。ゲーセンとか、ジムとか温泉とか。あれは僕の趣味さ。さっきも言ったけど、材料なんかは気にしなくてもいいからね。まあ僕本職な訳じゃなかったから、全部簡易的だしレトロゲーばっかだけど。

 ....そうそう、キミったらまだ優勝してもいないのに浄魔球持ってて驚いちゃった。まあそんなこともあろうかと、って思ったから転生特典に邪悪な霧を持ってるモンスターを選んだんだけどね。ところでキミの転生特典は?与えられただろう、一つ」

 

 ..........ああ、思い当たる節が一つ。この時代でもモンスターに乗れたのって....

 

「....モンスターに乗れるかわりに翌日全身筋肉痛」

 

「はあ?なんだいそれ。まさかキミ、ドMかい?」

 

 おい、この話が本当ならもっと楽する手段を手に入れられたんじゃ....

 

「....選んでねえよクソが!!なんだよ転生特典ってはじめて聞いたわ!!ふざけるなよ畜生が!!」

 

「....おう、なるほどね。静まれ静まれ。後ろのアロマが凄い形相で見てるぞ」

 

 目の前のイラつく火種を寄越した男にそう言われ振り返り、直ぐ様向き直した。きっと今の俺の顔は、この世界に来てから上位に食い込むくらいには歪んでるだろう。

 

「....はは、お互い大変だねえ。で、あとはなんかあったかな....ああ、そういやギルツの部下にギルツ襲わせたっけね。あれも封印の霧使って洗脳したよ。ったく、キミが絶対に来ない内に襲わせて浄魔球壊して詰ませてやろうと思ってたのに....抑止力ってやつかい?まーそれはいいや」

 

 一呼吸置いて。

 

「さて、こんなもんかな、ネタバレとしては。何か質問あるかい?」

 

 いや、やはりどうにも、俺にはこいつが腹の底から極悪人だと思えない。思えないから、この質問を。

 

「どうしても、この世界をマ素で染めなきゃ気が済まないのか?」

 

「ああ。キミがこっちに付かないのならキミと僕が分かり合うことはない。残酷かもしれないけどね。だって僕は()()()()()心から主人公側になったことはないから」

 

「僕は()()()()()()()カルマッソの意見にしか賛同出来なかったよ。だから僕がカルマッソになった今、主人公を倒してカルマッソが未来を掴むんだ。一発勝負。僕が負けたら潔く消えよう。ただしキミが負けたら必ず殺す」

 

「は?....ちょ、ちょっと!どういうこと?消えるとか殺すって....」

 

「....はあ、これだからアロマは。そのままの意味さ。君はそこで見ててもいいし、そこのジョーカー君の手助けをするならそれでもいい」

 

「....ねえちょっとジョーカー!あれってどういう....」

 

 アロマはきっと置いてきぼりだろう、あれが言ってるのは本当にストレートな意味だ。だからこそ、理解が及ばない。

 

「さて、冷めちゃうからね、前哨戦は無しでいこう。あのモヒカントとバッファロンのやつさ。やる意味もないしね。じゃ....」

 

 そう言って、目の前の男は魔砲珠を天に掲げる。

 

 空からどす黒いマ素が滝の様に男に降り注ぐ。

 

 

 

 次に目の前に現れたのは、見るものに不快感を与えるおぞましい体躯だった。

 

「おお、これでボクはモンスターに....しかし、もっといい見た目はなかったのかな....」

 

「うわっ、何よあれ....今までのダンジョンと同じくらい酷い....」

 

「なんともおぞましい....あれが我の不始末の代償か」

 

「そーだ神獣くん。まずありえないけど君達が生き残れたら、ちゃんと君の知っている事をそこのジョーカー君に話したほうがいいよーん....なんだこれ、口調が制限されるのか」

 

「....そうだ、ジョーカー。我はまだ汝に話していない事がある。しかしその前に、あの異形を倒し、生きて帰るぞ!」

 

 目の前に佇むは異形の魔王(ガルマッゾ)。相手にとって不足はなし。

 

 戦闘が始まった。

 

 




 戦闘は始まりますが今回はこれで終わりです。正直伏線取り損ねてそうで内心ビクビクでお送りしました。
 質問とか指摘とかあったらコメントに書いて頂けると助かります、あと今回に関しては何回も手直しするかも知れないんでそこのところもご容赦ください。
 では次回。


 ところで、カルマッソ視点からこの話書いたら面白そうですね....?()


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