スーパーロボット大戦T 多次元の天秤   作:ジャギィ

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スパロボT、19話まで一気に進めました


特務一課の挑戦

違う世界(ZとT)の者同士が出会い、苦労(誤字にあらず)が再び100万Gの男となった日の翌日…

 

「おはようございます」

 

メリルは朝早く特務三課の職場である第一試験場格納庫に到着していた。きっとすでにアマサキ課長とトキトウ主任がいるだろうと踏んでいた

 

「おはようさん」

「おはよう」

「おはようございます、メリルさん」

 

しかしそこに上司2人の姿はなく、代わりにいたのはクロウ・ブルースト、剣鉄也、ラミィ・アマサキの2人だった。クロウの手元には端末がある

 

「…随分とお早いですね、クロウさん」

 

正直言えば、自他に厳しい鉄也や新人ゆえに張り切るラミィはともかく、昨日の最後で完全にクロウに対して借金人間なイメージがついたメリルからすれば、こんな朝早くから来ているとは思っていなかったのだ

 

「職業柄早く起きることもあったからな。あと、敬語で話さなくてもいいぜ。今じゃ俺もこの特務三課メンバーの一員なんだ」

「分かったわ、クロウ」

 

この段階でメリルの中で昨日のクロウの第一印象は消え失せていた。借金持ちで飄々とした感じだが、意外と情に厚く話しやすい。クロウに対してかなり好印象なメリルだった

 

(仕事主義過ぎる主任よりはずっと相手しやすいわ…)

 

どうやら上司のせいで好感のグレードが下がってただけのようである

 

「課長と主任は?」

「主任と課長は少し前に大事な電話が来たらしくて、話をするために席を外しましたよ」

 

メリルの質問に答えたのはラミィだ。理由を聞いて納得すると、今度は3人が何をしているのかが気になった

 

「それで、何をしているの?」

「私と鉄也さんで、この世界の歴史とかについてをクロウさんに教えていました」

「そっか…そういえば昨日この世界に来たばっかりだものね」

 

端末を弄ってるクロウに納得するメリル

 

「しかし今だに信じられないわね…並行世界なんてものが存在して、しかもそこから来た人なんて」

「そうですね」

「でも正直に言うと、別の世界の人間って言われて納得した自分もいるの。だってあのブラスタって機体、今まで見たどの技術系統とも違う上にすごく高度だもの。あれを組み上げたトライア博士には嫉妬するわ」

 

そう、特務三課のメンバーで1番並行世界の存在を認めていたのは他でもないメリルであった。一流の技術開発者だからこそブラスタの異質さがよく理解できていた

 

「しかし、退廃と諦めの『黄昏の時代』ね…この世界もこの世界で随分殺伐としているな」

 

一方でクロウは、ラミィたちから教えてもらった歴史の内容を見て深々と息を吐く

 

『黄昏の時代』。かつて宇宙進出と共に急激な文明の進歩と繁栄を誇った『黄金の時代』が、外宇宙の過酷な現実に打ちのめされて人類の生活圏が太陽系内に押し止められた結果、地球圏は荒廃とした世界になった。それが現代まで続いたのが『黄昏の時代』であった

 

「この世界も…って、クロウさんの世界も戦いがあったんですか?」

「まあ、あんなに高度な機動兵器がある時点で想像はついてたけどね」

「皆さん、おはようございます」

 

そこにエイミスが挨拶しながらやってきた。4人はそれぞれ挨拶を返しながらエイミスも会話に交ぜる

 

「おはようございます、エイミスさん」

「何の話をしているの?」

「クロウさんの世界について聞いていまして」

「クロウさんのいた世界かぁ…私も少し興味があるかな」

「そうだな…全部話すと長くなる。ここはかつて俺たちが戦った「破界の王 ガイオウ」という男のことを話そうか」

「「破界の王 ガイオウ」…」

 

クロウが口にした名前をラミィが反芻する

 

「なんだか強そうな名前です」

「実際に奴は強かった。なんせ初めて会った時には生身で戦艦にダメージを与えたからな」

「生身で!?」

「人間じゃないわよ、それ…」

 

あまりに人間離れしたガイオウの話にエイミスとメリルは開いた口が塞がらなかった

 

「ガイオウは全生命体の天敵と戦うための戦士だったらしい。…その戦いに負けたあいつは記憶を失ったんだが、それでも戦うために力を集めることは覚えていてな。それである国に住む人間と機動兵器を次元獣って化け物に次々と変えて、その国を滅ぼしたら今度は俺たちの地球にやってきて、全世界に対して戦争を始めたんだ。ガイオウって名前もその時に名乗ったんだ」

「…なんだかスケールの大きい話ですね…」

「だがそれほどの戦いを経験していたのなら、クロウの技量の高さも納得がいく」

 

嘘をついてる風にも見えないのも理由の1つだった

 

