敗れ去った夢の先で   作:一辻梨

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うちは一族が報われなさ過ぎて辛い……


マダラを筆頭に幸せになって欲しいと思って書いた。誰かうちは一族救済のの二次作書いて下さい。描くのでもいいので。


終わりと始まり

 

 

 

陽の光が差し、仰向けに倒れた男とその側に腰掛けた男がいた。

 

 

 

「ガキの頃、

 

お前は『俺たちは忍でいつ死ぬかもわからぬ』と言った。

 

 

 

互いに死なぬ方法があるとすれば敵同士腹の中を見せ合って、

兄弟の杯を酌み交わすしかねぇと

 

 

だがもう互いに死ぬ。

 

 

 

今なら、

 

 

 

ただ戦友として酒を酌み交わせる。」

 

 

 

もはや、目も見えず触覚も鈍くなっていたが遠退く意識の中で友の声は確かに聞こえていた。

 

 

 

 

「……戦友…か…

 

 

まあ…それなら…俺たちも……」

 

 

 

方や夢破れ、方や夢を未来に託し繋がっている。

 

きっと、自分が行く先は友や遠く先に行った弟とは違って地獄だろう。

 

酒を酌み交わせると言ってくれた、ことは何処か嬉しかったが。

 

 

眠る様に薄れゆく意識の中で永遠の眠りにつく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのはずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眼を開けた先に

写ったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塀に囲まれた屋敷の和式の一室。

 

 

「サスケ、眠いのか?」

 

聞き覚えのない声に顔を上げると頭を撫でる幼い少年がいた。どことなく、うちは一族の顔立ちのような気がする。見知らぬ顔だが、知らない人ではないような気がする。

 

 

 

 

「なんでもないよ、にいさん」

 

 

声が、違う。幼い子供の声で口から滑るように言葉を紡いだ。

 

 

「イタチー、ちょっと手伝ってくれるー?」

 

自分から出た言葉に戸惑っていると違う部屋から女の声が聞こえ、額に指を押し当てて困ったように微笑まれた。

 

「許せ、サスケ。母さんが呼んでる。また後でな」

 

 

まるで弟に言い聞かせるように言われ、縁側からその少年は足早に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうことだ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポツリと溢れた言葉は、子供部屋に虚しく響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……わけがわからん…」

 

 

 

桟橋から川面には幼い少年の姿が座り俯いている姿が浮かんでいた。

 

否、幼いのは見た目だけ。

中身は100に近いジジイのはずなのだ。

少なくとも、永遠の眠りについたときは全盛期のガタイが良かったが、こんなヒョロい砂利では無かったはず。

 

 

 

そう、自分は戦友と酒を酌み交わすと話して死んだはずだった。一度ならず、2度めの死。

 

 

一度死んだことがあるのだ、その感覚は間違いなく死んだと分かっていた。

 

 

それなのに、弟であるイズナに——、似た顔をした確か、自分を倒した片方、同族のサスケという男なのだ。

 

しかも、木ノ葉隠れの里。

うちは一族なのだ。

 

状況把握のためにさまざまなことを聞き耳を立てたり、調べた。

 

 

誰も彼も、自分を“サスケ”と呼ぶ。父は族長のうちはフガク、母はうちはミコト。

兄はうちはイタチ。

 

恐らく、自分がサスケになのだろうとも分かる。

だが、なぜこの様な状況になっているのかが理解不能だ。

幻術でも夢でもない。

 

自分の都合の良いような夢である無限月読でもなさそうだ。

 

第一、この男の子供の頃になるなど理解ができない。

 

この身体から見るに過去であろうと検討をつけた。

 

火影岩ですら四つしかない。五代目と名乗っていた軟弱な柱間の孫の顔岩がないのだ。それに三代目様が今の火影だと話を聞いた。

 

 

 

打つ手なしか、とため息を吐こうとした時誰か背後にいるのに気が付き、振り向きながら川の方へ飛び退き、水面に片膝を着きながら構えた。

 

 

 

「あいかわずか。

 

 

うしろにたたれるのがにがてぞ」

 

 

 

金髪碧眼に両頬に三本の痣。しかし、話し方が———

 

 

 

 

 

「はしらまァ!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ーーーー

 

 

 

 

「つまり、よくわからんがおまえはうずまきナルトでおれはうちはサスケというじゃりになった、と」

 

「いろいろためしたんだがの。げんじゅつでもないし、サルもこころなしかえどてんせいのときよりもわかいんぞ」

 

結論。

 

 

よく分からん。

 

 

 

 

柱間もとりあえずあの時よりも過去ということだけはわかった。

少なくとも、本来というのも変だが俺が死んで数年後の年辺りと検討はついた。

 

 

柱間曰く、ナルトは柱間の。

サスケは俺の生まれ変わりみたいなものだったと、六道仙人が言ってたそうだ。

 

 

そんな感じはしていた。

 

 

 

 

まあ、縁が無いわけではないからか納得のいく人物に憑依というか成り代わっていることだけは確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまえとオレ、たしかにここにいる。すくなくともこれはゆめではないのはたしかなことだ。」

 

 

夕陽が照らす、穏やかな陽射しの中で柱間は腕を組み頷いた。

 

 

 

「そうだな、

 

 

いまのからだではさけをかわすことはできんが、いつかかわそうぞ!

 

 

ともとして、はらわたをみせあっておなじかまをくらうのもいっきょうぞ!」

 

 

 

 

その和かでありながら豪快な笑みにあまり変わっていないと感じる。

 

 

 

「あいかわらずだな。

 

だが、それもいいな…」

 

 

その返答にうんうんと言わんばかりに柱間は頷いた。

 

 

「あらためて、

 

 

もと“せんじゅはしらま”こと

 

 

 

“うずまきナルト”だ。これからよろしくな!」

 

 

柱間…いや、ナルトは右手の人差し指と中指を出したいわゆる和解の印を差し出した。

 

かつてのことを流し、仲直りしようという意図であると分かった。

 

友にもう一度なろうと、彼は言っているのだ。

 

 

「フッ……

 

 

もと“うちはマダラ”の

 

“うちはサスケ”だ。こっちこそよろしくたのむ」

 

 

 

左手でナルト同様に印を差し出し、握る。

昔から忍の印。

 

 

 

 

決して許されないことを行ったと思う。

 

 

 

 

柱間の夢はまだ続いていく。

 

 

 

俺の夢は破れた、ならば—————

 

 

 

 

 

「サスケ!」「ナルト」

 

 

 

 

 

互いに名前を呼ばれ、その方方に顔を向けた。

 

 

 

 

 

「帰りが遅いから心配したぞ。母さんも待ってる。

 

 

 

…友達か?」

 

 

「あ、うん。そうだよ」

 

 

口から流れるように出る言葉は恐らくサスケ本来の言葉なのだろうか。

そして驚いたような顔をするな、柱間ァ!

 

 

「ナルトよ、友達か?」

 

 

「そうなんだよ、じっちゃん!オレのともだちだ!」

 

 

おまえも大概だろ!そして三代目火影はほうほう、と目を緩めて嬉しそうにしてからしゃがんで、これからナルトを宜しくのう。と言われた。言われなくとも仲良くするつもりだ。

 

 

 

 

「じゃあな、サスケ!」

 

 

「またな、ナルト」

 

 

 

 

互いに別れを告げ互いに家路に着いた。

イタチに手を引かれて帰るのはどことなく暖かな気持ちになった。イズナの手を引いた幼い頃の記憶が心に浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは少年が火影になる物語ではない。

かつての火影とその友が再び歩む物語である。

 

 

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