所謂主人公補整ですね。
「急なことでごめん!!ちょっと力を貸して!!」
いきなりそんなこと言われても困る。
こっちはなにもわかっちゃいないんだぞ?
言いたい言葉を飲み込んでまずは現状の把握をせねば。
「まずここはどこなんだ!?あんたは誰!?」
人としてはまず至極真っ当な質問だと思った。
しばらくすると前に座っていた女の子が振り返って短く答えを伝えてきた。
「私はヒカリ・ソラ!この子はソリディア!!」
という情報を頭の中にいれる寸前に、
下からビームが襲ってきた。ソリディアとかいう機体が横に動くとまた頭が揺さぶられる。
機体、といったが、何故分かったのか、と言う疑問はあると思う。だが思い出してほしい。俺は「ゲーセン」にいたのだ。
「俺は...こいつを見たことがある。」
正直独り言だったのだが、ヒカリが反応した。
「ソリディアの事知ってるの?ならちょうどいいや!そこのペダル踏んで!」
ソラが示した視線の先の右ペダルに脚を伸ばす。
確か筐体だと...フルドライブ、だったっけか。
ペダルを踏んだ瞬間、前のめりになるような感覚の後、身体が座席に押し付けられた。
【ソリディア コクピット内】
「一旦距離を離して...!」
彼がペダルを踏んでくれたことで、なんとかフルドライブで逃げられた。
目標は完全に戦闘モード。
まるで針ネズミみたいにビームを撃ちまくって
ソリディアを撃ち落とそうとしてる。
私というと、今は立ちながら操縦桿だけで操縦してる感じ。ペダルが自分で踏めないの歯痒い...なんて考えてた時、コクピットに見たことない表示が出てきた。
「「ダブル・エントリー?」」
その時、私の立ってる辺りがコクピットの後ろの方に移動して、「彼」が座ってる座席が私の足の辺りに移動した。
「お、おい!?どうなってんだこれ!?」
彼も動転してるけど、私も分かんないよ!!
ただ、いつもよりソリディアの動きがいい。
なんていうか、本気になった感じ!!
「これなら...行けるかも!!お願い、私の言うように動かしてみて!!」
【同時刻 アナトミア平静峡谷 外部】
ヒカリの機体が単独で飛び込んだ後、しばらく挙動不審だったのは間違いない。
戦略的にも、最の低。
だったのだけれど、今のソリディアはいつものそれとは段違いに早い。が、それと同時に危なっかしい。動きが変わる前、あの機体が輝いていたのを観測した。
しかし、原因、内容共に不明。
ヒカリは無線を切っているし...あぁ、もう!
事態が混乱してるじゃない!!
「なあなあ、援護しなくて良いのか?」
横の青い機体に乗るカズマの方から大分浮かれた声が聞こえてくる。
「今は静観しましょう。状況が分からない限り、合わせることも難しいですから。」
不確定要素が多い以上、迂闊には動けない。
「レイカは落ち着いてるね...」
落ち着いてなんかいない。むしろ大・混乱。
「とにかく、この作戦が終わり次第、状況を確認します。」
私はみんなにそう伝えるしか出来なかった。
【ソリディア コクピット】
ダブル・エントリーって文字が見えて、コクピットがすっげー変形を遂げた後、俺は無我夢中で操縦桿とペダルを操作していた。
後ろからヒカリが的確に指示を出してくれるお陰で、なんとか苦戦しながらも機体を動かせていた。
「俺...ロボットを動かしてる...!!」
俺だって男の子だ。一度はロボットの操縦に憧れたさ。
そしていま、実際にそれをやっている。
敵の機械のビームも彼女が回避のアシストをしてくれるお陰で今ひたすらライフルで攻撃できている。
もう何度目か分からない攻撃の後、敵の機械が転んだ。
後ろのヒカリ曰く、脚を潰せたらしい。
「思いっきり急降下で近づいて!!」なんて声のままに機体を思いっきり下へ加速させる。
ピンクの丸型だった画面のロックオン表示が黄色い四角に変わった。
「うおおおーっ!!」闇雲に攻撃のトリガーを引くと、さっきまで撃っていたライフルがなんと鎌に変形した!
「変形した!?」俺のそんな絶叫を気にすることなく、ヒカリは目の前の機体を両断して見せた。