機動戦士ガンダムSEED C.E.81 ナイルの神   作:申業

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PHASE-04 ignited(4/7)

あの後、ダスティンとあの3人は、

「とりあえず、ご飯でも」

ということで、食堂に向かうこととなる。

時間帯は11時頃。

朝飯にしては遅すぎるが、昼にはやや早いという頃合い故、

必然的に食堂内はガラガラ、

彼らが入ってきたときには、

奥の方で係の者が朝食の片付けでもしているのであろう、

水の音、あるいは蒸気の音などが、

思いの外大きく聞こえてきていたところだった。

「……これは広々使えるねぇ」

と呑気そうに笑うダスティンとは裏腹に、

「何か職員の人に悪いね」

なんて苦笑するヴァイデフェルトがいたりして。

ダスティンの向かいにヴァイデフェルト、

ヴァイデフェルトの右にシージーという配置でもって、

カウンター向かいの左端の方へ陣取った彼ら。

テーブルの上、ヴァイデフェルトとシージーの前には、

お冷やが置かれている。

間もなく、ダイがカウンターの方から来て、

「……11時半からだそうだ」

との報告と共に、ダスティンの左側に腰かける。

それと同時に、自身とダスティンの前にお冷やを置き、

ダスティンから手を上げて、

「ありがとう」

とのジェスチャーを受けた。

「やっぱり早すぎたね」

「だな」

見合わすヴァイデフェルトとシージー。

……その実、2人ともダスティンに何を話したものかと、

困っている様子で。

しばらく見合わせたままでいれば、

「……ホーク小隊長」

と口を開いたダイの方へ、視線が移ろう。

「別にダスティンって呼んでくれて構わないよ?

年齢的にも何歳もは違わない筈だし」

笑うダスティン。

直後、例の2人の視線が今度はダスティンに向いた。

以降、彼女らはテニスの審判みたいに、

ダスティンとダイと、

話し手が変わるごとにそちらへと顔を向き直すこととなる。

「……それなら、ダスティン。ひとつ聞かせてもらっていいか?」

「幾つでもどうぞ」

その前に、とお冷やを口まで運ぶダスティン。

「……フレイヤ隊への異動は命令か?志願か?」

「んー」

そう声を漏らしたとき、ダスティンの口は、

まだお冷やの入ったガラスのグラスから離れていなかった。

ゆっくりとテーブルに置くと共に返答する。

「……両方って答えるのが、正確なんだよねぇ」

ダイは黙ってしまった。残りの2人も反応できないでいる。

「行けってのは、まあ、命令というか……

んー、何て言うんだろう?提案されたって感じなのかな?

ぶっちゃけ、俺以外にも何人かの小隊長に声かけてたみたいで、

俺はに……アスカ副長の部隊ならって思って、

じゃあ俺が行きますってことになったんだよ」

「兄さんの部隊だから……か」

「……えっ?」

ダイの返答が意外だったのか、犬のように首を傾げるダスティン。

次に反応したのはヴァイデフェルトだった。

「あっ!」

とダスティンを指差し、直後に本人が振り返れば、

失礼と思って慌てて手を下ろした。頬がうっすら赤みを帯びる。

「あっ、あの……」

なんて顔を下げるヴァイデフェルトに、微笑みかけるダスティン。

シージーだけは状況が分からないという風な顔で、

ヴァイデフェルトの横顔を見つめていた。

そんな状況で切り出したのはダイ。

「シージー」

名を呼ばれて向き直るシージー。

「……あの戦場で、副長のことを、そう呼んでいた者がいただろ?」

「…………」

答えらぬまま、ずっと目を見ているのが辛かったのだろう。

上を向いて目を反らすシージー。

「……『凄いよ、兄さん』とか、なんとか言ってよ」

ダイの言葉。

「確か……『流石』って言ったと思うんだけど」 

遮る、そんなダスティンの顔をダイが瞬時に向いて睨む中、

「あぁ……あの赤いジ・ゾウムのパイロットか!」

なんてシージーが思い出すのである。急にダイの方を向いて。

ダイは、いやダスティンをも、振り向く。続く、

「今度からは、セイバーのパイロットになるけどね」

とのダスティンの応答には、

「「えっ!」」

とヴァイデフェルトとシージーとが同時に反応したが、

ダイだけは動じることなく、お冷やを飲んでいた。

少しばかり恥ずかしそうに顔を見合わせる2人に対して、

容器の上の方を掴んでいた指を目安とするなら、

もう指の2、3本ばかし分だけあった水かさが、

この指の1本分ほど下に一本線を描いたところでもって、

ダイはグラスをテーブルに音が立つ程度の荒さで叩きつけた。

自然、右と向かいの視線がダイに向く。

「問題はそこじゃない」

とは、ダイの台詞。

左右の前髪が垂れる中、隣からでは見えない程に顔を下げたダイを、

ダスティンは横目に見ていた。

「アンタが……

ルカーニア司令のスパイじゃないって、証拠はあるのか?」

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