スーパーロボット大戦T 多次元の天秤   作:ジャギィ

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平成最後の投稿間に合いましたー!ゲームや仕事で忙しくて遅くなりましたが僕は元気です!

ちなみにスパロボは今最終回で止まっています。今からプレイするので結果はまた次回に〜


目指すは火星

それぞれ強盗団の機体群に向かって加速するブラスタ、ティラネード、ゲシュペンスト、グレートマジンガー

 

『来るぞ!』

『撃て!撃てぇー!』

 

ゲシュペンストの不意打ちですでに1機やられた強盗団は、敵意を向けながら銃口から一斉にマシンガンやビームを撃ち放つ

 

「よっと」

「ふっ」

「甘い甘い」

 

ブラスタ、ティラネード、ゲシュペンストの3機は弾幕の嵐を軽く回避し

 

「効かんな!」

 

キンキン!バシュゥ!

 

『き、効いてない!?』

 

グレートマジンガーは超合金ニューZの装甲によって、カスリ傷も通さずにまっすぐ強盗団に突き進む

 

「喰らえ!ドリルプレッシャーパンチ!!」

『うわあああ!』

 

そしてプレッシャーカッターを展開した腕を突き出すと、ドリルのように回転したロケットパンチを発射。2機のゼグートに連続で風穴を開けて破壊する

 

「さすがグレートって名がつくだけあるな。ロケットパンチも一味違うぜ」

 

自分の知ってるロケットパンチよりも高い貫通力にグレートマジンガーの強さを実感するクロウ

 

クロウより先に突っ込んていたサイゾウとサギリは、それぞれメガ・バスター・ストライカーとニュートロンビームで敵機を一撃で落としていく

 

「さてと、俺もやるか!」

『な、はッ、速い!?』

 

千里の道も一歩から、100万Gも1Gからの精神でクロウは目の前のモビルスーツ、バタラと相対する。バタラはあまりに速すぎるブラスタの機動を捕捉できず、闇雲にビームライフルを撃ちまくるが見当違いな方向に消えていくだけである

 

やがてビームの雨が止む。バタラはビームライフルのトリガーをカチカチ引くがエネルギーが切れて発射されない

 

「隙だらけだぜ!」

 

その隙をクロウは見逃さず左腕のバンカーを前に出して高速接近、そしてすれ違いざまにバタラを斬りつけた

 

『こ、この俺が何もできずに!』

 

上半身と下半身が泣き別れした機体は切断面から火花を散らして爆発した

 

「モビルスーツにしては随分脆いな…それに変わった見た目だ」

 

今まで戦ってきたどのモビルスーツと比べてもあっけない感覚にクロウは呟く。特殊環境下ゆえに一点特化の性能にする必要があり、そのために各パーツの換装を前提とした木星帝国(ジュピター・エンパイア)製のモビルスーツの特徴を知らなかったゆえに出た呟きだ

 

バジュゥ!バビュゥ!

 

その時、背後から太いビームが2本迫ってきた。ブースターを吹かして回避したブラスタが振り返るとピンクの目立つ色が3つ森の上を浮いていた

 

「ネオ・ジオンの奴らか…この世界でも戦うことになるとはな」

『見たことのない機体だな』

『なんとしても撃墜させるぞ!』

 

天獄戦争でよく戦った量産モビルスーツ「ガザC」を目視したクロウは即座にEAGLEを構え目標に向けて撃つ。3機のガザCは先ほど撃った大口径ビーム砲、ナックルバスターでブラスタを撃った弾ごと蒸発させてやろうと放った

 

だが、ブラスタのEAGLEはスフィアの次元力をエネルギー弾にしているため、高密度なエネルギー弾はナックルバスターのビームに命中しても消えないどころか、逆にビームをかき消しながらガザC3機を穴だらけにする

 

『ビームをかき消し…ッ!?』

『バカなあああっ!!』

 

ありえない光景に目を剥くパイロットの絶叫はガザCの爆発音の中に飲み込まれていくのだった

 

「恨むんなら悪事を働いた自分を恨むんだな」

 

撃墜された強盗団にクロウは聞こえない忠告をした

 