「俺たちって言いましたが、他の人と一緒に戦っていたのですか?」

「ああ…独立支援部隊ZEXIS(ゼクシス)。戦う理由はそれぞれだったが、みんな平和のために戦っていた」

「ふふ、クロウさんもでしょう」

 

平和のために戦う組織にいたのなら自然とクロウも同じように戦っていたのだろう。そう思って言ったラミィだったのだが

 

「いや…借金返済のために戦っていた」

「そこでも借金!?」

「そもそもブラスタに乗ったきっかけも借金を返すためだったからな」

「ええ!?」

 

借金ワードのオンパレードにラミィは目眩がした。この人、どれだけ借金と縁があるのだと

 

「とにかくガイオウは俺たちの敵だった。でも、あいつも宇宙の平和のために戦った男だったってわけだ」

「そ、そうだったんですか…」

 

クロウは綺麗に収めたつもりだったが全然収まってなかった。どんな顔をすればいいのか、分からなくなる女性陣であった

 

「クロウ、1つ聞きたいことがある」

 

そんな状況で鉄也が言葉を投げかけた

 

「お前は昨日、俺と初めて会ったにも関わらず何か昔のことを思い出すかのように話していた。昨日、初めてこの世界に来たのにだ。なぜ俺のことを知っていたんだ?」

「そのことか…」

 

聞いていたクロウは少しだけ黙る。そして少ししてから話を始めた

 

「俺のいた世界が並行世界の集まった世界ってのは話したよな」

「ああ」

「並行世界ってのは言ってしまえば、俺たちの世界とは違う未来や歴史を辿った俺たちの世界ってことだ。だから俺たちの世界と全く違う並行世界もあればほんの少し違うだけの並行世界もある」

「それって…」

「並行世界の同一人物か」

 

その答えを出したのは質問してきた鉄也だった

 

「分かってたのか?」

「なんとなくな」

「なら話は早い。俺は元の世界で剣鉄也の話を聞いたことがあった…だからあんたのことが分かったってわけだ」

「もしや兜甲児のことも知っているのか?」

「ああ…つっても、この世界の甲児は俺の知ってるあいつより大人みたいだがな」

 

先ほど歴史を教えてもらった時、自分たちが戦ったはずのハーデス神やミケーネの神々のことが存在してなかったこと、逆に自分たちが戦ってない暗黒大将軍の存在などから、この世界のマジンガーは自分たちとは違う未来を辿った世界のマジンガーなのだろうと考えていた

 

「鉄也さんの同一人物ね…私たちの同一人物もいるなら会ってみたいものだわ」

「でも、並行世界の同一人物って出会ったら重なった後にバラバラのスポンジ状になって死んじゃうんじゃ…」

「落ち着いて、ラミィ」

 

変な知識を受信したラミィを落ち着かせるエイミス

 

「そんなことは起きねえよ。それどころか全並行世界の自分自身を1つの体に統合した奴がいるくらいだからな」

「そんな人がいたんですか!?」

 

その人物とは言うも憚る究極の変態(ジ・エーデル・ベルナル)なのだが、その話題はまた別の機会にしておこう

 

コッ コッ コッ

 

「メリルくん、エイミスくん、おはようございます。皆さん揃っていますね」

「2人とも、おはよう」

「おはようございます、課長、主任」

「おはようございます」

 

そこにアマサキとサイゾウが一緒にやってきた。今日初めて顔を合わせたメリルとエイミスに挨拶する上司2人に、部下2人も挨拶する

 

「さて、昨日は忙しくて出来ませんでしたが、まず自己紹介をしてもらいます。クロウくん」

「分かった」

 

アマサキが声をかけるとクロウはみんなの前に出てくる

 

「昨日社長に許可をもらい、トライア博士と話し合った結果、クロウくんをVTXユニオン特務三課に派遣社員として所属することになりました。…と言っても、派遣社員はあくまでこの世界での彼の立場を明確にするための建前です。なので彼はスコート・ラボ所属のままと捉えてもらって構いません」

「特務三課へようこそ。歓迎するぞ、クロウ」

「改めてよろしく頼むぜ、サイゾウ」

「ああ」

(主任、嬉しそうですね…)

(仕事一筋の人だと思ってたけど、あんな顔もするのね…)

 

噂や昨日とは違う顔を見せるサイゾウの姿にちょっぴり驚くエイミスとメリルの2人

 

「さて、本来ならば今から業務を開始する予定だったのですが、その前に刺激的なイベントをすることになりました」

「刺激的…ですか?」

 

アマサキ主任の言葉に首をかしげるラミィに、サイゾウは不敵な笑みを浮かべながらイベント内容を口にする

 

「特務一課からの挑戦状だ」




同一人物のラミィのくだりはジョジョネタです。D4Cって調べれば分かるかも

破界篇でクロウがやったポルナレフ状態はホント笑いました
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