俺がうちはサスケとなり、柱間がうずまきナルトとしての日々はあっという間に過ぎて
かつては二人揃えば地形を変える絵師泣かせと言われていたが、今となってはチャクラや身体能力が年相応にしか扱えず悪戦苦闘。
うちは一族は精神エネルギー寄りの隠遁が得意な一族だからか、成長して身体が出来上がっていくと身体エネルギーが成長と共に増えていき自然とチャクラを多く練れるようになる。
写輪眼は精神の負荷によって開眼するのだが、その負荷が魂に刻まれているのか須佐能乎や輪廻眼にもできた。このあたりは穢土転生の感覚に近いようで写輪眼、万華鏡写輪眼、輪廻眼と切り替えることができた。しかし、チャクラが足らず僅かな時間で解けてしまった。要成長ということだ。
一方、柱間ことナルトは…九尾が封印されているからか本来のチャクラも膨大なはずが練り難いらしく術の発動の難易度が高いらしい。それでも発動できる柱間はやはり、桁違いだ。
むしろ人間なのか疑いたくなる。
俺が全盛期なら渡り合えるのはコイツぐらいだが、短期決戦に持ち込むしか勝ち目はない。
「しかし、感慨深いものぞ。
昔二人で話したことがまさか自分自身で体験するとは…」
喜色満面の笑身を浮かべ意気揚々としている
柱間が見たかった、夢の橋架け。子供を死なせないために訓練するための教育機関。
俺は誰かに任せることなどできなかった。幼くして死んだ兄弟。そして若くして死んだイズナ。
俺はそんな因果が許せるはずなど無く、ただ一人先走った。背後に立たれるのが嫌な俺は誰かに任せれず、ただただその因果を壊すべく暗躍した。人形のように人を操り、蜘蛛の糸のように策を張り巡らせた。全て俺の手でしなければ気が済まなかった。
誰かに任せるなど、人を信じることができなかった。
弟しか信じていなかったのかもしれない。唯一の繋がりで、柱間との繋がりをあの日あの河原で家族のために断ち切ってしまったから他の繋がりなど脆く感じてしまうようになったのだろう。
その弟すら失って、何もかも信じられなくなり残ったのは弟に託された瞳力だけ。力だけしか信じれず、千手に裏切られると疑って疑って。
柱間が裏切るはずも無いのに、腑を見せ合っていたのに戦を無くすために動いていたと知っていたのに。
たった一人の腕では届かないと分かっていたのに、それを自分だけで行うとしていた。
誰もそんな思想に付いて行けないところまで来てしまったのだ、俺は。一族の誰もが俺を見放すはずだ。
皆、戦に疲弊していたのだ。柱間によってようやく手に入れた平穏。憎き相手だとしても愛する人が、子が死なないならば受け入れるべき同盟だったのだ。
まだ見ぬ先を裏切りを恐れて、人を信じれないあまりにこの同盟から離反するべきだと。力で他国をも抑え込み、畏怖されれば誰も争いなど起こさないとばかりに思って柱間のように互いの腑を見せ合おうとしなかった。
今更ながら俺は気付くのが遅過ぎる。いつも間に合わない。失ってから嘆く。
「まあ、オレたち自体がイレギュラーみてぇなモンだろう。今は一介の生徒になったんだ。砂利に合わせれるとは思わんが…この時代の知識を得るのには最適だ」
今こそ取り零さないために。得られるものは何であろうと得るつもりだ。
「まだ自分もガキだろうにそう言って…
それもそうだ、俺たちの知識では年代が違う。擦り合わせが大事だろう。
そういえば、サスケの保護者は誰が来るのだ?」
「父さんだ。別に来なくとも平気だが、兄さんが気を使ってな。」
いい歳過ぎたジジイにとってはどうでもいい行事なのだが、イタチが納得しなかったのだ。
自分が暗部に入隊するというのに、休んでまでして来ようとした。
優秀なイタチを里とのパイプ役に仕立て上げようとしているのは分かっている。少なくとも聡い子だ。
若いというのにこの歳で感情皺ができてしまうほどに思い悩んでいるのだ。
自分もそうだったが、うちは一族というのは弟想いが多い。特に長兄であれば余計に。
父親が期待してくれているのは分かっていても、自分よりも弟を優先させたいと思うのだ。
“別に大したことじゃないから来なくてもいいよ”
そこはかと無く、やんわりと入学式程度気にしなくてもいいと断ったのだが、
“いや…、
暗部入隊というそんな大事な日にもかかわらず、弟を優先するイタチに対してフガクはため息をついてイタチの暗部入隊の方を諦めて俺の入学式に来ることになったのだ。
ハァ…とため息をつくとニヤニヤとナルトは笑う。
地味な冷やかしだろう。
「愛されとるの。気恥ずかしいのか?」
「そんなんじゃねーよ。
ったく、行くぞナルト。
長ったらしい話聞かなきゃなんねーんだからな」
今回の入学生徒の大半が並んでいる。
壇上前には火影や中忍教師が並び、生徒たちに並ぶように声かけをしている。
さっさと行こうと適当に最後尾に混じった。
ナルトも慌てて並びに入り、丁度真横に滑り込んだ。
「まだ直っとらんのか…」
周りに気が付かれないように唇だけ小さく動かして、話しかけられた。若干呆れているようで最後尾に並んだ意図に気付いたようだ。
「癖というものは死んでも治らんから癖なのだ」
「開き直ってどうするんだ」
これだからお前は…とこめかみに手で押さえていた。
これでも直そうとサスケになってからでも努力してんだからな!
