あれだけ降っていた雨もすっか止み、太陽が雲の隙間からひょっこりと顔を出してき出した。一瞬だけ雨が降り、直ぐに晴れたおかげか珍しく虹が掛かっていた。
ふと、時計を見ると時間はもうお昼をすぎていた。俺は会計を済ませ、喫茶店を出り、自宅に向かった。その間、容赦ない陽射しが俺に突き刺さり、目を眩ませてきたがそれも束の間 また雲がかかり太陽は顔を隠してしまった。
そんな事を考えながらてくてくと歩いていると、家に着いてしまった。バックから鍵を取りだし、家の鍵を開けるとリビングの方から香ばしい匂いがしてきた。きっと神奈が昼御飯を作っているのだろう
八幡「ただいまー」
神奈「おかえり〜遅かったね」
リビングに入るとトテトテとこちらに歩いてき、もうすぐご飯できるから待っててねと言いに来てくれた。
もう、この反応から分かると思うが、神奈には雪ノ下に会ってくるとは言ってなかった。心配させたくなかったから…
八幡「途中雨が降ってきたから喫茶店よってた」
神奈はそうなんだーとあまり興味なさげに言っていた。暫くすると料理を作り終えた神奈がこちらにお皿を並べだしたので、俺もお茶や箸など、食事する準備を始めた。それから2人で黙々とご飯を食べた。
神奈「ごちそうさま〜」
八幡「ごちそうさまでした。美味かったぞ」
神奈と自分の分の皿を下げリビングに戻ると…
神奈「はーちゃん、さっき雪ノ下さんの所に行ってたの?」
神奈は自分ののスマホをこちらに見せつけるように掲げ、怒っていた。神奈のスマホには雪ノ下からのメールが一通送られてあった。その内容は……
「雪ノ下雪乃です。突然のメールすみません。先程比企谷君が家に来ていたんですが、その時に言ってしまったセリフのせいで彼が思い詰めているかもしれません。もしそういう素振りがあれば彼を支えてあげて下さい」
と丁寧な文章で書かれてあった。
神奈「なんで言ってくれなかったの?」
八幡「心配…掛けたくなかったんだよ」
嘘ではない本心だ。だけれど今更考えてみると何も言わずに他の女の人と会ってくるって知った方が不安になるよな。何でそんなことも気が付かなかったんだ俺は…
神奈「言ってくれない方が心配になるよ、どうしてはーちゃんは基本なんでも分かるのにそういう所は鈍感なの」
痛いところを突かれた…
八幡「悪い…」
神奈「悪いじゃないよ!!」
初めてだった神奈に怒鳴られたのは。今まで一緒に暮らしてきて、たった一度の喧嘩も起きなかった。それは互いに譲歩したりしていたからかもしれない。だけれど今回は完全に俺が悪い
神奈「はーちゃんが雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの事を大切でかけがえのない存在だと知ってるから、会うことも何も言わなかったけどさ…こうして隠し事みたいにされるとさすがの私だって辛いよ」
神奈は今にも泣きそうな顔で俺に訴えかけていた。俺が神奈を悲しませた。俺のせいで神奈は傷ついた。こんな表情させたくなかった。俺が馬鹿なばっかりに……それだけでもう充分だった。
八幡「神奈、別れよう」