「なんてバカげた火力!一体どこの企業のなの…?」

 

そしてブラスタの異常な火力と機動性に思わず目を剥くサギリ

 

「サクライはブラスタに目がいってる。今のうちに撃墜数を稼ぐぞ」

 

そんなこんなで強盗団との戦闘が続き、10分が経過。敵機の数も残り少なくなってきた

 

「主任!左前方より熱源反応です!」

「分かった!」

「トドメのニュートロンビーム!!」

 

ラミィの言葉を聞いたサイゾウはティラネードの位置をずらしてビームを回避し、そのまま残りの敵を撃ち落とした

 

同じくサギリもサイゾウが撃ち抜いた機体の近くにいたゼグートに風穴をあける

 

「同時撃破、か…」

 

最後の2機をまとめて撃破してやろうと思っていたサギリはどこか悔しそうに呟く

 

「ビジネスとは時間と気迫との勝負だ。俺は三課、お前は一課を背負っている以上、簡単に負けてやるわけにはいかない」

「時間はともかく、気迫って関係あるんですか?」

「あるぞ。残業確定なタスクを業務時間内に終わらせる時などにな」

「そんな話は聞きたくなかったです!」

 

サラリーマン、というより労働者の闇を意図せず垣間見てしまった新人ラミィ。彼女はまた1つ大人になったのであった

 

「強盗団の全滅を確認」

「あっという間に終わったわね」

「いやあ、皆さん本当に頼もしい限りですね」

「ありがとうございます」

 

アマサキの褒め言葉を受けたサイゾウは謝礼をする

 

「それで、サイゾウと奴さん(サギリ)のどっちが勝ちなんだ?」

「間違えるなクロウ。これは俺とサクライ個人の戦いではなく、三課と一課の戦いだ」

「相変わらず真面目ね、トキトウくんって」

 

あくまでチームの一員として勝利にこだわるサイゾウにサギリは懐かしく感じた

 

「ティラネードとゲシュペンストの撃破数は同数の10機でした」

「てことは引き分けか」

「いい機体だな。ティラネードもゲシュペンストも」

「俺もそう思う」

「私もそれは認める」

 

鉄也のティラネードとゲシュペンストへの評価にサイゾウもサギリも肯定する

 

「ティラネードと同じく、一課のゲシュペンストも多くの人たちの努力の結晶なんだろうな」

「そうよ…だからティラネードに負けるわけにはいかないの」

「でしたらサクライくん…」

 

そこにアマサキがサギリにある提案をする

 

「あなたもプロジェクトTNDに参加しませんか?」

「え…」

 

アマサキの提案にサギリは目を丸くする

 

「ゲシュペンストとティラネードの比較試験もプロジェクトTNDに必要な要素です。サクライくんさえ良ければ私の方から社長に報告しますが…」

「…そうですね。このまま引き分けのまま引き下がるのは一課のみんなに申し訳が立たないし…」

 

少し思考してからサギリは答えを口にした

 

「分かりました。私もプロジェクトTNDに参加させてもらいます」

「ありがとうございますサクライくん、歓迎しますよ」

「でも私…次期量産機の座をティラネードに譲る気はまったくありませんので」

 

そしてサイゾウの方に向き

 

「だからトキトウくん、プロジェクトTNDは特務一課のゲシュペンストのことで埋め尽くさせてもらうわ」

「あいにくだが、こちらも勝たせてやる気はさらさらない」

(い、一触即発の雰囲気…!)

 

居心地の悪さにすぐにでもティラネードから降りたいとラミィは思った

 

しかし次の瞬間にはサイゾウは笑って言う

 

「だがそれ以外に関してならば歓迎するぞ、サクライ」

「そうね。よろしくお願いするわ、トキトウくん」

(ホッ…)

 

居心地の悪い雰囲気が霧散したことでラミィはホッと息をつくのだった

 

「ちなみにクロウさんと鉄也さんは何機倒したのですか?」

 

話題転換のためにラミィはすぐさまそう聞くが、エイミスはちょっとためらう感じに黙ってから

 

「…クロウさんが24機、鉄也さんが13機よ」

「ウソ!?」

「本当ですか!?」

 