後で月読説教だ!
ナルトがブルっと震えて腕を摩っていたのは余談だ。
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「話長すぎたんぞ…途中から殆ど聞いてなかったけど」
「話半分だな。
天気の話から生徒に対しての心得までは聞いていたが」
はあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛息を吐き、と顔が死んでるナルトに気持ちが分からんでもないが、流石に衆目の中でそんな様を見せるわけにもいかない。
膝を抱えてしゃがみ込んだナルトに肩を叩いて教室に向かわなければならないので急かす。
白くなるなよ、こんなところで。
大人たちがナルトを見て、ヒソヒソと話している。
「何で
舌打ちを一つして、疲れているナルトに声をかける。
「ほら、早く行くぞ。
後で久しぶりに水切りしねーか?
それを聞いたナルトはバッと顔を上げて立ち上がると肩を掴んできた。
「本当か!?嬉しいぞ!
修行修行とほぼ毎日言ってるお前が誘ってくれるなんてな!」
本当だと返すと、やったー!と嬉しそうにキラキラと顔を輝かせた。
こうしてはいられないとばかりに、教室へ向かうべく人混みから避けるべく人の間をすり抜け、壁を足場にして走っている。
「待て、ナルト!」
原因を作ったのは俺とはいえ、元気だ。
何かやらかしそうで放っておけない無いので追いかける。
全く、ガキかよ。
壁を走っているのを周囲が驚いていたが普通にこの年でできるのは普通なはずだったが、入学初日に壁を走るのは目立つのだろう。
後日、知った話だがこの時代ではこの年齢でのチャクラコントロールはあまり教えられていないそうだ。時代の流れって不思議だ。
「よしっ、一番!サスケは遅いな」
指定された教室に最初に着いたナルトに拳骨を一発食らわす。
「痛っ、何するんぞ!」
「そりゃ最初に走り出したんだから一着になるだろーが。
そんなにはしゃいでガキかよ、てめーは」
子供だぞ、と胸を張ったナルトにもう一発叩いておいた。
お前、孫いたぐらいの爺さんだろうが。
何でこう…落ち着きが無いのだろうか。
ジジイとジジイがはしゃいでる姿を想像してしまい、ちょっと落ち込みそうになる。
身体はガキ身体はガキだと暗示をかける。
ちょっとばかり、衝撃が強すぎた。
「大丈夫か…?
