機動戦士ガンダムSEED C.E.81 ナイルの神   作:申業

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PHASE-12 砂漠の巨獣(3/7)

言葉を失い、動きすら一瞬止まってしまった《Im/A-P》を見下ろし、

その巨大モビルアーマーのコクピットで彼は言った。

「絶景哉(ぜっけいかな)、絶景哉……」

フェルディナンド・ドナウアー、これ以上ないという笑顔にて。

「何分、ワタクシ……普段は水中での戦いを主にしておりますから、

こう陸上で、しかも敵を見下ろす構図……

優越感、といっては、いくらか下品ですがねぇ。

いやぁ……モビルアーマーと聞いた折は、

どうなることかと身構えましたが。これはいい。素晴らしいですよ」

なんて聞き手のいない自分語りが始まって。

その間も、ダイの攻撃は続いているが、ダメージはない。

「傷付かぬ体……羨ましい限りです。

ワタクシも今年で35歳!心身ともに衰えを感じてしまいますから」

ドナウアーが嬉々として語る横で、アレハンドロとダイが、

『データで見たぜ、コイツは……《ドヌ・ゾド》だ!』

『あぁ……知ってるよ!俺だってな!』

『気ィつけろ!ティンドゥフじゃ、シゲル隊が……』

『知ってるっての!』

なんていさかいを起こしているが。

続いて動いたのは、ダイでも、アレハンドロでもなく、

ラグネルの《ガイア》だった。

欠損した後ろ足をものともせず、三本足で地面を蹴った。

頭部に螺旋(らせん)を描いた光が、角となって、

《ドヌ・ゾド》のボディへと突き刺さる。

……突き刺さる筈だった、というべきだろうか。

『!?』

角の先端部が《ドヌ・ゾド》のボディに抵触した瞬間に、

それが鹿のもののように枝分かれたしたかと思うと、

勢いで前に出る《ガイア》と《ドヌ・ゾド》との間にあって、

押し潰されるように霧散した。

『……こんなことが!』

『サンマルティン!退け!』

ダイすらそんな声をかけたが、流石に遅すぎた。

太い幹がごとき右腕が動き、《ガイア》の頭を荒っぽく掴むと、

ヌンチャクでも振るうみたいに、地面へと叩きつけた。

フェイズシフト装甲に守られた《ガイア》のボディは、

地面に頭から叩きつけられようとも、損傷らしい損傷はないが、

中にいたラグネルはその限りではなく。

それから《ガイア》は動かず、

『おい!サンマルティン!返事をしろ!』

なんていうダイの呼び掛けに、答えも返さない。

「可哀想に……苦しむ暇もなかったなら、幸いですが」

そう言い、ゆっくり手を離させるドナウアー。

壊れた玩具を手放すように、

横たえられた《ガイア》はそれでも動かない……

『……クソッ!』

そう語りながらも、何故かビームガンを戻すダイなのだった……

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