エイミスから聞いた撃墜数にサギリに加えてラミィも大きく驚愕した

 

「…剣鉄也は10年前、機械獣やインベーダー、ジオンと戦った一年戦争の経験があるから分かるけど、その英雄に大きく引き離した彼って何者なの?とても機体の性能だけとは思えないわ」

「俺たちもクロウの経歴は掻い摘んで聞いていたが、これほどのレベルだったとはな…」

「そうですね…」

「後ろから見ていたけど、鉄也さん以上にいろんな機体との混合戦に慣れている様子だったわ」

「俺以上の修羅場をくぐり抜けてきたというわけか」

「………?」

 

サギリのもっともな疑問にサイゾウ、ラミィ、メリル、鉄也が順番に答えるが、クロウの事情を知らないサギリは首をかしげるばかりだった

 

「その話は戻ってからでもいいでしょう」

「そうね。そっちの方が根掘り葉掘り聞けそうだし」

 

そう言いながらブラスタの視線を向けるサギリ。さらにクロウは、心なしか彼女が舌なめずりしてるようなイメージが浮かぶ

 

(ここでも俺の女難は続くのか…)

 

逃れられない運命。それに対してクロウはただただ黙るしかなかった

 

 

 

 

 

「並行世界の人間ッ!!?」

 

時は進み場所は変わって、VTXユニオン第一試験場格納庫内

 

特務三課のプロジェクトに参加することになったサギリは早速クロウの事情を知るべくクロウに詰め寄った。タジタジになるもクロウは簡潔に自分が超多元世界出身の並行世界の人間であることを説明した

 

その結果が冒頭のサギリの叫びである

 

「驚いているわね」

「ラミィと同じくらい驚いているんじゃない?」

「いや、ラミィの声量はあれの10倍以上はあった」

「冷静に分析しないでください主任!」

 

特務三課のメンバーはサギリの反応にそれぞれの思いを口にする。サイゾウのはラミィにしてみれば恥ずかしい過去を掘り返されているようなのでたまったものではないが

 

最初は驚いていたサギリだが、数分もすればもう気にせずにクロウに話しかけていた

 

「へえ〜、並行世界なんて本当にあるのね…」

「まあ、その辺は深く考えなくていい。今の俺は特務三課の一員だ」

「それもそうね。改めて言うけど、私の名前はサギリ・サクライ、よろしくね」

「クロウ・ブルーストだ。よろしく頼むぜ、サギリ」

 

互いに自己紹介が終わったところで、サギリは目を細めてクロウに近づく

 

「じゃあ、その並行世界のことについて色々聞かせてもらえないかしら?」

「おう、そのうちな」

「今、聞かせてもらえないかしら?」

「いや、だからそのうち…」

 

ガシッ!

 

「ひ!」

 

いきなり肩を掴まれたクロウはどこぞの外務大臣のような悲鳴をあげる

 

「私、これでも腕に自信があったから、しっかり理由を聞かないと納得いかないのよね〜」

 

サギリから逃げられないクロウは蛇に睨まれた蛙のように硬直し続け…

 

「アマサキ課長…今後の具体的な業務プランについて聞かせてもらえませんか?」

「そうですね。サクライくんもそこまでにしておきましょうか」

「…はい、分かりました」

(助かったぜ、鉄也…)

 

スッと手を離したサギリから距離を取りながらクロウは鉄也に感謝するのだった

 

「それで、結局どうするのですか?」

「まさか各地のテロリストや山賊団を退治しろと?」

「それについてはゴードウィン社長からの特命が入っています」

「特命か…心躍るな」

(嫌な予感しかしない…)

 

ラミィは心の中でそう思い、そしてその不安は的中した

 

「これより特務三課は火星へ向かいます」

「火星!?」

 

火星は地球以上に無秩序な場所、そこはまさに『黄昏の時代』を如実に表した荒廃とした星であるのだ

 

「動乱の星、火星か…こいつは忙しくなりそうだな」

 

未だ見ぬ荒廃とした星、そこで待ち受ける何かにクロウは考えを寄せるのだった

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