学戦都市の“元”ボッチ 外伝〜新たなる祭典 黄昏星武祭〜   作:生焼け肉

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罰ゲーム? ③

 

 

冬香side

 

 

シルヴィア様とオーフェリアさんの仰っていた意味がよく理解出来ました。確かにこれは凄い破壊力です。それに先程の……唇に指を当てられたのは驚きましたが、それ以上に心臓の鼓動が何百倍も早く脈打っていた気がします。今は少しだけマシになっていますが、いつも以上に早くなっているのは確かです。シルヴィア様を挟んでいるからとはいえ、近くにいるものですから、落ち着けません。

 

 

八幡「お嬢様方、お味の方は如何でしょうか?全て私が1からお作りしたのですが、どこか改善点でもお申し下されば、今後の参考とさせて頂きますので。」

 

オーフェリア「………悪い所なんてどこもないわ。貴方が作った品はどれも美味しいわ、八幡。」

 

八幡「お褒めの言葉預かり光栄でございますが、やはり一個人としてはどうしても気になってしまうものでして……」

 

シルヴィア「でも、改善点って言う程酷いところは無いと思いますよ?オーフェリアさんのハンバーグだって見るだけでも美味しそうですし。」

 

冬香「シルヴィア様の言う通りでございます、八幡さ……ん。どれも素晴らしい味付けがされていると思います。不満や改善点は私にはございません。」

 

 

むしろ、この味で改善点を要求する人はどうなんでしょう?少しだけ味覚がおかしいと思います。

 

 

八幡「1度にお嬢様方全員から改善点なしのお言葉を頂けるなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます、お嬢様方。私としては是非お礼をさせて頂きたいのですが、あーんではダメでしょうか?」

 

 

シルヴィア「私はそれで大丈夫ですよ!(むしろこれ以上の事をされたら、意識が飛んじゃうよ!)」

 

オーフェリア「………私もあーんで大丈夫よ。それ以上のことは望まないわ。」

 

八幡「遠慮なさらなくてもいいのですよ?オーフェリアお嬢様。」

 

オーフェリア「………遠慮なんてしてないわ。貴方の奉仕は充分過ぎるくらい行き届いているもの。」

 

 

オーフェリア(こうでも言わないと八幡は誰かにやらせたがるわ。だから最初に釘を打っておけば大丈夫よね。大丈夫だと信じたいわ。)

 

 

八幡「冬香様は何かされたい事などはございますか?あれば何なりとお申し付けください。」

 

冬香「そ、そんな!?八幡様にお願いなど滅相もありません!!(あっ!?)」

 

八幡「冬香お嬢様?」

 

冬香「な、何でしょうか、八幡さん?」

 

八幡「いえ、何もございませんよ?シルヴィアお嬢様、大変申し訳ないのですが、この位置では冬香お嬢様だけ奉仕活動がやりにくいと思われます。私が真ん中の席にお座りしてもよろしいでしょうか?勿論それ相応のお礼はさせて頂きますので。」

 

シルヴィア「大丈夫ですよ、移動くらいでお礼なんて求めたりしませんから!どうぞ!」

 

 

シルヴィア様、どうしてそのような事を!?

 

 

八幡「ありがとうございます。では早速、冬香お嬢様から順にやらせて頂きたいと思います。スプーンを拝借いたします。」

 

 

八幡様は私のスプーンを取ると、オムライスを丁寧に掬い取り、私の前に出してきました。

 

 

八幡「はい、冬香様。あーんしてください。」

 

冬香「あ、あ……あーん/////」

 

 

味なんて分かりません。全く分かりません。八幡様からのあーんで頭がいっぱいです。それ以上何を感想にすればいいのかと思います。

 

 

八幡「如何ですか?」

 

冬香「と、とても美味しいです/////」

 

八幡「それは良かった。もう一口如何ですか?冬香お嬢様。」

 

冬香「い、いえ、時間もありますので、シルヴィア様にさせてあげて下さい。お待たせするのも申し訳ありませんので/////」

 

八幡「畏まりました。ではスプーンをお返し致します。ありがとうございました。」

 

冬香「い、いえ、こちらこそ貴重な体験をさせて頂きました///」

 

 

心臓の音が聞こえていないか心配です///それに、あーんなんて初めてされました。何故かは分かりませんが、心が満たされたような感じがしました。

 

 

八幡「ではシルヴィアお嬢様………もしかしてお飲み物の口移しをご所望でございますか?」

 

シルヴィア「ち、ちちち違います!!今たまたま飲んでいただけであって、そうして欲しいわけではありませんので!!ス、スプーンをどうぞ!」

 

八幡「ありがとうございます。ではシルヴィアお嬢様、あーんしてください。」

 

シルヴィア「あ、あぁ〜ん/////」

 

 

シルヴィア(あぁ〜冬香さんの感じが分かったかも。これ味なんて全くしない………それ以上のことでお腹と胸がいっぱいだもん。)

 

 

シルヴィア「………八幡くんから食べさせてくれると、どれも倍美味しく感じます///」

 

八幡「それは良かったです。もう一口如何ですか?シルヴィアお嬢様。」

 

シルヴィア「う、ううん大丈夫!それよりもオーフェリアさんにやってあげてよ!」

 

八幡「左様ですか?では前を少しだけ失礼致しますね、お嬢様方。」

 

 

八幡様は影に潜って向こう側の席に移動しました。お見事です。これが普通の形なのでしょう。ちょうど2対2ですからね。

 

 

八幡「さて、お待たせして申し訳ございません、オーフェリアお嬢様。」

 

オーフェリア「………いえ、そんなに待っていないから大丈夫よ。」

 

八幡「そのお詫びとして少し趣向を凝らそうと思っております。」

 

 

?八幡様は一体何をする気なのでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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