それはそうと、嬉しかったぞ。お前から水切り誘ってくれて」
ナルトははにかみ、嬉しそうにしている。
どうやら、俺からの誘いは普段は手合わせが多い上に遊びなどが滅多にないらしい。
むしろ遊びと言われても思い浮かばんのだが。
そんなことよりも術に関しての本や修行の方がいつも有意義だと感じてるのだが…
まあ、子供らしくは無いだろう。
道徳に関する本とか読まされるけど忍に必要なのだろうかと訝しんでしまうのは末期だろう。
ゾロゾロと他の生徒や保護者が教室に入ってくる。
もちろん父さんも来たが、どうやら担任の先生らしき人と話し込んでいたようだ。
適当な席に座り、明日からの準備物などを特に保護者に対して説明され子供に対しては明日は座学であることや自己紹介を考えて来るようにプリントを配布された。
平仮名でなまえ、とかすきなもの。とか。ガキ扱いかよ、と思ったけどガキだった…
「いやはや、流石はフガクさんの息子ですね。
入学試験は同率で主席ですよ」
「ええ、イタチ同様に親として誇らしいです」
説明会を終え、鞄に配布プリントを入れて教室から出たところで父さんと教師が話し込んでいた。
社交辞令地味ているがイタチを引き合いに出すのはやめた方がいいと思う。俺じゃなければ性格歪むぞ。
「もう歪みようねーほど拗らしてるからな」
「言うな…分かりきっていることだ」
ナルトによるジト目からのツッコミは的確すぎる。
何で俺はあんな…救世主やら俺が最強やらほざいていたんだろう。
過去を振り返ってみるとこう、
中二病?というヤツを患っていたんだろうか。
「安心するんぞ。元からうちは一族は中二病要素高いから」
「うちはを舐めるなよナルト!今から白黒つけてやる」
ナルトを殴り、ブチ切れた。
ゴン!と石を叩いたような音だが、コイツはこれくらいで死ぬはずもないから大丈夫だ。
例えコブができようともすぐに治るのはズルいと思う。
襟首を引っ張り、引きずりながら父さんを横切りながら一応声をかけておく。
「父さん、ちょっとナルトと白黒つけてくる。
試験が同率だったからさ。
あ、夕方には帰るから」
「あ、ああ…
夕飯はナルト君連れて来なさい」
若干ポカンとしていたが、しばらくせずに状況が把握できたらしく、正気に戻った。
流石に現役の忍は状況把握も早いようで何よりだ。
「分かった」
首だけ振り返りながら、頷いて返す。
「く、首が締まる…」
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河原での水切りは決着が着かず、結局は忍組手で体術のみでやって2勝2敗で夕方になってしまった。
月読は流石にやったけど、普通の忍なら精神崩壊とか写輪眼でできるけど頑丈なんだよな、月読で壊れないヤツは稀だし。
「いやー、久しぶりに水切りしたが腕は落ちてなかったな。
だがやはり持てる石が小さいのはな…」
「仕方ねーだろ、手が小さいんだからよ。
あー、稲荷かおかかおむすびだと良いんだが」
烏がカァカァと鳴いて山の方へと向かっている。
夕陽を後にしながらうちはの塀を越えて集落へと入る。
他族がうちはを恐れるあまりの政策とはいえ、いささかやり過ぎな気もする。
かつては捨てられたとはいえ、流石に同情を禁じ得ない政策だ。
これだから扉間とその弟子は嫌いだ。卑劣の系譜は受け継がれているし。
「オレはきのこ雑炊がいいんだが、サスケの母上の料理は美味しいからな」
玄関の引き戸を開けて、鞄を置いてついでに声もかけておいた。
「ただいま。母さん、ナルトは連れてきたからちょっと土落としたら入るから」
「はーい、手も洗って来てね。
ご飯もうすぐだから」
組手をしたせいで砂埃などが着いて、流石にそのまま入るのは憚れた。砂を叩いて適当に落とし、サンダルを脱いで中へと入る。
昔は草鞋で脱ぐのに時間がかかったとしみじみ思った。
ちなみに、赤飯だったのは残念だった。
美味しかったが。昨日食べたからダメだと困ったように言われた。稲荷寿司美味しいのにな。
代わりに明日の弁当はおかかおむすびを入れておくと言われてナルトから肘でつつかれニヤニヤとされた。
ナルトは母さんの亡くなった友人の息子だからか気にかけてくれている。九尾の人柱力とか気にせず俺とナルトがいることを厭わずいることには感謝の限りだ。
「あなた…」
「うむ…」
母さんに声をかけられて、ゴホンと父さんは咳払いを一つするとジッと見つめてきた。どうやら何か促されたようだ。
「サスケ…、入学試験は良くやったな。
このままイタチのように頑張りなさい。
それで、何か…欲しいものはないか?」
どうやら、入学祝いを与えたいようだった。
これは困った。特に強請るようなもので欲しいものはない。
なんの不自由もないし、手裏剣や苦無は母さんが修行だといえばよく渡してくれる。
助け船を仰ぐべくイタチに視線を向けると微笑まれた。
「サスケは普段からおねだりが無いからな。
父さんは、たまには何か欲しいものをあげたいんだよ。」
欲しいもの、か。
「父さん、俺は」
俺の言葉に家族の皆は目を丸くしていたがナルトはやっぱりかと察していたらしくニヨニヨしていた。
週一更新目指して頑張ります。